「お父さんの生き様を見せられた」引退したインディープロレス界の“永遠エース”が引退後に生まれた息子のために1日限定復帰!
28日、東京都・後楽園ホールにて『TTT旗揚げ5周年記念スペシャル&ガッツ石島デビュー20周年大会』が開催。“永遠エース”ダイスケが1日限定復帰を果たした。
ダイスケは2004年にガッツワールド旗揚げ戦でデビューし、創設メンバーの1人として2000年代以降のインディープロレス業界の発展に多く寄与してきた選手。
2016年には『FIGHTING TV サムライ』による『輝け!どインディー大賞2015』でMVP第1位を獲得。さらには、2015年7月にミスター雁之助とのGWC王座戦でベストバウト第1位、ベストプロモーション第1位の三冠を受賞し、名実ともにインディープロレス界の顔に。インディー界の重鎮として知られたミスター雁之助からは「俺の好敵手は三人いる。ハヤブサ、新崎人生、そしてダイスケ」と太鼓判を押された選手だ。
そんなダイスケだが、ヒザと腰の状態悪化から「全力のダイスケを出すことができない」と自身の13周年興行でもある2017年12月2日に引退。その後はガッツワールドの後継団体と言えるTTTの裏方スタッフとして団体と後輩たちを支え続けてきた。
2020年1月の旗揚げ直後からコロナ禍に見舞われて解散の危機に瀕したTTTだが、順調に持ち直して5周年記念に初の後楽園ホール進出。今大会はダイスケのデビュー20周年大会にも当たることから、ガッツがダイスケに1日限定復帰を打診。
引退前から復帰の可能性を全否定していたダイスケは今回の話も断ろうと思ったとのことだが「引退後に生まれた6歳の息子にパパがどういう生き方をしてきたのか見せたい」と1日限定復帰を決断。
ダイスケが後楽園ホールのリングに立つのは、2017年5月に行われたガッツワールド最後の後楽園ホール大会以来。同大会ではダイスケがガッツワールドの至宝・GWC認定シングル王座戴冠を果たしており、縁起の良い地と言える。
この日は、同じく20周年の同期であるツトム・オースギ&バナナ千賀とタッグを組み、インディー界の混沌と雑味の象徴とも言える【ビッグベアー軍】ビッグベアー&小仲=ペールワン&阿部史典と対峙した。
先発で出ていったダイスケは現役時代と変わらぬ身体のキレを見せ、テクニカルなロープワークから打点の高いドロップキックを放って場内を沸かせる。
しかし、会場の空気を持っていったのは弱すぎて弱すぎることに定評のあるビッグベアー。ただひたすらにボコボコにされていくビッグベアーに声援が集まり、攻撃を加えるダイスケにはブーイングが起きてしまう。
ビッグベアーは手早く負けて試合を終わらせようとするが、小仲&阿部が何度もカットしてしまうために試合は中々終わらない。ダイスケが必殺のスライディングDを叩き込んでコーナーに上がると、ビッグベアーが腹の底から「ギブアァーーップ!」と叫んだことで試合はようやく終了。
ダイスケは構わずフロッグ・スプラッシュを炸裂させ、スライディングDで追撃。ダイスケの勇姿と、名物であるビッグベアーのやられぶりを見られたドドドドインディーファンたちは大歓声を贈った。
試合を終えたダイスケは「お父さんの生き様というものを息子にちょっとは見せられたのかなと。カッコ良かったかは分からないけど、見せられて良かったと思います」と感慨に耽るが、本格復帰は否定。この日を良き思い出とすることを語る。
インタビュー中にふらりと乱入してきた黒田哲広が「あれだけ動いてたのに。嘘つき!(笑)来年復帰しますよ、この人」と茶化すも、ダイスケは改めて全力で否定。
記者から「プロレス界には引退と復帰が7回までは許される前例がある」と話が飛ぶと、黒田は「おっ!それは僕が大好きな師匠の話!あのクソヤロ……あっ、ヤベッ!」と言い残して退散した。