【インタビュー】「吹っ切れました。今のマリーゴールドには言いたい事だらけです!」復帰に向けて踏み出したジャングル叫女インタビュー!

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 ヒザのケガに悩まされ2年、4.27中日ホールで高橋奈七永とエキシビジョンながらようやくリングに戻ってくるジャングル叫女。笑顔の裏に秘めたる想いがあるだろうとお話を聞いてきました!

――お久しぶりです。明るい顔してて良かったです。
「ふふふ、ありがとうございます。都会でもなく田舎過ぎずみたいなところに住んでるんですけど、そういうのが良いのかも。」

――エキシビジョンではあるものの復帰への第一歩ですね。
「なんかマリーゴールドは...。あの、遡ってちょっと長くなっちゃうんですけど大丈夫ですか?」

――どうぞどうぞ。
「そもそもちょっと精神的にキてて、東京にいるのがしんどくなっちゃったんですよね。それで東京から出て隠居生活っていうか。いろんなことから切り離して、特に女子プロレスから切り離した生活を。」

――ひとまず距離を置く、大事ですね。
「なんかテレビも見ないし、ニュースも見ないしみたいな。本当にもう何の情報も得ない。だからSNSもやめたというか、もうアプリも消して。」

――止まってましたもんね、SNS。
「本当にもう何も入ってこない状態って生活をしてる中、マリーゴールドが発足されて。で、初めて名古屋大会があった時かな?小川さんとか風香さんが声かけてくれたんですよ。「観に来る?」って。」

――嬉しいですね。
「こんな生活をしてるって知らないわけですから、良かれと思って声をかけてくれたと思うんです。実際気持ち的に落ち着きつつあったし、せっかく声もかけてくれたし、なんか『マリーゴールドだったら見れる気がする』とか、もうほんとギリギリまで悩んだんですけど、会場に行きました。」

――どうでした?
「そしたら普通に楽しくて!みんな頑張ってる!輝いてる!みたいな(笑)。リハビリとか治療とか頑張ろう、みたいな気持ちにもなれたし。とにかく自分にプラスに働いたんですよね。」

――プロレスに、マリーゴールドから元気をもらった。
「その後も女子プロレスはマリーゴールドだけ何回か観に行ってたんですよ。その中で奈七永さんの試合を見て。なんか毎回すごい元気もらうんですよ。奈七永さんってリング上では「元気ハツラツ!みんなに勇気を!」みたいな感じですけど、リング降りて舞台裏とか結構体ボロボロな姿で、ほんと階段の上り下りとかも結構しんどそうだったりするんですよ。じゃあ私も一緒じゃん!と思って。」

――それもパッションだ。
「もう何年ですか?28年か。それで常にトップの人たちと戦い続けてるわけですよ。やっぱり体ってボロボロですよね。でもプロレスラーって痛いところ隠しながらみんなリングに上がってるし、リングってやっぱりすごい不思議な力がたくさんあって、もう痛いところとか苦しい気持ちとか全部忘れられるんですよ。」

――リングの魅力、魔力、プロレスラー皆さんおっしゃいますね。
「私も1回復帰した時って今よりも膝ボロボロだったんですよ。で、2回目の手術の失敗がアメリカ遠征の1週間前にわかって。もうほんと膝が取れんじゃないかみたいな感じでアメリカツアー。帰ってきてからもいつ動かなくなるかわからない状態でずっと試合して。救急車で運ばれたりとかも。結局動かなくなってでドクターストップ。」

――休業前ラストが『NOMADS'Vol.3』(2023年4.14新宿FACE)でしたね。
「NOMADS'の後に3回目の手術をして、最初の失敗したところは直したんです。でもアメリカで十何試合、多分ヒザが悪いようには見えないような試合ができたと思う。リングに上がったらやっぱり秘めた力がこう出るというか、本当に。奈七永さんもそれは言ってるから勇気づけられる部分がすごく大きくて、引退する前に試合がしたいっていう想いが湧いてきて、京都に行きましたね。」

――その京都大会でのマイク、ちょっと涙も見えました。
「奈七永さんとMIRAIの試合だったんですけど、MIRAIも「スゴイ楽しい!」って言ってるぐらいだし、凄く良い試合だったのでこっちも泣けてきちゃいました。呼び込んでもらったんですけど、上がりづらい気持ちもありつつ、ここで言わないと奈七永さん引退しちゃうと思って踏み出しました。リングに上がった瞬間、戻ってきたって想いと同時に完全復帰じゃないからまだ良い報告じゃないな、とか複雑な気持ちでしたね。」

――いやいや、エキシでもみんな喜んでると思いますよ。
「限定復帰わずか5分間ですけど実現した。喜んでくれてる声の方もたくさんあって嬉しいです。ほんと上がって良かったと思ってます。当日は奈七永さんに「おまえやっぱり無理じゃねえか!」って言われないようにしないと(笑)。本格復帰につながるように奈七永さんに背中押して欲しいというか。」

――"パッション太鼓判"もらいましょう(笑)
「『オマエ復帰できるよ!』って言ってもらえるような、そういう想いをぶつけたいと思います。」

――何か勇気づけて欲しくてぶつかる面もあると思ってます。多くの選手が奈七永さんと戦いたい、タッグでもいいから当たりたい!と言うのがそれかなと。
「そんな選手なかなかいないですよね!なんか奈七永さんってリング上は何しても壊れないんじゃないかって思えるし、私もパワーファイターなんでパワーとパワーでぶつかれる。ガンガンぶつかり合える選手って今少ないじゃないですか。」

――それZONES選手もおっしゃってましたよ。「来い!」とも言われてないのに両手広げて呼び込まれるオーラという。
「分かる!そういう戦い方を見てやっぱ勇気づけられたし、乗り越えられたし。その感謝も含めてぶつけたいと思います。」

――現在トレーニングは上半身中心ですか。
「いえ、結局筋力でカバーしないといけないんで、100%の力は入らないんですけど、ハムストリングとかグッと力が入る場所はしっかりやってますね。たとえ細い筋肉でもちょっとづつ鍛えてかないと。むしろやらないとまた断裂とか半月板とかケガしちゃう可能性もあるし。」

――トレーニングも戦いですね。
「ほんとそうです。治療も保険内外、全部やりつくしたんです。これっていう原因が見つからない。レントゲン、CT、超音波で診てってもわからない。どこも悪くないな~って言われてもこっちは階段もキツイし小走りすらできないし。」

――京都の映像からそんな重症とは思えませんでした。
「そこがリングの魔力なんですよ、ほんとに。でもどっかで『やっぱ治らないだろうな…』ってちょっと思ってたんですよ。すごい有名なドクターにもたくさん見てもらって。みんな「おそらく手術失敗した複合的な痛みとかしか言いようがない」って言うんですよ。で、ある先生に「今の医療でこんだけやって無理なら、もう無理だね」ってはっきり言われたんです。」

――ああ、遂に。
「それまであまりにも不毛すぎて正直つらかったんですよ。病院行ってもどうせまた分からないって言われるんだろうとか。病は気からって言いますけど、毎回希望を持って治療に行っても、分からない治らないを2年も繰り返してたらそれはもう。でも最後にそう言われた時に、やっと気持ちが回復したんです。」

――おお、むしろ!
「そうです、そうです。完全にこの膝と一生付き合っていこう。日常に不便なところもたくさんあるけど、これが私の膝なんだ足なんだ。今度はこの状態でもリングに上がれるようにしょう!って決断できました。」

――吹っ切れたんですね。
「それまでリハビリだったのが、リングに上がるためのトレーニングに変わったんですよ。目標ができると、またリングに上がるんだって思えて気持ちがどんどん回復していったんです。それまでの反動がきた感じです。もうどんな薬飲むよりもどんな治療するよりも、私にはプロレスがあるってことが一番です!」

――我々も何十年もプロレスから離れらませんからもうタチの悪いドラッグですよ(笑)
「ほんと観る方にもやる方にも麻薬ですよね(笑)。やっぱり1回スポットライト浴びてしまうと絶対また戻りたいって思うもんだと思うし、しっかり引退できてないからずっとプロレスラーなんですよね。日常生活ずっとプロレスラーなんですよ。田舎に引っ越してこようが、ずっとプロレスラー:ジャングル叫女なので、ずっと。だから奈七永さんはちゃんと引退するんですよね、きっと。未練を断つ。」

――ひと区切り付けないと終われないでしょうね。
「それこそ武藤さんに横浜アリーナで初めてお会いして、日常車椅子も使ってるっていうのは過去に映像でありましたけど、あの日も花道ギリギリまで車椅子だったんですよ。あんな長い横浜アリーナの花道歩けるのかなっていうぐらい。でもちゃんと歩けるどころじゃなくて、そりゃバリバリの時と比べれば厳しくなってると思うんですけど、リングであんなに動けるってスゴイですよ!想像できなかった。やっぱりレスラーにとってプロレスの力ってスゴイんです。」

――あの日は会場からもプロレスの力を感じましたね。
「言葉にしにくいんですけど、私のこのケガも手術の結果はどうあれ、プロレスでできた傷じゃないですか。なんかプロレスを続けるための怪我だったんじゃないかなとも思えるんですよ。プロレスってやっぱり色んなものを持って、背負って、全部リングに上げて戦いで魅せる。それが使命というか、こんなケガ人の私がリングに上がったら、ケガを忘れるくらいのファイトを見せたら、たくさんの人に勇気を与えられると思うんです。」

――さて、ノアの歴史で初めて女子マッチを行い、バックステージでGHC女子王座を提唱した者として今のGHC女子王座はどう映りますか。
「王座は今マリーゴールドでね・・・。う~ん、本格復帰を目指してる段階だし、復帰したら言いたいこと山ほどあります。俯瞰で見てたから余計に。」

――復帰に向けたメッセージとして出しましょう。
「ベルトがこんなに腐ってるの初めて見ましたね(キッパリ)」

――おお、続きをどうぞ!
「全力で自信持ってやってほしいんですよ。私が過去に挑戦したチャンピオンって自信に満ち溢れてた。この天狗野郎!って憎たらしく思うけどチャンピオンってそれでいいんだろうなって思う。だからそいつからベルト獲りたいって思うし、挑戦したいんですよ。」

――確かに失敗しようが負けようが全力出したやつを否定する人間はまあいませんね。
「白いベルトの方は、桜井麻衣とは入れ違いになって闘ったことないんですけど、スターダムにいる時より今のマリーゴールドの方が活き活きとやってるのかな?目立つ存在になってるなって思いますね。MIRAIとの試合も凄く良かったし気持ちのこもった試合してたし。もともと闘志みなぎるタイプじゃないから、本当に試合してみないとわからない感じですけどね。でも復帰したら戦ってみたい選手の一人ですよね。」

――桜井選手も「もっとみんな貪欲になれ」とおっしゃってました。
「林下詩美とかも、昔はなんか新人のくせにすげームカつくなってねじ伏せたくなる感じだったんですけど、今の彼女には挑戦したいと全く思えないんですよね。なんかみんな彼女に興味ない、だから誰もベルトを欲しがらない。そんなベルトってくすんでますよね。ホント許せない!」

――”欲しくないベルト”になってると。
「この選手がそのベルトを巻いたから、私はそのベルトが欲しいっていうのもあると思うんです、やっぱり。そういうところからベルトの価値とか、みんな競い合ってこう上がってくと思うんですけど。ビクトリア弓月なんかはみんなを盛り上げてる感じがしますよね。周りの気持ちを上げてるというか。」

――スーパーフライは盛り上がって行きそうですね。
「戻っちゃいますけど、林下なんかはもっと上げてかなきゃダメだろって私は思います。詩美はね、やっぱジャングル叫女がいないとダメなんですよ!まあ林下ファンを敵に回しちゃうかもしれないですけど、それでもいいです。全然やっぱ私がいないとあの子はね、リング上で輝いてない。メラメラしてない。わかんないですけどね、彼女の深層心理を聞いてないんで。でもね、なんかスカした感じムカつきましたけどね。ああ、ライバルがいないのかな~みたいな。」

――ロイヤルじゃねえだろと。
「私なんかもう万年挑戦者みたいなもんなんでね。私シングルのベルト1回も巻いたことないからチャンピオンの気持ち分かんないですけど、逆に挑戦者の気持ちはもう痛いほどわかるから。ベルトを腐らしてるっていうのが許せないんですね。反面、はなから挑戦しない人とかもいるじゃないですか。例えば夏すみれとか。」

――"夏すみれの世界"を確立してますよね。
「そうなんです。それはスゴイことだし、そういうプロレスの形もあるから全然素晴らしいんです。でも私はベルト巻きたい人間だから、だから次チャンスが来たら絶対獲る!ジャンサポのみんなも10年間やっぱ待ってくれてると思うんで。10周年のうちに巻きたいですから、それが一番の目標ですね。」

――まずは提唱したGHCを獲って「私チケット持ってますからそっち獲りに行きますよ」ってやりましょうか。
「それが一番良いですよね。いい流れを作って獲りに行きますよ。なんかね、今の傾向なのか、「映え」ばっか気にしてんじゃねえよって。」

――そればっかりではね。
「入場がものすごく華やかで、でも試合終わったらヒドイ・醜い・ズタボロでっていう、魂で戦って欲しいですよね。そんな人間はみんな応援しますよね。林下なんてね、なんだキレイに出てきてキレイに終わってんなって思いますよ。」

――正直スポットライト浴びて華やかに試合やりましたっていうより、私一番上まで行きたいんですって闘志を見たい。
「現状に物申したいから復帰したいってところが一番大きいかもしれないです。奈七永さんが踏み出すキッカケを与えてくれたし、次の名古屋大会が終わったらその後はもっと言いたいこと言ってやろうと思います。メラメラした選手が足りてないですよ。」

――いや~、改めてふっ切れてて良かったです。
「今日はキレて元気になりましたよ(笑)。私、もともとプロレスが大好きなんでプレイヤーの気持ちも分かるしファンの気持ちも分かるし、とにかく面白くしてきます!まずは復帰に向けた第一歩、応援よろしくお願いします!」


『MARIGOLD Rising Spirit 2025』
日程:2025年4月27日(日)
会場 : 名古屋・中日ホール
開始 :14:00 ~ 

▼タッグマッチ
林下詩美/ビクトリア弓月
vs
MIRAI/瀬戸レア

▼パッションカウントダウン・スペシャル
高橋奈七永
vs
ジャングル叫女

▼6人タッグマッチ
桜井麻衣/青野未来/田中きずな
vs
野崎渚/CHIAKI/メガトン

ほか

■チケット
https://x.gd/f3hcE

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