【インタビュー】「SNSで中傷されても怯みもしない」ロッシー小川が語る新たな女子団体『マリーゴールド』と女子プロレス界の今

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 全日本女子プロレスの広報として昭和を生き、アルシオンやスターダムを立ち上げたロッシー小川が新たな団体『マリーゴールド』を発表。
 4月15日に行われた旗揚げ会見はプロレス業界内の話題を一身に集め、今なお一挙手一投足に注目が集まり事あるごとに燃えている。
 「来年昭和100年なんですよ。昭和はまだ終わりません」と語ったロッシー小川が新たに作るマリーゴールドとはどのような団体なのか?現段階の構想を本人に直撃した。

ーー会見を終えて反響に関してはどう思われていますか?
「予想だにしてなかった感じですね。ほんとに旗揚げ戦がどれだけ入るか心配で、周りは『即完しますよ』って言ってくれたけど、実際最初の段階では(選手が)7人しかいなかったんでそういう感覚はなかった。実際アクトレス勢も加わったりしてスキャンダル的な部分も加味されて満員になったと思うので。あとは我々がこの2ヶ月水面下でやってきたことが実を結んできたのかなと。これから始まるんで、ただスタートラインに立っただけです」

ーー話題がアクトレスガールズ一色になってしまいましたが
「全然予想してなかったですよ、急な話なんで。でもあれがあって良かったのかなって」

ーーポスターも話題になっていますね。青野未来が上段にいて、石川奈青が下段にいて。元スターダムの翔月なつみも下段でした
「石川奈青はスターダムの選手じゃなかったし、周りは実績を残してきているのだからしょうがない。今回青野未来が上に行ったけど、あんまりスターダムだアクトレスガールズだって意識したくないんで、誰を抜擢したっていいと思ってる。今回は青野未来だっただけで皇希だってありえたわけで」

ーー皇希は気になりますか
「彼女のプロレスを見たことあるプロレスファンは少ないと思うので、彼女が出てきただけで新しいスター誕生かなと感じはしますね。未知の外国人が来る感じのワクワク感」

ーー170cmの身長はやはり目玉になりますか
「トップやエースになるにはやっぱり身体大きくないと。身体ちっちゃい人は紫雷イオ(イヨ・スカイ)みたいな例はあるけど、それはよっぽどの身体能力があったりとか抜けたものがある。やっぱり大きさって大事、プロレスは」


ーー先日レッスルマニアに行かれてましたが現地で見ていかがでしたか?
「もうスケールが違う。もうこれはハリウッド映画のスケールだなと。ヘアメイクも5,6人いるし、その場でコスチュームや物を作る担当も何人もいたり、とにかく何百人とセキュリティ含めてスタッフがいるんですよ。いやもうすごい規模。あとは早くから会場に入って待機しているわけ。ケータリングもレストランのビュッフェみたいなもので、そこで中邑真輔とかとも会いましたよ」

ーー他の日本人選手とも話せましたか
「戸澤(陽)とはよく喋った(笑)もし僕WWE辞めたらマリーゴールドで使ってくださいって(笑)」

ーーマリーゴールドで男子とのミックスの試合は考えられるんですか?
「男子の試合はないけどスペシャルなミックスはあってもいいのかと思ってる。昔やってたマスクフェスタみたいなのやろうと思ってて、そういう時にマスクマン呼んでもいいのかなと」

ーーWWEだけではなくメキシコとの繋がりも強化していくのですね
「なんか今更新しい事ってないんですよこの世界に。ただ新しい空気を入れていかなければいけない。WWEの規模は日本ではありえないし、そこに追いつくとか言ってはいけないなと。でも選手が目指す道がここにはあるから、我々は牧場でもいい。今回フィラデルフィアが招致したけど、街が潤う。その規模は日本じゃオリンピックじゃないとできない。日本のプロレスじゃビューティ・ーペアやクラッシュギャルズみたいな国民的スターが出れば別だけどそうじゃない限りはあの規模は敵わない。街歩けばイオだベイリーだって皆飾ってあるし、街中がそういうムードになってるし日本じゃそんなの無理でしょう」

ーーイオやカイリのように巣立っていってもいいと
「そういうことがあってもいいんじゃない。夢を見る選手たちと頑張ればいいし、我々は新しい団体なのでそのブランドをいちから作っていく。それはやっぱりカッコいい団体でないといけないし、ビジュアル重視とは言わないけど、オーソドックスなプロレスの中にビジュアルな見せ場があったらいいかなと。プロレスはあくまでオーソドックスなものだと思うんで」

ーービューティーペアの時代のように歌の時間とかも?
「当時はそういうものが少ない時代なんで、今はジャンルが多いし一つやれば絶対当たるってのがない。たまたま当たることがあっても。昔は何もかもが珍しい時代だったんで、だから全女時代と比べちゃいけない」

ーーアクトレスガールズ勢は歌って踊れますが取り入れることは
「別にありだと思いますよ。試合さえしっかりしてれば、そんなパフォーマンスがあってもいいと思う。このリングで色々なものが楽しめればいいと。ほんとはスターダムでやりたかった事なんだけど、大手の中に入ると制約が入るし自分の立場がマッチメイクだけだった。今回は全て自分が関わってるんで、そういう意味では規制がないので色々なものが取り入れられるのかな。今は決まったものがないので、これがいいアレがダメとかないんで、初心に戻った気持ちです。また盛り上げるというのが楽しい」

ーー風香さんも合流しましたがGMに?
「風香はアシスタントプロデューサー。APだね(笑)悪いポジションじゃない。おかしなもんだよね、風香がいて奈七永がいてさ、なんかそれが縁であり歴史なのかなと。新しい歴史なんだけど古い歴史から繋がっているという。皆で仲良くやっていけばいい」

ーーちなみに風香さんとお話されたのっていつだったんですか?
「ほんと直前。アメリカ行く前にチラッと言われたんだけどそこまで話す余裕がなかったんで、帰ってきてから。実際アクトレスガールズの子の試合見たことないし、手探り。でも先入観がないからいいのかなって。ただ序列はしっかり見極めていかなきゃいけないし、風香が今まで見てきてああしたほうがいいこうしたほうがいいっていうのもあると思うから、そこは旗揚げしてから考えたい」


ーー今後ベルトも作っていかれるんですか?
「作ってますよ。多分旗揚げで何本か見せられるかな?4つタイトルは考えてます」

ーー小川さんの団体ですとベルト名が単純にシングル王座とかではなく特殊な名前になってますが
「おいおい発表しますよ。ハイスピードじゃなくて軽量級のベルトも作っていこうかなと。体重で。軽い人でもチャンスがある。そういう準備はしてます。ベルトは時間かかるんで、争奪戦があるとしても夏以降じゃないかな」

ーー今後の試合に関しては
「正直試合の事考えてる余裕がないです。それ以外の日程の事やら色々な事があって、この4年間何も考えなくてよかったけど全て考えなくちゃいけないんで。でも逆にそっちのほうが活気が出てるかなって自分自身。もうすぐ67歳だからね、もうリタイアの歳なんだから」

ーー率直に何歳まで現役目指されていますか?
「生涯現役ですよ!理想というのは試合見ながらぽっくり逝っちゃうこと。迷惑かけるけど(苦笑)でも、後継者を作っていかなきゃいけないしね。この団体が自分限りであってはいけないし、できる限りやりますよ」

ーー女子プロレス界全体を見渡しても長くやっている方々ばかりで後継者が育っていないですが
「新しい血が入ってこれないんですよ。なぜかというとやっぱりどこの団体も運営が不安定なものがあるから、そこでずっと一生できるかっていうとできないじゃないですか?かといって大手が入ってくるとサラリーマン的になってしまうんで、移動もあるじゃないですか?結局これを引き継ぐって事は移動もない人じゃないといけないでしょ?どこどこの社長になったとしても何年かたったら違う社長が来てるんだから、そうじゃなくてこれを引き継いでくれる人にずっとやってもらわないといけない。そうじゃないと身を任せられないんですよ。そういう人をこの選手たちかもしれないし誰になるかわからないけど、見極めていって・・・バトンタッチはしないけど俺がいるうちはね(笑)」

ーーでは20年30年と
「そんな生きないでしょ(笑)頭が回転する限りやりますけど、体力的にはかなりガタガタなんで。でも(スターダムを)辞めてから急に元気になった」

ーーやることがいっぱいですからね
「そうそうそう。やることがないとそうなっちゃうよ。自分史上今が一番元気かなって。いくつか転機が自分の中であって、その中で、自分自身の名前も今が一番上ってるし。ただ旗揚げが終われば自分の名前じゃなくて選手の試合で来てもらわなきゃいけない。今は自分の話題もあって引っ張ってるけどそれはしょうがない。でもそうじゃなくて、実際は選手を観に来てくれるんだから旗揚げしたらバトンタッチをしていかなきゃいけない」

ーー選手との契約関係で今までと変えた部分はありますか?
「自分の主義は来るものは拒まず去るものは追わずなんで、いくら契約してても離れたいと思ったら契約中でも受けようかなって。もっと魅力的なところがあればしょうがないですよ。それは見送ってもらうしかないし、ただ国内で『ここは居心地が良い』ってしていかなきゃいけないんで。あんまり縛りたくないんで、無いっていうのはおかしいけどコンプライアンスとかもね(苦笑)」

ーーSNSだけ気をつければいいと
「自分が昭和で育ってるから、SNSで中傷されても怯みもしないし、そこで生きてるわけじゃないんで。でも選手たちはみんなそこで生きてるから、やっぱりSNSは大事だけどそこに振り回されないでやっていけたほうがいい」

ーー会見時に物販に選手を立たせないと言っていましたが
「今日はこの人って、一人だけやろうかなって。並ばせたほうが売上あがらないんですよ。あれはファンサービスであって、ホントは回転するには選手が立っているよりどんどん売ったほうが良い。サインとかはあくまでファンサービスなんで、選手がベタ付きじゃないと売れないような団体だったらダメでしょう。選手はサービスでいるのが当たり前じゃない。でもひょっとしたら急に『今日は全員でやります』って言うかもしれないし、そういう時もあるかもしれない。それはあくまでも突然に」

ーーちなみにチェキは撮れるんですか?
「まあ、そういう会を作ればいいんじゃない(苦笑)売店もいいんだけど、そこだけに時間を取られちゃうと本末転倒じゃない。試合をしっかり見せたうえでのサービスなんで。でも個人イベントとかはやったほうがいいと思う。スターダムではやりづらかったし、どんどんやったほうがいいと思う。そうやって自分のファンは自分で確保しないといけないし。やりすぎずやらなすぎずが大事なんで。やりすぎちゃうと当たり前になって価値観もなくなっちゃうし、やらないのも遠くなっちゃうし。ほどよい距離でやりたいです。ただ選手はスターでなきゃいけないんで、スターは手が届かないところにあるんであんまり近すぎちゃってもね。でもたまに近づいてくるからいいこともあるし」

ーーありがとうございます。最後に旗揚げに向けての思いをお願いします
「旗揚げ戦はおかげで完売になりました。その後の大会も売れ行き順調です。ただそれに甘んじることなく、とにかく旗揚げ戦で我々が何を見せるかによって今後が左右されると思うんで、そこは楽しみにしてもらいたいし、やっぱりサプライズの仕掛けっていうのはこの世界に不可欠なものなので、だからそれを常に考えてるし。ただ夏にビッグマッチをやりたいと思っているので、それもどこかで発表できたらいいのかなと思ってます」

『Marigold Fields Forever』
日程:5月20日(月)
会場:後楽園ホール
開始:18:30

<参戦予定選手>
ジュリア/林下詩美/MIRAI/桜井麻衣/ビクトリア弓月/石川奈青/青野未来/翔月なつみ/皇希/松井珠紗/CHIAKI/後藤智香/他

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