引退を控えた赤井沙希が10年間で初のシングル王座戴冠も即返上!赤井を慕う前王者へ「プロレスラーになってくれて本当にありがとう」と涙

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 27日、東京都・新宿FACEにて『ベストボディ・ジャパンプロレスリング~Tokyo September 2023~』が開催。赤井沙希が山中絵里奈の持つBBW女子王座を奪取した。

 赤井沙希は、元プロボクサーの赤井英和さんの実娘であり、2013年8月にDDTでプロレスラーデビュー。現在はDDTの紅一点として男子選手に混ざって奮戦を続け、東京女子プロレスやベストボディ・ジャパンプロレスなどでも活躍。174cmの長身とその美貌を活かしてファッションモデルやタレントとしても活躍してきた。
 また、2019年には、人気ゲーム『Fate/Grand Order』の舞台『Fate/Grand Order THE STAGE -絶対魔獣戦線バビロニア-』でルチャ・リブレを愛する陽気な女神、ケツ姉ことケツアル・コアトル役として出演。現在も「イキマース!」の掛け声とともに放つ必殺技、ケツアル・コアトル(※縦回転変型ラ・マヒストラル)を使い続けている。

 赤井のプロレスラーキャリアも10年を迎えようという5月24日、赤井は「私は、枯れて朽ちていく花ではなく、美しいまま散る花でいたい。それこそが赤井沙希のプロレス道の最終地点だと思っております」と11月12日の両国国技館大会での引退を発表。
 心残りの無いよう全力で引退ロードを突っ走る赤井は獅子奮迅の活躍を見せ、7月にはKO-D6人タッグ王座を、8月には全日本プロレスTV認定6人タッグ王座を戴冠する二冠王に。これまで参戦のなかった団体へ乗り込んだり、これまで対戦経験が無かった選手との試合を行ったりと、最後の花火をぶち上げている。

 そんな赤井は、ベストボディ・ジャパンプロレス(BBJ)の旗揚げ初期からレギュラー参戦してきた。
 DDTでは張り詰めた様子での試合が増えてきた中、黎明期DDTの雰囲気を感じるBBJでの赤井は伸び伸びとした試合ぶりを発揮しBBJ女子選手陣を引っ張る立場に。選手数もキャリアも少なかった生え抜き選手たちに対し、時には頼れるパートナーとして寄り添い、時には高い壁として立ちはだかって来た。
 そうした経緯もあり、赤井はBBJ女子選手陣からベビー・ヒールを問わず厚い親愛やリスペクトの気持ちを寄せられている。

 そんな中、新人時代から赤井が目をかけてきた選手の1人であるBBJ生え抜きの山中絵里奈は、現在はスターダムで活躍する白川未奈との抗争を経てBBW女子王座を戴冠するなど著しい成長を見せてきた。
 山中は赤井の引退の報せを聞くと、赤井が引退前最後の参戦となるBBJの9月大会で自身の持つBBW女子王座のベルトをかけてのシングルマッチを要求。「お世話になった赤井さんに私の成長を見せつけることが最高の恩返し」と意気込みを語っていた。


 試合は、王者・山中がデビューから培ってきた基礎力を赤井に見てもらうかのようなじっくりとしたレスリング戦が展開され、山中がリスペクトに溢れた掟破りのプラチナムロックを繰り出す。
 赤井も本家本元のプラチナムロックでやり返し、山中の根性を試すかのように挑発的に顔面を蹴りつけていく。山中も折れずにミサイルキック4連発から雄叫びを上げながらのエルボー猛連打。さらに必殺のM.D.M.A(※変形リバースDDT)を狙うが、これをかわした赤井が組み付いて「イキマース!」と叫んでのケツアル・コアトルを決めて3カウントを奪った。

 試合後、山中は号泣しながら「赤井さん、いつもキレイで、いつも遠いところにおるなって思ってました。でも、今日はタイトルマッチさせてもらって、全然遠いけど、やっとちゃんと面と向かってプロレスラーとして対角に立たせてもらったかなって思ってます。試合するたびに、『自分はなんて弱いんやろ』『赤井さんみたいに強くなれたらな』って思ってました。11月12日でプロレスを辞める沙希さん。リングにいる沙希さんを見られへんっていうのは、すごい寂しいです。でも、多分違う場所で今までと同じように、もっともっと輝いていかはるんやろなと思います。ずっと応援してますし、私も負けへんようにリングの上で輝いて、誰かにいつかそういう風に思ってもらえる選手になれたらと思ってこれからも頑張ります。今日は……今まで、本当にありがとうございましたっ!」と赤井に思いをぶつける。

 赤井も「今日、最後のBBJ参戦でエリナ様とこうやって1vs1で勝負ができて本当に良かったです。プロレスラーになってくれて、本当にありがとう!」と涙ながらに感謝の気持ちを伝え、2人はしっかりと抱き合った。

 引退を約1ヶ月半後に控えた中での戴冠となり、BBJの次回大会は約2ヶ月後。ホームでの防衛戦が出来ないということもあり、赤井は「このベルトはこれから続ける人が競い合っていくものだと思うので、今日ここで返上させていただきます。それが筋だと思っています」とこの日限りで王座を返上することとなった。

 大会後、赤井は「(シングルのベルトは)キャリア10年の中で初めて巻きました。BBJは見た目はキラキラしてると思うんですけど、皆さんたくさん努力されている方の集合体なので、これからどんどん進化していくと思います。なので、皆さんこれからベストボディから目を離さないでください」とメッセージ。

 2つの6人タッグ王座も含めて三冠王となったことについて問われると、「自分のプロレス人生でまさか、何冠ってなると思わなくて。それが三冠になって、そのうちの1つが自分の力でこうやってシングルのベルトを獲れると思っていなかったので。ただ、自分のシングルのベルトとは言え、今まで闘ったり組んだりしてくださった皆さんのおかげだと思っているので。そして今日対峙してくれたエリナ様のおかげで自分も磨き上げられたと思うので、皆さんのおかげです。そして一番はファンの皆さんが自分の背中を押してくれました」と笑顔で語った。

 22回のアイアンマンヘビーメタル級王座戴冠歴はあれど、最強の証としてのシングル王座は初戴冠だという赤井。11月12日のDDT両国国技館大会での引退までにどのような軌跡を残してくれるのか、赤井沙希の残りわずかなプロレス人生に注目していきたい。

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