『極悪女王』の“ブック”を長与千種が解説！「皆さん間違えないでください。ブック破りという言葉を」

　12月6日～8日に幕張メッセで開催された『東京コミックコンベンション2024（以下東京コミコン）』。その初日に今話題のNetflixシリーズ『極悪女王』ステージが行われた。

　『極悪女王』は9月19日よりNetflixで世界独占配信されているドラマ。80年代にカリスマ的人気で女子プロレス旋風を巻き起こした伝説のヒールレスラー【極悪女王】ダンプ松本の知られざる物語を描く半自伝的ドラマである。
　正統派プロレスラーに憧れながらもクビ寸前だったダンプ松本が悪役に転身し、トップスターだった【クラッシュ・ギャルズ】長与千種＆ライオネス飛鳥ら仲間たちとの友情を育みつつも様々な代償や葛藤を抱えながら“日本史上最も有名なヒール”に成り上がっていく様を描くものだ。
　ダンプ松本役はゆりやんレトリィバァさん、長与千種役は唐田えりかさん、ライオネス飛鳥役は剛力彩芽さんが務めるなど豪華キャストが勢揃いした力作となっている。
　配信がスタートすると連続1位を記録し、女子プロレスブームの再燃を予感させる反響を生み出した本作だが、今回ハリウッドスターが多数来日する東京コミコンでスペシャルステージを行うことに。

　8万5千人以上が来場する東京コミコンでスタートした本ステージは、まずプロレスの試合から開始。
　第1試合では堀田祐美子率いるT-HEARTS所属で11月23日にダンプ松本とタッグで闘った叶ミクvs元STARDOM大江戸隊の夏すみれのシングルマッチが行われ、ヒールモードの夏がミクを嬉々としていたぶり勝利。
　第2試合では長与千種率いるMarvelous提供試合として彩羽匠＆Maria＆彩芽蒼空vs桃野美桜＆川畑梨瑚＆暁千華が行われ、全日本女子プロレスから続く迫力あるTHE女子プロレスを見せる。
　第3試合ではSTARDOM提供試合として【COSMIC ANGELS】中野たむ＆なつぽい＆玖麗さやかvs【H.A.T.E.】刀羅ナツコ＆上谷沙弥＆琉悪夏の6人タッグマッチが実施。ダンプ松本の後継者である刀羅ナツコがゆりやんレトリィバァさんから奪った竹刀で暴れまわり、アイドルレスラーたちをボコボコにして勝利した。

　試合後には、ダンプ松本役のゆりやんレトリィバァさん、松永俊国役の斎藤工さん、プロレススーパーバイザーを務めた長与千種、ダンプ松本の後継者である刀羅ナツコの4人によるスペシャルトークショーへ。
　撮影の思い出などが語られる中で、MCから『ブック』という言葉について聞かれた長与は「松永俊国さんが大きな場所を決めてくると、やっぱりたくさんの方がいらっしゃるじゃないですか？そうすると全女の松永兄弟が描く最後の終わり方をして欲しいわけです。これはリアルに昭和の時代にあったことなんです。で、それをいつも破ってたのが私とダンプ松本なんです。ただブック破りとは、実は私とダンプ松本に限り必ずあることなんです。だから本当に皆さん間違えないでください。ブック破りという言葉を。全日本女子プロレスさんはその当時、最後は例えば『刀羅さん勝ってくださいね！』とか『次は（ゆりやん）勝ってくださいね』と言いたいんです。でも私たちはそれができないぐらい憎しみ合ってました。本気で憎しみ合って、でも今や2人で本当に苦労してきたので、今めちゃくちゃ仲いいです。めちゃくちゃ仲良くさせていただいてます。だからその憎しみあってた時なので、自ずとブックは破っていきます。これが本当のリアルストーリー。なんとなくわかりますよね？でもそれを上手に操るのが松永３兄弟だった。色々とこっちにはこういう風に言って、こっちでこういう風に言ってってだんだん腹立たせてリングに上げていくっていうのが松永さんたちの上手な手法の一つだった」と、あくまでその当時の団体内選手交渉を“ブック”という言葉で表現したと解説した。

　トークの途中には新世代の極悪女王である刀羅ナツコにアドバイスを送り、自身の後継者である彩羽匠や桃野美桜との対戦にも期待を寄せた長与。12月8日には還暦の誕生日を迎えたが、まだまだ現役選手として後進の育成に励むとのことだ。