“天下無双の狂乱娘”鈴季すずが5★STAR GP初優勝!「プロレス界の顔になっちまうからみんな乞うご期待!」
30日、神奈川県・横浜武道館にてスターダム『STAR☆VERSE Presents 5★STAR GP 2023~優勝決定戦~Supported by SoftBank』が開催。鈴季すずが5★STAR GP初優勝を果たした。
『5★STAR GP』とは毎年夏に行われるスターダムのシングルリーグ戦であり、今年も7月23日~9月30日の期間で開催される長期戦。2ブロック20選手が参戦する女子最大規模のシリーズとなり、全国各地を回りながら熱戦を繰り広げてきた。
リーグ戦のさなかに地方ビッグマッチでの各王座戦が行われたり、歴代女子プロレスレジェンドが大集合した『ミッドサマーフェス 2023』や一夜限りのタッグが生まれた『ドリーム・タッグ・フェスティバル 2023』といった特番的なビッグマッチが行われたりと、選手にとってはあまりにも過酷なスケジュールが詰め込まれた2ヶ月となった。
この日の大会開始時点で決勝進出の可能性を残していたのは、【レッドスターズ】刀羅ナツコ、鈴季すず、中野たむ、朱里。【ブルースターズ】MIRAI、舞華、白川未奈。
レッドスターズでは、ナツコとすずが同点で並んだものの直接対決の結果からすずが決勝戦に進出。すずはこの日は公式戦こそ無かったものの。第0試合のバトルロイヤルで優勝して勢いづいていた。
ブルースターズでは白川が敗れて一足先に戦線から姿を消し、舞華とMIRAIが直接対決。小細工なしの真っ向からの肉弾戦を制した舞華が決勝戦への切符を掴んだ。
決勝戦は、STARDOMで世代闘争を仕掛けている新世代軍の中核を担う2人の対決に。
試合は、序盤から舞華がすずをお姫様抱っこから場外に放り捨ててダイビング・ラリアットで追撃するという荒れた立ち上がり。すずもスライディング・ジャーマンなどでやり返してエプロンからの奈落式ブレーンバスターを狙うが、舞華が阻止してパワースラム。逆にすずをブレーンバスターで持ち上げながらスクワットしてから叩きつけるパワーの差を見せつける。
ノーガードでエルボーで撃ち合う2人。すずがドルフィンバスターを決めれば、舞華もコーナートップからの雪崩式ブレーンバスターからロコモーション式で3連発という圧巻の反撃。さらに舞華は山茶花からラリアットを発射も、キャッチしたすずがスパニッシュフライ。すずはバズソーキックを狙うも舞華がキャッチして担ぎ上げパワーボムで叩きつけ、即座に炎華落としで追撃しローリング・ラリアット。
舞華はみちのくドライバーIIを狙うが、すずがリバース・フランケンシュタイナーで切り返し、バズソーキック、トラースキック、バズソーキック、後頭部へのランニングニーと猛連打。舞華のラリアットをカウンターで受けてもカウント1で返し、テキーラ・ショット、ロコモーション式ジャーマン・スープレックス・ホールド、スカイツイスタープレスを見舞って3カウントを奪った。
昨年はジュリアが身に着けた王冠とガウンに身を包んだすずは感無量といった様子で優勝カップを天に掲げる。
そして「5★STAR優勝したってことはプロレス界の顔に近づいたんじゃねーか?!」と語りつつ「両国国技館まで待てねーよ。11月18日の大阪エディオンアリーナ第1競技場で赤いベルトに挑戦します!」と挑戦表明。最後に叫んだ「鈴季すずが天下無双してやります!」の言葉には超満員の2,507人の観衆が大歓声で応えた。
バックステージに戻ったすずは、「5★STARで優勝したということは、私が最強だということ!つまり、スターダムの最高峰のベルトに挑戦する価値がある女だということ。私はプロレス界の顔になるのが最終目標なんだよ。この勢いでこいつ持ってプロレス界の顔になっちまうからみんな乞うご期待!以上!うおー!」と元気よく語って去っていった。
すずはアイスリボンのエースとして活躍していたが、自身が姉のように慕うジュリアが自分に一切相談無くスターダムへ電撃移籍したことで心に深い傷を負った。アイスリボン退団後にはプロミネンスの結成に参画し、スターダムへとカチこんでジュリアと強引に再会。
ただただジュリアに憎悪の気持ちをぶつけていくすずの姿勢には最初こそ批判の声もあったが、それが深い愛の裏返しであることが知られ始め、ジュリアとの熱闘の数々でスターダムファンを魅了。今年3月にプロミネンス勢が『TRIANGLE DERBY』で優勝した際には外敵が勝ったにも関わらず会場を揺るがす大歓声が起きていた。
今年4月にプロミネンスを脱退しスターダムへと闘いの場を移したすずは、世代闘争をぶち上げてニューリーダー軍のキーパーソンと言える存在になっている。
5★STAR優勝で赤いベルトへの挑戦権を掴んだすずの覇道はどこまで続いていくのか。狂乱娘の行く末に期待していきたい。