NJC一回戦でタイチが本間朋晃に完勝し“先輩”へ愛の激?!「TVとか出て浮かれて無ければあの事故は起きなかった」
8日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『NEW JAPAN CUP 2019』が行われ、タイチが“先輩”の本間朋晃を破りニュージャパン・カップ二回戦に進出を決めた。
タイチは2002年に全日本プロレスでデビューしたが、同時期に本間朋晃も大日本プロレスから全日本に移籍。業界の先輩・後輩として巡業も一緒に回る仲間として戦い、一時は袂を分かつが数奇なめぐり合わせで新日本プロレスで再び同じ団体の所属となっていた。これまでは階級の違いもあり目立った衝突はなかったものの、昨年タイチが本間のいるヘビー級に転向しTAKAタイチ興行などで因縁を深めていき今回のNJCでシングルマッチが実現した。
タイチは6日の旗揚げ記念大会で前哨戦で戦った本間を「アイツに出る資格あんのか?あんなヨボヨボの試合しか見せらんねー奴がよ!」と侮辱。本間も「お前の望んでるのは俺の進退だろ?俺の進退!お前に!決められる筋合いはねぇ!」と意地を叫ぶなど両者間の緊張感は高まっていた。
試合が始まると、タイチは場外乱闘で痛めつけ、本間の古傷である首を集中攻撃。本間は攻撃に転じようとするが、ダメージが大きく崩れ落ちてしまい、タイチは「そんなもんかオラ!」と苛立ちながら叫ぶ場面も見られた。
本間はタイチの天翔十字鳳をガードしてラリアットやファイヤーサンダー、こけし、雪崩式ライガーボムと畳み掛け、タイチがフロントハイキックや延髄斬りなどで勢いを取り戻してもホンマクラッチで食い下がる。しかし最後はタイチのバックドロップからの聖帝十字陵(変形ストレッチプラム)でタップアウト。
試合後、タイチは「本間よ。俺がこの業界に入って一ヶ月後にテメェ俺んとこ来て、同じ飯食ったな。いっぱい巡業行ったな。それがなんだ今は。どうしたんだお前。あの時の怖い先輩、本間朋晃見せるんじゃなかったか?でもよ、今日はこんなこと言いたくねぇけどよ。長い付き合いのよしみだ。ちょっとだけ、ちょっとだけだぞ。昔の本間朋晃が見えたよ。出来んじゃねぇかお前、やればよ。ここまで俺に追い詰められて、同じ釜の飯を食った後輩に追い詰められて、やっとかお前。最初からやっとけ。そしたらよ……あんな事故だって起きなかったんだよ!テメェにはよ!最初っからそういうの見せとけ。テメェが腑抜けて調子乗ってるからそういう事になったんだよ。テレビに出て調子乗りやがって。だったら最初からやれ!」と、試合中の事故で中心性頚髄損傷となり長期欠場していた本間に対して愛を込めた厳しい言葉を贈った。
そしてタイチは苛立ちながら次の戦いに向け殺気を放ったが、「いいや、誰が相手でも、俺には……」と呟き、首から下げた飯塚高史が遺したアイアンフィンガーフロムヘルの入った袋を手に取り見つめると、ニヤリと笑いながら去っていった。