「エルボー1発もちゃんと打てない」新人選手の技の精度に現役王者が喝!先輩が後輩に試合を通して行う“基礎固め”

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 27日、東京都・東部フレンドホールにてマリーゴールド『New Years Golden Garden 2025』が開催。桜井麻衣が勇気みなみとのシングルマッチで厳しい一面を見せた。

 今大会は、全5試合中4試合が先輩vs新人のシングルマッチで構成されていた。
 どの試合も先輩選手が終盤まで徹底して基礎技だけで冷酷に追い込んでいくという内容であり、今大会に限らずここ最近のマリーゴールドでは先輩が試合を通して新人の基礎固めを行うような試合が多く見られる。

 セミファイナルでは、桜井麻衣vs勇気みなみのシングルマッチが実施。
 桜井は団体のツートップの王座である純白のベルトを保持する実力者であり、後輩の指導も熱心に行う姉御肌。対する勇気は昨年8月にマリーゴールドで再デビューを果たしたばかりの新人であり、同年の新人王を受賞した期待の新星だ。


 試合が始まると、ロックアップでの力比べやリストロック、ヘッドロックの応酬といった丁寧なチェーンレスリングを展開。
 勇気の攻め手が止まると桜井は容赦なく顔面を蹴りつけていき、勇気のエルボー連打を両手を広げて余裕の笑みを浮かべながら受け切ったうえで強烈なエルボー一発で吹っ飛ばす厳しい攻めを見せる。
 桜井がコーナーに上っていくが、勇気が「行かせるか!」とデッドリードライブで投げ落としてから顔面をぶち抜く低空ドロップキック連打。桜井が顔面から出血する中、勇気は得意の首極め腕卍やミサイルキックで畳み掛け、丸め込み連発でガムシャラに勝ちに行く姿勢を見せる。
 しかし、桜井の牙城を崩すには至らず。桜井がカウンターのレッグラリアートからバックドロップで叩きつけ、最後はシャイニング・ケンカキックで顔面を貫いて3カウントを奪った。

 バックステージに戻った桜井は、浮かない表情で思案しながら「今日はちょっと、なんだろ。自分もなんか……達成感無いっていうか。勝ったんだけど。そんな感じの試合でした。残念。新人王だったんだけどねぇ?もっともっと頑張らないとヤバいよ、これ。分かってると思うけど。エルボー一発ちゃんと打てない新人王なんてどこにいんだよ。やべーぞ、お前」と吐き捨てるように技の精度を厳しく指摘した。

 昨今、とあるユーザーがSNS上でマリーゴールドの選手が技を失敗した部分の切り抜き動画を投稿し続けていることが話題になっている。
 有料配信の動画から切り抜いての投稿なのでこの行為自体も問題だが、ベテラン選手や引退済みのご意見番がこの動画を一々取り上げて苦言を呈したり当てこすったりする事態が起きており、結果的に若い選手をいびる形になっていることも問題となっている。
 少し失敗しただけでその部分を切り抜かれてSNSに晒され、それが嘲笑の的にされるというのは現代社会の闇と言える。一部ユーザーの悪意が選手に余計なプレッシャーを与え、それが原因でさらなるミスを誘発し、それがさらに嘲笑されるという最悪のスパイラルが出来上がってしまっている。

 インターネット上で“誹謗中傷”とされる発言は、している本人は自分が“正義”の側であり「正しいことを言っている」「適切な意見論評を行っている」と考えていて自分が加害者になっている意識が薄いことが多い。
 公開の場で観戦料を取って行われているプロレスを見て思ったことを言うにはある程度の自由がある。しかし、プロレス業界の当事者であることを前面に出しながら発信する場合には、自尊心を満たすために若い世代をこき下ろすような行為は慎むべきだろう。

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