PANCRASE307でストロー級KOP戦を行う砂辺光久と北方大地が調印式に出席!「PANCRASEの中だけじゃなくて、よそでも強くなきゃいけない」

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 7月4日夕、都内新宿区のパンクラスで、ストロー級キング・オブ・パンクラスの調印式が行われた。この試合は『PANCRASE 307』(7月21日、新木場スタジオコースト)のメインイベントとして組まれている。
 初代KOP砂辺光久(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE)に挑むのは、北方大地(パンクラス大阪 稲垣組)だ。この試合は2016年12月、砂辺の初防衛戦として組まれた。1Rでリードしていた北方だったが、2Rに砂辺が一本勝ち。王者の底力を見せた。
 あれから2年半。砂辺は2018年、室伏シンヤの挑戦を退け「絶対王者」の名をますます揺るぎないものにするかたわら、RIZINに参戦、活動の場を広げて来た。
 対する北方は、その後、破竹の勢いで3連勝。今年4月、曹竜也との次期挑戦者決定戦を制し、再び砂辺への挑戦権を得た。
 砂辺は黒のジャケット、北方は黒のスーツで調印式に臨み、廣瀬隆司・パンクラスコミッショナーの立ち会いのもと、出場誓約書にサインした。

――まず、意気込みをお願いします。
北方「尊敬するチャンピオン・砂辺さんからベルトを奪って、新しい時代を作り上げたいです」

砂辺「まだ、俺の方がベルトが似合うんじゃないかなと思います。巻いてからもう10年。調印式も何回やってるんだろうという感じですけど、(北方は)最高のチャレンジャーだと思います」

――前戦から、どんなところが変化していますか?
北方「全体的に。ざっくり言うと心技体、全てパワーアップして、挑戦するところまで上り詰めて来たというところですね」

砂辺「変わってないですね」

――お互いの、ここ最近の印象はいかがですか。
北方「室伏選手と砂辺選手の試合(2018年4月)は、個人的に、砂辺選手、勝ってくれと思っていました。僕は、ベルトを獲るなら砂辺選手と闘って獲理たかったので、ホッとしました。
 RIZIN参戦は、チャレンジされているなと思いました。勝敗は関係なく、砂辺さんにずっとベルトを巻かせている状態に、不甲斐ない自分を感じていました。砂辺さんには、あのとき(パンクラスを)背負ってもらっていたなという意識でいます」

砂辺「曹選手との試合(今年4月)は、北方選手が勝つだろうなと思っていました。強いから。そこまでも、3連勝していますよね。自分に負けた後、ほかの選手には負けないだろうなと思っていたので、やっぱりなという感じです。
 どの試合をとっても圧勝していますよね、穴がないというか。自分との前戦でも、1Rは北方選手が取っていますし、強いなと思っています」

――北方選手は、先ほど砂辺選手を尊敬しているとおっしゃっていましたが、どんなところを尊敬していますか?
北方「まだ勝っていないので仲良くはできないですけど、シンプルに、人としてナイスガイだろうなと思っています。リング外の人間性とか、社会的な活動とか。たまに記者会見で乱闘とかありますけど、ああいうのは本物じゃないという気がします。日本には日本の格闘技らしさがあると思います。そういう点で、格闘技以外のことも含めて、対戦相手として尊敬しています」

――さて、二度目の対戦、二度目のタイトルマッチです。前回と今回で、何か心境の変化はありますか?
北方「2回目はどうなんだろう、再戦ってどんな感じなんだろうと思いそうなんですけど、周りの人が思っている以上に、自分では何もないですね。自分が強くなることだけにひたすら集中して来たせいかも知れません。もちろん、砂辺さんを尊敬していますし、リベンジもします。でも、自分でも、もっと力んだりするのかなと思いましたけど、(特別なことは)何もなかったですね」

砂辺「あの時も、今回も最高・最強のチャレンジャーです。1回目に試合をした時は1Rで負けているので。今度の試合は、負けた北方選手としては、すぐにもう1回やりたいと思ったんじゃないですか。前回は弱いところを見せちゃっているので、今回は『もう、しばらく砂辺とは無理だな』と思わせたい。前回は、いける、と思ったはずです。でも今夏は、砂辺がKOPでいる間は無理だと、ハッキリ差をつけたい」

――ONE Championship両国大会(10月13日)で、パンクラスと修斗の王者対抗戦が組まれると発表されました。これについてはどう思いますか?
北方「シンプルに、格闘技回が盛り上がって嬉しいという感じです。特に思い入れがあるわけでも、誰かとやりたいというわけでもないですけど、周りが盛り上がっている中でやれるなら嬉しいですね」

砂辺「ONEについては、パートナーシップ締結の件についても寝耳に水だったので。やりたい人がやったらいいと思います。仙三(現フライ級王者)選手がやりたいと言ってるようなので、いいんじゃないですか。それはそれでいいと思います。どちらかというと、RIZINで越智(晴雄)と再戦したい気持ちの方が強いですね」

――砂辺選手、今回はどんな試合にしたいですか。
砂辺「北方選手も言っているように、俺はパンクラスを背負って(RIZINに)行きました。そこで、もし万が一、今回俺が負けてしまったら、(北方選手は)『俺が行っておけばよかった』と思うと思います。でも、今回、結果を出して『砂辺だからあっちに行けたんだ』と分からせなきゃいけない。(越智と)再戦したら、今度は分からないぞと思わせないと。こんな試合をしてるのか、これではまたやっても一緒だとか思われたら、パンクラス自体がナメられてしまいますから。やっぱり、いろいろ考えることがありましたね」

――北方選手、前戦の1Rは自信になりましたか?
北方「自信というほどでもないですね。試合前の練習の段階から自信があったので。だから、試合の結果を見て特に自信を深めたというようなことはないです。それより、悔しさの方が大きいです」

――ここまで試合をこなして来たという自負はありますか?
北方「厳しい試合という感覚はあまりなかったですね。だから、自負というほどの重い感じではないです。砂辺選手に負けた時は『うわっ、悔しい!!』と。あんなに悔しい思いをしたのは久しぶりでした。だから、リベンジするしかないなと。そのためには、誰が来ても倒して行くしかない。その思いで一戦一戦やって来ました。『次はこいつか、よし、やったろ』と思いながら闘って行く中で、自信もついて来ました」

――砂辺選手、KOPとして見せたい姿は?
砂辺「バッテン(パンクラスのロゴ)の中では誰よりも俺が強いと思っていますけど、よそでも強くなきゃいけない。でも、RIZINではそれができなかった。とりあえず今回は、『パンクラスの中で、やっぱり砂辺は違うな』と思わせる試合をするだけです」

 再戦となるが、今、この階級でこれ以上のカードはないのではないか。軽量級のパイオニアにして絶対王者・砂辺が再び底力を見せるのか、龍のごとく上り調子の北方が初戴冠するのか。
 最高のカードが、今年の夏をスタートさせる。


(写真・文/佐佐木 澪)

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