【試合詳細】10・17 PANCRASE新木場スタジオコースト大会 【フライ級暫定KOP】小川徹vs上田将竜 【女子フライ級暫定QOP】NØRIvs端貴代 【ウェルター級暫定KOP】菊入正行vs村山暁洋

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

『PANCRASE 324』
日程:2021年10月17日(日)
開始:13:00
会場:東京都・新木場 USEN STUDIO COAST
観衆:2022人(満員)

[メインカード]
▼第1試合 フライ級 5分3R
●井島裕彰(GUTSMAN)
判定0-3
○谷村泰嘉(パラエストラ八王子)

▼第2試合 ストロー級 5分3R
○高島俊哉(リーバーサルジム新宿Me.We)
判定3-0
●リトル(GUTSMAN)

▼第3試合 女子ストロー級 5分3R
○KAREN(PRAVAJRA)
1R 1分39秒、TKO(肘によるカット)
●新谷琴美(TEAM AGENT)

▼第4試合 ライト級 5分3R
●高橋“Bancho”良明(パラエストラ八王子)
2R 4分14秒、KO(スタンドのパンチ)
○平 信一(綱島柔術)

▼第5試合 フェザー級 5分3R
●名田英平(総合格闘技道場コブラ会)
1R 4分56秒、リアネイキッドチョーク
○狩野 優(TRIBE TOKYO M.M.A)

▼第6試合 バンタム級 5分3R
○井村 塁(Nexusense)
1R 2分11秒、三角絞め
●ジェイク・ムラタ(パラエストラTB/Fighting Nexusg)

▼第7試合 フェザー級 5分3R
○透暉鷹(ISHITSUNA MMA)
判定3-0
●内村 洋次郎(イングラム)

▼第8試合 ストロー級 5分3R
●野田遼介(ALLIANCE)
判定0-3
○山北渓人(リバーサルジム新宿Me,We)

▼第9試合 ウェルター級暫定キング・オブ・パンクラシスト決定戦 5分5R
○菊入正行(NEVER QUIT)
判定3-0
●村山暁洋(GUTSMAN)
※菊入が暫定王者に

▼第10試合 セミファイナル 女子フライ級暫定クイーン・オブ・パンクラシスト決定戦 5分5R
●NØRI(PRAVAJRA)
判定0-3
●端 貴代(和術慧舟會AKZA)
※端が暫定女王に

▼第11試合 メインイベント フライ級暫定キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分5R
○小川 徹(TRIBE TOKYO M.M.A)
判定3-0
●上田将竜(G-Face TEAM緒方道場)
※小川が初防衛に成功

小川が上田を制しフライ級暫定KOP防衛!端がNØRIを撃破し女子フライ級暫定QOP戴冠!菊入が村山との再戦に勝利しウェルター級暫定KOP獲得!

第1試合


 井島は2014年よりパンクラスに参戦。負けん気の強さと粘り強い攻めで2017年は早坂優瑠、八田亮、前山哲兵に3連勝したが、翌2018年、満を持してぶつかった北方大地にチョークスリーパーで一本負け。その後、曹竜也、アダム・アントリン、宮澤雄大に3連敗を喫してしまった。今回からフライ級に戻した。40歳、心機一転の勝利なるか。
 対する谷村は昨年より参戦。NBTストロー級で準優勝している。まだ18歳、ベテランをどう攻略するか。

 1R。井島がタックルからテイクダウン。谷村は三角絞めに入り、殴りながら足を絞めていく。井島は頭を抜き外す。谷村は腕十字に移行するが、井島は外して足を狙う。足を抜いた谷村が上になりサイドポジションへ、井島は足を狙うが、谷村が立ち、遅れて立ってきた井島をガブる。足を狙っていく井島だが、両者スタンドになり、パンチを出して終了。
 ジャッジは三者10-9で谷村を支持した。

 2R。タックルに入れない井島はパンチを振って行く。左フック。谷村は組に入りたいようだが、井島はさせない。ミドル、パンチを出す谷村は、井島のタックルを切った。大きな進展はなく終了。
 ジャッジは三者10-9で谷村。

 3R。プレッシャーをかけ合う両者。ロー、左ハイキックの谷村に、井島はバックハンドブロー。井島は極めるかKOするしかない。
 井島タックル。しかし、谷村はこれを潰して首を取っている。上になった井島は殴る。
 三角を狙う谷村。これは外されたが、立って蹴る。谷村パウンド。しかし井島も遅れて立ち上がり、お互いにパンチを出して終了。
 ジャッジは三者30-27、3-0で谷村がベテランを撃破した。

第2試合


 髙島は 2016年よりパンクラスに上がり、翌2017年、NBTストロー級優勝を飾っている。早坂優瑠、宮澤雄大に2連勝していたが、今年5月、野田遼介に2度目の対戦で一本負け。かつて勝っている宮澤が12月にタイトルマッチに挑戦する状況、もう1つも負けてはいられない。
 一方のリトルは2014年より参戦中。負けん気の強さが身上だ。高島とは2018年2月に闘って以来、2度目の対戦。この時は判定負けを喫している。リベンジを果たすことができるか。

 1R。パンチで出るリトルに対し、片足タックルの高島。リトルは片足を捉えられたままこらえ、パンチを打ち込んでいく。かなり長くこの状態を保つリトルのバランス力と根性に、会場がどよめく。
 しかし、高島は足を肩の上にかついで何とか倒しマウント。リトルはブリッジで返そうとするが、高島がバックを取った。殴るリトル。苦しい。高島は出血しているが、大きくパンチを落とす。
 リトルが立ち上がると、会場から拍手が湧く。しかし、ここでドクターチェックが入る。高島が眉間あたりをカットしているようだ。
 再開する地、リトルがハイキック。高島もパンチを返す。リトルの左が効いた高島しかし、高島もパンチを効かせる。
 さらに飛び込んでいく高島にリトルのパンチがヒット! 高島ががぶって首を狙うが外れた。スタンドに戻り、高島が左パンチを入れたところで終了。
 ジャッジは2人が10-9高島、1人が10-9リトルを支持した。
 リトルがかなり消耗している。

 2R。大きくヒットを狙い、押し込むようなパンチを出すリトル。消耗しているのは明らかだが攻めて行く。高島はジャブ。リトルは鼻から出血しているが、大きくパンチを振って出る。
 リトルのミドルをキャッチした高島がテイクダウン。上下で殴り合う。高島再び出血しているがマウント! リトルは殴って抜けると両足で高島の腕をロック。これは決まらず。残り15秒で立ったリトルだが、フラフラ。しかし目は死んでいない。パンチ、蹴りを振りまくり終了。
 ジャッジは三者10-9で高島。しかし、高島にも疲れが見える。

 3R。やれるのか心配になるほど消耗しているリトルだが、パンチを振っていく。高島が片足タックルに入るが、リトルは1Rのように片足でこらえながら殴る。高島が倒してサイドから上四方へ。
 苦しそうなリトル。ボディを殴り続ける。鼻からかなり出血している。両者ともに消耗し切っている。
 リトルが最後の力を振り絞って一声気合いを入れ、回って立つ! 高島は片足をつかもうとするが、リトルは付き合わない。リトルは蹴りを入れるが、高島は足にしがみついたまましのいで終了。
 ジャッジは2人が29-28、1人が30-27の3-0で高島が勝利。気合いと根性を見せたリトルだったが、高島が手堅くポジションを取った。

第3試合


 2019年からパンクラスに上がっているKARENは、ここまで3連勝中。まだ18歳だが、負けん気の強さは天下一品。アグレッシブに攻める選手だ。謎のチームteam DATE所属だったが、今回から新チームを作り、リングネームもKARENと改めての試合となる。
 対する新谷は初参戦。今年7月に行われた『WARDOG 31』でプロデビューしたばかり。ERIKAをTKOで破っており、今後が期待されている選手だ。パンクラスではどのような闘いを見せるか。

 1R。サイドキックを出すKAREN。新谷はパンチから組みにいく。両脇を差してケージへ押し込むが、KARENが入れ替えてケージへ押し込むみヒザ。
 新谷が入れ替えるが、KARENがすぐに入れ替えてヒザ、そしてヒジ! 新谷が出血し、ドクターストップ。
 続行不可能と判断され、KARENがTKO勝ちを収めた。

[KARENコメント]
「本日は応援してくださり、ありがとうございます。試合をしてくれた新谷選手、ありがとうございました。
 組んだらヒジで血だらけにしてやろうと思っていました。しっかりヒジで4連勝できました! 今日勝てたので、ベルトは目前だと思います。ベルトを目指してもっと練習して、強くなりたいです」

第4試合


 高橋は2011年より参戦。コンスタントに試合をしていたが、仕事の都合で3年ほどブランクが空いていた。2018年10月には約3年ぶりに復帰、ルシオ・アブレオにTKO勝ちしている。今回は再び3年時を経てパンクラスに帰ってきた。ポテンシャルの高さは万人が認めるところ。久しぶりに番長節が炸裂するか。
 対する平は元ZST王者。2019年より参戦し1 勝3敗。相手にジャーマンを仕掛け流など“暴走柔術”の異名をとる。今年は6月に丸山数馬に判定負け。白星で今年を締めくくれるか。

 1R。飛び出して行った平が、番長をケージへ押し込む。殴るが、番長が引き込んでケージの真ん中へ。さらにケージへ押し込んでヒザ、ヒジを打ち込む。入れ替え合う両者。
 足をかけて投げた番長が上に。しかし平は立ち上がってケージへ押し込む。入れ替えた番長がヒザ、ヒジ。残り30秒で番長が再び投げる! 上になるが、平が返したところで終了。
 ジャッジは三者10-9で平。

 2R。プレッシャーをかける平。番長はゆっくり入ってヒザ。次いでケージへ押し込み投げをうつ。回って潰した平だが、番長はバックをとりハーフマウントへ。しかし一旦立つ。平も立つと、番長が組んでケージへ押す。ヒザを打ち込み、番長が上に。平を立たせない。
 しかし、ケージを背にして立った平。近距離でパンチを振り、さらにラッシュ! 右ストレートがヒットし、番長が後方にダウン! レフェリーが試合を止めた。
 ケージでロッキー川村2にマイクを向けられた平は、何を聞かれても「エイドリアーン!」と川村の得意なセリフで返した。

第5試合


 名田は2017年より参戦。地元・大阪の大会を中心に闘ってきたが、2019年NBTにチャレンジし、同級優勝を飾る。昨年12月は『TTF Challenge 09』での高橋孝徳に判定負けを喫したが、今年に入り4月に大阪で小森真誉、6月には東京で高橋祐樹に勝利している。ここで勝利し、東京のファンにもっと印象づけたいところだ。
 一方の狩野は昨年より参戦。同年NBTライト級優勝を果たしている。12月には『TTF Challenge 09』で中川皓貴に判定負けを喫したが、今年6月からフェザー級に転向し、林優作にチョークスリーパーで勝利。パンクラスではまだ負けていない狩野。連勝記録を伸ばすか。

 1R。開始早々、名田の放ったローがローブローとなり、タイムストップ。1狩野の回復を待って再開した。
 狩野がハイキックからロー。蹴り足をキャッチした名田がテイクダウン! 下になったがギロチンに抱えている狩野。名田は頭を抜き、ケージに押し付けながら潰していく。大きくパウンド!
 狩野は掴んでいた手を放し、下から足を掴むと、名田もアンクルを狙っていく。立った狩野を、名田がケージに押し込んでいく。
 入れ替えた狩野が抱えてケージに押し込んでいる。名田がギロチにとり、引き込んで絞める。残り30秒、頭を抜いた狩野がバックに回りチョーク! 体を伸ばして絞めると名田がタップ。ピンチからの逆転勝利を収めた。

[狩野コメント]
「あんまり納得いっていないので、次があるか分からないけど、」どこかで会いましょう」

第6試合


 井村は2020年より参戦し、同年NBTバンタム級で全試合一本勝ちでの優勝を飾った。今年5月には5位の平岡将英にTKO勝利。今回もフィニッシュを決めるか。
 ZST第3代バンタム級王者・ムラタは2014年より参戦。昨年10月には2015年3月に判定負けした神田周一にリベンジを果たした。約1年ぶりの試合となるが、どのような闘いを見せるか。

 1R。パンチを出すムラタ。井村は右パンチをヒットさせるとムラタをケージへ押し込みパンチ連打!右がヒットしムラタがダウン! しかし、ムラタは立ちタックルからテイクダウン!
 井村は下から腕を狙い、さらに三角絞めを狙う。ムラタは持ち上げて叩きつけたが、井村はガッチリ絞め、ムラタがタップ。井村がフィニッシュ記録を伸ばした。

 パンクラス・バンタム級は、正王者ハファエル・シウバが来日できないため、暫定王座がもう言えられる予定だ。
 しかし、1位のアラン“ヒロ”ヤマニハはRIZIN、2位の春日井“寒天”たけしは引退表明しているため、この試合に勝った井村が暫定王座決定戦に出場する可能性が高まった。
(※後日、井村と中島太一でのバンタム級暫定王者決定戦が12月12日の『PANCRASE 325』で行われることが決定)

[井村コメント]
「練習したことが結構出せました。この試合に関わってくれた皆さん、本当にありがとうございました。
 今回、ZSTのチャンピオンを倒したので暫定戦をお願いします! フィニッシュします。上位ランクの人とやらせてください」

第7試合


 昨年からパンクラスに上がっている透暉鷹。小森真誉、田中半蔵に連勝するが、今年5月、Ryoにフロントチョークで一本負け。今回が出直しとなる。
 P’sLAB出身の内村は元ZST王者で、パンクラスには2012年から参戦しているベテラン。打撃を得意とし、キックボクシングの試合やRIZINにも参戦している。

 1R。プレッシャーをかけていく内村。お互いフェイントをかけながら様子を見ていく。内村がパンチで出るが、透暉鷹がローからタックル。尻もちをつかせる。ヒジを連打する内村をケージへ押し込む透暉鷹。
 内村は殴り続けるが、透暉鷹は倒してハーフマウント。お互い殴って終了。
 ジャッジは三者10-9で透暉鷹を支持。

 2R。内村が飛び込んでパンチ。これを受け止めた透暉鷹が倒してハーフマウント。抜けたい内村、譲らない透暉鷹。しかし内村が立った! 会場から拍手が起こる。
 バックを奪う内村だが、透暉鷹が正対し上に。ハーフマウント。
 再び返したい内村だが、透暉鷹が上をキープ。ヒジ、パンチを大きく落として終了。
 ジャッジは三者10-9で透暉鷹。

 最終ラウンド。内村にやや疲れが見えるか。
 組んでケージへ詰める透暉鷹。内村はヒザを入れて離れる。透暉鷹は内村の蹴りに合わせテイクダウン!ケージへ押し込む。
 パンチ、ヒジを連打する内村。両者立ち上がるが、透暉鷹がまたケージへ押し込んでいく。内村ボディブロー。透暉鷹が浴びせ倒してハーフマウントからサイドポジションへ。内村はエビで返そうとするが、そのまま上をキープした透暉鷹が殴り続けて終了。
 ジャッジは2人が30-27、1人が29-28の3-0 で透暉鷹が勝利。

[透暉鷹コメント]
「前回めちゃくちゃ悔しくて、夜も眠らない日がたくさんありました。でも、応援やチームメイトのサポートがあって今日勝てました。本当にありがとうございました。
 まだ実力不足なので、迷惑をかけるかも知れませんが、よろしくお願いします。今は早く家族に会いたいです」

第8試合


 野田は2017年より参戦しており、翌2018年NBTストロー級で優勝。2019年、Road to ONEで木内崇雅に左フックでKO負けを喫した。その後ブランクが空くが、今年5月パンクラスに復帰。高島俊哉をアームロックで破った。寝てよし、立ってよしのオールラウンダーだ。
 対する山北は昨年より参戦。同年NBTストロー級で優勝を飾っている。今年2月、Road to ONEで安芸柊斗にヒザ&パウンドでTKO勝ち。さらに6月にはパンクラスで尾崎龍紀を腕十字で破っている。

 この試合は、野田が5月の勝利後に「尾崎VS山北の勝者と組んでほしい」とマイクアピールし、6月に勝った山北が試合後のマイクで受諾したため組まれた。勝者は来年タイトルに挑戦できる可能性が高い。
 同じNBT優勝者同士、またお互いパンクラス4連勝同士。タイトルマッチへの道を拓くのはどちらか。

 1R。パンチを出し合う。山北がタックルからテイクダウン。野田はガードから鉄槌。山北殴りながら回り、顔を連打。さらにバックに回り首を狙う。殴りながら再び首を狙う。入るかと思われたが、野田なんとか外して上に。
 腕を取りながら上体を引きつける山北は逃がさずにバックを取る。野田が足を取ったところで終了。
 ジャッジは三者10-9で山北を支持した。

 2R。野田の蹴り足を取った山北がテイクダウン。サイドに回る。パンチを落とす野田。三角を狙う野田だが、防いでいる山北。動きが止まりがちな野田に山北がパンチを落とす。野田は下から組み付くが、起きそうなタイミングでバックに回った山北パウンド。さらに首を狙う! 腕も狙っていくが終了。
 ジャッジは2人が10-9山北、1人が10-8で山北。

 3R。野田の蹴りに合わせ、山北がタックル。ケージ貴和でバックに回って殴る。立った野田が上になるが、山北は三角を狙う。鼻から出血している野田だが、バックを取り立ってケージへ押し込む。
 山北はがぶってケージへ押し、上に。ボディを殴る野田、パンチを落としまくる山北。野田が仕掛けそうだが時間がない。このまま逃さず山北が殴って終了。
 ジャッジは2人が30-27、1人が30-26の3-0で山北が勝利。
 全体に精彩を欠いた野田。山北の一方的な試合となった。

[山北コメント]
「いいポジションが取れたので、もっと早く決まるかと思いましたけど、相手が粘り強かったです。流行りの、下からのヒジとかも狙ってきて怖かったです。
 野田選手は上位の選手に買っていますが、僕はこれで16戦負けなしです。次はタイトルマッチしかないんじゃないかと思います。勝手な思いですが、タイトルマッチの順番待ちをさせてください」

第9試合


 正王者・手塚裕之がONE参戦中のため、暫定王座が設けられた。
 菊入は2017年よりパンクラスに参戦している。キックボクシングがバックボーンで、打撃を得意とする。
 昨年は中村勇太、高木健太に勝ったあと、12月に村山と闘い判定負け。しかし、今年6月には元同級王者・三浦広光を2ラウンドTKOで下し挑戦権を掴んだ。
 一方の村山は2012年より参戦し、2016年には第9代同級KOPの座にも就いている。同年ベルトを失ったが、昨年は2戦2勝。この年の12月に菊入を破っている。今回は菊入戦から10ヶ月ぶりの試合となる。
 再戦で勝ち、ベルトを巻くのはどちらか。

 1R。プレッシャーをかけていく菊入。ローを打ちながら圧をかける。村山も距離を取りながらロー。終盤、菊入がパンチ、ローを入れて終了。
 ジャッジは三者10-9で菊入。

 2R。村山がタックルに入るが、菊入が上に。パンチを落とす。村山はガード。菊入は鉄槌、ヒジを落として立ち、寝ている村山を蹴る。村山も蹴り上げ。
 菊入が再びかぶさる。残り2分。抜けたい村山だが、菊入がガッチリ抑えて細かくパウンドを入れて終了。
 ジャッジは三者10-9で菊入。

 3R。村山が蹴りから片足タックル、組んでケージへ押し込む。お互い入れ替え合う。村山が投げてバックを取った。片足を抱えてケージへ押す。しかし、菊入がパワーで入れ替える。
 菊入が離れ、お互いロー、パンチ。菊入が圧し気味で終了。
 ジャッジは三者10-9で菊入。

 4R。村山が片足タックルからケージへ押す。入れ替える菊入。村山は大外刈りで投げたいが、菊入はさせない。離れた菊入の右パンチがヒット! 村山効いた。カメになった村山にパウンド。村山も下から殴る。菊入がヒジ連打したところで終了。
 ジャッジは三者10-9で菊入。

 5R。村山が組み、大外刈りを狙うが、菊入がケージに押し込んだ。投げたい村山だが、菊入はさせない。ヒザを入れると離れる。
 村山タックルに入るが、菊入が潰して上に。村山はガードポジションで殴る。大きくパンチを落とす菊入。片足をつかむ村山。菊入が立つと村山がパンチ。村山、片足タックルを仕掛けるが、菊入が潰す。しかし片足を離さずケージへ押し込む村山。
 残り30秒。菊入が入れ替え、ケージへ押し込んでヒザを折れたところで終了。
 ジャッジは三者50-45の3-0。菊入が腰にベルトを巻いた。

[菊入コメント]
「最高です! 村山さんのツイッターのおかげでこの試合ができました。どうもありがとうございました。
 でも暫定なので、もっと練習して正王者になれたらいいなと思います。手塚(裕之)選手とやりたいです」

第10試合


 2019年からパンクラスに参戦しているNØRI。参戦当時はTeam DATE所属で「法DATE」として闘っていたが、今回より新チームに移籍、リングネームもNØRIと改めてタイトルマッチに挑戦する。
 NØRIはインド王族武術を源流とするファイトスタイルで、サイドキックが印象的。今年5月にはライカに判定勝ちしている。
 対する端は200年から闘い、女子格闘技界を牽引してきた大ベテラン。SMACK GIRL、DEEP JEWELSでベルトを巻き、女子格闘技界のレジェンドと言っていい存在だ。
 パンクラスには2018年より参戦。2019年にはタイトルマッチが組まれたが、シッジ・ホッシャに敗れベルトを巻くことはできなかった。暫定ではあるが、今度こそ獲りたいベルトだ。
 両者ともに、とても静かな曲で入場。嵐の前の静けさか。

 1R。慎重に距離を取る両者。NØRIはすぐに蹴りに行かない。お互い県政のロー。
 端はNØRIの蹴り足をキャッチしようとするが、NØRIが切る。終盤は端がパンチを出すがかわされる。NØRIが蹴りを出して終了。
 ジャッジは三者10-9でNØRI。

 2R。端がNØRIの蹴り足をキャッチし、ケージへ押し込む。NØRIは入れ替えるが、端がテイクダウン! ハーフマウントで殴る。サイドに回り、殴る端。
 NØRIが殴って上になるが、端が返して再び上に。立って猪木アリ状態で蹴る。NØRIも蹴り上げて終了。
 ジャッジな三者10-9で端を支持。

 3R。お互い行きづらそうだが、端が足を取りテイクダウン! サイドに回る。カカトを落とすNØRI。端はヒジ連打。回りながらヒジを入れまくる。NØRIは立たせてもらえない。
 端が殴ってハーフマウント。端が上をキープして終了。
 ジャッジは三者10-9で端。

 4R。NØRIはローから得意のサイドキック。端はパンチで飛び込むが、かわされてしまう。NØRIが蹴りを出していく。
 間合いを詰めた端だが、なかなか捉えられない。しかし、端が残り20秒で蹴りをキャッチしてテイクダウン! ハーフマウントから大きくパウンド連打して終了。
 ジャッジは2人が10-9で端、1人が10-9 NØRIと割れた。

 5R。NØRIのサイドキックが炸裂! 足をキャッチしようとした端だが、NØRIが抜く。パンチを振るNØRIに、端が組みついてテイクダウン!
 端はパンチ連打。ヒジも入れる。連打したながらマウントを奪った端に、会場から拍手が起こる。
 残り2分。NØRIは何度も返そうと試みるが、端はガッチリ抑え上を譲らない。
 残り30秒。端がパンチ、鉄槌を落とし続けて終了。
 ジャッジは2人が49-46、1人が48-47の3-0で端が勝利。3本目のベルトを腰に巻いた。

[端コメント]
「マイク、考えてなかったんですけど(笑)。時間がかかっちゃいましたけど、ベルトを巻けました! ありがとうございました。
 勝ちたい、勝たなきゃという気持ちが強すぎて、かえって手が出なかった時間もあったんですけど。
 もう一度チャンスを与えてもらったことは夢のようでした。やっと巻けました!」

第11試合


 小川は2014年よりパンクラスに参戦し、翌2015年にはNBTスーパーフライ級優勝を飾っている。
 フライ級では正王者・仙三がONEに参戦中。また、暫定王者・翔兵がケガによりベルトを返上したため、暫定王者決定トーナメントが行われた。小川は決勝に進んでいたが、相手の猿飛流が負傷で欠場。不戦勝でタイトルを獲得した。
 初防衛戦の相手・上田とは3度目の対戦。リベンジと防衛を同時に果たすことができるか。

 上田は2013年より参戦中。同年NBTスーパーフライ級で優勝。
 2019年には暫定王座に挑戦しているが、翔兵に敗れ戴冠は成らなかった。
 しかし、暫定王座決定トーナメントにエントリー。猿飛流に敗れタイトルへの夢が消えたところだったが、猿飛流の負傷により、再びタイトル挑戦のチャンスが巡ってきた。
 三度目の対決を制し、ベルトを巻くのはどちらなのか。

 1R。プレッシャーをかけながら様子を見る小川。上田はハイキック、ミドル、ローと足を使う。小川が左右ボディブローから右パンチ。グラついた上田。
 小川はパンチから組んでケージへ押し込む。ヒザを打ち込む。上田もヒザを返し、足をかけたいが、させてもらえないまま終了。
 ジャッジは三者10-9で小川。

 2R。小川がパンチを振り、組んでケージへ詰める。お互いヒザ。上田は殴り、ヒジを入れる。小川が投げるが、すぐ立て直した上田。細かくパンチを入れて終了。
 ジャッジは2人が10-9小川、1人が10-9上田につけた。

 3R。フェイントをかける小川。上田はロー、右ハイキック。小川はパンチを打っていく。
 蹴りを出し合う。残り2分、小川がパンチから組んでケージへ詰める。上田はヒザ。小川が尻もちをつかせるが、立ち上がる上田。再び小川がケージへ押し込んで終了。
 ジャッジは三者10-9で小川。

 4R。消耗する闘いが続く。ロー、パンチを出し合ったあと、小川が組んでケージへ。ヒザを入れテイクダウン! 会場から拍手が起こる。小川はボディにヒザを打ち込み、さらに殴る。上田は返せないまま終了。
 ジャッジは三者10-9で小川。

 ついに迎えた最終ラウンド。上田がパンチを放つと、小川がヒザをつく。バッティングのため、レフェリーが止める。
 小川の回復後、再開。上田はロー、右ハイキック。しかし単発でつながらない。小川も左ミドル。小川が入ってパンチ。さらにハイキック、ロー。
 残り1分。パンチで出た上田が組む。しかし、展開のないまま終了。
 ジャッジは2人が49-46、1人が48-47の3-0で小川が初防衛を果たした。
 上田はこれが最後のチャンスという覚悟で臨んだはずだが、単発の攻めになってしまい試合を動かすことができなかった。

[小川コメント]
「上田選手とは3回目ですが、初めての試合だと思ってやりました。でも、上田選手の強さを感じて、行き切れないところがありました。待ちに徹底しているので、入っていく怖さがありました。
 ただ、最初の方のラウンドでポイントを取っていたので、4R、5Rは行かなくていいとセコンドに言われて、行かない作戦で勝ちを獲りに行きました。
 でも、自分としてはまだまだです。今後は、ただ勝つだけではなくて、勝ち方にもこだわって行きたいです。
 自衛隊を辞めて、まだアマチュアで勝ったり負けたりしていた頃、清水(清隆)さんの巻いていたベルトを追いかけてTRIBE TOKYO M.M.Aに入りました。その憧れのベルトをTRIBE TOKYO M.M.Aに持ち帰れて本当に良かったです。
 TRIBEにはまだまだ若い選手もたくさんいます。これから他団体のベルトも獲りにいくので、僕の応援もちろんですが、TRIBEのこれからの応援もよろしくお願いします」

[ポストリミナリー ファイト]
▼第1試合 ストロー級 5分3R
●石井涼馬(パラエストラ柏)
判定0-3
○大城正也(T-REX JIUJITSU ACADEMY)

▼第2試合 フライ級 5分3R
●赤崎 清志朗(香取道場)
判定0-3
○前田浩平(GRABAKA)

▼第3試合 フェザー級 5分3R
●上田厚志(烏合會)
1R 1分29秒、アームロック
○鹿志村 仁之介(TRIAL)

▼第4試合 ウェルター級 5分3R
○押忍マン洸太(DESTINY JIU-JITSU)
3R 2分01秒、リアネイキッドチョーク
●天利優介(マッハ道場)

(写真・文/佐佐木 三桜)

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

関連記事

サイト内検索

日別

2024年4月
« 3月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

月別

ページ上部へ戻る