「そろそろ次のステップ、次の自分の責任を果たしたい」藤波辰爾の息子・LEONAが18年ぶり開催の『無我』に出場しファンに謎掛けを残す

14日、東京都・後楽園ホールにて『DRAGON EXPO 1995〜無我〜』が開催。藤波辰爾の長男・LEONAが征矢学とシングルマッチで対戦した。
LEONAは“炎の飛龍”藤波辰爾の長男であり、2013年にプロレスデビュー。イギリスでランカシャースタイルを学び、国内ではU.W.F.スネークピットジャパンで修行した上に父直伝のドラゴン殺法も身につけている。最前線にいる現役の先人たちからは厳しい言葉を浴びせられ続けているが、藤波と縁が深いさらに上の世代からは寵愛を受けており、数々のリングでチャンスを与えられてきた。
多くの批判を受け続けているLEONAだが「父と比べられる、一生闘わなきゃいけない人生だ」と覚悟を決めてリングに上がり続けるという精神的な成長を見せるようになった。
この日は、今年2月28日に亡くなった西村修さんへ捧げるべく『無我』の名を冠して開催された大会。この日はじっくりとしたキャッチ・アズ・キャッチ・キャンを魅せることがテーマにあり、全8試合のすべてがシングルマッチで実施。
LEONAは、第6試合で征矢学と対戦。
征矢は西村さんの愛弟子として2007年4月11日の無我ワールド後楽園ホール大会でデビュー。ワイルドキャラで人気を博し全日本プロレスやWRESTLE-1で活躍したが、現在はNOAHに所属。ワイルドは封印し、正統派の情熱ファイターとして闘っている。

試合は基礎に忠実なグラウンドレスリングに始まり、LEONAがヘッドシザースに捕らえると、征矢は師匠に捧げるかのように美しい倒立で首を抜いて脱出する。
場内では熱心なLEONAファンと思われる小さいお子様による「れおな!いくんだ!れおな!まけるな!れおなーっ!しゅぎょうをむだにするな!」といった声援に観衆がほっこりするも、LEONAの劣勢は続く。
征矢が力の差を見せつけるかのように顔面をグリグリと踏みつけると、先のお子様が「お顔を踏まれたら痛いんだよ!」と激怒。それに応えるかのように観衆は征矢に大ブーイングを浴びせる。
征矢はLEONAにチョップを誘い、すべてを受けきってから逆水平チョップ1発でなぎ倒す。さらに串刺しラリアットを狙うが、LEONAがフェイスクラッシャーで切り返してから低空ドロップキックを見舞って反撃の狼煙。

LEONAはブリッジの綺麗なバックドロップを見せ、征矢のチョップを誘ってすべて受け切ったうえでドラゴン張り手で吹っ飛ばすという意趣返し。LEONAがフィッシャーマンズ・スープレックスからダブルアーム・スープレックスと続け、伝家の宝刀たるドラゴン・スープレックスの体勢へ。しかし、征矢は腕力だけでこれを脱出。LEONAは即座にドラゴン張り手を見舞うが、征矢は怯まず担ぎ上げてデスバレーボム。最後は弾道(ラリアット)でふっ飛ばして3カウントを奪った。

バックステージに戻ったLEONAは、しばらく無言で俯いた後に「負けました。でも絶対に1つ1つのステップを上がっていってるって、それをみんなに見せたいから。この痛みも、今日の情熱も、全部骨身にしみてるから。次のステップ、レスラーになって、今日はこうして征矢さんと向かい合えた。あのときの自分を思い出すと感慨深い。12年間、藤波辰爾とも一緒に歩いてきたけども、そこの責任をまっとうしようと頑張ってきたけども……そろそろ次のステップ、次の自分の責任を果たしたい。今日この痛みを受けて改めてそう感じました」とコメント。レスラーとしての“次のステップ”なのか、リングを降りるという意味での“次のステップ”なのか、ファンへ謎掛けを残した。

一方、征矢はLEONAとの対戦を振り返り「久しぶりのシングルマッチが続く戦い。全試合シングルマッチ。このカードを見たときに、自分の名前がそこにあって、本当に、本当に、心から光栄な気持ちでいっぱいです。藤波怜於南、俺はデビューする前のアイツしか知らない。プロレスラーを志してるとか全然感じなかった。分からなかったけど、でもプロレスラーになって今リングに上がってんだ。藤波怜於南選手はたしか10年以上やってるはずだろう。でもこういう形でシングルマッチが出来たことを光栄に思ってます。LEONA、まだ負けるわけにはいかないんだ。俺にはな、ここ(ハート)に!ここに!溢れんばかりのよ!情熱がよォッ!情熱がァ!情熱がァ~~ッッ!!溢れんばかりの情熱が詰まってるからよ。俺はまだNOAHでもやってくぜ。もっと高みを目指してやってく。でも今日はこういう形で呼んでいただけたこと、藤波辰爾さん、関係者の皆様、ありがとうございました!以上ッ!」と叫びながら荒々しく退席。おそらく皆が一番聞きたかったであろう内容は語らず去っていくという“らしさ”を見せた。
















