大スランプ中の林下詩美が乾坤一擲の勝利でリーグ戦優勝へ全速前進!

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 20日、宮城県・仙台PITにて『Dream✴STAR GP 2024』が開催された。

 『DREAM✴STAR GP 2024』はマリーゴールド初のシングルリーグ戦。DREAMリーグ、STARリーグの2ブロックに分かれ、全16選手が参戦。8月31日に開幕し、9月28日の最終戦まで全9大会に渡って全国を巡りながら激闘を展開していく。

 マリーゴールドは、旗揚げ当初から実力の面でも発信力の面でもジュリアが絶対的エースとして君臨してきた。そんなジュリアもWWEへ移籍し、すぐにNXT女子王座に挑戦が決まりCMパンクの寵愛を受けるなど大活躍中。まさに“世界に弾ける女”となった。

 一方で、マリーゴールド内では“アフター・ジュリア問題”が浮き彫りに。
 周囲が異口同音にエースと呼ぶ選手が所属内に存在せず、団体最高位とされる真紅のベルト(※マリーゴールド・ワールド王座)はフリーのSareeeが保持。エース候補としてよく名が挙がるのは、純白のベルト(※UN王座)を持つ青野未来、スターダム時代から数々の実績を残してきた林下詩美やMIRAIといった面々だが、明確な序列は定まっていない群雄割拠状態にある。

 中でも詩美はスターダム時代に赤いベルトの王者として絶対王政を築いてきた過去もあり、最もエースとしての期待を集めてきた選手だと言える。しかし、マリーゴールド旗揚げ以降は戦績は振るわずスランプ状態と指摘する声もある。
 WWEのイヨ・スカイ、ジュリアとのシングル戦を経て様々な思いを背負っている詩美は今こそ結果を出さねばならない状況にあるが、リーグ開幕からこの日を迎えるまで2勝2敗の4点で残り3戦と自力優勝は困難な状況。この日負ければ優勝の可能性が完全消滅する背水の陣を敷いて臨んだ。

 この日、詩美はDREAMリーグ公式戦で翔月なつみと対戦。翔月はスーパーフライ級王座(※軽量級王座)を持つ難敵だ。


 試合開始直後から詩美が「来いよ」と誘ってエルボー合戦へと持ち込んでいき、競り勝った翔月がニーリフトから串刺しランニング・ダブルニー。ショルダーアームブリーカーから詩美のラリアットを巻き取って脇固めに捕らえるなど徹底した腕殺しで翔月らしい理詰めの試合を展開。
 翔月がコーナーに上ったところで詩美が雪崩式コウモリ吊り落としを狙うが、翔月がコーナー上での卍固めで切り返してダイビング・ダブルニーアタック。さらにローリング・ソバットを発射も、詩美がかわして渾身のエルボー。さらにハイキックをラリアットで撃ち落としてから全身を浴びせかけるようなラリアット。
 詩美の必殺技であるハイジャック・ボムは翔月が回転エビ固めで切り返し、コーナーからの飛びつき式DDT、逆打ちと猛攻。さらにロープに飛ぶが、詩美がすくい上げてマナバウアー(※アルゼンチン・バックブリーカーからのジャーマン・スープレックス・ホールド)で叩きつけて3カウントを奪った。
 終始翔月が攻め続けた中、詩美が必死に耐え抜いて大技一発で試合を決めるという貫禄の勝利を収めた。

 DREAMリーグでは、LLPW-Xの若手でありMMAとの二刀流ファイターであるNØRIが無敗でトップを走り、優勝の可能性を残した林下詩美、皇希、MIRAI、野崎渚が追う状況。詩美かMIRAIが勝ち上がればファンの期待通り、そしてNØRIか皇希が勝ち上がれば新時代の幕開けという状況にある。

 絶対的エースが不在の今、マリーゴールドが続いていくためには詩美の覚醒が必須。無敵の強さを持っていたあの頃の詩美が戻ってくることに期待したい。

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