20年間の長い闘病生活を終えた亡き父へ王者が涙のメッセージ!「パパ!ありがとう!大好きでした!!これからも娘はこのリングとともに成長していきます」

29日、新宿FACEにてマリーゴールド『~1周年記念シリーズ~ MARIGOLD Burning Desire 2025』が開催。メインイベントでは岩谷麻優(53kg)の持つスーパーフライ級王座(※55kg以下の軽量級王座)に山中絵里奈(55kg)が挑戦した。
岩谷は2011年のデビューから所属していたSTARDOMを今年4月に退団し、3日後にマリーゴールドに入団。5月の代々木大会でスターダム時代に岩谷に師事していたビクトリア弓月を下して第3代スーパーフライ級王者となった。
7・16後楽園ホール大会でマーベラスの桃野美桜が「初遭遇の岩谷麻優、刺激的だったけどさ、もっとこの対抗戦面白くするには私があなたからそのベルト取ることだと思ってるんだよね」と挑戦表明。そこへベストボディ・ジャパンプロレスの山中絵里奈も現れ「実は私もスーパーフライのベルト狙ってるんですよねぇ~。それにもちろん、あなたにも興味があります。どうか、挑戦者としてお試合していただけないでしょうか?」と挑戦を表明し、これを聞いた岩谷が「実は自分がマリーゴールド初めて見に来た時に、全試合見ててあぁこの人いいなぁって思ったのが実は山中さんでした。まだ選手としてはまだまだ実力はわかんないけど、この名乗り出てくる勇気、それを買って山中さん、まずはあなたとシングルマッチしたいです」とこの日の王座戦を決定した。
鍛え抜かれた男の肉体にムチを振るう悪の女王様である“エリナ様”こと山中絵里奈は、ベストボディ・ジャパンフィットネスモデル部門グランプリを獲得するなどコンテスト界で優秀な成績を収めつつ、2019年10月にベストボディ・ジャパンプロレス(BBW)でプロレスラーとしてもデビュー。BBWはスターダムやAEWで世界に名を轟かせる白川未奈がデビューした団体としても知られる。2019年12月にはエリナ様が白川を破ってBBW女子王座奪取。エリナ様は今や世界をときめくMina Shirakawaに勝ち越している女だ。

試合が始まると山中が握手を要求するも、岩谷がその手を握ろうとすると山中はスカす。岩谷が半笑いになってエルボーも、ガードした山中が膝をつかせて顎クイと自分の世界で染め上げていく。
エルボーやビンタの打ち合いから山中がXファクターから串刺し腰振りブロンコバスター。さらに鎌固めで捕らえ、これを逃れた岩谷に開脚ギロチンドロップを投下する。山中は必殺のライダーキックをコーナーから放つが、全て受けきった岩谷が投げ捨てジャーマンからトラースキックで迎撃していき、山中はM.D.M.AやV9クラッチで反撃するが岩谷はカウンターの変形ドラゴンスリーパー。ぐったりとする山中にバズソーキックを叩き込み、最後にムーンサルトプレスを投下し3カウント。

敗北した山中は「ほんと手も足も出ない、一ミリも届かない、なんて全く思ってないから(笑)私にとったらこのマリーゴールドのリングに上がること、白いベルトに挑戦すること、スーパーフライに挑戦すること、メインイベントで岩谷麻優とシングルマッチやること、ちょっと前だったらどれも手に届かないことだった。まだまだここで叶えたいドリームが私にもあるから。引き続きマリーゴールドさんお世話になります」と強気なコメント。
岩谷は「正直ナメてました。あなたの技を受けて受けて、そのうえですんなり勝っちゃおうと思ってたんですけど、思ったより受けすぎてあやうく負けちゃうところでした。山中絵里奈、面白いね。なんかごめん、ナメてたんだけどなんかちょっと良いライバルになりそうだな。これから先が楽しみです」と山中を高評価。
そして岩谷は表情を変え「ちょっと私ごとの話をしちゃいますけど、一昨日大好きなお父さんが亡くなりました。正直すごい悲しい気持ちというか、正直試合できるかなって、笑って試合ができるかなって思ってちょっと今日リング上がるのが恐かった。ずっと病気してて車椅子生活で、家族のことも忘れて20年間長い闘病生活送ってたんですけど、今までプロレスラーとしての娘の姿は見せる事ができませんでした。でも今日初めて、この会場の何処かで、パパが見てくれたような気がします。ごめんなさい、神聖なリングの場所だけどこれだけ言わせてください。パパ!ありがとう!大好きでした!!これからも娘はこのリングとともに成長していきますので、パパも、今日来てくれたお客さんも、配信を見てくれたみなさんも、これから一緒に成長を見守ってもらえたらなと思います」とメッセージを送った。
8月2日から9月14日まで『DREAM*STAR GP2025』が開催されているため、桃野美桜とのスーパーフライ級王座戦は現時点では未定。8月8日マーベラス後楽園ホール大会では5vs5勝ち抜き戦もあり、対抗戦は継続されていく。