【インタビュー】「白って自分の生きざまで引き寄せるベルトなんです」UN王者、桜井麻衣選手インタビュー!

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 3.30後楽園大会で見事三度目のUN王座を防衛を果たした桜井麻衣選手。実はこの白いベルトに並々ならぬ想いがあるとの噂を聞きつけ、お話をうかがいました(聞き手:スレンダー川口)

――昨日から『せっかくの桜が雨で落ちてしまう!』って心配してたんです(収録日4月2日)
「ああ~、私、雨女なんですよ(笑)」

――でも思ったより残ってて良かったです。さて、まずは防衛おめでとうございます(3.30後楽園ホール:山中絵里奈戦、STFで勝利)
「ありがとうございます。最初狙われてましたね。不意打ちされちゃって」

――水噴射してM.D.M.A改(前後開脚式リバースDDT)をガツンと。
「研究されたてな~って思いました。 自分がこうくるからこう返してじゃないけど、頭突きしても頭突きし返して来るし。自分のファイトスタイルを知られてるって思いました」

――おパラダイスロックに捉えてヨガポーズでお返ししてましたね。
「会見ではあっちにやられちゃったって思ったんで、やり返そうと思って」

――山中選手は鼻血を出しながらも喰らいついてきました。
「向こうの勢いもあったし、不意を狙われたっていうのはあるんですけど、この白のベルトは、感情というか、そういうものを自分は大事にしてるんです。だから相手の想いとかもちゃんと受けようっていうのはあったので「来い」と。その上で絶対勝つっていうことです」

――全部受け止めて仕留める、チャンピオンらしい戦いだなと思いました。
「周りの声をあんまり聞いてなかったんですけど、それは良かったです」

――決着のSTF、以前の蝶野さんとの特訓通り「相手の脚は自分の体重をスッと下に落とすようにロックする」っていう入り方でしたね。
「今自分の持ってる技の中でやっぱり大切な、一番仕上げて行こうって思ってる技です。お客さんの中でも自分がSTF使うのは定着してきたんですけど、自分の中ではまだまだ磨きたいなっていう想いはあるんです。見せ方だったりまだまだクオリティ上げれるんじゃないかなって」

――山中選手は特に柔軟性が高いので必要以上に顔を極めてるようにも。
「う~ん、やっぱ足が長かったりするとかけづらかったりするんですよ。あの、足が絡まったりするんですよ。なんかちっちゃい人の方がかけやすいんですかね」

――メガトンあたりにはかけやすいとか(笑)
「あ~、でも短すぎても抜けちゃいそうですよね。中ぐらいがいい。あ、わがままかも。それより「短すぎる」ってヒドイな(笑)」

――戴冠から良い戦いが続いてますね。
「ベルト獲った時が青野未来さん、自分のデビュー戦の相手。でその後が野崎渚。で、ちゃんよた。野崎渚は自分がタッグのベルトを獲られた相手。ちゃんよたはもともと組んでたりとか。3人とも縁がある人達、深く関係のある人って考えたら、そういう関係のある人とやっていきたいと思ってて、となるとどこかでMIRAIかなって思ってます。いつかMIRAIとやりたいですね」

――マーベラスとの対抗戦もありました。感情をぶつけ合うならその線もあるかと。
「確かにそれも思いますけど、マーベラスで言えば彩羽匠選手は旗揚げ前にNOAHに参戦させてもらった時に戦った事があります。それ以来ですかね。他の選手は対戦した事はないですね。なんていうんですか、未知の選手は関係性というか、その人と一回戦ってどう反応するかみたいな」

――初めてだとまだそこまで感情が乗らないかも知れないですね。
「当然負けたくないっていう、対抗戦という想いは強いです。今回は特にマリーゴールドの若手たちが凄く良い顔してて、対抗戦っていいなって思いました」

――あのタッグマッチ、25分やってましたけど全然長い感じしませんでした。
「私試合直後だったんでちゃんと見れなかったんですけど、あとから配信で見ました」

――まさに見逃し配信!(皆さまもぜひレッスルユニバースでご覧ください)
「多分、若手のみんなは今まで感覚として無かったような気がするんですけど、あれを機に"負けたくない!”が芽生えたのかなって気がします。 結構燃えてる感じが出てていいなって思います。」

――マーベラスの暁千華選手にもスゴイ声援が飛んでましたから、余計悔しくなったかもしれません。しかしもう若手を育てないといけなくなってきましたね。
「いや、ホントに~(苦笑)。自分なんかは前にいた団体の中では一番下、ユニットの中でも一番後輩だったんですね。多い時はユニット内に先輩が7人いて困ったら先輩に相談するとか、先輩が助けてくれるみたいなポジションにいたんです。だけど今は後輩がめっちゃ増えて、いきなり上の方になって、頼ってばかりじゃいられなくなりました」

――もう一気に増えましたもんね。
「弓月なんかもまあ大変。デビューして半年経ってないぐらいだったのに、割とそういう若手の中でも上の方になっちゃって。もし前の団体にいたら本来まだ一番下で、先輩にこうなんていうか、引っ張ってもらう側。彼女は多分こっちに来てそこはすごい苦労したと思うし、自分もなんかそういうところは似たようなものを感じるので、なんて言うんでしょう。でもその分、そういう厳しい環境の中に身を置くことが、成長したよねって言ってもらえる要因なのかなって思うんです」

――立場が人を変えるってやつですね。
「言葉ってすごく責任あるじゃないですか。言うことによってちゃんとやらなきゃいけないとか。自分は想いは濁さずちゃんとストレートに言います。これを言ったら〜とか、お客さんの反応を気にして言わないとか、それは逃げっていうか。やっぱり言っちゃったらもうやるしかないんですよ。『お前こんなこと言ってるけど、お前こそできてないじゃん』みたいな感じになったらカッコ悪いので、言っちゃったからやらなきゃみたいな。自分で自分にプレッシャーかけてるみたいなところあります」

――桜井選手がゴチカ選手の「いつか白いベルトに」っていうツイートにまず死にものぐるいでやれと返してたのがまさにそれで。自分もサボるなんて許されなくなる。
https://x.com/maisakurai0914/status/1903834306138808462
「私、かつて相当な覚悟を決めてスターダムに行かせてもらったんですよ。今までは芸能半分のプロレス半分みたいな感じでやらせていただいてたのを、『いや、もうプロレス100でやり抜く!』って。なんか死に物狂いで頑張らなきゃいけない時期ってあると思うんです。特に、経験が浅い時期は。だけど、これといった目標や欲しいベルトに対しての本気度などが見えづらくて、結果も出さずになんとなくズルズルとプロレス続けてる選手をみてると『あなた達なんでマリーゴールド来たの?』って思っちゃう。なんでここに来たのかっていう覚悟をちゃんと見せていかないと、口だけじゃなくて。本気でやってる選手は納得しないし、やっぱりお客さんも納得しないと思う。それでも応援して下さる優しい方もいると思うんですけど、その言葉に甘えていたらダメ。お金を頂いてるんだから。それ相応のものを見せていかなければいけないし、それなりの努力もしないと。ていうか、それはそもそも言われてやる事じゃなくて、当たり前の事なんですけどね。そんなに甘くない」

――みんなといっしょ~の中からまず抜け出すんだってやらないと。
「気持ちって大事です。自分も不器用だし、不器用なことがダメとか言ってるわけじゃなくて、そこに見えるやる気とか気持ちが大事で。わざわざここにきて今のレベルで満足してるの?もっと上の目標ないの?みたいな。このベルト取りたい、もっと稼ぎたい、何でもいいと思うんですよね。現状に満足しないでもっと上を目指す事って大切だと思います。前より有名になったとか、前よりはお給料上がったぐらいで満足してるんじゃないよ!って」

――そりゃもう「ぬるま湯コラあ!」ですよ!
「いつからか『悔しい』が勝ってきたんです。なんか今まで試合前は『自信ない』『緊張する』とか。もちろん今も緊張するんですけど、お客さんに対しても負けないみたいなところです。お客さんもすごいシビアな目で見るじゃないですか。試合で何か失敗したり今日だめだったというのはあるんですけど、でも絶対心は折れないし負けない。負けないというのは、お客さんに対しても、対戦相手にも思うし、今日出てる選手全員に対して、自分がどの試合よりも爪痕を残してやる!みたいな。初めて来たお客さんに『この人、良かったね』って思ってもらえる選手でいたい。あの、全員敵ってことじゃないんですけど(笑)」

――いやいやもう全然分かります。
「勝手にそんな闘志が出てくるっていうか。詩美さんに『武闘派だね』って言われちゃって(笑)」

――自分のやってることに自信が出てきたからですよ、きっと。アンチコメントも燃料になっちゃう。
「とある格闘家の方から『アンチってすごいプラスなんだよ』ってお話聞いたんです。勝手に自分の事を広めてくれるよって。実はそれ小川さんにも言われたんです。突き抜ける人ってアンチがいないとダメだってことを。私、異常にアンチ多いんですよ。なんか同じ失敗してもこの選手言われないけど、私だったらめっちゃ言われるじゃんみたいな感じの。『でもそれって、見られてるってことでいいんじゃない?言われない人って、そもそも興味ないから見られてないんじゃない?』みたいに言われて、すごい考え方だってハッとしました」

――アンチもある意味めちゃくちゃ注意深く見て粗探ししてるんですもんね。
「私、数年前に富士そばさんとコラボさせてもらったことがあるじゃないですか。あれもアンチのおかげなんですよ。『桜井がこんな失礼なこと言ってます』って富士そばさんに連絡したそうなんです。それを富士そばさんがプラスに受け止めて下さってまさかのコラボに至るという」

――まさかのアンチ案件成立ですよ(笑)
「会場に来ているお客さんは、割とそういう人いないんですよね。あったかい人が多いんですよ」

――30日の後楽園なんてガチャがもう大人気でしたよ。
「あ、会場の入り口にあったやつですか?」

――そうですそうです!選手の缶バッチがどれか当たるというやつ。「やった!桜井だ!」って言ってる人いましたよ。
「ほんとですか?嬉しい!」

――次回はまた絵柄が変わるそうですから、ファンの方はぜひコンプしてほしいですね。
「ぜひ!皆さんどんどん集めてください(笑)」

――さて、ユナイテッドの防衛戦は3回とも団体所属外の選手でした。
「やっぱりマリーゴールドのベルトなので、マリーゴールドの選手内で争っていきたい。でも外の人が多い。それは言われているように、若手が多くて、ベルト戦線に絡める選手が本当に少ないから。でもそんなの待っていられない。ゴチカにも言ったんですけど、そのままの位置でズルズルやっていくのか、上がっていくのか?上がりたいなら、いつまでもそんなとこにいないで早く結果出して上がってこいっていう感じです」

――待っててくださいじゃねえだろ、ですね。
「みんなもっと貪欲で良いと思うんですよ。別に挑戦権とか決まってなくても『私これ欲しい』でいいと思うんです。『私、これ狙ってる』っていうガツガツ感がない。誰も何も言わないじゃん(怒)みたいな。別に白にじゃなくても、タッグ、スーパーフライ、赤。自分が狙っているベルトは何なのか。それが明確に分かる選手が少ない気がします。『まだ私なんかが…』って思ってる?関係ないでしょ? って思っちゃいます」

――確かに言わないですね。
「Xでも言っていけばいい。『私はここを目指して頑張ってる』じゃないですけど。なんかそう、さっきの言葉になるんですけど、言わないから責任感も生まれない。もっと言うと『欲しい』って言葉は誰にでも言えるんですよ。じゃあ、欲しいんだったら何を見せてくんだってことですよね。そこまでの行動、試合で見せていかないと挑戦権に繋がらないと思います」

――ファンから見てもこの選手覚悟持ってやってるなって伝わりますもんね。
「私は結構、キツいんで言い方とか。別に私の言った通りにしなくてもいいと思うんですけど、じゃあ何でここでやろうと思ったのか、一回初心に帰ってみたらいいんじゃないかな。みんな始めたときってもっと熱い情熱を持って来たはずなんです。それを忘れてる感じがする」

――ギスギスしたくないのか。
「誰かが上がったら誰かが上がれないし、そんな時に悔しいと思ったり、人の幸せを素直に喜べない事って勝負の世界なんだから人間として普通の感情だと思う。その感情を隠すより、その気持ちを試合で出す事で、試合で全力でぶつかるからお客さんに感動を与えられるんじゃないんですかね。その気持ちを試合で全て曝け出してぶつけ合ったら、逆に試合後はスッキリすると思うんですけど」

――ガツガツやって欲しいですね。後楽園で勝った瀬戸レア選手、「どうだ!」ってイイ顔してましたよ。
「明るくなったしイイ顔するようになりましたよね。輝いてる感じ」

――小桃選手も明るい顔してサポートに走り回ってました。
「小桃に関してはちょっと思うところがあって。前の団体で練習生として入ってきた日に私初めての練習を見てるんですけど、めちゃくちゃ運動神経いいんですよ。割とすぐできるタイプ。それなのに出来ないふりをしてる感じがする」

――確かにデビュー戦の落ち着きっぷりとか。
「小桃は本当は弓月のライバルみたいな感じでバチバチやり合えると思うんです。本気でやったら全然いいライバルになると思うんですけどね。本人はどう思ってるかわからないですよ。でも、本当はもっとできるのに『私、そんな出来ないです』っていう感じで遠慮してる気がします。潜在能力は高いと思うし、まだ本気を出しきってないでしょうって(笑)早くその殻を破って欲しいなと思います」

――批判されようが名乗りあげちゃえばごまかせなくなりますね(笑)
「ユナイテッドのベルトってまだ明確なイメージが定着してないと思うんですよ。赤は一番強い、強さを感じさせるベルト。白は感情を、執念を持って戦うベルト、お客さんにも感動を与えられるベルトにしたい。試合後の2ショットでも泣いてくれてるお客さんもいて、ほんとに嬉しかった」

――お客さんの感情を揺さぶってこそのチャンピオン。
「私は正直、旗揚げ戦どん底からスタートしてて、このベルト戴冠したことでガンと上がったんです。変われたっていうか。頑張った人が手にする、これを“自分を変えられるベルト”にしたいんです。ベルトに好かれる人みたいな表現があるじゃないですか。ベルトが意志を持ってその人のところに行くっていう。でも、それは本人の日頃の行いや情熱が引き寄せるんです。自分の生き様で引き寄せるベルトなんです」

――じゃあ簡単に渡せないですね。
「なんとなく挑戦しますなんてダメです。『え?あなたってこれに挑戦したいと思ってたの?』って思われるような人じゃダメなんです。『私はこれが欲しい!私こそ相応しい!』みたいな強い想いで、ベルトを引き寄せるぐらい頑張ってきた人でないと挑戦させません(キッパリ)」

――王者も挑戦者も選ばれし者でなければならない。
「強い人って赤を狙いがちじゃないですか。でも白いベルトはただ強ければ獲れるベルトじゃないと思ってます。強さはもちろん大事なんですが、ベルトに対しての執念みたいなものが強い人が勝ち取るベルト。今までに実績がなくても、お客さんが『今この人だ!』って思う人が挑戦すべきものだと思うし、自分でそういう流れを作ってく。そして当然ですけど、私の心を揺さぶる人こそ挑戦してきてください(力強く)」

――最後改めて、ユナイテッド・ナショナルをどんなベルトにしていきたいですか。
「『ユナイテッド・ナショナル』って世界という意味がありますよね。でも海外という意味だけではなく、色んなジャンルのバックボーンを持った人とという意味で、色んな世界観を持った挑戦者と戦っていくベルトにしたいです。また、私が思うこのベルトのチャンピオンとしての理想の姿は、強さ・美しさ・知的さを備えた人。そんなチャンピオンになっていく事を目指しています。強い人はいっぱいいるし、美しい人もいっぱいいる。だったら強くて美しいをどっちも兼ね備えていたいし、それにチャンピオンは高貴でないといけないと思います。美しさというのは外見だけじゃなくて内面から滲み出るものも大切だと思います。チャンピオンとして恥ずかしくない人柄にも気をつけていきたいと思います」


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