坂口征夫が岡谷英樹とのコンビでアジアタッグ史上初の“親子戴冠”達成!「これでオヤジに一歩近づけた気がするし、胸張ってオヤジの前に出れる」
DDTプロレスが11月3日、東京・新宿FACEで「Road to Ultimate Party 2023 in SHINJUKU」を開催した。イラプションの坂口征夫が岡谷英樹とのコンビで、アジアタッグ王者組でバーニングの秋山準&鈴木鼓太郎を破り、同王座を奪取。征夫の父で“伝説のプロレスラー”坂口征二氏は1971年12月に吉村道明とアジアタッグ王座に就いており、同王座史上初の親子戴冠の偉業を達成した。新王者組にはバーニングの岡田佑介&高鹿佑也が12月9日の大阪・アゼリア大正大会で挑戦する。
坂口と岡谷は現在KO-D6人タッグ王座(もう一人のパートナーは赤井沙希)を保持。全日本プロレスの「世界最強タッグ決定リーグ戦」にも初エントリーされ、満を持してのベルト挑戦となった。
開始早々、岡谷が秋山にエルボー連弾で先制攻撃をかけ、場外に連れ出すと、ステージ上でボディスラム。怒った秋山はボディスラムで反撃し、強烈なイス攻撃。リングに戻ると、秋山と坂口がエルボー合戦。秋山がヘッドバットを見舞えば、坂口はミドルキックで返す。岡谷がランニング・ネックブリーカー、ノーザンで秋山にたたみけるもカウントは2。秋山は雪崩式ブレーンバスター、ヒザ連打、サポーターを外して生ヒザを岡谷に叩き込むも坂口がカット。さらに秋山がエクスプロイダーも岡谷が踏ん張る。坂口が鼓太郎にミドルキック連打から飛びつき三角絞めも、抜け出した鼓太郎はエンドレスワルツ、ツームストーン・パイルドライバーも2カウント。秋山が坂口にエクスプロイダー、鼓太郎がブルーディスティニーも岡谷がカット。鼓太郎がタイガードライバーを狙ったところで、坂口が右ヒザ。そこから坂口が神の右ヒザを連発して、粘る鼓太郎から3カウントを奪った。
試合後、セコンドで秋山組に声援を送っていた岡田と高鹿がリングインし、「秋山さん、鼓太郎さんがいかれて黙ってるわけにはいかん。実力とか実績とかそんなもんじゃなく、俺らに必要なものは一歩踏み出す勇気と気持ちだと思う」(岡田)、「正田(壮史)に負けてDGC準優勝で終わって、何の実績も残せてない。かたや岡谷さん、KO-D6人、全日本の6人のベルト巻いて、今日アジアも巻いて悔しい。この悔しさをもったまま黙ってられないんで挑戦させてください」(高鹿)とアピール。
岡谷は「オマエ(高鹿)にはシングルで負けてるからやったるわ」、坂口は「オマエらの態度は嫌いじゃねぇ。秋山、鼓太郎がやられて悔しいからリングに上がった。その気持ちだけで十分。オマエらみたいなの好きだから、いくらでもやってやる」と受諾。大会終了後、PWFが認可を下ろし、12・9大阪でのタイトル戦が決まった。
そして、坂口は「あまりリングの上で言いたくないけど、坂口という名の付く人間に生まれて、育って、今こうやってプロレスしてる。俺を生んでくれたオヤジが一番最初に巻いたのがこのベルト。俺も巻くことができた。どうしようもねぇ息子だったかもしれねぇけど、これでオヤジに一歩近づけた気がするし、胸張ってオヤジの前に出れるのかな」と胸中を吐露。さらに「12日から始まる最強タッグ、このベルトを通行手形にDDTの特攻隊長として乗り込んで暴れて、全日本をぶっ壊してやる」と意気揚がった。
バックステージで坂口は「(10・7)三条で言っただろ。ドラマは始まってるって。意地でも獲んなきゃ終わりだし。赤井も卒業に走って、俺らも10ヵ月以上、ずっと3人で走ってきたんだ。だからよそのユニットより絆は深い。その絆の結晶がこれだ。極論言ってやろうか。このベルトがなくなるとき、イラプションは消滅する。それくらい俺らは今自信があるし、負ける気がしない」と胸を張った。
一方、古巣・全日本の王座から陥落した秋山は「岡谷も前と違う、粘り強い岡谷がいた。負けたよ。負けて悔しいけど、DDTの若い人間がこうやって上がってきてくれるのはうれしい。だけどチームとしては負けてるから、またどこかでやり返さないといけない」と雪辱を期した。