【試合詳細】10・30 みちのく神戸サンボーホール大会 のはしたろうvs新崎人生 フジタJrハヤト&卍丸&Ken45°&日向寺塁vsMUSASHI&郡司歩&川村興史&大瀬良泰貴

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『株式会社ワールド・ワン Presents のはしたろうデビュー20周年記念スペシャル大会』
日時:2022年10月30日(日)
開始:13:00
会場:兵庫・神戸サンボーホール
観衆:650人(超満員札止め)

▼株式会社豊成工業 presents シングルマッチ15分1本勝負
○ラッセ
6分42秒 キャメルクラッチ
●山谷林檎

▼ウィーデザイン presents タッグマッチ20分1本勝負
ヤッペーマン1号/○ヤッペーマン2号
8分11秒 ウラカンラナ
バラモンシュウ(フリー)/●バラモンケイ(フリー)

▼株式会社ルート presents タッグマッチ30分1本勝負
ザ・グレート・サスケ/●スペル・シーサー(フリー)
9分47秒 デルフィン・クラッチ
○スペル・デルフィン(2point5)/エイサー8(沖縄)

▼カラオケパブまつこの部屋 presents シングルマッチ60分1本勝負
○GAINA(フリー)
10分16秒 ラリアット→片エビ固め
●OSO11

▼オヤジの本気本舗 presents 8人タッグマッチ60分1本勝負
○フジタJrハヤト/卍丸/Ken45°/日向寺塁
11分51秒 K.I.D.
MUSASHI/郡司歩/川村興史/●大瀬良泰貴

▼肉の牛屋 presents のはしたろうデビュー20周年記念試合 シングルマッチ時間無制限1本勝負
●のはしたろう
30分57秒 極楽固め
○新崎人生

のはしたろうが20周年記念試合で師匠・新崎人生と30分超えの激闘を終え「この次ももっともっと強くなった還暦の人生さんとやりたい」!フジタJrハヤトが躍動しK.I.D.で勝利!

第1試合

 今年の5月5日に青森のはまなす会館大会でデビューしたほやほやの新人選手山谷林檎が、キャリア20年のラッセとぶつかり稽古。双方向き合い握手を交わしゴングと同時に勢いよく先制のキックを仕掛けたのは林檎だったが、ラッセは少しもひるまず足を掴んでテイクダウンからアンクルロック。ヘッドロックを逃れ立ち上がった林檎がラッセの腕を取ろうとするがラッセ再度林檎の左足を掴んでテイクダウン、またも執拗に足を攻める。林檎切り返し今度はラッセをヘッドロックしスタンディング。逃れたラッセのラリアット一発で風に舞う木の葉のようにふっ飛ばされる。林檎も負けじとドロップキックで反撃に出れば、ラッセは林檎の背面に容赦なくストンピング。林檎がラッセにエルボーの連打もラッセ微動だにせず。ロープにもたれかかりフラフラの林檎の頭を掴んでブレンバスター。さらにコーナーへ押し込みダメ押しの串刺しかというところで息を吹き返した林檎がラッセを迎撃、コーナートップからミサイルキック、ラッセの背後にドロップキックを見舞い、ふらつくラッセをロープにセット、619で一矢報いて青コーナー最上段から打点高めのミサイルキック。
 カウント2でフォールを返したラッセが林檎を強烈なボディプレスでマットにしたたかに叩きつけ背後にまわってジャーマンを狙うが、林檎が堪えて切り返しラッセを丸め込んでフォール2連続もラッセ返す。
 林檎のラリアットをラッセ余裕で受け切りフィッシャーマンズバスターで豪快にぶん投げフォール。
 カウント2で返した林檎にキャメルクラッチ。恐ろしい角度で締めあげられた林檎たまらずタップ。
 先輩の厳しい愛の鞭を骨身に刻んだ林檎は四方向に頭を下げて腰をさすりながらリングを降りた。

第2試合

 コロナ禍以降バラモン兄弟は汚水を撒く代わりにアルコールスプレーを持参。観客の手をアルコール消毒しながらおとなしく入場してくる姿がどこか寂しげ。
 だが試合が始まるといつもどおり大暴走。場外で捕まえた2号の肛門に杭を打ち込み「シャッターチャンス!」と観客を煽る。リング上ではローンバトルの1号の肛門に杭打ち。観客席の子どもたちと「オーマイアナル!」さらに1号をニュートラルコーナーへ押し込んでスーツケースをセットしてボーリング。調子に乗った兄弟が1号を「しっかり持っとけよ」は、1号が辛くも逃れて誤爆。
 ようやく戦線に復帰の2号とコーナートップからリング下の兄弟へダブルブランチャ。リングに戻った1号が、シュウを担ぎ上げると2号がもろとも担ごうとして1号の背後へまわって身を屈めたところへ、ケイが投げたスーツケースが1号の背面に直撃。崩れ落ちた2号を捕まえ交通標識で頭を殴打し五体不満足でフォールするが、カウント2.99で1号がカット。
 1号を再びリング下へと落とし分断した兄弟がパウダー攻撃を仕掛けるが、かわした2号が白煙のリング中央でケイをウラカンラナで3カウント。
 逆上のシュウが大暴走、1号を逆エビ固め。レフリーが止めに入って解かれると今度は腕固め。逃れた1号起き上がれず。珍しいことにバラモン兄弟はいつもの決め台詞を吐かずにおとなしく荷物をまとめて控室に消えた。

第3試合

 8月に現役レスラー生活を引退したGammaがサプライズでデルフィン、エイサー組のセコンドとして参加、竹刀片手に血気盛ん「蹴り殺すぞ!」を連発してサスケ、シーサー組を挑発した。
 先発はサスケとエイサー。サスケが怪しいしぐさで謎の気を集め念動力を飛ばすがエイサーにはあまり効かない。サスケが懸命に大きく丸めた?謎の気をエイサーが一蹴、ショルダータックル一撃でサスケはマットに倒れくの字に固まるが、一瞬の隙に勢いよくマットに鎮座するサスケ。いぶかしく思いながら蹴り倒すと、ダウンと見せかけまたも起き上がりこぼしの如く鎮座の態勢に戻るサスケに頭を抱えるエイサー。アームホイップで互いを飛ばしデルフィン、シーサーに交代。

 腕の取り合いのあと素早い展開。デルフィンのヘッドロックを切ってリープフロッグのシーサーをデルフィンがショルダータックルで倒してドロップキックを鮮やかに決める。赤コーナーに捕まったシーサーを待ってましたとばかりGammaがボコり青コーナーのサスケを挑発。なんとか逃れたシーサーが今度はエイサーを青コーナーに詰めてサスケとチェンジ。

 サスケはエイサーの腕を極めてからチョークスリーパー。ぐったりしたエイサーに背後からキック、コーナーに捕まえシーサーにタッチすると、蘇るつかの間のシーサーワールド、エイサー相手にジャベの妙技。エイサーに代わってはいったデルフィンがシーサー、サスケをなぎ倒すと、シーサー、サスケがデルフィンをダブルブレンバスターでマットに沈め、シーサーがフォールするがカウント2で肩を上げる。
 コーナートップに上がったエイサーをシーサーが捉えて雪崩式フランケンシュタイナーで飛ばしてフォールもカウント2。
 ならばと足を絡めてアレハンドロックでがっちり固めるが、デルフィンがカット。息を吹き返したエイサーがシーサーにミルクムナリ、コーナーに押し込み串刺し式ダブルニー、ダイビングダブルニードロップと畳みかけフォールするがサスケがカット。
デルフィンが割ってはいってサスケを排除してシーサーをスイングDDT、デルフィンクラッチで3カウント。

第4試合

 神戸初登場のOSO11が鮭(ぬいぐるみ)を片手に掴みながら入場。鮭を手放すよう促すレフリーを威嚇。コーナーに上がって観客に雄たけびを上げる自由過ぎるOSOをGAINAももてあます。

 試合開始そうそう激しい肉弾戦が展開。バックの取り合いからエルボー合戦。まわしを取り合うように組打つ姿は大相撲の力士さながら。GAINAがOSOをアームホイップで倒し剛腕エルボーを打ち下ろすと、OSOたまらず場外へ。逆ギレか観客を威嚇。リングに戻ったOSOをGAINAが逆水平。ショルダータックル合戦はOSOの勝ち。ボディプレスでフォールはカウント2。

 ならばとOSO、巨漢が巨漢をベアハッグ。コーナーへ押し込み串刺し、ボディプレスと猛攻畳みかけ勝負に出る。GAINAとOSO意地の張り合いのようなラリアット合戦は勝負つかずGAINAがブレーンバスターでぶん投げ強烈なラリアットで倒してからパワーボムの態勢に。だがOSOがGAINAをリバース、スピア―でフォールするがカウントは2。

 GAINAが鬼のようなラリアット4連発からスープレックスで投げようとするがOSO堪える。ならばとバックエルボー一撃から剛腕ラリアットでフォールするがこれも決まらない。打ち下ろすようなカウンターラリアットにとどめとばかりもう一発ラリアットで、ようやく3カウント。

 負けて興奮状態のOSOを抑えようと出て来た林檎にOSOが熊の本能むき出しで襲い掛かる。東北の山岳地帯でキャンプするときはフルーツを決して持参してはならない。フルーツは、ツキノワグマの大好物だからだという。

第5試合

 みちのくプロレスの「いま」を体現したかの選手が豪華に勢ぞろいしたセミファイナルは、まずは青コーナーまもなくメキシコへ武者修行の旅に出る川村が華やかなスカイブルーのガウン姿で入場、そのあと大瀬良、郡司、MUSASHIが続いた。赤コーナーは日向寺、Ken45°、卍丸にフジタ。

 先鋒は郡司と卍丸。互いに眼光ぎらつかせもみ合うような泥臭いケンカファイト。チェンジしたMUSASHIとKen45°はうってかわって素早い展開。MUSASHIがKen45°をアームホイップから素早く回転、フランケンシュタイナーで投げ飛ばす。大瀬良と川村は、大瀬良のヘッドロック、ショルダータックルで倒された川村が大瀬良をアームホイップで飛ばし、リープフロッグでかわした隙にリングインしてきた日向寺が加勢、ボデイプレスで座らせた大瀬良に川村がすかさず低空ドロップキック。フジタが日向寺を蹴って場外へ落としてから川村にハイ、ミドル、倒れた背中にも2発叩きこみ、フェイスロック。腕を取って極めながら指を反らせる。悲鳴をあげる川村の後頭部を踏みつけ。スタンディングの態勢で今度は逆水平を打ち下ろす。日向寺が川村の血を脳天に逆流させる滞空時間をたっぷりとったブレーンバスターで投げてコーナーへ詰め再びフジタへ交代すると、川村がフジタに渾身のエルボーを放つと打ち合いに。フジタのソバットを顔面蹴りで返しドロップキックで一矢報いてMUSASHIにタッチ。飛び込んできたMUSASHIのボディに膝を打ち込み動きを止めた日向寺がKen45°とダブル攻撃を狙ったがMUSASHIがKen45°の足を捉え日向寺の腹にヒットさせ、Ken45°を投げ返す刀で日向寺に低空ドロップキック、場外に4人まとめてトぺコンヒーローを見舞うと、大瀬良がブランチャ、川村がケプラータを同時に発射。
 リングに戻ると卍丸をコーナーに押し込みトレイン攻撃後MUSASHIがとどめのミチノク・ドライバーでフォールもカウントは2。Ken45°を川村がムーンサルトプレス、大瀬良がエルボー・バットの態勢でジャンプした股間にKen45°のキックがクリーンヒット。悶絶の大瀬良に容赦なくエルボー。ローンバトルの大瀬良にフジタとKen45°がダブルの蹴撃。大瀬良、フジタのバズソーキックを食らいながらその足を捉えて丸め込み3連続も決まらず。スタミナ切れ目前の大瀬良をフジタのミドルが容赦なく襲う。延髄に3発目の蹴りを入れフォールもカウントは2。ならばと大瀬良をクラッチ、K.I.D.で勝利。

第6試合

 まず錫杖を鳴らしながら人生が入場。リング上でのはしを待ち受ける表情にはひとかたならぬ凄みが感じられる。続いて渡世人の旅姿でのはしが入場。こちらはピリピリとした緊張が全身から漲る。対峙しがっちりと握手を交わして試合開始。

 ロックアップの態勢からグラウンドへ。人生の背面から腕を極めるのはしを回転して逃れいったん離れる。再びテイクダウン、今度はのはしのバックを取って足を攻める人生。辛くもロープに逃れたのはしだがヘッドロックに捕まる。なんとか逃れて足バサミで反撃。人生逃れ再度ブレークも、今度はのはしの腕攻め、絞り上げてから膝を落とす。さらにうつぶせ状態ののはしの肩に座って体重を掛けながら腕を、後ろへ絞り上げる。小舟のオールのようにしなる腕。悲鳴をあげるのはし。スタンディングの態勢でのはしの顎先をカチあげる人生。のはしが人生をロープに振って、側転からの足払いで人生もんどりうって倒れかかる。立ち上がった人生がのはしの頭をがっちりとロック。逃れようともがくのはしに追従し離さず絞め上げる。ヘッドロック地獄を味あわせた直後にショルダータックルで吹っ飛ばし、タイミングはかってのはしの腕を取って拝み渡りに移ろうとした瞬間のはしが人生の手を振り解いて師匠の見せ場を阻止、逆襲のヘッドロック攻撃に出るが怒り心頭の人生に場外へ叩き落とされ、マットの敷いていない硬い所でしたたかにボディプレスで背中を打ち付けれ、のたうつのはし。
 悠然とエプロンを周回して戻って来た人生がのはしの腕を掴んでコーナーの鉄柱で打ち据え、さらにのはしを抱え上げてボデイプレスもう一発。師匠の弟子へのあまりにも厳しすぎる愛の鞭。思いがけないハードコアファイトに観客席も水を打ったように静まりかえる。スタミナが削られていくのはし。レフリーカウントギリギリにリングに戻ったのはしの背骨を鬼神の人生が全体重かけて折りに行く。焼けたのはしの肌に血管が浮き紅潮がわかるほど激痛が走る。必死の形相でロープエスケープしたが立ち上がることが出来ない。背後にまわった人生がまたものはしののしかかり、ロックアップ。クリス・べノワのクロスフェイスをほうふつとさせる剛腕に全体重で固められたのはしは渾身の力振り絞ってロープに逃れる。

 辛くも関節技地獄から逃れたのはしはフランケンシュタイナーで人生を飛ばし場外へ落とし、ケプラータを狙うが人生に足を取られて場外へ叩き落とされる。お互い潰し合いの様相を呈して来た壮絶な闘いは張り手からエルボーの打ち合いへ。まったく怯む様子の無い壁に向かって延髄斬りを敢行するのはし。よろけた人生をコーナーポストに押し込んで串刺し。座らせて低空ドロップキック、さらに青コーナー最上段にセットして雪崩式ブレーンバスターを狙うが、人生が叩き落とそうとする。のはしこうもり吊りで堪え、人生をマットに叩き落としてフォールもカウントは2。すかさず青コーナーポストに駆け上がりダイビングボディプレス。ニュートラルから2発目を狙うが、飛んだのはしを人生が迎撃。空中で蹴り落とす。

 両雄ダウン、人生が立ち上がってのはしを念仏パワーボムでマットにめりこませフィニッシュを狙って極楽固めの態勢を取ろうとするがのはしがこれを切って人生にドロップキック、場外へ落とし大一番の時しか披露しないと言う渾身の拝みケプラータを発射。リングに戻りジャーマンスープレックスでぶん投げると、青コーナーからダイビングヘッドバットでフォールもカウントは2。

 逆打ちでも決まらず。30分経過のアナウンスが流れる中人生が驚異の復活、ジ・アンダーテイカーばりのチョークスラムでのはしをマットに叩きつける。起き上がったのはしに引導渡すかのラリアットから、凄まじい形相殺気漲らせ2発目のパワーボムでフォールするが、カウント2.99でのはしが返す。
 抜刀薙ぎ払うかのラリアットでのはしを沈め虚空を見据えパワーボム再び。そのまま肩を押しつけフォールするが、カウントは2.99。
 のはしもはや本能的に返したとしか思えない。人生ものはしもスタミナはもはや限界かというところで、人生がのはしに極楽固めの態勢に。のはしにあらがう余力はもはやなく、がっちりと決まったそれを非情の人生が絞め上がる。30分57秒の死闘を制したのは人生。のはし、悲願の師匠越え成らず。

 生涯の恩師との大激闘を終えたのはしは「人生さん、今日は自分の挑戦を受けてくれて本当にありがとうございました。正直自分が今年40歳で、人生さん今年56歳。本当に強い師匠で、ありがとうございました。強い師匠でやっぱり悔しいです。でも、だからこそ、この次ももっともっと強くなった還暦の人生さんとやりたいなと思います。人生さん還暦、私44歳、もっともっと強くなったのはしたろうが人生さんに勝ちたい。たくさんのファンの皆さん、この神戸の地に集まってくださって本当にありがとうございました。いつの日か私が人生さんを越える日、それは必ずこの神戸の地です」と、人生とファンに感謝の言葉を述べ次回こそ師匠を越えたいとマイクで熱く語った。
ちなみにこの日のはしの20周年に華を添え健闘を讃えた新崎人生は来年2023年に自らのプロレスラー生活30周年を迎える。

 プロレスの白いマットはさしずめ映画でいうところのスクリーン。そこに映し出されるのはプロレスラーの血と汗で描かれた人間讃歌に他ならない。この日のはしたろうと新崎人生、ふたりの名優が神戸で見せた鮮烈な30分57秒の物語は間違いなく名勝負だった。

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