「プロレスっていうのはな、パワーだけじゃないんだよ」軽量級女子王者がパワー自慢の王者へ挑戦表明し二冠取りを宣言!
2日、北海道・ガトーキングダム・サッポロにて『Marigold Fantastic Adventure 2024』が開催。翔月なつみが松井珠紗を制してマリーゴールド・スーパーフライ級王座の3度目の防衛に成功した。
翔月は2012年1月にスターダム3期生としてプロレスラーデビュー。同期の宝城カイリ(現:カイリ・セイン)とともにデビューから1年3ヶ月でゴッデス・オブ・スターダム王座(※タッグ王座)を戴冠するなど将来が期待されていたが、腰の負傷から2013年7月にスターダムを退団して事実上の引退状態となり、2015年に惜しまれつつ正式引退。一時は女優業からも離れていたが、2019年から復帰。2021年11月にはアクトレスガールズとしてリング復帰を果たした。
マリーゴールド旗揚げに合わせて移籍して“プロレスラー”として復帰した翔月は今年7月13日、スーパーフライ級王座(※55kg以下の軽量級王座)の初代王者決定トーナメントを制して両国国技館で11年ぶりに王座戴冠。
同王座の王者として強いプライドを持つ翔月は、純白のベルトとの同時戴冠を宣言。軽量級でも上位とされる王座に通用する実力があることを証明せんと意気込んでいる。
この日、翔月が3度目の防衛戦で迎え撃ったのは松井珠紗。
松井とはアクトレスガールズ時代からの戦友でもあり、ともにマリーゴールドに移籍してきてからは初代スーパーフライ級王座決定トーナメントの決勝戦でも対戦したライバル。一時は【翔松タッグ】としてパートナー同士になった時期もあったが、やはり対角で闘い合う方が良いと早々に発展的解散(?)をするという奇妙な絆も築かれている。
試合はゴングが鳴ってもすぐには動かず、両者額を突き合わせての視殺戦から場外での殴り合いと殺伐とした空気の中で進行。スピードで勝る松井が機動力を活かした突撃戦法や場外へのプランチャなどの捨て身の攻撃で押していく中、翔月はコツコツと腕への一点集中攻撃を展開していく。
勝負の分かれ目は終盤。満身創痍の2人がエルボー合戦を繰り広げるも、松井は腕のダメージから思うように威力を出せない。翔月がじわじわと優勢になっていくことに焦った松井は、カサドーラ・フットスタンプや、ブサイク・ニー、さらに必殺のMKD(※変形フィッシャーマン・ドライバー)と畳み掛けるも翔月は意地のキックアウト。
ならばと松井は滅多に出さない奥の手のムーンサルト・プレスを発射も、かわした翔月が蒼魔刀。さらに脇固めからのキドクラッチで3カウント。一点集中攻撃から最後は松井の勢いを逆に利用しての丸め込みという翔月のプロレス脳が光る試合となった。
マイクを取った翔月は「早速次の防衛相手……と行きたいところなんですけど、自分はこの55kg以下だけじゃなくて、2階級制覇を目指したいと思ってます。次、青野未来のユナイテッド・ナショナル、白いベルトを目指したいと思います。青野未来いるか、青野未来!」とぶち上げ。最高位の“真紅のベルト”と並ぶマリーゴールドの二大シングル王座とされる“純白のベルト”を持つ青野をリングに呼び出す。
青野は「2階級制覇ですか。随分大きく出ましたねえ?でも、ちょっと厳しいんじゃないですかねえ?もっとパワーを付けてきてください」と挑発するも、翔月は「プロレスっていうのはな、パワーだけじゃないんだよ。分かるか?パワーはたしかに有利だけど、それを覆すのが翔月なつみです」と啖呵。舌戦では拮抗勝負となる。
翔月は青野も55kg以下であることを持ち出してスーパーフライ級&純白のベルトのダブルタイトルマッチを要求するも、青野は真紅のベルトを狙っていることから「体重に縛られてる場合じゃない」とこれを固辞。11月14日の後楽園ホール大会にて、翔月と青野のスーパーフライ級王座戦が行われることが決まった。