【インタビュー】なぜ“ディック東郷の弟子” 佐藤悠己がNOAHで『覇王』となったのか?

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 2005年にディック東郷が旗揚げしたプロレスラー養成所『SUPER CREW(スーパークルー)』の一期生としてデビューした佐藤悠己は、現在プロレスリングNOAHに所属し覇王としてノアジュニアに君臨している。
 かつてさとうゆうきとしてKAIENTAI DOJOに所属し、暗黒プロレス組織666系列では佐藤きゅんとして盛り上げ、様々なインディー団体に参戦し女子選手とタッグベルトも巻いていた佐藤悠己がなぜNOAHを選んだのか?その真意を初めて語った。

■拳王さんの力になりたいという気持ちはずっとあった

――ディック東郷の弟子としてデビューされていますが、今その教えがNOAHで活かされてるなと感じる部分はどこでしょう?
「1番はやっぱり基礎的なレスリングの部分が大きいですね。スーパークルーっていうところでデビューしたんですけど、基本的には基礎のレスリングだったり、基礎体力だったりそういうものの練習が主だったので、そこがやっぱり役立ってると思います」

――スーパークルーの同期には佐々木大輔選手(DDT)や久保佑允選手(BASARA)が今も同じくプロレス界で活躍されています
「佐々木に関しては、気づいたらサイバーファイトのもう一個の方のトップになってたので、やっぱりジェラシーみたいなものはあります。当時から僕の一個先をずっと行ってたなって感覚はあったので、まあ僕もここに来て結果を残して、あいつに負けないようにどんどん上がっていきたいっていう気持ちですかね」

――同じ会社のグループ団体という事もありますが、佐々木選手と闘って確かめてみたいという思いはありますか?
「いや、今はないですね。僕は僕の戦いがあって。いつかもしかしたらって思いますけど、でも今はとりあえずないです。自分と金剛をこのNOAHで、プロレス界で上がっていけたらなと思ってます」

――今の覇王選手は寡黙で真面目な方ですが、そうしている意図とは
「これが素ですから。むしろ前の方が無理してました(笑)ほんとはこんな超真面目人間なんです」

――以前の佐藤選手というと、りほ(里歩)選手とタッグタイトルを持っていたり、メンズクラブや新宿二丁目プロレスでの佐藤きゅんや、KAIENTAI DOJOの“悪い子レスラー”であったり、マスクマンでもなんでもできる多才なイメージがありますが、それを今封印しているのか今後小出しにしていくのかでいうとどちらなのでしょうか?
「そうですね・・・そのイメージは強いと思います。以前にやっていたような部分を出すのは簡単なんですけど、やっぱりレベルの高いこのNOAHの戦いの中で、自分の中ではそっちに行っちゃうと、逃げちゃうなっていうのが大きくて。そんな甘っちょろい戦いではないと思ってるので、とにかく戦いを突き詰めて、今はどうやって自分よりも身体の大きな選手だったり、技術の長けてる選手からスリーカウントとるか。自分の中に甘えを出さないように、今のスタイルを突き詰めていきたいなと思ってます」

――今NOAHにいる選手の中で1番色んな団体に参戦されてる選手だと思いますが、NOAHと他の団体の違いは先程おっしゃられていた“闘い”ですか?
「そこが一番大きいかなと思います。単純に自分にも余裕がないので。正直最初来た時には、来ていきなりタッグタイトルに挑戦したりとかすぐに結果を出せる自信はあったんですけど、そんな甘くないなと。レベルの高さに面食らった部分もあって。自分の実力もそうですけど全てにおいてレベルを上げていかなければいけないなっていうのが1番大きいです」

――NOAHにはHi69(仁王)選手や拳王選手など今まで外に居た時に交わってこられた方が数多くいらっしゃったと思います
「そうですね・・・拳王さんだったりにしても、こっちにきてジュニアの時からなかなか結果を残すことが出来なくて。かつて色々な団体に上がらせてもらっていた時に一緒に闘ったこともある拳王さんは敵なしの強さだったんですよ。それがやっぱりこっちに来て結果を出せないというのは本人も悔しかったでしょうし自分らも歯がゆかったし・・・僕もここに来て力を貸したい、力になりたいという気持ちが実はずっとあったんですね。やっぱりそれが答えかなって。一緒に今組んでる仁王ともなかなか結果を残すことが出来ない中で、それを超えていかないと、自分のためにも団体のためにもならないと思ってるので、そこは頑張っていきたいなと」

■名前も変えてスタイルも全部捨ててってだけでも決意は伝わってくれてるんじゃないかな

――すごく根本的な質問になってしまうのですが、なぜ覇王という名にしたのでしょうか?
「・・・いろんな団体を渡り歩いてきて、色んなスタイルも持ってる自信はあるので、その中で色んなモノを制する者じゃないですけど、まだまだ結果も出せてない中で『何が覇王だ』って思う人もいるかもしれないんですけど、覇王に近づくために、今までのスタイルを捨ててここに来たっていう決意もありっていう感じですね」

――その名を持っている限り金剛を抜けることもないという意思表示でもあると思いますが。
「もちろん。完全に骨を埋める気でここにきているので。名前も変えてスタイルも全部捨ててってだけでも決意は伝わってくれているんじゃないかなと思いますね。昔の僕のキャラクターを好きだった人たちは複雑な気持ちかもしれないですけど、これからの僕はこんな感じなんで。決意の現れです」

――金剛は反体制だと思うんですが、NOHAに対する不満はあるんですか?
「・・・団体への不満というよりは、自分の根底はずっと反骨心でやってきているので。うちの大将の拳王さんについていきたいという気持ちが大きいですかね。上の人間を食ってやろうっていう、団体への不満と言うよりはそういう思いですね」

――キャリアで言うと拳王選手の方が後輩だと思うのですが、それだけ魅力的な男だと。
「そう思いませんか?(みちのく)当時から真意はぶれないし、何よりも信念を言葉に乗せて、それでお客さんの心を震わせられる。試合でも見せられる。そんな男は他に中々いないと思うんで。キャリアでいったら後輩かもしれないですけど、やっぱり金剛のボスとして1番リスペクトしてるんで。敬意を払っていますね」

――今金剛に入られて目指しているものはジュニアタイトルになるのでしょうか?元々のスタイルですと無差別で闘われていましたがタイトル関係なくトップを取るという思いなのでしょうか?
「ゆくゆくはという気持ちはもちろんあります。じゃなかったら意味ないじゃないですか。ほんとにいつでも食ってやりたいという気持ちはあるんですけど、何よりも結果を残せてないというのが一番大きいので、どれだけ大きいこと言っても結果を残してない人間の言葉に説得力はないですから。とりあえず16日の横浜ラジアントホール大会でGHCジュニアタッグを取って、そうしたら2月武道館、その先も見えてくるんじゃないかと思っているので、まずはそこからかなと」

――2月の武道館の対戦カードがまだ発表されていませんが、自分としては王座戦をやりたいという思いはありますか?
「日本武道館でのGHCジュニアヘビー級選手権試合はもう決まってしまってるので。吉岡対原田、そこも吉岡に先に行かれちゃったという気持ちは大きいですけど、特に今年は仁王と結果を残したいという気持ちが1番大きいのでまずは横浜のGHCジュニアタッグ。もちろん取るつもりでその先を見れたらなという気持ちではいます」

――仁王(Hi69)選手とはKAIENTAI DOJO時代は絡みがあったイメージはあまりないのですが
「まだ僕は所属ではなかったんですけど、(Hi69選手が)背骨の大怪我から復帰していっときNOAHに来る前に上がってたんですよ。その間に結構試合とかはしたんですけど、チームとかは違ったりして組んだりする事はなかったんですよね。僕がデビューした当時から共通の知り合いを通してずっと比較的近いところに居たので可愛がってもらったりしていた中で、巡り巡ってここでタッグ組めるっていうのは感慨深いです」

――いざ組んでみて今までのパートナーとの違いを感じる部分はありましたか?
「1番しっくり、なんだろう・・・多分お互いの、根底のスタイルが似てると思うんですよね。何をどうしたいのかなというのはお互いなんとなく意思疎通ができて、言わなくてもできてるところがあるので、今までで1番やりやすい相手ですね。自分が来るまでの、NOAHに来てからの仁王さんの歴史はあんまり詳しくは知らないんですけど、僕と一緒に名前を変えて決意も新たにしてくれた感謝も含めて、やっぱり2人で結果出したいなっていう思いは強いです」

――決意を聞いたうえでこれを聞くのは恐縮なのですが、今後仁王、覇王に続く何王というのを増やしていく構想はあったんですか?
「それは、そこは特にないですね。そういう信念を持った人間が続々と現れるかわかんなかったですし、そこは考えてなかったですね。拳王さんが考えてるかはわかんないですけど」

――改めての確認ですが、金剛に入るには何王になるという雰囲気ではなく、あくまで2人の決意の現れで名前の変更が行われたと
「はいそうです!最近入ったタダスケなんかもそういう、お前は何王だみたいな(苦笑)そういう風に言われたりもしてるみたいですけど、そういうつもりはないです」

■ストロングマンみたいな人から声かけられて恐縮しちゃう(笑)

――今までは基本的に有料放送でしか見れない団体に居たと思いますが、NOAHはABEMAで放送があります。一般の方が無料で見られる場で試合をすることによって今までと変わったことってありましたか?
「やっぱり結構顔は知られてきているのかな?指さされるようになって、なので恥ずかしいなって気持ちがありますね(笑)今フィジークとかやってて、ジムにスゴイ多いんですけど自分より筋肉隆々な方々が。僕なんて一番小さいクラスですから、ものすごいストロングマンみたいな人が声かけて来られてむしろ恐縮しちゃう(笑)」

――『覇王選手ですか?』とマッチョから声をかけられると
「そうですね(笑)あとはステイホーム中に外に中々見に行けないファンの人とか、無料で自分たちの試合を沢山の人に見て貰う機会はないし、小さな団体とかだとやっぱりリスクが高いわけじゃないですか?無料で見られるから会場に行かなくてもいいやみたいな。そういう誰にでも見てもらえる環境に今身を置けているというのはほんとにありがたいなと思いますね」

――このコロナ禍の1年間は自分のキャリアにとってマイナスな事が多かったですか?プラスな事はありましたか?
「無観客の中で、誰もお客さんが居ないテレビマッチでただただ相手に勝つためだけに頭を使って、スリーカウントを奪いに行くという技術を研ぐことが出来たっていう、そういう環境になったのは自分の中ではすごいプラスになって。ほんとに集中して闘いだけに臨めたっていう部分で、やっぱりこの一年で自分が成長できた部分だったのかなと思いますね。家に缶詰めみたいなストレスってやっぱりあったんですけど、それよりも自分を見つめ直すことが出来るきっかけにはなったかなと思いました。根底が闘いということは変わりないので、(お客さんが)居てくれることと居ないのでは全然違うかもしれないですけど、そこは自分らは戦いを通してお客さんに伝えるだけなので。今はやっぱお客さんのほうがツラいんじゃないかなという気持ちではいます」

――ありがとうございました。最後に改めて、佐藤悠己を知っている人、佐藤きゅんを知っている人を含めて今の覇王としてメッセージをいただけましたらと思います
「昔から僕のこと知ってる人も、NOAHの覇王として僕を知ってくれた人も、ここに来た時に『全てを捨ててここに来た』っていう言い方はしましたけど、そのファンの人たちもそうだし、金剛の仲間たちの期待にも答えられる戦いを見せていきますので、画面を通してでも会場に来てくれてもいいので、これからの僕たちを見てってください」

『HIGHER GROUND 2021』
日程:1月16日(土)
開始:17:30
会場:横浜ラジアントホール

▼GHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合
[STINGER]小川良成/HAYATA
vs
[金剛]仁王/覇王

『ABEMA presents DESTINATION 2021 ~BACK TO BUDOKAN~』
日程:2月12日(金)
開始:18:00
会場:日本武道館

▼GHCヘビー級選手権試合
潮崎豪
vs
[M‘s alliance]武藤敬司(フリー)

▼タッグマッチ NOAH GENERATION
秋山準(DDT)/丸藤正道
vs
清宮海斗/稲村愛輝

▼GHCジュニア・ヘビー級選手権試合
原田大輔
vs
[FULL THROTTLE]吉岡世起

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