『PANCRASE 353』に出場する外国人3選手が公開練習!旅の疲れを感じさせない動きを見せ試合への気持ちを語った!

4月24日午後、都内新宿区のHIDE’S KICIK! にて、『PANCRASE 353』(4月27日、立川ステージガーデン)に出場する外国人3選手が公開練習を行なった。
参加選手のカードは、
▼第10試合 スペシャルワンマッチ ウェルター級戦 5分3R
内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム/第15代ミドル級KOP))
VS
ゴイチ・ヤマウチ(Team Yamauchi/初参戦)
▼コーメイン キング・オブ・パンクラス チャンピオンシップ バンタム級 5分5R
透暉鷹(ISHITSUNA MMA/第5代王者)
VS
カリベク・アルジクル ウルル(Olymp Gym Bishkek/挑戦者)
▼第9試合 ウェルター級 5分3R
ガブリエル・レーベン(X-Road/初参戦)
VS
武者 孝太郎(マスタージャパン東京)
ヤマウチ、ウルル、レーベンの3選手はそれぞれのコーチとシャドー、ミット打ち、グラウンドを披露。旅の疲れを感じさせない動きを見せていた。
3選手との質疑応答は以下。
【ゴイチ・ヤマウチ】

――参戦が決まった時の気持ちを教えてください。
ヤマウチ「パンクラスに参戦できることをとても嬉しく思っています。パンクラスに上がることは夢でもありました。パンクラスは伝統があって、すごく歴史の古い団体ですので、ずっと子どもの頃から見ていましたし、今回参戦することができて非常に嬉しいです」
――今回の相手、内藤由良選手についての情報はお持ちでしょうか。
ヤマウチ「内藤選手に関しては、そこまでたくさんの情報は分からないです。ただ、彼が7試合していて、経験があるのは知っています。試合も全部ではなくて一部を見るという感じで見てきました。アメリカで試合をしているのも知っていますし、前回のパンクラスの試合も確認しました。多分、彼のベストの状態で準備してきてくれると思うので、それに期待しています」
――ヤマウチ選手はご出身が愛知県安城市と、日本にゆかりのある選手です。日本で闘うということに関しては、どのような心境でしょうか。
ヤマウチ「本当にアメイジングです、嬉しいです。前回はBellator参戦の時に日本で試合をしましたけれども(※2019年12月、ダロン・クルックシャンクに1ラウンド3分11秒、リアネイキッドチョークで勝利。さいたまスーパーアリーナ)ク今前20 戦以上試合をしている中で、日本での試合が一番よかったと記憶しています。なので、今回また日本で試合ができることがすごく嬉しいです」
――日本の格闘技ファンのイメージはいかがでしょうか。
ヤマウチ「おそらく世界で一番良いファンだと思います」
――以前、ISAO選手に勝利されています(※2015年10月、Bellator 144にて3ラウンド3分50秒、リアネイキッドチョークで勝利)。ISAO選手は以前パンクラスのチャンピオンだった選手です。その選手に勝っているというところで、自信などをお聞かせください。
ヤマウチ「ISAO選手と対戦したのはけっこう昔だったんですけれども、よく覚えています。日本人選手というのは、非常にタフで絶対に諦めないという印象があります。ISAO選手との試合も、(相手に)たくさんダメージを与えたのですが、彼は諦めないで闘い続けました。おそらく今回の内藤選手も同じようなメンタルできてくれるかなと思っています」
――今回の試合に勝つと、タイトルに向けてという動きも出てくるかと思われます。これまでBellator、PFLと闘ってきたゴイチ選手ですが、今後パンクラスに継続参戦したいとお考えでしょうか。
ヤマウチ「もちろんです。勝ったとしたら、100%日本で試合を続けたいと思っています」
――ゴイチ選手というと、Bellatorで最も一本を取っている選手ということで、我々はサブミッション、グラップリングに期待しています。しかし一方で内藤選手はレスリングの心得を持っています。そのあたり、今回の試合のポイントになりますか?
ヤマウチ「今まで闘っていたレスラーは非常にハイレベルで、そういった選手と対戦するのは慣れているので、同じような感じで慣れているので全然大丈夫です」
――内藤選手はもともとミドル級でやっていた選手で、重い階級から落としてくるんですが、そのあたりはいかがでしょうか。
ヤマウチ「大きいかもしれないですけど、計量をしっかりパスして同じ体重でやるのであれば、全く気にはならないです」
――日本からブラジルへ引っ越されたのはまだ小さい頃だったとお聞きしていますが、何か日本での思い出はありますか?
ヤマウチ「もちろんです、たくさんのことを覚えています。学校のこととか、学校でトラブルを起こしたこととか(笑)もよく覚えています。家族と一緒に日本で暮らした記憶もあります。当時3歳でした、幼い頃、3歳くらいだとそんなに記憶していることってないと思うんですけど、日本のことは本当によく覚えています」
――今回。日本にはどのくらい時間をかけて、どこからいらしたのでしょうか。
ヤマウチ「ブラジルのクリチバからきました。ちょっと早めに来まして、一週間ぐらいは余裕をもって来日しました。それで、昨日パンクラスの準備してくれたホテルに移動しました」
――では、クリチバでの練習環境は今までと変わらないわけですね。今回、内藤選手が相手ということで、レスラーと練習したりなどはされましたか?
ヤマウチ「毎試合ごと、新しいことにチャレンジするのですが、そのほかに関しては特に変わらず、いつもと同じようにキャンプをしてきました。レスリングはここ数年、自分の柔術とうまく組み合わせられるように取り組んできているので、内藤選手との試合も準備万端です。しっかりグラップリングで見せていきたいと思っています」
――パンクラスにファンにアピールしたいのはどんなところでしょうか。
ヤマウチ「前回の試合よりも更に強くなった自分を見せたいです。今までの人生の中で一番いい試合をしたいと思っています。自分の技術ですとか、アートを見せていきたいと思います」
――どんな試合をして、どのように勝ちたいですか?
ヤマウチ「当日は1Rできっちり決めたいと思います。一本かKOかわかりませんが、必ず決めます。ファンの皆さん、ベストを尽くしますので、ぜひ会場に試合を見に来て、パンクラスをエンジョイしてください」
――では最後に、内藤選手へのメッセージをお願いします。
ヤマウチ「ベストな状態で来てくれることを望んでいます。階級を落としてくるということなので、体重もしっかりとうまく作って、お互い良いコンディションで試合をできることを望んでいます。日曜日んぽ大会で一番良い試合にしましょう」
【カリベク・アルジクル ウルル】

――前回、初参戦で衝撃的な勝利でした(※昨年9月、当時1 位だった井村塁を1Rわずが1分15秒、TKOで下した)。あの試合を振り返ってみていかがでしょうか。
ウルル「前回の試合は、良いパフォーマンスができて自分でも本当に満足しています。今回は前回よりも強くなっていると思うので、絶対KO して勝ちたいと思います」
ーー前回より強くなっているとのこと、どんなところを強化してきたのでしょうか。
ウルル「今回の試合は非常に重要な試合で、歴史にも残るものになると思います。なので、キャンプの内容も色々変えたものがあります。特に今回は7ヶ月間も準備する時間があったので、いろんなことに時間をかけてしっかり取り組んでくることができました。100%準備ができています」
――この試合は、もともと昨年12月に組まれましたが、双方の怪我で延期になっていました。怪我明けで、いつごろから練習を始められたのでしょうか。
ウルル「前回、試合が決まっていたのですが、その10日前ぐらいに怪我をしてしまって、1ヶ月くらいは練習ができませんでした。そのあと、練習の強度を徐々に上げていって、怪我から2ヶ月後くらいにはいつも通り全力で練習ができるようになりました」
―ー延期になっていた試合がようやくできます。そのあたり気持ちの盛り上がりはいかがですか。
ウルル「まずは、神様に感謝したいです。こうして試合ができることが本当にありがたいと思っていますし、とても嬉しいです。今回初めて6ヶ月か7ヶ月かけて準備をしてきました。こんなに時間をかけて準備してきたのは本当に初めてのことなので、やはり気持ちも昂ります。こんなにも大きなプロモーションのタイトルに挑戦するというのももちろん初めてですので、自分が良いパフォーマンスをして。この試合をみてくれている皆さん、それからコーチ、家族にも自分の強さをしっかりと証明したいと思います」
――改めて、今回の相手・透暉鷹選手についてお聞かせください。
ウルル「彼は本当にハイレベルで、すごく良い選手だと思います。チャンピオンになれる理由がある選手だと思います。今回の試合も非常にハードなものになると思っています」
――その中でポイント路なりそうなところを、言える範囲で襲えてください。
ウルル「実は秘密の技を準備してきたんですけれども、それはちょっとここでは言えません。ただ、それを見せる準備は100%してきたので、ぜひ試合でみてください」
――最近、日本のプロモーションでもキルギスの選手が力を発揮しています。キルギスの選手は、なぜこんなに強いのでしょうか。
ウルル「歴史的なことが非常に影響していると思います。我々の血には、選手の遺伝子が入っていると思っています。日本で言えばサムライのようなものだと思います。キルギスというのは、土地的にずっと戦いをしてきた国であって、チンギス・ハーンの時代からそうやって戦い続けてきたので、生まれ持っての戦士だと思っています」
――今回変えてきた練習とは、透暉鷹選手用に、組み技・レスリングを強化してきたのでしょうか。
ウルル「レスリングに関しては、自分は生まれついてのレスラーなので、全然気にしていないです。家族にもレスラーがすごく多くて、父、兄、弟、全員レスリングの選手でした。自分も2016年まではずっとレスリングしかしていなくて、2016年から総合格闘技へ転向しました。レスリングも国の代表レベルのレスリングをずっとやってきたので、透暉鷹選手がレスリングで来たとしても全く問題ないと思っています。そこに打撃が加わってきているので、何がきても大丈夫なように準備してきました」
――団体もジムも違いますけど、もしかしたらキルギスに2つのベルトが持ち帰られるかもしれません(※5月4日、「RIZIN 男祭り」にて、キルギスのラジャブアリ・シェイドゥラエフがクレベル・コイケの持つベルトに挑戦する)。これについてはどう思いますか。
ウルル「彼は非常に良い友達なので、日本に来る前に、お互い絶対ベルトを獲ろうと約束しました。絶対に神様は味方でいてくれると思います。自分たちはこのベルトをキルギスに持ち帰る責任を負っていると思っています」
―ーシェイドゥラエフ選手と一緒に練習したことはありますか?
ウルル「はい、一緒に練習しています。今回のファイトキャンプでも一緒に練習しました」
――今、キルギスでは、一部の政治家がプロMMAに対して否定的に見ているという状況があると聞いています。そういう中でキルギスに2つのベルトを持ち帰ることで、キルギスのMMAを押し上げたいというお気持ちはありますか?
ウルル「総合格闘技というものに対して、もっと良いイメージを持ってくれたらいいなと常に思っています。MMAには悪い要素というものは一切なくて、ジムにいた方がいいこともたくさんありますし、ジムの外でギャングになってしまったり、酒に溺れたりしてしまうよりも、ジムにいてスポーツのMMAにしっかりと取り組むという方がよっぽど良いことがあるので、そういったことに理解を示してもらって、いずれ規制がなくなるといいなと思っています」
【ガブリエル・レーベン】

――今回、日本に来ることになった経緯を教えてください。
レーベン「私は日本の総合格闘技を見て育ってきました、小さい頃、日本のPRIDEを見てすごく刺激を受けて、桜庭和志選手などすごいファイターに憧れて、いつか日本に来て日本の総合格闘技で闘うことを夢見ておりまして、今回その夢が実現します」
――久しぶりの試合ですね。
レーベン「今回の試合は10年ぶりに打撃ありの試合です。今まではグラップリングの大会などに出ていましたが、総合格闘技をまたやるのは本当に久しぶりなんです。ですけれど、もちろん練習していなかったわけではなくて、フランスのUFCファイター、ブノワ・サン=デニ、DREAMにも出場したカール・アモーゾなどトレーニングをしたこともあります」
――MMAの練習自体は続けていらっしゃったんですね。
レーベン「はい、続けていました」
――最後の試合は2011年ということでよろしいでしょうか。
レーベン「資料などには2011年と書いてありますが。実際は、2011年当時、フランスではMMAが違法だったんです。その当時、フランスで行われていたMMAは、パンクラスルールと呼んではいましたが、パンクラスとは違うルールで、立っている時は打撃OK、グラウンドでは寝技オンリーというルールで行われていました。なので、今度の試合が私にとってフルのMMAルールの試合になります」
――これまでの格闘技歴を教えてください。
レーベン「3年前からルタ・リーブレでは黒帯を取っています。そして、今までルタ・リーブレをやっていましたが、キモノなし、ラッシュガードやノーギで闘っていまして、どちらかというとスタイル自体も総合格闘技に似ている、トップポジションを取るアグレッシブなルタ・リーブレをベースとしています」
――打撃に関してはいかがですか。
レーベン「バックボーンは確かに寝技がベースなのですが、長年にわたってストライキングも磨いてきました。今回、エリー(・ケーリッシュ)コーチとの出会いもありまして、打撃を中心の練習もしてきまして、目技と打撃の距離を縮めるためにした努力を今回お見せできると思います」
――エリーコーチは日本では皆さん知ってるんですが、レーベン選手とエリーコーチとの出会いは何がきっかけだったのでしょうか。
レーベン「本当に偶然に出会いました。実は、ある日、RIZIN CONFESSIONSをYouTubeで見ておりまして、その時、エリーコーチが英語で話していたんですけど、何となくアクセントがフランス人っぽいなと思って、SNSを探してみてメッセージを送りました。そうしたら返事をいただいて、そこから交流が始まって仲良くなって、今コートとして日本に来ていただきました」
――ご自分からコンタクトを取られたんですね。
レーベン「そうです。まさに」
――この試合に向けて、エリーさんからもらったアドバイスはありますか?
レーベン「かなりアドバイスをいただき、ゲームプランも準備できていますし、練習もそれに合わせて色々しました。エリーコーチ自体も、フランスに戻ってきた時に私の家に泊まりに来たり、一緒に練習しに来たり、合宿のような形で付き合ってくださいました」
――それで日本にも一緒に来て、特別な思いがあるのではないですか。
レーベン「今回、まず日本に来られたということにすごく喜びを感じています。本当に小さい頃から夢見ていた日本、そしてその場で闘えるということは、成功したという証です。他にも、小さい頃から日本の文化、漫画や歴史など、いろいろ日本のことが大好きだったので、今回来られて本当に嬉しいです」
――日本の漫画などで好きな作品はどのようなものですか?
レーベン「『GANTZ』、『ベルセルク』、『ドラゴンボールZ』、『バキ』など、闘い系ですね」
――詳しいですね。試合に話を戻して、相手の武者選手の情報はどのくらいありますか?
レーベン「もちろん、相手の映像は全て見ました。そして、気づいたことは、彼は本当に若い選手であって、フィジカルもよく出来上がっている選手で、アグレッシブ、そして本当にトップを取ろうとしている選手なので、私にとっても初の相手として彼と闘えることが嬉しいです」
――今大会では、ゴイチ・ヤマウチ選手の参戦や、ウェルター級のチャンピオンシップもあります。そのような状況を踏まえて、今後、パンクラスに継続参戦するお気持ちはありますか。
レーベン「まさに私の目的は、パンクラスのウェルター級のランキングに入って、その後ベルトを獲りに行くことです」
――初めてのパンクラスで、ファンにどんなところをアピールしたいですか?
レーベン「今回の試合、できればつまらない試合は避けたいです。できるだけ熱狂のある試合をして、ファンの心を響かせて、そしてフィニッシュで終わらせたいです」
――パンクラスの選手で、一番好きな選手は誰ですか? 旗揚げからこれまで、どの時代でもいいです。
レーベン「(かなり考えて)バス・ルッテンです。当時、ルッテン選手の周りにったオーラとか、そういうのが好きでした」
――勝ったらルッテン選手のようにジャンプしてくれますか?
レーベン「(笑って)無理、無理です、柔軟さがないのでできません(笑)」
――では、ファンへメッセージをお願いします。
レーベン「KO、サブミッション、全ての武器は私の手の中にあるので、この試合を見てタボしんでください。メンタルと力のある試合をしますので、ファンも私自身も熱狂するような試合をします。期待してください。Let’s Go!」
(写真・文/佐佐木 澪)