広島を愛し愛されたご当地レスラー、大仁田厚の電流爆破で引退。デビル.ザ.マジシャン引退試合
地元広島で、ひとりのご当地レスラーが11年のプロレスラー人生に幕を下ろした。デビル.ザ.マジシャンはこれまで、大仁田厚の電流爆破やFREEDOMSなどの広島大会に参戦してきた、プロモーター兼ご当地プロレスラーだ。「広島の人に自分が大好きなプロレスを楽しんでもらえたら」と、ヒーローショーなどでマジックを披露しながら、プロレスラーの道へ進んだ。
2階席も埋まり、2,000人越えの超満員となった広島グリーンアリーナで開催されたビッグマッチには、鈴木みのる、ウナギ・サヤカらも参戦し、マジシャン引退に花を添えた。
メインイベントは、新春最強爆破デスマッチと題され、大仁田厚、雷神矢口、岡田剛史 VS デビル.ザ.マジシャン、葛西純、マンモス佐々木による、流星ロケット爆破+ロープ&電流爆破バットの試合形式で行われた。本来は大仁田組に、西村修が参戦する予定だったが、一昨日より体調が悪化し欠場となった。
試合は序盤から、大仁田がマジシャンにロープに押し込まれ被弾した上、電流爆破バットも喰らう大仁田組劣勢の立ち上がり。これに反撃した大仁田は、マジシャンのマスクを破る暴挙に出たのち捕らえ、矢口がマジシャンめがけて爆破バットを振り下ろす。これを間一髪で葛西がマジシャンを庇う形で飛び込み被爆。葛西が初めて電流爆破の洗礼を受けた。これで戦力を削がれたマジシャン組は、マジシャンが攻められ続ける展開に。矢口から爆破バットを浴び、岡田から攻められ、更に大仁田、矢口のダブルブレーンバスターも返し、意地をみせるマジシャンに、会場から大きな声援が飛ぶ。しかし最後は、大仁田、矢口からのダブル電流爆破バットを喰らい、16分4秒、マジシャンはマットに沈んだ。
試合後大仁田は、「マジシャン、ありがとうな。この大会の宣伝に散々利用されましたけど(笑)。利用されても良いや、と思える、そんな男です。」と話し、マジシャンは、「1年前からこの大会を企画して、葛西選手に電流爆破をお願いしたら、二つ返事で出てもらえました。西村選手も、絶対行くよといって下さってましたが、東京から応援してくれていたと思います。そして最後に大仁田さん!自分みたいなのを電流爆破のリングに上げてくれて、ありがとうございました!また、11年間のご声援、本当にありがとうございました!」と話した。
さらに大仁田は、「これからどんな人生を送るか分かりませんが、俺はこの男が大好きです。第二の人生、がんばれマジシャン!1、2、3ファイヤー!」の絶叫で大観衆と共にエールを送った。
マジシャンは、男泣きで10カウントをリング上でひとり聴き、会場中から湧き起こる拍手の中、リングを降りた。