「普段言ったら怒られちゃうこととか言いにこの非日常の空間に来なさい」エル・デスペラードが史上最年少二冠王戴冠を阻止しIWGPジュニア王座V2!

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 4日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『ナッツRV Presents Road to THE NEW BEGINNING』が開催。エル・デスペラードが藤田晃生を下してIWGPジュニアヘビー級王座の2度目の防衛に成功した。

 デスペラードは新日本プロレスジュニアを長年牽引するアイコンの1人。
 昨年6月にDOUKIに敗れてIWGPジュニア王座から陥落し、ヒザの手術で長期欠場。2.5次元俳優デビューなどプロレス業界外にプロレスを広める活動を行っていた。昨年11月に半年ぶりに復帰し、1・4東京ドーム大会でDOUKIの持つ王座に挑戦。
 この試合はDOUKIがアクシデントに見舞われてレフェリーストップ裁定となり、5分23秒でデスペラードが勝利して王座奪還を果たした形に。デスペラードはDOUKIがまた帰ってくることを確信しており、その日が訪れるまでベルトを守り抜く覚悟を決めている様子だ。

 藤田は高校までレスリングに打ち込み、卒業後に新日本プロレスへ入門。2021年8月にデビューし、職人肌の技巧派レスラーとして成長。ザック・セイバーJr.の影武者となるなどの交流もあり、ヤングライオンでありながら2023年1月に【TMDK】へ加入。海外遠征を経てヤングライオン卒業も果たし、今年1月にはロビー・イーグルスとともにIWGPジュニアタッグ王座を戴冠。同王座の最年少戴冠記録(約22歳5ヶ月)を樹立してみせた。

 この日は、藤田がデスペラードの持つIWGPジュニア王座に挑戦。藤田が勝利すればジュニア二冠王となり、明確な世代交代を達成するチャンスだった。

 試合はじっくりとしたグラウンドに始まり、両者足を止めての激しいチョップ合戦を展開し、序盤からデスペラードがヌメロ・ドス、藤田がネ申スペシャルと大技を狙う攻防が展開されると場内の空気はどんどんヒートアップ。
 デスペラードは得意の足攻めに加えて藤田が痛めている左肩も同時に攻めるサブミッション地獄に引きずり込んで行くが、藤田もデスペラードのトペ・スイシーダを地対空レッグラリアートで撃ち落とすといったひらめきで対抗。グラウンドでも藤田が師・ザックの技であるクラーキー・キャットを繰り出すなど変幻自在のサブミッションでデスペラードをあと一歩まで追い込んでいく。
 デスペラードの動きが鈍ると藤田はレスリング仕込みの膂力で見事なジャーマン・スープレックスを決めていき、必殺のAbandon Hopeを狙う。デスペラードはこれを変形ダイヤモンド・カッターで切り返し、真っ向からのチョップ合戦を仕掛けて削り合いに持ち込む。
 左手でのチョップの猛ラッシュをかける藤田であったが、序盤から攻められた左肩がついに限界を迎えて一瞬怯む。その隙を見逃さずにデスペラードがフジワラ・アームバーで組み伏せ、リバースタイガー・ドライバー。藤田の必死の抵抗をしのぎ切り、魂のピンチェ・ロコを決めて3カウントを奪った。

 大・デスペコールが起きる中でマイクを取ったデスペラードは「俺はもう散々もらったからさ、もう1人にやってくれよ」と藤田へのエールを促す。
 そして「どうだ藤田、悔しいだろう?自分に勝った相手に『拍手してくれ』なんて言われたら俺は恥ずかしくて穴の中に引っ込んじゃうよ。そういうことを今俺はお前にやってんだ。わかるよなあ、ヤング・パンク!」と格の違いを見せつつ、「お前大阪でもう1個大事なことあんだろ?頑張れよ」と2月11日の大阪大会でのIWGPジュニアタッグ王座の初防衛戦を控える藤田にエールを贈った。

 その後、デスペラードは「一生懸命やってればDOUKIみたいに怪我することもあるし、こういうふうに応援してもらえることもあるじゃん。プロレスって楽しいなあ。痛い。痛いよ。でもやりたくてやってることでこんなに痛い思い出来るとか最高だよ。アンタたちが普段出せねえ大声とか、言ったら怒られちゃうこととかよ、この空間だったら言っていいはずだから。またいつでも言いに来いよ!『バカ!』とか『帰れ!』とか『死ね!』とか……『死ね』はダメだ。そういうこと言いに、この非日常の空間に来なさい。楽しくやろうぜ」とファンにメッセージ。
 「俺はもう頭の中で1人決まってっからさ。それはまだナイショだよ」と次期挑戦者を内心で定めていることを仄めかしつつ大会を締め、リング上には大量のテープが舞う。


 これで大団円かと思われたが、ここにフランシスコ・アキラが登場。
 アキラは3月6日に大田区総合体育館で行われる旗揚げ記念日大会での挑戦を表明。この会場はアキラが4年前の全日本プロレス時代に世界ジュニア王座を戴冠した地であり、アキラにとって思い入れが強い会場だ。
 デスペラードはアキラが新日本に来る前から名前を出して対戦を希望するなど以前からアキラを高く買っていたこともあり、挑戦を快諾。しかし「TJPはもちろんセコンドに付くんだろ?(笑)」と“保護者”がいなければ何も出来ない子供扱いするとブチ切れたアキラが襲いかかって乱闘に。場内が殺伐とした空気となる中で大会は終わった。

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