「MMAは打撃だけじゃないんだぞ」金原正徳がクレベル・コイケとの世界最高峰の寝技戦を制して劇勝!大晦日にフェザー級王座挑戦の可能性も浮上

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 24日、埼玉県・さいたまスーパーアリーナにて『RIZIN.44』が開催。ABEMA PPVにて独占生中継された今大会のメインでは金原正徳がクレベル・コイケから勝利を収めた。

 金原は4月の『RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI』にて山本空良を相手に勝利。
 試合後には「自分には強さしか残ってないので、長くも出来ないから最後に自分が追い求めていたMMAを最後、今自分が認める一番強い選手とやりたい。進退をかけてケラモフとやりたいなって。クレベル渋滞の順番待ちするくらいだったら、先頭に並べる相手とやりたい。『クレベルとやらせてくれ』って権限は無いけど、『ケラモフとやらせてほしい』と言えるくらいの権限はあるかなと思う」と当時はフェザー級王者であったクレベルを敢えて避けての“妥協案”としてケラモフ戦を要求。
 しかし、今やケラモフはフェザー級王者。図らずも当初望んでいたクレベル戦が実現することとなった。

 また、7月30日に開催された『超RIZIN.2』では、クレベルとピットブル兄弟との乱闘騒ぎが起きたことが話題になった。
 パトリシオの試合後にクレベルが大きなリアクションを取ったことを「パトリシオの敗北を大喜びした」と解釈したパトリッキーが会場内でクレベルを突き飛ばして挑発。その後クレベルがピットブル兄弟のロッカールームへと乱入してパトリッキーに蹴りを見舞ったということが報じられた。
 計量失敗による王座剥奪や乱闘など不名誉な話題が上がることの多いクレベルにとって、この試合は様々な意味で“再起戦”だった。

 1Rは金原が序盤から打撃で圧をかけていくが、クレベルが引き込んで4の字チョーク。金原の顔がみるみる赤黒く染まるが、なんとか首を抜いて側頭部へ打撃を見舞っていく。
 2Rでは、カーフキックを中心に打撃戦を仕掛けてきたクレベルと金原がタックルで倒し、パスガード寸前まで追い込みつつ肩固め。クレベルが抜けようとするも金原が左肘、右のパウンドを打ち下ろして滅多打ちに。金原が圧倒的有利な状況の中で2R終了のゴング。
 3Rでは、タックルを狙う金原に対し、クレベルが下から足を絡め取ってヒールホールドを狙い、金原の回避運動似合わせて引き込みギロチンチョークも狙う流石のテクニックを見せる。しかし金原が即座に首を抜いて上をキープし続け、クレベルがスタンドに戻そうとしても外さず再びテイクダウン。金原が肩固めを狙いつつ側頭部へのパンチを連打。そのまま3R終了のゴング。

 すぐに立ち上がる金原に対し、クレベルは呆然と座り込んだまま判定へ。判定3-0で金原が勝利した。
 クレベルが日本人ファイターに敗れたのは2009年10月の北田俊亮以来、約14年ぶり。金原が日本人としての意地を見せつけた。

 マイクを取った金原は、「長いことやればいいこともあります。今年20周年です。ちょっと勝ったら泣こうかなと思ったんですけど、全然泣けなくて。クレベル戦が決まってから寝れなくてつらい日々がありました。それも信じてくれる仲間やチームや、自分自身をなによりも最後まで信じることでこの勝利を掴むことが出来ました」と胸中を吐露。

 そして、アゼルバイジャン大会での大一番を控える鈴木千裕に「千裕、勝ってこいよ!やろうな。頼むぞ。待ってるぞ」と声をかけたり、来週の名古屋大会での試合を控える盟友・所英男をリングに呼び込んで「来週、所英男がやってくれます。みんな応援よろしくお願いします!」と観衆に呼びかけたりと、周りへの気配りも忘れない人格者ぶりを見せつけた。


 試合後インタビューに応じた金原は、「『パパ、朝倉未来に勝ったクレベルに勝ったんだね』と言われました。なんで息子からしたら僕、一番下です(笑)」と自身の子供に言われたことを明かして笑いを誘いつつ、「MMAっていうものをずっと積み重ねてこつこつやってきた、それがこの試合に出たと思う。タイに行って体がボロッボロなるまで練習したのも10年振りくらいだと思うし、あそこが痛いここが痛いって言いながら、その日々が辛くて。でもこれは『クレベルに勝つためだ』と自分に言い聞かせて。やっぱこう、試合前から言ってましたけど自分の優先順位が今までは怪我をしない、自分のパフォーマンスをより100%に近づけるためにリングに上がるということを優先していましたが、今回は100%じゃ絶対クレベルに勝てないと思ってたんで、120%、130%、っていう自分の限界を超えて、怪我してもいいって覚悟を持ってできたんで」と闘いに向けての日々を振り返る。

 そして「やっぱみんなもうRIZINのファンの人はクレベルは寝技が最強だって知ってるし、クレベルと寝技で対抗できたって沸いてくれるのは、グラップラーとか柔術やってきた競技者としてはすごく嬉しいことだし、本当にそれだけで盛り上がってくれるのは何より嬉しいですよね。『打撃だけじゃないんだぞ』っていうところですねMMAは」と笑顔を見せた。

 榊原信行CEOから大晦日でのRIZINフェザー級王座への挑戦権があると太鼓判を押された金原だったが、「完全オーバーワークです(笑)でも求められるならもちろんやりますし。無ければありがたいですけど」と苦笑いで応じつつも王座挑戦については前向きな姿勢を見せた。

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