「プロレスは何が起こるか分からないから楽しい」健介オフィス時代からの不穏な関係に終止符!中嶋勝彦と宮原健斗が10年ぶりのシングルマッチで大熱闘!
- 2023-7-16
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- プロレスリングNOAH
15日、東京都・後楽園ホールにてプロレスリングNOAH『One Night Dream』が開催。中嶋勝彦と宮原健斗が約10年半ぶりのシングルマッチを行った。
中嶋は2002年にWJプロレスから当時史上最年少であった15歳9ヶ月でプロレスラーデビュー。その後は佐々木健介に師事して健介オフィスおよびダイヤモンド・リングで活動し、NOAHには2008年から参戦。2015年に所属となってからは2度のGHCヘビー級王座戴冠や史上初のN-1 VICTORY二連覇を達成するなどNOAHの中核を担う選手となった。
宮原は2007年に健介オフィスに入門し、佐々木健介と中嶋勝彦の指導を受けてデビュー。若手エースとして期待されていたが、2013年にVOODOO-MURDERSに加入すると同年に退団し2014年の1月1日に全日本プロレスに入団。その後は全日本のエースに成長し、“プロレス界最高の男”としての地位を不動のものとした。
中嶋と宮原は、今年2月の武藤敬司引退興行で約10年ぶりにリング上で対峙。このときにはガッツリと闘うことは無かった2人だが、これを機に再び互いの存在を意識するようになった様子。
2人はそれぞれの道を歩み始めてから不気味なほどに交わることが無く、一部では不仲説も囁かれていた。
さらに、2021年5月にマサ北宮が中嶋を裏切った際に発した「10年前に健介オフィスに入門したときからテメーのことが嫌いで!嫌いで!嫌いで!大嫌いだったんだよ!」という言葉や、今年3月に北宮が宮原と約10年ぶりの試合を終えた後に発した「12年前に健介オフィスに入門したその日からお前のことがあんまり好きじゃなかった。金輪際関わるんじゃねえ。おしまいだ!」という言葉が健介オフィス内の人間関係についての憶測を加速させた。
しかし、6月の名古屋大会で中嶋が「なあ健斗、久しぶりにリングで語り合おうじゃないか。時は来たぞ」と突然対戦を要求したことから状況が急変。このカードが正式決定されるや否や、今大会のチケットは即完売に。
戦前の記者会見では、宮原が“世間が抱く健介オフィスのイメージ”の表現として突然のビンタで中嶋をKOしてしまい騒ぎになるなど、プロレス界全体が注目する事件へと発展していった。
試合はじっくりとしたロックアップでの力比べに始まるも、中嶋がR15を叩き込んで場外を連れ回しながら荒々しく蹴り続ける。宮原もフロントハイキックで場外に蹴落とし場外でヘッドバッドを猛連打するなど一歩も引かず。
中嶋はローキックで宮原の足を潰し、健介オフィス出身者には縁の深い技である監獄固めを繰り出す。宮原もエプロンパイルドライバーで反撃し、互いにジャーマン・スープレックスで投げ合う意地の張り合いを展開。中嶋がマサ斎藤さんを思わせるバックドロップを繰り出せば、宮原も佐々木健介さんを思わせるラリアットを放つなど2人の過去が交差していく。
足を止めての激しいエルボー合戦で会場が大いに沸く中、中嶋は「来い!健斗!来いよ!」と叫んで獰猛な笑み。大の字に倒れた宮原にマウントエルボーを連打していくが、サッカーボールキックをかわした宮原がブラックアウトを連打。さらに二段式ジャーマン・スープレックス・ホールドから必殺のシャットダウン・スープレックスを狙うが、振り払った中嶋が宮原のアゴ先へ強烈な張り手。
ガクリと倒れ込んだ宮原に対し、中嶋は顔面へのぶった斬りキック。さらに引き起こして顔を覗き込みながら「健斗!」と叫んでからのヴァーティカルスパイクを決めて3カウントを奪った。
中嶋はほほ笑みを浮かべながら宮原を助け起こそうとするが、宮原が荒々しく振り払いエルボー合戦へと発展。
しかし、中嶋は去っていく宮原に向け「健斗、健斗!最ッ高なレスラーになったな。でもな、健斗。俺は、俺は……譲れねえよ」と優しく語りかけた。
バックステージに戻った中嶋は、「10年ぶりの健斗とのシングルマッチで、いろんな思いが蘇ったよ。だけど、だけど俺はまだまだ譲れねえ。その一言だ。でも、健斗が全日本で最高と言われるのは理解できたよ。俺が知らない宮原健斗と10年ぶりに会話をして、最高と思えたよ。『One Night Dream』、この題名の通り、今夜限りかもしれない。またあるかもしれない。プロレスは何が起こるか分からないから楽しいよな。俺も見届けてくれたファンのみんなと一緒に、その何かが起こるか分からないその時を楽しみにしてるよ」と2人の物語の続きを綴ることに前向きな様子。
一方の宮原も、「久しぶりに……久しぶりというか、10年ぶりか。中嶋勝彦の肌に触れたよ。ああ、結果は俺の負けだ。何も言い訳はできねえ。今、この人類の中で一番借りを作りたくない男に借りを作っちまったよ。一番この世で借りを作りたくない男にな。まあ、『One Night Dream』だか、『TAKE THE DREAM』だか知らねえけどな。今日限りで終わるのか。果たして次があるのか。全てはプロレスファンの声次第だ。俺はいつでも借りを返す準備を整えておくよ、中嶋勝彦」といつかの再会に期待を残した。