パンクラスが12・24から初代アトム級女王決定4人トーナメント開催!ジェニー・ファン、沙弥子、SARAMIが参戦!
9月11日夕、都内新宿区のパンクラスにて、初代アトム級女王決定4人トーナメントの開催と参戦選手が発表された。
1回戦は『PANCRASE 340』(12月24日、横浜武道館)にて行われる。決勝は2024年3月末に予定されている。
参戦会見には現在エントリーが決定しているジェニー・ファン(AACC/同級1位)、沙弥子(リバーサルジム横浜グランドスラム/同級2位)、SARAMI(パンクラスイズム横浜/初参戦、第2代修斗女子世界スーパーアトム級王者)の3選手が出席した。
台湾出身のジェニー・ファンは、テコンドーと柔道がバックボーン。昨年12月に初参戦。沙弥子にチョークスリーパーで勝利。今年5月には修斗にも参戦、古賀愛蘭にスリーパーホールドで勝利している。現在は日本に住み、AACCで練習を重ねている。
沙弥子は2019年に初参戦。柔道がバックボーン。前戦ではファンに一本負けを喫したが、今年7月大会ではMIYUを圧倒、何もさせず判定勝ちを収めた。以前からアトム級ベルト創設を希望していたという。
SARAMIはこれがパンクラス初参戦。2012年7月、JEWELSでプロデビュー、今年選手生活11年目となるベテランだ。DEEPで闘ったあとは修斗でも闘い、2021年11月には第2代修斗女子世界スーパーアトム級王者となっている。
選手との質疑応答は以下。
――まずは、このトーナメントに懸ける意気込みをお願いします。
ファン「こんにちは。私は台湾から来ました、AACC所属のジェニーと申します。私はQOPのトーナメントにとても興奮しています。私の夢に一歩近づいたと思います。私はこの試合に勝って、ベルトにチャレンジすることを希望します。私の家族は、私が格闘技の選手になることにずっと反対でした。しかし、私は格闘技の道に対する情熱を証明したかったです。ベルトを手に入れたいのは、単に目標を達成できるということを証明するだけでなく、それを通じて私が好きなことを楽しんで、その上で努力する自分になりたいということを伝えたいから。家族はもちろん反対する声も多く、諦めそうになったこともありましたが、私は諦めずに努力を続けて来ました。タイトルにチャレンジすることができたら、それは私にとって大変大きな意味があります。トーナメント頑張ります。ありがとうございます」
沙弥子「こんにちは、リバーサルジム横浜グランドスラム所属の沙弥子です。このベルトを懸けたトーナメントを今年開催していただけるということになって、すごく心が躍っています。どの選手と当たっても、華やかな試合、楽しい試合になることは間違いないと思っています。 また、このベルトを作っていただいたことによって、新しい若い選手たちがパンクラスのアトム級で闘いたいと思ってもらえたら、さらにいいかなと思っています。 まずは12月24日の試合、しっかり勝って、決勝につなげていきたいと思いますので、よろしくお願い致します」
SARAMI「パンクラスイズム横浜所属のSARAMIです。今回このお話をいただいた時に、私がプロデビューしてから10年間、他の団体ではありましたが積み上げてきたものは間違っていなかったんだなとすごく感じました。一番縁がありそうで遠かった憧れのパンクラスでベルトを懸けて試合ができるということを、本当に嬉しく思っています。まずは12月24日、トーナメント1回戦に勝って、SARAMI史上最高のものを作っていきたいと思います」
――現在参戦が決まっているのはこの場にいらっしゃる3選手ということで、このメンバーに関しての印象をお聞かせください。
ファン「今回の試合は、みんな経験豊富な選手で、対決が楽しみです」
沙弥子「そうですね、私もジェニー選手と同じ意見なんですが、オールラウンダーで好戦的な、戦いが好きな女たちが集まったんじゃないかと思っています」
SARAMI「まず、ジェニー選手は勝負強い選手だなと思っていました。沙弥子選手はすごく仲のいいお友達で、できれば対戦はしたくなかったんですが、まさか同じトーナメントに出ることになって、縁があるんだなぁと思っています」
――ジェニー選手にお伺いします。日本に長期滞在して頑張っていらっしゃいますが、日本に来てからのご自分の進化をどのように感じていますか。
ファン「日本にはアトム級に強い選手がたくさんいる、それが私が日本に来た理由です。アトム級の中で勝つことは簡単なことではないと思っています。QOPになるために一所懸命に準備しています」
――SARAMI選手、DEEP、修斗を経てのパンクラス参戦となります。改めて、パンクラスに参戦してベルトを狙っていくということに対する思いをお聞かせください。
SARAMI「修斗でチャンピオンになって。ベルトがあった時は自分の格闘技人生が一番肯定されていたんですが、なくなってしまって、すごく落ち込んだというか、これからどうしようという気持ちになったときにこのお話をいただけて。ずっとアトム級で試合をしたかったので、そのタイミングでこのベルトができて。このベルトを巻くのに相応しいのは多分、私だと思うので、必ず巻きたいと思っています」
――ずっとパンクラスを主戦場としてきた沙弥子選手は、ずっとこのベルトを作って欲しいという希望を出していました。自分のためのベルトという思いもあると思いますが、その辺いかがでしょうか。
沙弥子「そうですね、私がベルト欲しいって言わなかったら集まらなかった顔ぶれだと思うので、私が獲ります。言い出しっぺが獲るべきだと思うので、誰にも譲らない、ベルトは私が巻くという強い意志のもと、決勝まで闘い抜きたいと思います」
――勝ち上がるためのプランニングなどはいかがでしょうか。
ファン「去年の12月にパンクラスで試合させていただいた時からもう練習、練習、練習、とずっと積み重ねて来ていて、いま日本語学校に行っているんですけど、学校に行きながら毎日練習して、という生活をしています。その中で、AACCのメンバー、女子の選手たちと良い練習ができているので、前より今の方がどんどん強くなっている自信があります。なので、今度の12月はしっかり勝って、決勝につなげたいと思います」
沙弥子「私はけっこう頭が固いタイプなので、柔軟に、ケースバイケースで、その場その場で対応していくような感じで試合をして勝ち上がっていきたいなと思います」
SARAMI「多分、このメンバーの中で私が一番、経験値があって、ベテランと呼ばれる立場だと思うんですけど、修斗のベルトがなくなって、もう1回自分を見つめ直して作り直しているところです。なので、今は正直、自信はないんですけど、12月24日、完璧に作り上げるつもりでやっています」
――坂本靖運営部長にお聞きします。あと1人の選手、決める要素は?
坂本「先ほど沙弥子選手がおっしゃったように、好戦的な3人の女子に割って入る日本人選手が果たしているのかなという気もしているので、海外にオファーしてはいます。また、パンクラスのQOPを決めるトーナメントなら是非出たいという候補も2選手ほど来ています。でも、もし、この3人に入る日本人が出るというのであれば、残り1枠を検討していきたいと思います。組み合わせもその時に決めます」
――では3選手、改めて、パンクラスの女王になるということについての思いをお聞かせください。
ファン「パンクラスは長い歴史があって、私も大好きな団体です。その中で初代アトム級の王座を懸けたトーナメントに出られるということが、すごく興奮しています。もし私が獲ったら、大変嬉しくて興奮します」
沙弥子「ベルトを獲る=強さの象徴ということもそうなんですけど、私個人の強さ以外にも、私のサポートをしてくれている人たちへの恩返しだったり、自分がやって来たことの肯定にもなると思うので、しっかり勝ってチャンピオンになりたいと思います」
SARAMI「パンクラスの長い歴史があって、私は今パンクラスイズム横浜で練習していて、いろんな先輩方がいて。今までベルトに対して、自分が獲りたい、一番になりたいっていう気持ちでやっていたんですけど、今回に関しては、パンクラスの歴史の1人になれるように、また、日本のMMAが新しいものに変わっていくきっかけになる、要になるような存在になりたいと思います」
――残り1枠は外国人選手になるかもということですが、それは関係なく、日本人でも外国人でも、闘いたいという選手がいれば挙げてください。
ファン「アトム級の選手はたくさんいて、ちょっとすぐには思いついませんが。強い選手とやりたいです」
沙弥子「世界にはいろんな強い人がいるので、私もちょっと誰がというのはわからないので、ここでは『来た人を倒すだけ』ということだけお伝えしておきます」
SARAMI「特別に誰というのはないんですけど、UFCに出るような、わけわかんないくらい強い海外選手が来てくれたらすごく楽しいなと思います」
――沙弥子選手とSARAMI選手は仲がいいということで、以前は一緒に練習されていたようですが、今もされているのでしょうか。
沙弥子「今はしていないです」
――では、決勝までは、お2人は仲良くはならないと。街で会ったらシバいてやろうとか。
沙弥子「挨拶程度で(笑)」
SARAMI「怖い(笑)。仲良くはいたいなと思います」
沙弥子「私もそこは同じです(笑)」
――闘うとしたら、初戦より決勝がいいですか。
SARAMI「はい」
沙弥子「もちろん」
――SARAMI選手にお伺いします。パンクラスイズムということもありますし、ジムに歴代のチャンピオンの先輩がいたりするので、何か声をかけられたり、自分から聞いてみたりとか、そういったことはありますか。
SARAMI「特別ないですね」
――なんとなく気を使ってもらっているようなこととか……
SARAMI「本当、そういうのは直接はないんですけど、パンクラスイズムに移籍して一番縁がなかったパンクラスにやっと上がることができて、最高のタイミングだなと思います」
――初代ということに対してはいかがでしょうか。
ファン「今、台湾ではベルトを持っている人がいないので、台湾人としても初代のベルトを獲りたいです。それによって私も良くなりますし、これからの人たちにとっても良くなりますし、私も幸せです」
沙弥子「初代のベルトというのは、ここからアトム級の歴史が始まるという一番大事なところだと思うので、一番最初、初代に私の名前を刻みたいという気持ちでいます」
SARAMI「私自身、初代ということに特別こだわりはないです。初代チャンピオンになることでパンクラスの歴史の一員になれる、ということで、獲りたいなと思います」
――沙弥子選手は一度、ファン選手に敗れています。当時のリベンジを先にしたいのか、それとも決勝か、その次に何か機会があればという感じでしょうか。
沙弥子「そうですね、やはりリベンジはしたいです。ですけど、SARAMI選手とも試合をしたいので、ここは何とも言えないですね」
――それを受けてSARAMI選手は?
SARAMI「まさか、まさかでしたね。でも、誰でも、組まれた人と試合をして勝ちます」
――ファン選手は、もし沙弥子選手との再戦になっても望むところだという気持ちでしょうか。
ファン「沙弥子選手も(前回より)もちろん強くなっていると思いますし、私も強くなっていると思うので、(前回とは)違う闘いになるんですが、前の映像を見返してみても、自分自身、前とは違うし、また新しい闘いになると思います」
――では最後に、応援してくれている方々にメッセージをお願いします。
ファン「パンクラス12月の試合をぜひ会場で見てください。それから、パンクラスの情報をぜひチェックしてください。QOPトーナメント、応援よろしくお願いします」
沙弥子「12月24日は、横浜武道館で、華やかで熱く激しい試合をしますので、皆さん会場でぜひ応援よろしくお願い致します」
SARAMI「12月24日、熱い試合をして、皆さんが最高のクリスマスを迎えられるように試合をしたいと思います。応援よろしくお願いします」
女子らしい和やかな雰囲気でありながら、各選手のベルトへの熱い気持ちが伝わった。気になるのは残り1枠。パンクラス30周年記念大会第2弾にふさわしい選手の参加が待たれる。
(写真・文/佐佐木 澪)