PANCRASE 310で瀧澤謙太とメイン戦で対戦する石井逸人が公開練習を実施!PANCRASE初参戦を前に鈴木みのるへの熱い思いを語る!
11月7日午後、都内練馬区のTRIBE TOKYO M.M.Aにて、石井逸人が公開練習を行った。
石井はパンクラス本戦初参戦。『PACRASE 310』(11月10日、新木場スタジオコースト)で瀧澤謙太(EX FIGHT)と対戦、メインを飾る。
2015年、修斗デビューした石井は、今年7月までに10戦7勝2敗という戦績を誇り、世界ランキング2位につける。以前は「覇彌斗」というリングネームで闘っていたが、今年に入り「石井逸人」に変更。さらに、所属ジムも広島県福山市の総合格闘技道場BURSTからTRIBE TOKYO M.M.Aに移籍した。
今年9月1日に行われた『Road to ONE:CENTURY』では修斗との対抗戦が行われ、石井は古間木崇宏(パラエストラ八王子)にチョークスリーパーで一本勝ちを挙げている。ハファエル・シウバとのタイトルマッチも経験した瀧澤を相手に、どのような闘いを見せるのか。
石井のコメントは以下。
――調整はいかがですか。
石井「バッチリですね。怪我もなく、体重も順調で問題ないです」
――初めてのパンクラス参戦ですが、このオファーが来た時の心境は?
石井「パンクラスは、ずっと憧れていた団体でした。鈴木みのるさんのプロレスを見て格闘技を始めたので、ずっと出たかったし、かっこいいなと思っていた団体なので、率直に嬉しかったです」
――パンクラスは以前、掌底とかのルールだったんですけど、その頃から見ていた?
石井「そうですね。リアルタイムで見ていたわけではないのですが、YouTubeとかで見ていました」
――石井選手はまだ24歳ですもんね。鈴木選手に関して、印象に残っていることってありますか?
石井「初めてプロレスを見に行った時に、物販で声をかけられてTシャツを買わされたっていうのが一番最初のエピソードで(笑)。この人誰だよって思っていたら、その人がリングに上がって、ゴッチ式(パイルドライバー)をバンバン決めて。それが鈴木選手で、カッコイイなって思って。そこから格闘技にハマって行きました。中学校3年ぐらいの時だったと思います」
――その時は、まだ格闘技は全然やっていなかったんですか?
石井「はい。小学校からずっと柔道をやっていましたけど、格闘技を始めたのは高3の終わりぐらいです」
――初めて見に行かれたのはパンクラスだったんですか?
石井「いえ、新日本プロレスです。でも、格闘技を好きになるきっかけが鈴木みのる選手だったということです」
――修斗上位ランカーの石井選手が最初にぶつかるのが、パンクラス上位ランカーの瀧澤選手です。相手についてはどう思いますか?
石井「お互いやりたいことが対極にあると思います。向こうが打撃をやってくるんだろうな、ぐらいの甘い考えで。こっちのやりたいことは寝技なので、やりたいことをぶつければ、まあ問題のない相手だなと思います」
――問題のない相手だから、オファーに即答したという部分はありますか?
石井「逆に言えば、向こうも自分に勝てると思ってオファーを受けたわけですよね。でも、こっちも勝てると思って受けています」
――石井選手は組みからの寝技、瀧澤選手は打撃とファイトスタイルが全く違うお2人ですが、どのような試合展開になると思いますか。
石井「一切、噛み合わない試合にはなると思います。なので、ファンの人には申し訳ないですけど、一方的な試合になると思います。
早い仕掛けで一本を取って、早く帰るというのが自分の信条なので、早い展開で勝ちます」
――先月、ONE Championshipで修斗VSパンクラスの王者対決が組まれました。そのすぐ後の両団体上位ランカー同士の試合です。ご自分では対抗意識のようなものはありますか?
石井「団体間の対抗意識とか、そういう意識は、自分は今はないんですけど、ファンの人が、それぞれそういう思いを乗せて見てくれたらいいなと思います。
今は団体を背負っているという意識は持ってないですけど、自分はずっと修斗でやって来て、修斗で実力をつけて来たという誇りは持って闘おうと思っています」
――先にはONE Championshipがあると思いますが、その辺りを踏まえて、この試合は重要なポイントになると思いますか?
石井「この試合にしっかり勝って、次のステップに、ONE Championshipにアピールできたらなとは思います」
――どんなフィニッシュを見せてくれますか。
石井「何でもいいので、とりあえずバチッと取って一本極めて、笑ってケージを下りようと思います」
――瀧澤選手のシウバ戦(今年3月)をご覧になったかと思いますが、どのような感想を持ちましたか?
石井「リズムに乗るとすごく強い選手、自分のリズムをしっかり持っている選手なので、そこを崩されると脆いのかなという印象はありましたね」
――最後はチョークで、もしかしたら凌げるかもしれないところでタップしたんですけど、気持ちの面に関してはいかがですか。
石井「煽りますね(笑)。そういうのは、練習環境が出る場面だと思うので、自分の練習環境を見てもらえたら分かると思います。自分は、苦しいところで競り負けない練習をして来たので、瀧澤選手とは違うと思います」
――瀧澤選手の飛び膝と、右のオーバーハンドなどに関してはいかがですか。
石井「そういうのは全然、大丈夫です。想定の範囲内ですね」
――寝技に関しては、どのくらい自信がありますか。
石井「国内ではトップクラスの練習をしていますし、フィジカル以上のテクニックを自分はつけて来たと思うので、問題ないです」
――ここ(TRIBE TOKYO M.M.A)に来て、どのくらいになりますか?
石井「もう半年になりますね」
――その成果はいかがでしょうか。
石井「すごく変わって来ていると思います。生活面から全てですね。ファイトスタイルも若干、変わりました。前は、相手に合わせるスタイルだったんですけど、今は自己中というか、自分のしたいことをどんどんぶつけるスタイルに切り替えつつ、TRIBEスタイルに合って来ているんじゃないかと思います」
終始、笑顔を絶やさず話した石井。人懐こい表情の奥に、同年代ファイターへの対抗意識がうかがえた。
10月13日のONE Championship両国大会では、パンクラスと修斗の現役王者が激突し、2勝2敗の痛み分けとなった。その記憶も新しい今回、またもや両団体の上位ランカーが火花を散らす。
今年7月、フライ級からバンタム級に階級も上げ、絶好調の石井。憧れていたというパンクラスでも、存在感をアピールできるか。
(写真/パンクラス提供、文/佐佐木 澪)