飯伏幸太が棚橋弘至の“覚悟”を理解しG1 CLIMAXで悲願の初優勝!「新日本プロレスをみんなで大きくしていきたい」

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 12日、東京都・日本武道館にて新日本プロレス『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』が行われ、飯伏幸太がジェイ・ホワイトを撃破してG1 CLIMAX初優勝を果たした。

 Aブロック1位通過の飯伏は、10日の日本武道館大会で現IWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカを撃破して2年連続のG1決勝進出に駒を進めており、ジェイは翌日同所の大会で現IWGPインターコンチネンタル王者の内藤哲也を撃破してBブロック1位通過。
 ジェイは試合後に先に優勝決定戦に駒を進めていた飯伏を呼び出して襲撃。外道とともに飯伏の古傷である左足首をイスで殴打するなどの卑劣な攻撃を加え、決戦を前に両者の因縁は深まりバチバチムードが醸成されていた。

 どちらが勝ってもG1 CLIMAX初優勝の栄誉を得ることが出来、令和初のG1 CLIMAX覇者として歴史に名を刻むことになるこの試合、ジェイは序盤から飯伏の左足首に狙いを定めて場外戦での鉄柵攻撃やセコンドの外道と協力してのイス攻撃で痛めつけていく。飯伏が攻撃に転じようとするたびに左足への打撃やドラゴンスクリューなどの足攻めでリズムを崩していき、試合はジェイペースで進行。
 しかし、ジェイの張り手を食らってキレた飯伏は無表情で冷酷な打撃を連打していき、「来いよオラ!」と珍しく声を荒げながらジェイをダウンまで追い込み、コーナーで滾ってからボマイェを狙う。
 しかし、ここでジェイがバタリと倒れ死んだフリをしてレフリーチェックを入れてボマイェを回避したり、飯伏の左足首にすがりついてヘッドバッドを連打していくなどなりふり構わず勝利を狙う貪欲さを見せ、クロスアーム式ブラディサンデーやブレードランナーと必殺技の数々を叩き込む。
 しかし飯伏はこれを耐えきってジャンピングニーでカウンターし、ジェイの最後の抵抗を紙一重でかわしながらカミゴェを3発叩き込んでジェイを沈めた。
 デビューから15年、新日本プロレス初参戦から10年、飯伏幸太が4度目のG1 CLIMAX参戦にして初優勝を果たした。

 呆然としつつも顔に微笑みをたたえ、ぽろりと涙をこぼした飯伏はマイクを取ると「このG1は僕にとって本当に人生でも一番大切な一ヶ月になりました。去年僕は決勝で負けることになりました。でも今日もうやって一年ぶりにまた決勝のリングに立たせてもらって、そしてそこで勝つことが出来て本当に嬉しいです!でもそれは今回出場した20名、その他全選手が頑張ったからこうやってこの武道館を満員にすることが出来たと思います。何回も言うけど、僕はここで去年のリベンジを果たすことが出来て、最ッ高に嬉しいです!こうやってどんどんどんどん新日本プロレスをみんなで大きくしていきたいです。わかります。僕が言うことじゃない。でも僕に言う権利が回ってきたので言わせてもらいます。もう一回いいます。こうやってみんなで!みんなで!新日本プロレス!プロレス界を盛り上げて行くぞーッ!これから新日本プロレスはまた新しい時代に進みます!みんな一緒について来てください!」と叫ぶとファンは大歓声で飯伏を祝福した。

 バックステージに戻った飯伏は、「皆で乾杯しましょうよ」とマスコミ陣にビールを配り自ら乾杯の音頭を取ると頭からビールをかぶって悦びの声を上げる。そして「僕の中では覚悟があった“つもり”だったんですよ。今までも分かっていたつもりだったんですけど、分かっていたフリをしていただけかもしれない。今は本当に覚悟しています。自分が前に言っていた覚悟とはまた違う覚悟が出来ました」と優勝トロフィーを抱き寄せながら語る。
 そして『新日本プロレスをみんなで大きくする』という発言については「プロレスにはもっと可能性があるものだと僕は思っているので、もっと沢山の人に見てもらいたいなと。僕だけじゃなくて他の人とたくさん関わり合って盛り上げていきたいんです」と真剣な表情で熱弁した。

 飯伏は、今年4月の入団会見の際に、かつて棚橋弘至から『覚悟はあるのか』と問われたことに触れ、覚悟を表す答えとして『責任感』という言葉を使った。
 今の飯伏は新日本プロレスのみならずプロレス界全体を背負う想いを持っており、飯伏の中でG1 CLIMAX優勝やその先に待つIWGPヘビー級王座のベルトは“目標”ではなく、その覚悟を体現するための“手段”になったと言えるだろう。真に覚醒した飯伏がこれからどのようなキャリアを築いていくのか、今後も注目していきたい。

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