骨を断たせて肉を切る!右手を骨折した王者が“痛みの伝わるプロレス”で激勝防衛!
9日、東京都・新木場1stRINGにてTTTプロレスリング『CONVICTION 11』が開催。藤田ミノルが橋之介を制してインディー統一無差別級王座V3を果たした。
藤田ミノルは現在インディープロレス界を荒らし回るベルトハンターとして大活躍しており、8月大会でインディー統一無差別級王座戴冠を果たしたことでユニオンMAX王座とのシングル二冠王に。
かつてターザン後藤さんが掲げた“インディー統一”の夢を叶えるべく旗揚げされたTTTにとって、先にその夢を達成しかねない藤田は真っ先に潰さねばならないターゲットだ。
そんな藤田から王座を奪還せんとTTTのマスクドミステリー、瀧澤晃頼が挑戦するも藤田は独自の世界観でリングを支配して連続防衛。3度目の防衛戦には橋之介が名乗りを上げた。
橋之介は、『週刊ゴング』の記者時代にはピラニア山口の名で活動し、デルフィン軍、WWFのカイエンタイなどで悪役マネージャーを務めるなど多方面で活躍したウォーリー山口さんの息子。
フォームの美しいスカイツイスター・プレスを必殺技として持つハイフライヤーとして活躍しており、飛び技だけではなくタイガー戸口にみっちりと仕込まれたというレスリングテクニックも持ち合わせる実力派。
デビュー時からフリーとして活動していたことからまだまだ知名度は低いが、その志と実力は高い。今後のプロレスシーンを変えていく可能性を秘めた選手の1人だ。
そんな2人の決戦の約2日前、藤田が右手親指の違和感を覚えて病院に行ったところ、母指関節脱臼骨折(ベネット骨折)と診断。手術を勧められるも「休めないんすよねぇ~」の一言で済ませ、右手をギプスでガチガチに固めながら試合に出続けるという根性を見せている。
王者は手負いとはいえ、橋之介が藤田を倒せば王座奪還とともにインディージュニア界の世代交代も狙える一戦となった。
橋之介は藤田の選手コール時に紙テープが舞う中で奇襲をかけ、ノータッチ・トペ・コンヒーロで先制。リングに戻してスワンダイブ・ミサイルキックで顔面をぶち抜き、クロスフェイスで速攻勝利を狙うも藤田はなんとかロープへ。
藤田はスリーパーホールドで捕らえながら右親指のギプスを目に突き刺すなどなりふり構わぬ攻撃でチャンスを引き寄せ、アンクルホールドを軸とした足への一点集中攻撃を展開。中盤からは藤田が一方的に攻めているように見えるも、藤田も攻撃の合間合間に右手を押さえながら脂汗をダラダラ流すなど限界が近い様子。“骨を断たせて肉を切る”という割に合わないダメージ交換を厭わぬ藤田の“痛みの伝わるプロレス”に場内が息を呑む。
橋之介も右親指を掴みながらのキングコブラ・ホールドなど容赦なく弱点を攻め立て、スワンダイブ式のスワントーン・ボム。さらに奥の手のスカイツイスター・プレスを放つも、藤田がこれを回避。橋之介も折れずに旋回式ファルコンアローで決めにかかるが、カバーに入られた瞬間に藤田が強引なサムソンクラッチで3カウント。削り合いの試合は藤田が制した。
外敵である藤田の3連続防衛に危機感を募らせたTTT選手勢がリングになだれ込んできて口々に挑戦を表明するも、また別の外敵であるインディー界の奇人・藤原秀旺が現れて強引に挑戦を決定。
11月17日の王子BASEMENT MON☆STAR大会では、テクニシャン系奇人の藤田とパワー系奇人の秀旺による王座戦が行われることとなった。