【試合結果】11・13 PANCRASEディファ有明大会 中井りんvsシャーリーン・ワット 朱里vsシャルマ・デバイア ビクター・ヘンリーvsハファエル・シウバ
『PANCRASE282』
日程:2016年11月13日(日)
会場:東京・ディファ有明
開始:15:00
観衆:2017人(満員)
【本戦二部】
▼第1試合 バンタム級 3分3R
○藤井伸樹(ALLIANCE)
判定3−0
●小宮稔大(パラエストラ八王子)
▼第2試合 ストロー級 3分3R
●リトル(GUTSMAN)
判定0−3
○前山哲兵(AACC)
▼第3試合 ライト級 3分3R
○冨樫健一郎(パラエストラ広島)
判定2−1
●ヤマモト ショーヘイ(CSW/HF)
▼第4試合 フライ級 3分3R
●井島裕彰(GUTSMAN)
判定0−3
○小川 徹(TRIBE TOKYO M.M.A)
▼第5試合 ライト級 5分3R
○長岡弘樹(総合格闘技道場DOBUITA)
判定3−0
●クリスMAN(パラエストラ八王子)
▼第6試合 フライ級 5分3R
●安永有希(東京イエローマンズ)
判定0−3
○仙三(FREEDOM@OZ)
▼第7試合 バンタム級 5分3R
○上田将勝(パラエストラ東京)
判定3−0
●福島秀和(BLOWS)
▼第8試合 ウエルター級 5分3R
●高木健太(リバーサルジム川口REDIPS)
判定0−3
○阿部大治(HMC)
▼第9試合 バンタム級 5分3R
●瀧澤謙太(リバーサルジム東京スタンドアウト)
判定0−3
○佐久間 健太(パラエストラ)
▼第10試合 ストロー級 5分3R
○朱里(VOS GYM)
1R 3分38秒 TKO(バックマウントからのパンチ→レフェリーストップ)
●シャルマ・デバイア
▼第11試合 セミファイナル フライ級 5分3R
○中井りん(パンクラス ヴィーナス)
2R 3分43秒 TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●シャーリーン・ワット(Incorporated Martial Arts)
▼第12試合 メインイベント バンタム級王座 次期挑戦者決定戦 5分3R
●ビクター・ヘンリー(CSW/HF)
判定1−2
○ハファエル・シウバ(ASTRAFIGHT TEAM)
※この結果により、バンタム級次期挑戦者はシウバに決定
【本戦一部】
▼第1試合 ストロー級 3分3R
○山田将太(KRAZY BEE)
判定3−0
●田丸慶輔(宇留野道場/HF)
▼第2試合 バンタム級 3分3R
○河村泰博(和術慧舟會AKZA)
判定3−0
●平岡将英(KRAZY BEE)
▼第3試合 フェザー級 3分3R
○齋藤拓矢(ALLIANCE)
3R 1分2秒 TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●手塚勇太(和神会)
朱里が1R勝利し「私が最高だーー!」とグラシアス!TKO勝利した中井りんの元に高田延彦が現れ「RIZINで村田夏南子とやれんのか!」
オープニング
UFCファイトパスに加え、TOKYO MXでの生中継、さらに今回からAbema TVでも生中継が始まったパンクラス。ゲストにお笑いタレント・チュートリアルの福田充徳さん、トリノオリンピック・スノーボード ハーフパイプ日本代表で、現在はサブカルチャータレントの成田童夢さんを迎え、華やかな雰囲気の中中継がおこなわれた。
福田さんはUFCが好きで、よく見ているとのこと。ゲスト席にはオープンフィンガーグローブを着けて登場し、解説の大沢ケンジとともに、目の前で繰り広げられる闘いに大興奮していた。
第1試合
1R、フェィントをかけながら追う藤井が、タックルから金網へ押し込む。小宮が立つと、藤井は投げるが、すぐ立つ小宮。藤井は片足を取って金網へ。バックに回り、チョークを狙うも終了。
2R、打ち合う両者だが、藤井のアッパーがヒット! 小宮も右パンチを当てる。しかし、藤井が内がけからテイクダウン、さらにマウントへ移行。小宮は立とうとするが、バックを取られる。藤井はチョークを狙うが、小宮も意地で脱出! 藤井が離れ際にパンチ。残り40秒、両者打ち合って終了。
3R、藤井が開始すぐにタックル。組んで金網へ押す。小宮はヒジとパンチで突き放す。藤井は粘り強くタックル。小宮はこれを切るが、藤井は諦めず押し込んでいく。小宮は離れて打ち合い、手数を出していく。藤井は組んでバックを取る。脱出したい小宮、させない藤井。残り30秒で小宮が脱出、打ち合って終了。判定は3−0で藤井。
藤井の落ち着いた闘いぶりと、小宮の負けん気がぶつかり、見応えある試合となった。藤井5年、小宮4年と、パンクラス参戦歴を重ねてきた両者の、さらなる成長を楽しみにしたい。
第2試合
1R開始直後から激しい打ち合い。前山がタックルから金網へ押す。尻餅状態のリトルをさらに押し、上になる。スタンドに戻り、打ち合いからリトルがバックを取り、金網へ押して終了。
2Rも意地をぶつけ合うような打ち合い。前山が組んで金網へ押すが、投げは無理。前山の片足タックルをリトルが切り、打ち合って終了。前山は少々つかれが見えるか?
3R、またも打ち合う。前山がタックルから金網へ。リトルは尻餅状態でこらえ、殴って立つ。前山が引っこ抜いたが、ここでブレイクがかかる。打撃を出し続けるリトル。前山は手数が少なくなったものの、意地で打ち合って終了。判定は前山。
お互いの気の強さで火花が散るような一戦。前山は素晴らしいタックルが印象的だったが、スタミナ強化が課題か。
第3試合
1R、打ち合う両者。冨樫が組んで金網へ押し、ミドルを打ち込む。離れて、お互いスピードある打ち合いで終了。
2Rも打ち合いでスタート。冨樫が金網で押し込むが、グラウンドにはならない展開。冨樫の巧みな上下打ち分けが印象的。
最終ラウンド。打ち合い、冨樫は回し蹴りを放つが、バランスを崩し、ヤマモトが上に。ヤマモトは金網へ持って行き、立たせない。振り切った冨樫が、猪木アリ状態から蹴り上げ、ヤマモトがかぶさったところで終了。
判定2−1で冨樫が勝利。ヤマモトも果敢に打ち合ったが、1R、2Rでもう少し明確なものが欲しかった。
第4試合
1R、タックルから金網へ押す井島。小川は入れ替えるが、井島が倒す。すぐ立った小川を金網へ押して行く井島。小川は入れ替えてヒザ。金網際の攻防が続きブレイクがかかる。小川はタックルから上になるが、立つ。井島も立って終了。
2R、打ち合う両者。井島がタックルから金網へ押すが、すぐ離れる。小川は鋭い打撃で井島を襲う。井島も負けずに打ち返し、両者とも出血している。
3R、井島が片足タックルから金網へ。小川はヒジを打ち込む。井島はバックを取るも、離れる。諦めず片足タックルを試みる井島。小川が入れ替えて離れる。ここで井島の攻撃がローブローとなるが、すぐに再開。井島は片足タックル、小川が切る。さらに井島はタックルから金網へ。小川が離れて打ち合って終了。打撃は小川がやや上回るか。判定は小川。タックルを切り続け、倒れない小川と、諦めず前に出続ける井島。両者の意地がぶつかり合い、手に汗握るような一戦となった。
第5試合
4位長岡、5位クリスMANの対戦。「そのランキング、もらいます!」「返り討ちにしてやる。試合でハッキリさせましょう」。
上り調子のクリスMANと、パンクラスに足掛け15年参戦している大ベテラン・長岡。果たしてどちらが勝利するのか。
1R、打ち合いから長岡がタックル、金網へ押して引っこ抜き倒す。尻餅状態のクリスMANはボディ、ヒジを打ちながら立つ。しかし、長岡は再び尻餅をつかせ、お互い殴る。ブレイク。パンチで出るクリスMANを長岡が金網へ持って行く。クリスMANがヒジ、パンチを見舞って終了。ジャッジは三者が長岡。
2R。長岡はタックルで金網へ押し込み、クリスMANは尻餅状態。立って入れ替え合う。引っこ抜きたい長岡、こらえるクリスMAN。長岡が倒した! しかし、背中はつけていないクリスMAN。立ってヒジ、ボディを連打するも脱出できない。ブレイクがかかってすぐに終了。このラウンドも三者が長岡を支持。
3R、クリスMANは長岡の封印を破ることができるか。クリスMANがパンチを出すと、長岡は組んで金網へ押し、尻餅をつかせる。一気に引っこ抜くが、クリスMANは尻餅から立ち上がる。ボディを殴り入れ蹴るクリスMANだが、長岡は胴をクラッチし、金網へ。入れ替えて投げるクリスMANが上に! サイドポジションからハーフガードでボディを殴る。中岡はエビで返そうとするが、クリスMANはついにマウントへ! バックを取り、首を狙っていくが、極まらず。しかし、長岡が返した! 金網へ押して終了。判定は長岡。
クリスMANは3Rで千載一遇のチャンスを引き寄せたが、長岡の泥くさい闘いの前に逆転出来なかった。長岡は相手の光を消し切り、一貫した攻めで自分の闘いをやり切った。まさにいぶし銀、ベテランの味わいだった。
第6試合
1R、距離を取って回る安永。タックルからテイクダウンするが、仙三はすぐに立つ。安永は再びタックルからテイクダウンするが、すぐに立たれてしまう。仙三は安永の動きに合わせ、ノーガードにしたりクネクネしたり。安永が金網へ押すと、仙三は離れてバックを取る。残り1分。仙三はパンチ連打するも、スリーパーは仕掛けられず終了。ジャッジは三者が仙三。
2R、安永のタックルにも倒れない仙三。安永がパンチを打って離れると、仙三は楽しげに笑っている。仙三は安永のタックルを切る。仙三の攻撃がローブローとなるが、再開。
安永が組みにいくと、上になった仙三はすぐに立つ。安永は足を取るが、仙三は振り切って潰す。仙三、ハーフからバックマウント、残り10秒でバックチョークが極まった! 安永がこれを耐え切って終了。2Rは二者が仙三、1人が安永を支持。
3R。仙三が打撃を打っていく。安永は金網へ押し込み、チョークを狙うも仙三は首を抜く。離れた仙三は、安永のお株を奪うような動き、パンチを打つと、安永は金網へ押し、立ちながらギロチン! しかし仙三は首を抜き、上に。安永立つ! 安永がタックルに行くが、仙三が上に。ヒジ、パンチを落として終了。お互い疲れている。判定は3−0で仙三が勝利。
第7試合
上田はパンクラスに参戦して以来3連勝中だったが、前回(今年7月)、ハファエル・シウバに判定負け、出直しの1戦となる。対する福島はパンクラス5戦のうち、敗れたのは昨年10月のビクター・ヘンリー戦のみ。その後、2連勝している。
1R。フェイントをかけながらパンチを打る上田がタックル。福島は背中に乗り横三角を狙うが、離れる。上田がタックルし、尻餅をつかせて上に。そのまま押さえ込んで終了。ジャッジは三者とも上田を支持。
2R、上田が組んで金網へ押すと、ヒザと肩パンチを打つ。離れて上田がタックルすると、福島は再び横三角。しかし果たせず離れる。上田がタックル、上になるが、福島は立ち、投げて上に。しかし、上田はすぐに立つ。上田が片足タックルから金網へ。テイクダウンし、福島が立ったところで終了。ジャッジは三者が上田。
3R。上田がタックルから金網へ押し込み、肩パンチ。ヒザを打ち込むがブレイク。上田はミドルからタックル、福島は横三角を狙うが立つ。上田がタックルをかけ、福島が攻めあぐねたまま試合終了。判定3−0で上田が勝利した。
負けた福島は、床を叩いて悔しがっていた。上田は、冷静に淡々と試合を進め、相手に攻めさせなかった。
第8試合
1R、いきなり激しい打ち合い。高木のパンチがヒット、阿部がダウン! しかし、すぐに立って再び打ち合う。阿部の右がヒットし、高木がダウン! 阿部はバックを取りラッシュ。テイクダウンし、パウンド連打。高木は亀になり反撃ままならないが、耐えて残り1分で立ち、打ち合って終了。ジャッジは三者とも阿部。いきなりの激しい展開に、会場の熱気が高まる。
2R、高木は少々疲れが見えるか。柔道出身の阿部は、寝技にもいけるはずだが、相手が倒れても、あくまで立ちで勝負を挑む。尻餅をついた高木に「立って来い!」と手招きする。高木の足もとが危うくなってくる。しかし、阿部も攻めきれず、とどめを刺せないまま終了。2Rも三者が阿部。
最終ラウンドも両者は打ち合う。高木はかなり消耗しているが、意地で立っているか。こんな高木はあまり見たことがない。高木にドクターチェックが入り、カットした右こめかみをチェック。少々は休めたか? 再開。
阿部がパンチで攻め続ける。高木が尻餅をついても立たせる。阿部が一方的に攻めたが、KOには至らず終了。判定フルマークで阿部が勝利。
第9試合
ストライカー同士の対戦。瀧澤はパンクラス参戦以来KOで3連勝。次戦はヒロ・ヤマニハに初黒星をつけられたものの、前回(今年6月)はルイ・サノデキスに判定勝利している。パンクラス中継の解説も務め、期待の若手だ。
対する佐久間は、今年7月、約2年ぶりの復帰戦でハルク大城にKO勝ち。8位にランキングされた。公開計量では「この試合は、瀧澤選手をプッシュするためのもの。今までこんなに殺意を持って試合に臨んだことはない」と発言した。果たして、どちらのケンタが勝利するのか。
1R、いきなり激しい打撃戦に。佐久間はタックルを試みるも、瀧澤は付き合わずローを入れる。佐久間はパンチからタックル。瀧澤は切る。佐久間の右パンチがヒットし、瀧澤ダウン! 佐久間が上になるが、瀧澤は立つ。打ち合って終了。ジャッジは三者とも佐久間を支持。
2R、ローキックで距離を取る瀧澤。佐久間はいいパンチを当てている。佐久間がタックルに入るが、瀧澤はすぐに立ってバックキック。瀧澤がパンチのラッシュに入り、倒れた佐久間にパウンド連打! しかし、止められるには至らず終了。2Rは三者は瀧澤を支持。
3R。打ち合いで始まるが、両者疲れが見える。佐久間はタックルに入るが、瀧澤は全て切る。しかし、そこから先の攻めに至らない。しかし、気合いで前に出て行く瀧澤。終了。
ジャッジは三者が佐久間を支持し、2−1で佐久間が勝利。佐久間のパンチの重さと強さは素晴らしかったが、明確な決め手が欲しかった。瀧澤も決め手となる打撃は見せられなかったが、タックルを切り続け、負けん気を見せた。会場をヒートアップさせる一戦だった。
第10試合
2連勝中の朱里。回を重ねるごとにMMAにフィットしてきており、3戦目の今回は初めての5分3ラウンドを闘う。
相手のデバイアは、当初の相手から急きょ変更。ムエタイをバックグラウンドとし、MMAは1戦経験しているという。
1R、ミドルキックを出すデバイア。朱里は前蹴りからロー、金網へ押し込んでパンチ。デバイアが押し返すと、朱里がフロントチョーク。これは極まらず。しかし、朱里はヒザ連打、さらに投げてバックマウント! 朱里はそのままパウンドを連打し、レフェリーが止めた。
喜びの朱里は「3戦目、勝ちました!! パンクラス、ボスジム、練習に付き合ってくれた選手仲間、応援してくれた皆さん、本当にありがとうございました!」と叫んだ。
さらに「この気持ちを身体で表現したいと思います。酒井社長! お願いします」と、パンクラス・酒井正和代表をケージに呼び入れ、グラシアス(プロレスのジャベ)をかけると「私が最高だああーーー!!」と吠えた。
第11試合
中井は、UFCに参戦後、今年7月にパンクラス復帰。フライ級に落とし、ライカを圧倒した。
今回は修斗ブラジル王者のプリシラ・ソウザとの対戦が予定されていたが、怪我により欠場。急きょ、XFC女子フライ級王者のワットに変更となった。ワットはMMA6勝2敗。今月、試合の予定があったが、中止になったため、準備はできていたという。
1R、パンチを打ってくるワット。中井はジャブ&ローからタックル、テイクダウン。サイドポジションからマウントへ移行する。ヒジを落としながら、腕を狙っていく。さらにパウンド、ヒジ、ボディブローで弱らせ、腕十字へ。極まるかと思われたが、惜しくも時間切れとなってしまった。ジャッジは三者10-9で中井。
2R、開始直後、ドクターチェックでタイムストップ。ワットの顔の右側が青黒く腫れている。眼窩底骨折か? と思ってしまうほどの腫れ様だが、再開された。
一度は中井のタックルを切ったワットだが、中井はワットの片足を取りテイクダウン。サイドポジションからヒジを打ちマウントへ。鉄槌、ヒジを連打し、腕十字をうかがう。しかし、ワットの動きがなくなり、レフェリーが止めた。
中井が勝ち名乗りを受けると、酒井代表がケージイン。中井に「勝ったけど、まだ納得してないよね? 早く次の試合がしたいよね?」と聞き、RIZIN本部長・高田延彦を呼び込んだ。RIZINでは、レスリングからMMAに転向した村田夏南子が、次戦の相手に中井を指名している。
高田は「今日の勝ちで、中井選手のRIZIN参戦がいま決定しました。中井選手、村田との大ゲンカ、やれんのか!」と訊くと、中井は「やりましょう。よろしくお願いします」と受諾した。
12月29日、31日に行なわれるRIZINでは、女子の試合が5カード組まれるという。中井の試合が放送に乗るかは未定。高田は「オンエアしたいポテンシャルのあるカード」と話した。
<試合後コメント>
中井りん
「1Rで決着をつけられたと思うし、つけたかったけど、相手はとても粘り強くかった。もう少し時間があったら極められたかなと思う。でも、2Rになってしまったけど、決着をつけられて良かった。毎回、アグレッシブに闘いたいと思っていて、でも、なかなかできない時もあった。今後は、今日のように早い段階から仕掛けて、アグレッシブにやっていこうと思っている。相手が変更になったことは、ワット選手が受けてくれてすごく感謝している。でも、今回、ソウザ選手と闘いたかったので、そこは残念だった。これまで自分より身長の低い相手と闘ったことがなかった。ソウザ選手は私よりも2〜3cm低いので、リーチとかどんな感じかなと思い、楽しみにしていた。自分より低い選手とも対戦は初めてだったので、また背の高い選手との対戦でガッカリしてしまった。私よりも身長の低い選手はなかなかいないので。
RIZINについては、いま決まったばかりなので、これからよく考えます。村田選手は、同じ愛媛県出身。子供のころ同じ柔道の道場に通っていた。夏南子ちゃん本人は私よりも7歳下なので、当時はそれほど仲良くしていたわけではないけど、私より2歳下の夏南子ちゃんのお姉さんや、姉妹のお母さんとは仲良くしていただいていた。なので、夏南子ちゃんのことは好意的に思っているけど、出た方がいいのかどうか、迷う気持ちもある。
年末だからとかはあまり関係ないけど、今回の試合からあまり時間がないのが不安。こんなに短いスパンで試合をするのは初めてなので。いつも時間をかけて調整するし、コンディションが心配。きちんと段階を踏んで仕上げられるかわからない。でも、できるだけ頑張ります」
第12試合
ランキング1位のヘンリーと、2位のシウバがバンタム級王者・石渡伸太郎への挑戦権を懸けて激突する。計量では2人ともにオーバーしたが、2回目でパス。無事に通常の試合がおこなわれることとなった。
ヘンリーはジョシュ・バーネットの弟子で、昨年GLANDSLAMで上田将勝に勝ってパンクラス参戦を熱望。同5月に初参戦し、中島太一、福島秀和を破り12月大会でタイトルに挑戦したが、惜しくも敗退。今年に入ってヒロ・ヤマニハに勝利し、再びの挑戦を懸けての試合に挑む。
シウバはBellatorバンタム級トーナメントに優勝。今年3月にパンクラスに初参戦し、コンボイ升水、上田将勝を破っている。
1R、シウバが右ハイキック、パンチからタックル、金網へ押し込む。投げるがヘンリーはすぐ立つ。しかし、シウバは粘り強くテイクダウンを狙っていく。ヘンリーはラバーガードを狙うも行けず。シウバはさらにテイクダウンを狙う。ヘンリーは自分の動きをさせてもらえず終了。ジャッジは三者シウバ。
2R、打撃からシウバがタックル、金網へ押すと、ヘンリーが上に。ヘンリーはパンチ、ヒジを見舞うが、シウバは立って離れる。ヘンリーはヒジを入れるが、シウバが離れる。
シウバがタックルすると、ヘンリーは逃げようとするもバックを取られてしまう。シウバはバックマウント。ヘンリーはシウバを背負って立つが、シウバが下りた。シウバが再び組みにいくと、ヘンリーはヒジ、ヒザ。かぶさったところで終了。ジャッジは二者シウバ、1人がヘンリーを支持。しかしヘンリーは1本かKOしかなくなった。
3R、打撃から組んで足を狙うシウバ。ヘンリーは上になりヒジ連打、さらマウント! パンチ連打する。しかし、シウバはここまで勝っているので、積極的に攻めるよりも判定勝ちを狙っている様子。途中、シウバは足を狙ってきたが、ヘンリーは外してラッシュ。しかし、明らかなダメージを与えるに至らない。残り1分、最後まで諦めずに攻め続けたヘンリーだが、明確な攻撃をできず、石渡へのリベンジのチャンスを摑むことができなかった。
シウバ「見に来てくれた人、テレビを見てくれた人に感謝したい。皆さんのおかげで、また、相手のヘンリー選手のおかげでいい試合ができた。次は、一番望んでいたタイトルマッチに挑みたい」
<試合後コメント>
ハファエル・シウバ
「少し休んで、またトレーニングする。いまは、メンタル面でも少し疲れている。相手は非常にタフで素晴らしいファイターだったが、自分がタイトル挑戦への切符を獲得できた。先ほども言った、メンタル面ももっと強くして、しっかり準備して挑みたい」
(写真・文/佐佐木 澪)