10・2 PANCRASE有明大会 【ウェルター級KOP】三浦広光vs村山暁洋 【ミドル級KOP】新村優貴vsロッキー川村 北岡悟vsレオナルド・マフラ
『PANCRASE 281』
日程:2016年10月2日(日)
会場:東京・ディファ有明
観衆:2012人(超満員札止め)
【本戦二部】
▼第1試合 フェザー級 3分3R
●木村一成(パンクラスイズム横浜)
2R 2分29秒 フットチョーク
○コンバ王子(マッハ道場)
▼第2試合 バンタム級 5分3R
○原田惟紘(パラエストラ北九州)
3R終了 判定3−0
●CORO
▼第3試合 ストロー級 3分3R
●江泉卓哉(総合格闘技道場 武門會)
1R 25秒、KO(左フック)
○小塚誠司(FREEDOM@OZ)
▼第4試合 フェザー級 3分3R
○田村彰俊(総合格闘技 津田沼道場)
3R終了、判定3−0
●MIKE(AACC)
▼第5試合 バンタム級 3分3R
○アラン“ヒロ”ヤマニハ
3R終了、判定2−1
●清水俊一(宇留野道場/ハイブリッドファイター)
▼第6試合 フライ級 5分3R
○上田将竜(緒方道場)
3R終了、判定3−0
●荻窪祐輔(K-PLACE埼玉格闘技道場)
▼第7試合 ストロー級 5分3R
●潤 鎮魂歌(HARVEST)
2R 1分23秒、KO(右ストレート)
○ジャレッド・ブルックス(James Lee’s M.A.S.H.Fight Team)
▼第8試合 フェザー級 5分3R
●ガイ・デルモ(GUTSMAN)
3R終了、判定30−3
○ナザレノ・マレガリエ(Team Tavares)
▼第9試合 フライ級 5分3R
●山本 篤(フリー)
3R終了、判定2−1
○翔兵(升水組)
▼第10試合 フライ級 5分3R
○マモル(シューティングジム横浜)
3R終了、判定2−1
●ルイス“ベタオ”ノゲイラ(Renovacao Fight Team)
▼第11試合 ライト級 5分3R
○北岡 悟(パンクラスイズム横浜/Lotus世田谷)
1R 1分05秒、クロスヒールホールド
●レオナルド・マフラ(KINGS MMA)
▼第12試合 セミファイナル 第13代ミドル級キング・オブ・パンクラス決定戦 5分5R
○ロッキー川村(パンクラスイズム横浜)
2R 1分30秒、KO(右フック)
●新村優貴(TEAM CLIMB)
※川村が第13代KOPとなる
▼第13試合 メインイベント ウエルター級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分5R
●村山暁洋(GUTSMAN/第9代王者)
5R終了、判定0−5
○三浦広光(SAMURAI SWORD/RINGS)
※三浦が第10代KOPとなる
【本戦一部】
▼第14試合 フライ級 3分3R
●川端康太(ALLIANCE)
3R終了、判定0−3
○杉山廣平(SPLASH)
▼第15試合 バンタム級 3分3R
○大橋悠一(P’sLAB大泉)
3R終了、判定3−0
●工藤修久(禅道会 小金井道場)
▼第16試合 バンタム級 3分3R
●井関 遼(GRABAKA)
3R終了、判定0−3
○上久保周哉(ハニートラップ)
▼第17試合 フェザー級 3分3R
○堀江圭功(ALLIANCE)
3R終了、判定3−0
●楳原 嵩(アブソリュート岡山)
▼第18試合 ライト級 3分3R
○太田裕稀(格闘技 吉田道場)
1R 2分48秒、アンクルホールド
●山本雄希(SHINWA SPORTS ACADEMY)
地上波生放送一発目で北岡悟が体重超過のマフラ相手に1R勝利!ロッキー川村が王座戦でKO勝利し「エイドリアーン!!」
第1試合
1R、打撃戦で始まる。王子はテイクダウンを狙うが、木村は許さず投げ返す。王子は粘り強く腕を狙うも、木村は耐える。木村がヒジを打ったところで終了。
2R、王子がパンチで金網へ追い込むと、木村はバックを取りヒザを打ち込む。王子は離れるが、木村はまたバックに回り、パンチ。王子は腕を狙う。一度は外したが、2度目で木村がタップした。
第2試合
1R、原田がパンチから素早くタックル、テイクダウン。カカトを落として首を狙う。COROはヒジを打ち込んで立つ。しかし、原田はバックを取ったまま。そこから引っこ抜いてサイドポジションを奪う。起き上がりたいCOROだが、原田は立たせない。COROは脱出するが、すぐに原田はタックルからテイクダウン。COROはチョークを狙うが極まらず終了。ジャッジは三者10-9で原田。
2R、原田は組んでテイクダウン。立ったCOROを投げてまたテイクダウン、バックを取る。COROは向き直りたいが、原田はガッチリ捕らえて殴る。しかし、COROがリバース! ハーフマウントに。原田はCOROの立ち際に組み付いて上になる。さらに金網に押し、サイドポジションからバックマウントとなる。COROがリバースしてパンチを落とすと、原田は足を取ってヒールホールドから上になって終了。ジャッジは三者10-9で原田を支持。
3R。COROはパンチを振るが、原田は素早いタックルからバックを取る。逃げるCOROを追い、再びバックを取る。COROはヒジを打つが、原田は回りながらジワジワと首を狙っていく。COROは脱出を試み苦しむ。COROはようやく反転し、パンチを落とす。三角絞めを狙う原田。COROが首を抜くと、すぐに足を狙う。COROは離れて立ち、跳びヒザを見舞うが、足を取られてテイクダウンされてしまう。原田が上になったところで終了。
ジャッジは三者30-27で原田が判定勝利を挙げた。
第3試合
1R開始すぐに江泉が蹴り。これをキャッチした小塚が、その足を持ったまま左の連打。江泉が崩れ落ちた。小塚がストロー級転向最初の試合で秒殺勝利。
第4試合
1R開始すぐ、ガッチリ四つに組む両者。ヒザを打ち合う。田村が金網へ押し込むと、MIKEはすぐに入れ替えるが、田村が再び押し込んでヒザ、肩パンチを連打。MIKEが入れ替えても、田村は冷静に対処し、ヒザとボディブローで攻める。ブレイクがかかり中央に戻ると、MIKEは大きいアクションで腕を回し、パンチ。しかし、田村のローが効いた!
2R、田村は蹴りから前に出て金網へ押し込む。投げるとバック取りチョーク! いったん外して絞め直すが、これは極まらず。しかし、田村はバックマウントを奪いキープ。MIKEが反転したところで終了。
3R、パンチで前に出るMIKE。これが効き、田村は少しグラつく。MIKEはタックルからテイクダウンするが、田村はすかさず三角絞めを狙う。ボディを連打し頭を抜いたMIKEだが、田村は再び三角。MIKEが立つと、金網際で殴り合って終了。ジャッジは三者29-28で田村が勝利。
迷いなく、やるべきことを徹底させての勝利だ。パンクラスでは3勝3敗と苦戦していた田村だが、勝ち星を先行させた。
第5試合
過去に対戦経験のある両者。4年前、ヤマニハのプロデビュー戦で対戦、清水が勝っている。ヤマニハはリベンジできるか。
清水はフライ級からバンタムに戻したもの、現在4連敗中。是非とも勝ちたい一戦だ。
1R、お互いにタイミングを窺う。清水はタックルに行きたそうだが入れない。ようやくタックルに入るが、ヤマニハは切る。お互いそれほど打ち合っていないものの、緊張感溢れる3分が終了。
2R。清水のタックルを切ったヤマニハ。プレッシャーをかける。清水はパンチを打つふりのフェイントからタックルしバックを取るが、ヤマニハは反転して上に! ヒジを落とす。清水が立つと、ヤマニハはパンチ、ヒジを見舞う。さらに金網へ押してパンチ。清水、効いたか?
3R。プレッシャーをかけていく清水。ヤマニハはバックキック、飛び込んでのパンチ、ミドルキックなど力強い打撃で攻める。清水はタックルに入れない。残り30秒でタックル、金網へ押すが、ヤマニハが倒して終了。
ジャッジは29-28で二者がヤマニハ、1人が清水を支持。ヤマニハが借りを返した。
第6試合
1R開始すぐ、上田がミドルからハイ、さらに投げて上になる。ボディを連打。いきなり苦境となった荻窪だが、立って金網へ押し込む。投げてテイクダウンを狙うが、上田が潰して上に。しかし上田はすぐに立ち、猪木アリ状態からパンチを落とす。立って金網へ押し込む荻窪だが、倒せないまま終了。
2R、パンチを出し合う両者だが、上田が優勢。荻窪は金網へ押し、ヒザを打ち込んで倒したいが、上田はすぐに立つ。荻窪、苦しい状況となる。金網へ押し込むも、上田は完全に倒されず尻餅状態。荻窪は、立った上田を金網へ押し込み、遂にテイクダウン! 残り20秒、荻窪はボディを殴って終了。
3R。バックハンドで奇襲する荻窪だが、上田は金網へ押し込み、崩して投げる。すぐ立った荻窪だが、金網へ押し込まれてしまう。しかし荻窪は入れ替え、片足をかかえる。そのまま押して尻餅をつかせるが、展開なくスタンド。バックを取った荻窪は金網へ押し込み、尻餅をつかせる。そしてテイクダウン。しかし、上田はすぐに立つ。荻窪は再びバックに回り押し込むが、上田は入れ替え、倒して上に。終了。
ジャッジは三者29-28で上田。荻窪の行く手をことごとく塞いで勝利した。
第7試合
パンクラス初参戦のブルックスは、今年2月に日本で行なわれたWSOFで猿丸ジュンジに圧勝し、その飛び抜けた実力を見せつけた。現在11戦全勝だ。
一方の鎮魂歌はグラップリングの強さが光る。こちらもプロ全勝を誇る。
1R開始直後からブルックスが飛び出してパンチを打ちまくる。強烈なパンチ。溢れんばかりの勢いだ。鎮魂歌はタックルに入るが、ブルックスがチョーク! かなり深く入り、レフェリーが鎮魂歌にギブアップ? と尋ねるが耐える。外れると、鎮魂歌立ってブレイクがかかる。再びブルックスのパンチが襲いかかり、鎮魂歌ダウン! 鎮魂歌は足を取っているが、これは極まらず。ブルックスは立て! とジェスチャーし、鎮魂歌を立たせるとテイクダウン。鎮魂歌は腕狙いから足を取って上に。ブルックスは金網際で大きいパンチを落とす。終了。ジャッジは三者10-9でブルックス。
2Rもブルックスはパンチを打ちまくってテイクダウン。しかし猪木アリ状態になり離れる。鎮魂歌は既に消耗してきている。スタンドに戻ると、ブルックスのパンチがヒット! 倒れた鎮魂歌にブルックスがパウンド。レフェリーが止めた。
試合後、ブルックスはインタビューでも話していたように、「スナベ! すぐに闘いたい。カンベ! Fuck you」と、砂辺光久(ストロー級KOP)と神部建斗(ライトフライ級KOP)を挑発。来場していた神部がケージに入り、一触即発のムードに。怒りの表情の神部はマイクを渡され「日本人ナメんじゃねえぞ、マジで」とひと言。パンクラス酒井代表になだめられケージを下りた。
ブルックスは試合前からツイッターなどで神部を「赤ん坊」などと挑発。これに神部が反発し、ネット上では既に闘いが始まっている。神部はこの日、別の予定が入っていたが、ブルックスの試合を見るために予定変更して来場していた。
ビッグマウスではあるが、ブルックスのパワーと勢いは素晴らしく、攻撃力が非常に高い。神部、砂辺との対戦が楽しみになってきた。
第8試合
デルモは2012年からパンクラスに参戦。昨年後半は高谷裕之、牛久絢太郎に連敗したが、今年7月には稲葉聡にツイスターで1本勝ち。ここでもう1戦かち、弾みをつけたいところ。
対するマレガリエは今年6月にパンクラス初参戦、高谷裕之を判定で破っている。UFC1戦1敗、TUFブラジル4セミファイナル、Bellator4戦1勝3敗の成績を持ち、「アルゼンチンの虎」という異名を持つ。パンクラス2戦目はどのような闘いになるのか。
1R、マレガリエが組むが、デルモは入れ替える。マレガリエは投げを打って崩すと首を狙う。頭を抜いたデルモが金網へ押すと。マレガリエはヒジ、ヒザを打つ。金網で膠着しブレイク。
デルモのタックルに蹴りを合わせたマレガリエは、パンチ、キックをかなり当てている。デルモが組むとマレガリエは離れ、金網際で打ち合って終了。ジャッジは三者マレガリエ。
2R、マレガリエが猛攻! デルモは入れない。デルモの蹴り足を取り、マレガリエがテイクダウン。デルモは立つが、マレガリエは殴る。マレガリエは遠い距離からもパンチを当て、力強く気力の充実が見える。デルモはパンチで前に出て、金網へ押し込んだところで終了。このラウンドも三者マレガリエを支持。
3R開始直後にストップがかかり、右目の上をカットしたデルモのドクターチェック。再開すると、マレガリエはパンチで押しまくる。デルモが足を滑らせると、すかさずかぶさってパウンドを浴びせる。デルモが立つと、は金網へ押し、投げてバックを取る。さらに強引に投げてバックを取り殴る。苦しいデルモ。マレガリエがポジションをキープし終了。判定3−0でマレガリエが勝利。
第9試合
1980年10月2日生まれの山本。2004年からパンクラスに参戦し、16戦している。昨年は安永有希、仙三に連敗したが、今年4月には荻窪祐輔に判定勝ち。36歳を迎えての第1戦は、どのような試合となるか。
翔兵は今大会よりコンボイ升水から改名。新たな気持ちでの出発となる。
1R、笑みを浮かべている翔兵。計量時にも「尊敬する先輩」と話していた山本との対戦を楽しもうとしているのだろう。ハイキック、パンチと連打し、離れてはまた連打する。山本は手数が少ない。パンチが効いた山本に翔兵がパウンド。しかし山本は立つ。翔兵はまた距離を取り、飛び込んで連打。山本はタックルにいかない。ジャッジは三者10-9で翔兵。
2R、山本は翔兵の蹴り足を取るが、倒せない。やや手数の減ってきた翔兵。山本は強烈なローキックを見舞う。タックルこそ切られているが、山本が打撃で盛り返して終了。ジャッジは10-9で二者が山本、1人が翔兵を支持。
3R。翔兵がタックルを仕掛けるが、山本はすぐに立つ。翔兵がハイキック〜パンチを当て、山本がダウン。すぐにかぶさる翔兵だが、山本はすぐに立つ。翔兵は胴タックルにいくが、すぐに離れる。山本もタックルするが、翔兵
はすぐに立ち、グラウンドに展開にならない。翔兵がタックルし、バックに回るが、やはり離れる。翔兵は少々動きが落ちてきたか。山本は右フック! そしてボディブロー。残り1分。翔兵のタックルをもらうも、すぐに立つ山本。最後は打ち合うが、翔兵は消耗している。山本はペースを変えずに打って終了。
判定は2−1で翔兵が勝利。
尻上がりに調子を上げて来た山本だが、ダウンもあり届かなかった。しかし、落ち込んだ様子はなく、むしろ満足げな表情を浮かべていた。この試合では、得意のタックルをほとんど見せることはなかった。山本の中では、タックルはなくても、自分のやろうとしていたことが出来たということなのだろうか。
36歳。若い頃のヤンチャさや勢いはなくなっても、今の山本には淡々とした味わいが感じられるようになってきた。正直言って危なっかしく見えるときもあるが、山本の中には、闘いに対する確固たる意志があるように思える。山本は相手が誰であっても関係なく、ただ自分のやろうと思うことを完遂しようとしているのではないだろうか。
闘うということに全身全霊を捧げるとは、こういう姿ではないかーー山本の試合を見ていて、そんなことを思うことが多くなってきた。もしかしたら、それが現在の山本が辿り着いたMMAの境地なのかも知れない。MMAは、勝たなければ次につながりにくい世界だ。しかしそれでも、山本の目指すその先をまた見てみたい、極めてほしいと思わせる味わい深い一戦だった。
第10試合
バンタム級からフライ級に落として大会15日前にオファーを受けたノゲイラだが、計量に失敗。計量会場では、コメント後、床に倒れ込むほど消耗していた。タイムリミットまでに落とすことは出来ず、規定により、マモルが勝った場合のみ公式記録となり、それ以外はノーコンテストとなる。
1R。向かい合ったノゲイラは体重を戻しており、フライ級の体格ではない。たとえ規定があっても、マモルが試合を受けたのは勇気ある決断だ。
プレッシャーをかけるマモル。ノゲイラは組んで金網へ押し込む。マモルはヒジ連打。ブレイクがかかると、マモルは左ハイからプレッシャーをかけるが、パンチをもらいダウン。ノゲイラはパウンドからチョーク。しかしマモルは耐えて頭を抜き、立つ! マモルが蹴り、ノゲイラがパンチを出して終了。ジャッジは三者10-9でノゲイラ。
2R。マモルがパンチから組み付いて金網へ押す。ノゲイラは入れ替えて投げるが、マモルはすぐ立った。ノゲイラは持ち上げて投げるが、やはりマモルはすぐに立つ。金網際でノゲイラはヒザ。マモルはアッパーを打つ。マモルが左目尻をカットしている。金網際でパンチを打ち合い終了。このラウンドは三者10-9でマモルを支持する。
3R、お互いパンチを出していく。マモルはタックルに入るが、切られてします。ノゲイラが金網へ押すと、パンチで振り切るマモル。組むが、ノゲイラはすぐに入れ替えて金網へ押し込む。組み合い、マモルが得意のヒジを連打。終了。
判定は2−1でマモルが勝利。相手の体重大幅オーバーにも関わらず、試合をした勇気に拍手したい。
松嶋こよみ挨拶
9月大会に初参戦、牛久絢太郎にアームロックで勝ち、修斗新人王の実力を見せつけた松嶋こよみ。次戦は12月大会、なんと相手はマルロン・サンドロに決定した。
松嶋は現在AACC所属だが、小学校から中学校時代をパンクラス横浜道場のキッズラボで練習してきた。さらに現在、パンクラスイズム横浜の道場にも出稽古している。いわば、パンクラスで生まれて修斗で育ったパンクラシストが、パンクラスに帰って来たというところだ。
目標は世界で闘うこと。12月の対戦では、その雰囲気を感じることができるだろう。期待の若手がケージインし、あいさつした
松嶋「こんばんは、AACCの松嶋こよみです。次の試合にすごく強い相手を用意していただき、ありがとうございます。
来月のタイトルマッチの2人(11月13日、王者アンディ・メインと暫定王者の田村一聖が統一戦)がどっちもビビるような試合をしたいと思います」
第11試合
記念すべきパンクラス地上波放送は、この試合から。しかし、マフラが計量オーバーしてしまい、前日の計量会場では激高した北岡が「ナメるな!」とマフラにつかみかかり、あわや乱闘になるかという場面もあった。規定により、北岡が勝った場合のみ公式記録となり、ドロー、またはマフラが勝った場合はノーコンテストとなる。北岡は元UFCファイターに怒りの制裁を下すか。
1R、お互いローを出したあと、北岡がタックルに入る。マフラはこれを切るが、北岡は引き込んで下になると足を取りヒールを狙う! マフラもスタンドで足を狙うも、北岡は素早くヒールへ。マフラがタップアウト!
計量オーバーのモヤモヤも一気に吹き飛ばす快勝! 北岡のパンクラスでの次戦はタイトルマッチになるか?
北岡 ケージ上コメント
「本日はご来場ありがとうございます。生中継で1本勝ちして嬉しいです! 人生は色々ありますが、格闘技は最高です! 僕はMMAというスポーツはキング・オブ・スポーツだと思っています。これが一番だと思って18年間やってきましたし、他のことは出来ません。こういう場を設けたくれたパンクラスには感謝しています。今回はMXの中継ですけど、フジテレビ(12月31日のRIZIN)にも出たいです。オファー待ってます!」
<試合後コメント>
北岡悟
「結果は良かったですけど、内容は別に…。正直、練習したことはそれほど出てないです。DJ(Taiki)とか、この試合にダメ出ししそうです。
相手に触った感じで、グラウンドを嫌がるだろうなと分かりました。ヒールが深めに入って、取り返しに来いというくらいの気持ちだったんですが、逃げ方が雑でしたね。相手は正しい対処がそこまで出来ない。上から殴られた時も、それほどでもないなと思いました。
今回、UFCに上がったことのあるファイターが相手でしたが、特に外国人選手を望んだわけではないです。日本人との方が盛り上がるし、喜んでもらえるのは分かっていますが、日本人でいい選手とはタイミングが合いませんでした。
日本人選手相手だと、限られてしまいますよね。もう久米(鷹介)選手しかいないなと思いましたが、既に徳留(一樹)選手との試合が決まっていたので。それならUFCに出ていた選手を探してくださいということで、この対戦が決まりました。
相手の印象は、よく分からないですね。ただ、僕の方が強かったのは確かです。立場を帰れば、遠い国から海を渡って日本に来て大変だったと思います。自分は恵まれているなと思います。
計量オーバーについては、マモル選手の相手(ルイス“ベタオ”ノゲイラ)よりも、真面目に落とす努力をしてくれたと思うので。
今後については、まだ構想はないですね。パンクラスのベルトを巻きたくて続けている部分のもあるので、次はタイトル戦をやってもいいとは思いますが、基本的にはパンクラスから言われた試合をするだけです。とにかく強い選手と闘いたいですね」
第12試合
2014年6月、ロッキー(当時は川村亮)が安西信昌に敗れ、第12代王者となった安西が、その場で王座返上。以来、空位となっていたミドル王座を1位と2位が争う。
新村は前王者・安西と同門で、元はキックボクシングやK-1で闘っていた長身のストライカーだ。
ロッキーは、怪我の影響もありMMAの試合は約10ヶ月ぶり。ここ2〜3年は「ハード・ヒット」などプロレスでの試合が多くなっている。しかし、今年7月の10周年興行「川村SOUL」で師匠の鈴木みのるに血祭りにあげられたことで、何かが吹っ切れたという。パンクラスのベルトはパンクラスのもの。生まれ変わった川村は、生え抜きパンクラシストの意地を見せられるか。
川村には試合を終えたばかりの北岡がセコンドにつく。
1R、相手を見ながら回る両者。北岡が「基本、待ちだぞ!」と焦らないようゲキを飛ばす。プレッシャーをかけるロッキー。新村は下がり気味。川村が一気に入ってボディを打つと、ヒザを入れる新村。新村、タックルに入れない。川村の右フックがヒット。両者パンチを打ってブザーが鳴る。ジャッジは二者ロッキー、1人が新村を支持。
2R。新村が左右ジャブ、ボディブローと前に出て来る。川村もパンチ、ミドルキック。新村はローからボディ。川村の右フックがヒット! 新村がダウン。すぐにパウンドに入ると、レフェリーが止めた。
川村は、ベルトを巻くと「エイドリアーン!!」と「ロッキー」ばりに吠えた。さらにベルトを外して高く掲げ、手中に戻って来たパンクラスの魂をアピールした。
川村 ケージ上コメント
「エイドリアーン!!(ロッキーの真似)。言いたいことは、ひと言だけ。メリークリスマース!!(ロッキーのワンシーンを真似て)」
<試合後コメント>
ロッキー川村
「当たった右は狙っていたわけではなく、タイミングですね。
アハハ、すべて『エイドリアーン!!』で終わらせたいところだけど(笑)。
さっき勝った北岡さんもですけど、俺も、『パンクラス』そのもの。『団体としてのパンクラス』が生きていると思いました。民放がついたところで、この2人が勝つ。パンクラスは生きているんだと思います。
横浜道場を北岡さんが継いで『パンクラスイズム横浜』になって、一緒に練習できたというのが大きかったです。技術の面だけではなく、精神面でも大きくて、本当に助けられました。
このベルトは僕そのもの。ようやく帰ってきたという感じですね。以前、ベルトを持っていたときは、ベルトを持って、高校や大学など、いろいろなところに行っていました。こうして帰ってきたので、またそういう活動をしたいと思います。今回も、MXの番宣をしましたし、いろいろなところにパンクラスを知らせていきたいです。ロッキー川村というものをもっと出して行けば、パンクラスとつながっていきます。
相手は強かったです。映画のロッキーというのは、入場のときに平常心なんですよ。今回、それが自分の中に入ってきましたね。これまで何十戦もしてきましたけど、初めてロッキーっぽく出来たなと思います。調印式のときに、『川村亮は名古屋港に沈んだ』と言いましたけど、鈴木さんとの試合で何か吹っ切れましたね。もちろん、あれだけロッキーとして宣伝をやっておいて負けるわけにはいきませんし。このベルトが僕から離れることはもう考えられない。守っていきます」
第13試合
村山は今年3月、鈴木槙吾を下し第9代王者となった。今回が初防衛戦となる。
一方の三浦は、パンクラスで総合をやっていたが、HERO’Sなどに参戦したあとボクシングに転向。アメリカで試合をしていたが、ボクシングを引退。前田日明のアドバイスでMMAに復帰、昨年からパンクラスに参戦している。2連勝のあと、前回(今年6月)の試合は相手が計量オーバーの上、会場に現れず不戦勝となっている。
鈴木戦で驚異のスタミナを見せた村山が防衛するか、ボクシング仕込みのパンチで三浦がもぎ取るか。
1R。距離を取り回る両者。村山がタックルからパンチを打つと、三浦の左ジャブがヒット。三浦はプレッシャーをかけながら右も当てる。村山は硬い。自信のない表情を出してしまっている。その間にも三浦はジャブ、ボディと打ち分けていく。ブザー。ジャッジは三者三浦を支持。
2R。村山のタックルを振り切る三浦。村山は打撃を警戒し過ぎか。村山と対照的にマイペースを保つ三浦は、手数が少ないながらも、ボクシング仕込みの、見ていてもヤバイ感じの鋭いパンチを要所、要所に当てている。村山はタックルに入りたいが、全て受け止められパンチをもらってしまう。このラウンドも三者が三浦を支持する。
3R。完全に前に出られなくなった村山。心が折れてしまったのか? 距離を取りながら回るばかりだ。ようやくタックルに入るが、三浦は受け止めて大きく投げる! さらにパンチ連打。すぐに立った村山だが、下がる一方だ。三浦のローキックが効いた! さらにボディブローをたたみかける。村山はほとんど手が出ないまま終了。このラウンドも三者が三浦。
4R。あとがない村山。何がなんでも前に出て倒しにいくしかないが、出られない。三浦は体を振ってプレッシャーをかけ、左ジャブ、ボディ。さらにボディが効いた! 村山はなんとか組みにいくが、三浦は突き放してパンチ! これも効いた! のけぞる村山。三浦は左右からボディ。村山はほとんど攻め手なく終了。このラウンドも三者三浦。
村山は大量の汗をかき、試合中にも時折、顔の汗をぬぐうシーンがあった。かなり消耗しているようだ。前回の鈴木戦では素晴らしいスタミナを見せたのだが…。
5R。KOか1本取るしかない村山は、もう下がってはいられない。何度もタックルを試みるが、テイクダウンできない。三浦のパンチをかいくぐりタックルに入っても、金網に押し込まれてしまう。三浦がヒザを打ち込む。ブレイクのあと三浦が組みに行き投げるが、村山は持ちこたえる。しかし、三浦はボディをたたみかけ、村山はタックルに入れない。パンチでは完全に打ち負けてしまっている。村山は金網際で倒されるも、蹴り上げが顔面にヒットし効いた! 村山は立つが、三浦は倒して上に。サイドポジションからマウントに移行するところで終了。判定フルマークで三浦が新王者となった。
村山は1Rでジャブをもらってから全く前に出られなかった。しかし、三浦も、あれだけ攻めていながら倒すことができず判定での勝利。三浦は強さを見せはしたものの、メインイベント、そして地上波放送されるタイトルマッチとしては物足りない内容の試合となった。
三浦コメント「応援ありがとうございました。ウエルターには、まだ強い選手がいる。そこにいる岡見(勇信、セコンドとしてついた)さんとかもいますけど、(もし組まれれば)やります。自分に挑戦したい選手はリングスまでお願いします」
(写真・文/佐佐木 澪)