新日本プロレスはAEWの植民地へ?ヤングバックスが6年半ぶりにIWGPタッグ王座戴冠!
5日、東京都・東京ドームにて新日本プロレス『JR東海 推し旅 Presents WRESTLE DYNASTY』が開催。【ヤングバックス】ニコラス・ジャクソン&マシュー・ジャクソンがIWGPタッグ王座戴冠を果たした。
昨年12月まで行われていた『WORLD TAG LEAGUE(WTL)』では、グレート-O-カーン&HENARE組がIWGPタッグ王者として臨みBブロック単独首位を走っていたが、最終戦を目前に控えた12・5宮崎大会の内藤哲也&高橋ヒロム&BUSHI戦中にHENAREが
膝を負傷し同リーグを棄権。後に王座も返上された。元々はオーカーン&HENARE組が1・5東京ドーム大会で【ヤングバックス】ニコラス・ジャクソン&マシュー・ジャクソンの挑戦を受ける予定であったが、この話は立ち消えに。
1・5では新王者決定戦が行われることとなり、WTL優勝チームでありHENAREを欠場に追い込んだ内藤哲也&高橋ヒロムを闘いに加えた3WAYマッチにすることを1・4東京ドームの内藤vsヒロム戦後に提案。グレート-O-カーン&ジェフ・コブvsニコラス・ジャクソン&マシュー・ジャクソンvs内藤哲也&高橋ヒロムという豪華カードが実現した。
ニコラス&マシューはトリッキーな動きで終始リング内外をかき乱していき、コブのパワーファイトも兄弟連携で封殺。ヒロムが圧倒的な運動量で奮闘していくが、ダメージが深い内藤との連携の穴を突かれてここぞのところで決めきれない。
終盤には、2024年を大いに盛り上げた功労者であるオーカーンが大暴れ。敵全員をフロント・スープレックスで次々とぶん投げれば、コブも全員をジャーマン・スープレックスで投げていき、ヤングバックスを眉山の形で2人まとめて叩きつける怪力を誇示。
さらにコブは内藤&ヒロムを潰しにかかるが、L.I.J連携から内藤がエスペランサで排除。その隙を突いたヤングバックスが内藤にEVPトリガーを叩き込み戦闘不能に。さらにオーカーンに狙いを定め、トニー・カーン・ドライバー(※合体パイルドライバー)で3カウント奪取。6年半ぶりにヤングバックスがIWGPタッグ王座に返り咲いた。
バックステージに戻ったマシューは、6年以上経って日本のファンに忘れられていないか不安だったとのことだが、ファンに熱烈に歓迎されたことで笑顔。
「僕は日本という国がすごく好きで、しばらく離れなくちゃならなくなって寂しかった。こうやって帰って来れてすごく嬉しいよ。新しい顔もいたけど、ロッカールームからいなくなった顔もあるよね。BULLET CLUBで一緒にやってた中でいえば、AJスタイルズやカール・アンダーソン、ルーク(ドク)・ギャローズとか。シンスケ・ナカムラもね。俺たち2013年10月からニュージャパンに上がるようになったけど、ほんとに変わったな」と時の流れを噛みしめる。
ニコラスも「俺なんて初めて日本に来たのが2008年だから、人生の半分以上を日本で過ごしてることになるよ」と感慨にふけりつつ、次の大阪でのビッグマッチ(2月11日・エディオンアリーナ大阪)への出場を熱望した。
様々な喜びを噛み締めながらお祭り気分であったヤングバックスに対し、オーカーンは深い絶望、コブは激しい怒りに満ちた様子でバックステージに。
コブはうなだれるオーカーンを励ましつつ「この試合は元々HENARE&オーカーンがWTLを制した内藤&ヒロムの挑戦を受けるタイトルマッチだった。提携団体へのご意向だか何だか知らないけど、突然割り込んできたヤツも加えてタイトルマッチをやらされるとはどういうことなんだ?俺は小さい頃、学校でもウソつきには身体でわからせることをずっとしてきたんだ。その提携団体に、今から俺が言うことを撮って送れ。どのカメラだ?タイトルマッチを組め。その時のメンバーは誰になるかわからないけど、俺がそこに入るんだったら喜んで闘ってやる」と“オトナの事情”についても怒りを向けた。
今年の1・4&1・5を振り返ってみれば、新日本&スターダムの選手が保持していたベルトは3本がAEWに流出。
KONOSUKE TAKESHITAが鷹木信悟からNEVER無差別級王座を、メルセデス・モネが白川未奈からRPW統一ブリティッシュ女子王座を、ヤングバックスがIWGPタッグ王座を奪った。一方で日本側が防衛に成功した王座はあるものの、新たに獲得した王座は1つも無い。白星の多寡は別として“対抗戦”としてはAEWに大敗した形になる。
コブを始めとしてこの状況をよしとしない選手は大勢いるため、新日本プロレスをAEWの植民地にさせないための巻き返しが期待される。