「『天才っていいな』って思ってた」才能に嫉妬した努力の人が悲願の王座戴冠!葉月がコグマとの盟友対決を制して涙のCMLL日本女子王者へ!

11日、東京都・後楽園ホールにてスターダム『STARDOM in KORAKUEN 2025 Oct.』が開催。葉月がコグマとの盟友対決を制してCMLL女子王座戴冠を果たした。
かつてブル中野、吉田万里子、栗原あゆみ、朱里、ウナギ・サヤカなども巻いていたCMLL日本女子王座。9月まではCMLLの女子トップ選手の1人であるダーク・シルエタが王者として君臨していたが、同月の後楽園ホール大会にてコグマが王座に挑戦。
この試合では序盤からスピーディでテクニカルな攻防が展開されたが、シルエタが場外でスイングDDTを決めた際に右ヒジから着地してしまい負傷。右肩を押さえて動けなくなってしまったシルエタを見たバーブ佐々木レフェリーは「肩外れてる!」と叫んで即座にレフェリーストップ裁定を決断。試合は4分54秒で突然の終わりを迎えた。
笑顔などあるわけもなく泣きながらベルトを巻くコグマであったが、そこへ盟友・葉月が颯爽とリングに飛び込んできて「このままでチャンピオン名乗っていいのかな?ウチとこのベルトかけて久しぶりにシングルやろっ!」と明るく語りかけて挑戦表明。
コグマは涙を拭いながら葉月に向き直り「獲ったら同じこと言おうと思ってた。私がチャンピオンになって葉月を指名したかった。葉月、ボッコボコにします!」と力強く叫んだ。
【FWC】としてタッグを組み最近では他団体での活躍も増えてきた2人だが、同ユニットだった期間も長く、互いにブランクがあって在籍期間が被らない時期もあり対戦経験は思いの外少ない。
2014年7月の葉月のデビュー戦、15年3月のコグマのハイスピード王座初防衛戦、同年4月のシンデレラトーナメント2回戦、21年10月の葉月の復帰戦、22年4月のシンデレラトーナメント準決勝と過去に5戦行っており、葉月が勝利したのは21年の復帰戦のみ。今回の試合はタイトルマッチであると同時に、“天才”と呼ばれた同期と常に比べられてきた葉月の正念場と言えた。



試合前には2人でしっかり握手をしてからゴングが鳴らされ、互いの歩んできた歴史を確かめ合うかのような堅実なレスリングから試合が始まる。
葉月が得意の顔面ウォッシュを狙うと、コグマが切り返して掟破りの顔面ウォッシュ。さらに顔面へビッグブーツを連打していくなど葉月を強く意識した攻撃を展開。葉月も意地を見せて顔面ウォッシュでやり返し、トペ・スイシーダから場外へのミサイルキックなどで猛攻。コグマもサンセット・フリップパワーボムや雪崩式ヨシタニックといった大技で対抗していき、胴絞めスリーパーホールドでガッチリ捕らえる。
これで意識を手放しかけた葉月だったが、コグマのダイビング・ボディプレスを返してロコモーション式葉・月ストラル。さらに垂直落下式ブレーンバスター、みちのくドライバーII、ダイビング・セントーン、変形エメラルドフロウジョンと圧巻の猛攻。コグマも一瞬の隙を突いて120%スクールボーイで逆転を狙うが、葉月はこれを許さず垂直落下式ブレーンバスターで突き刺して3カウントを奪った。

号泣しながらベルトを受け取った葉月は「葉月、プロレス人生初めての二冠チャンピオンだ~ッ!ウチはコグが同期じゃなかったら、コグが一緒のリングで闘ってなかったら、こんなに強くなれなかった。コグがいたから今のウチがいると思う。本当にありがとう!……あぁ~泣いちゃうよぉ!(笑)」と泣き笑いで語りかける。
コグマは「葉月、おめでとう。あんまりシングル無いし、普段はタッグでFWCとして強くて仲のいいタッグだけど、奥底、一番最初は同期でライバル」と泣きながら語りつつ、唐突に「でもさ、私のほうが10年以上前に二冠王になってんだよ?」とぶっ込んでいく。それでも最後は葉月の肩を抱きながら「ライバルなの、ずっと私達は。ライバルだし、良いタッグだし、今日負けたからと言ってどっちが上とか下とか無いし、これからも競い合って一番強いタッグに、ライバルに。そして頂点目指していこう」と笑いかけた。

バックステージに戻った葉月は「プロレス人生初めての二冠王になりました!しかも2つともスターダムのベルトじゃなくて、アメリカのベルト(スパーク女子プロレス王座)、そしてメキシコのベルト(CMLL日本女子王座)。私はこれからワールドワイドに動いていきたいと思います」と今後の抱負を語る。
そして「ずっと『コグマは天才だね』って言われて、『葉月は何度やっても出来ないよね。早く頭で考えて動きなよ』みたいなことをすごく言われて、差がすごく開いてるなとか、『天才っていいな』って思う部分がメチャクチャあったし、今でも思うことはあるけど、私は私のやり方で、努力でこのベルトを手にしたわけだし堂々と胸張ってスターダムのリングでも、そしてこれから行くメキシコでも世界でも闘っていきたいと思います。これからも、このままライバルとして、そして親友としてよろしく♪」とコグマに対する複雑な思いを吐露しながらも未来永劫の友情を誓った。