【試合詳細】8・10 新日本プロレス日本武道館大会 オカダ・カズチカvs飯伏幸太 棚橋弘至vsウィル・オスプレイ KENTAvsザック・セイバーJr. 

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『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』
日程:2019年8月10日(土)
開始:18:00
会場:東京都・日本武道館
観衆:9641人

▼タッグマッチ 20分1本勝負
●成田連/ジュース・ロビンソン
3分41秒 フィッシャーマンズ・スープレックスホールド
○海野翔太/ジョン・モクスリー

▼タッグマッチ 20分1本勝負
●本間朋晃/矢野通
5分23秒 ツアー・オブ・ジ・アイランド→片エビ固め
トーア・ヘナーレ/○ジェフ・コブ

▼6人タッグマッチ 20分1本勝負
[CHAOS]●YOSHI-HASHI/後藤洋央紀/石井智宏
7分50秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め
[鈴木軍]金丸義信/○鈴木みのる/タイチ

▼6人タッグマッチ 20分1本勝負
[L.I.J]BUSHI/○鷹木信悟/内藤哲也
8分37秒 MADE IN JAPAN→片エビ固め
[BULLET CLUB]チェーズ・オーエンズ/高橋裕二郎/ジェイ・ホワイト

▼「G1 CLIMAX 29」Aブロック公式戦 30分1本勝負
[L.I.J]●“キング・オブ・ダークネス”EVIL【4勝5敗=8点】
10分2秒 EBDクロー
[鈴木軍]○ランス・アーチャー【3勝6敗=6点】

▼「G1 CLIMAX 29」Aブロック公式戦 30分1本勝負
[L.I.J]●SANADA【4勝5敗=8点】
10分38秒 首固め
[BULLET CLUB]○バッドラック・ファレ【4勝5敗=8点】

▼「G1 CLIMAX 29」Aブロック公式戦 30分1本勝負
●KENTA【4勝5敗=8点】
16分26秒 ジム・ブレイクス・アーム・バー
[鈴木軍]○ザック・セイバーJr. 【4勝5敗=8点】

▼「G1 CLIMAX 29」Aブロック公式戦 30分1本勝負
●棚橋弘至【4勝5敗=8点】
17分12秒 ストームブレイカー→片エビ固め
○ウィル・オスプレイ【4勝5敗=8点】

▼「G1 CLIMAX 29」Aブロック公式戦 30分1本勝負
[CHAOS]●オカダ・カズチカ【7勝2敗=14点】
25分7秒 カミゴェ→片エビ固め
○飯伏幸太【7勝2敗=14点】
※直接対決の勝利により飯伏幸太がAブロック代表として優勝決定戦進出

飯伏がオカダとの5年ぶりシングル戦で初勝利しG1優勝決定戦進出!連覇を逃した棚橋が「皆が引導を渡してくる」と落胆も再起を誓う!KENTAが「人生一回の失敗で終わらない」と気炎!

第1試合


 因縁のモクスリーとジュースの対面でゴングが鳴ると、即座に組み合ってグラウンド戦となり、続けて逆水平チョップの打ち合い。両者は額を合わせて睨み合い、ジュースがスパインバスターからナックル連打。さらにラリアットを放つがモクスリーもラリアットでやり返し両者タッチ。
 海野と成田の同期・同級生対決になると正面からエルボーを打ち合い、海野が走るが成田がカウンターのフロントスープレックス、さらにブレーンバスターで叩きつけ成田スペシャルで固めるがモクスリーがカット。ジュースはモクスリーを場外に排除してプランチャで追撃する。成田はフロントスープレックスを狙っていくが、海野がこれを振り払ってロープに振りドロップキック。そして海野のスパインバスターにモクスリーがジャンピングラリアットを合わせる合体技から海野がフィッシャーマンバスターで叩きつけ3カウント奪った。
 試合後にジュースが怒ってモクスリーに詰め寄るとモクスリーはジュースへ足4の字固め。モクスリーは明日対戦するジュースを痛めつけた。

第2試合


 本間とヘナーレでゴングが鳴ると、両者正面からタックルでぶつかり合い一進一退の攻防。本間がボディスラムから小こけしを放っていくが、ヘナーレがこれを回避しコブにタッチ。
 コブは本間の張り手を受け止めドロップキック。ヘナーレにタッチ。
 ヘナーレは胸をたたいて本間にチョップを促し、好きなように打たせてからバイシクルキック。さらに走るが本間がこけしロケットでカウンター。両者タッチ。
 矢野はコブにサミングからコーナーマットを外すが、コブは後ろからスクールボーイ。矢野はショルダータックルでぶつかっていくが、コブはびくともせず「えーっ?!ダメだこりゃ!」と諦めると、コブは金具むき出しのコーナーに矢野を叩きつけ、「ガチムチ!」と叫んでその場飛びムーンサルトプレスを狙うが、矢野はコブが飛ぶ前にスクールボーイ。キックアウとしたコブの髪を掴んで引き倒し本間にタッチ。
 本間はコブに串刺しエルボーからフェイスクラッシャー、小こけし。さらにラリアットを放つがコブはこれを耐え、逆にラリアットで叩き伏せる。これは矢野がカットするものの、コブがアスレチック・プレックス、ツアー・オブ・ジ・アイランドと畳み掛け3カウントを奪った。

第3試合


 CHAOSのコールが全員終わった瞬間に鈴木軍が奇襲し、場外戦からゴング。
 リング上では後藤が金丸をショルダータックル、バックドロップと痛めつけ、さらに追撃を狙って走るがみのるがエプロンからキックで止め、ロープを使った腕固め。タイチが場外で木槌を使って石井を痛めつけ、みのるがパイプ椅子でヤングライオンたちを襲撃していく無法地帯と化す。
 リング上ではみのると後藤のマッチアップとなり、後藤は張り手を連打してくがみのるも張り手からフロントハイキックで吹き飛ばしタイチにタッチ。
 タイチは後藤の鼻をつまみ上げ、フロントハイキックを放っていくが後藤はこれをガードしラリアット。石井にタッチ。
 石井が出てくるとタイチはミドルキックを連打。石井は逆水平チョップで応戦しショルダータックル、サッカーボールキックと連打。するとタイチはステップキックからミドルキック、ステップキック、サッカーボールキック、バズソーキックと多彩な足技で連撃。パンタロンを脱ぎ捨て天翔十字鳳を放つが、石井がかわして組み付きひねりを加えたジャーマンスープレックス。両者タッチ。
 YOSHI-HASHIとみのるのマッチアップとなると両者はエルボーを打ち合っていき、YOSHI-HASHIが逆水平チョップで実るの動きを止めるとみのるをロープにひっかけてドロップキック。さらに後藤とトレイン攻撃から合体ネックブリーカー。これをタイチにカットされると石井が飛び出して行き、タイチがアックスボンバーで石井を撃退。これをYOSHI-HASHIがラリアットで蹴散らすものの、みのるが組み付いてスリーパーからのゴッチ式を狙う。これを振り払ってラリアットを叩き込むYOSHI-HASHIだったが、二発目を狙うYOSHI-HASHIのバックを取ったみのるがスリーパーからのゴッチ式パイルドライバーの流れを決め、文句なしの3カウントを奪った。
 試合後、タイチは石井のNEVERのベルトを踏みつけ、さらにリングからベルトを蹴り落として挑発した。

第4試合


 BUSHIとチェーズでゴングが鳴るが、即座に裕二郎が介入し2vs1に。しかしBUSHIはチェーズへ飛びついてフランケンシュタイナーで窮地を脱し、コーナー上からの攻撃を狙うがジェイが下から足を引いてこれを妨害。そのままジェイにタッチ。
 ジェイはBUSHIのTシャツを剥ぎ取るとナマの胸板に逆水平チョップ。裕二郎にタッチ。
 裕二郎はギロチンドロップ。チェーズにタッチ。
 チェーズは首投げからBUSHIの後頭部に低空ドロップキック。BUSHIは延髄斬りを狙うがチェーズはこれを回避しエルボードロップ。チェーズは走るがBUSHIはカウンターの延髄斬り。タッチを求めるが裕二郎が介入して妨害。BUSHIは二人まとめてフランケンシュタイナーで放り捨て内藤にタッチ。チェーズもジェイにタッチ。
 G1での対戦を控えた内藤とジェイは両者ニヤニヤしながら対峙したかと思えば激しくナックル合戦。ロープワークを制した内藤がジェイの首筋へ低空ドロップキックを叩き込み、ジェイの顔面にツバを吐いてからロープにジェイの足をかけてのリバースDDT、振り子式串刺しドロップキック。内藤はスイングネックブリーカーを狙うがジェイがDDTで切り返し、逆水平チョップ連打からロープに振ろうとするが、内藤がスイングDDTで切り替えすと両者タッチ。
 鷹木と裕二郎となると、裕二郎が足払いからの低空ドロップキック、チェーズとの連携攻撃からフィッシャーマンバスター、チェーズがスライディングキックでアシストと息もつかせぬ連撃。走る裕二郎に鷹木が追走ラリアット、内藤が低空ドロップキック、マンハッタンドロップ、延髄斬りとアシストし、鷹木が前後からラリアット。BUSHIが場外へトペ・スイシーダで飛んでいってアシストすると鷹木が裕二郎にパンピングボンバーからMADE IN JAPAN。これで3カウントを奪った。
 試合後、場外では内藤とジェイが額を突き合わせながら睨み合い、内藤を激しく罵るジェイに対して内藤はひょうひょうとしてこれを受け流しジェイはさらに怒りを顕にした。

第5試合


 40cm近い身長差のある両者の対戦。ゴングとともにショルダータックルでぶつかり合うもよろけたのはEVIL。続いてエルボー合戦もEVILは劣勢。EVILはダッシュしてぶつかっていくが、アーチャーはスクラップバスターで叩きつけ、場外にエスケープしたEVILを追ってセコンド陣も含めて全員蹴散らしていき、エプロンからムーンサルトアタック。さらにコーナーマットを外して叩きつけレフリーを恫喝。
 EVILをリングに戻し、金具むき出しのコーナーにEVILを叩きつけ、さらにそこへブレーンバスター。さらにショートレンジラリアット、額へのナックル連打。さらにスワンダイブ式サンセットフリップを放つがEVILはこれを回避。
 EVILは真っ向勝負でエルボー、ショルダータックルとぶつかっていき、ブロンコバスター。さらにブレーンバスターを狙っていくが、着地したアーチャーがショートレンジラリアット。アーチャーはコーナーに上るが、EVILは下から追いすがりヘッドバッドから雪崩式ブレーンバスター。EVILはラリアットを放つがアーチャーはビクともせず、さらに走るEVILの真横からタックルでEVILを吹き飛ばす。
 アーチャーはリングの下からパイプ椅子を取り出すと金具むき出しのコーナーにくくりつけ、そこへEVILを叩きつけようとするがEVILはこれを回避し逆にアーチャーを叩きつけ、ラリアット。そしてマジックスクリューからEVILを狙うが、ランスが耐えてハイアングルチョークスラム。これを返したEVILだったが、アーチャーは旋回式フェイスクラッシャー。そしてEBDクローでEVILの頭蓋骨を締め上げ、EVILを狙うEVILを制してさらにEBDクロー。これで肩をつけ3カウントを奪った。

第6試合


 ゴングが鳴るとしばし両者動かずにらみ合うが、ファレが詰め寄っていきハンマーパンチ。SANADAもナックルで応戦しロープに走るが、セコンドの邪道がリング下から竹刀攻撃。場外にエスケープするSANADAをファレが本部席に叩き込みマイクのケーブルを使って首を絞めあげていく。
 SANADAがリングに戻ると体重をかけて踏みつけていき、セコンドのチェーズがエルボーを入れてアシスト。SANADAはメゲすにボディスラムを狙うがファレの巨体は上がらず、ファレはショルダークローさらに脇腹にもアイアンクローでSANADAを痛めつける。SANADAはなおもボディスラムを狙うがファレが上から押しつぶし、体重をかけるエルボードロップを連打。ファレはボディスラムからさらにエルボードロップを放つが、これをSANADAが回避しヒザへの低空ドロップキックからドロップキック、ロープを背にするファレをラリアットで場外に叩き出し場外プランチャ2連発。
 ここにチェーズが入ってきてSANADAに殴りかかるが、SANADAは冷静にドロップキックで排除し、チェーズにも場外プランチャをお見舞い。
 SANADAはファレを担ごうとするがファレに潰されてしまい、ファレがボディプレス。さらにファレはグラネードを叩き込むがカウントは2。続けてバッドラックフォールを狙うが、SANADAはこれを着地してボディスラムから担いでTKO。続けてドラゴンスリーパーからSkull Endに入り、ファレはタップするものの、チェーズがレフリーを昏倒させたため試合は終わらず。さらに邪道が入ってきて竹刀で攻撃するが、SANADAはその竹刀を奪い取って投げ捨てると、邪道とチェーズをパラダイスロックで固めて並べ、ファレにミサイルキック。さらにコーナー上からラウンディングボディプレスもファレはこれを回避。SANADAは再びSkull Endを狙うが、これをなんとファレがスモールパッケージならぬ“ビッグパッケージ”で電光石火の3カウント。

第7試合


 KENTAとザックは試合序盤から堅実なレスリング線を展開し、互角のまま一旦ブレイク。
 首の取り合いや掌底で距離を刻むジリジリとした攻防からザックがエルボーを叩き込むが、KENTAは真正面から受け止め、逆に一発でザックをなぎ倒すとミドルキック、サッカーボールキックを連打。さらに顔面をつま先で蹴って挑発していきさらにサッカーボールキック、スリーパーホールド。ザックはこれを腕を取って切り返し、KENTAが振り払うと走ってフロントハイキックを狙うが、KENTAがキチンシンクでカウンターし顔面へのフットスタンプ。さらにあえて外してから踵で軽く蹴る挑発も入れていく。
 KENTAはザックを容赦なく蹴りまくり、スリーパーホールドに入ろうとするが、ザックが即座にすり抜けて腕を取り腕を極めながらのボーバックブリーカー。KENTAがこれを抜け出すと正面からエルボーの打ち合いとなり、これを制したザックがフルネルソンを狙う。これを振り払ったKENTAがパワースラムで叩きつけ、スイングDDTの要領でザックの顔面をロープに叩きつけ、コーナートップからダイビングラリアット。さらに串刺しフロントハイキックから尻餅をついたザックの顔面に串刺しドロップキック。そしてダイビングダブルフットスタンプを投下も、ザックがこれを回避しノーザンライトスープレックス。そして腕のクラッチを離さず腕十字へと持っていく。KENTAは転がってロープへ。
 ザックはKENTAの腕にフロントハイキックを連打し、KENTAのエルボーを喰らいながらも手を離さずリストロックで絞り続ける。両者は膝立ちになりながらも正面からエルボーを打ち合っていき、ザックがミドルキックのコンビネーションからPK。これをキャッチしたKENTAがローリングラリアットを叩き込むと、コーナーに上ってダイビングダブルフットスタンプ。これを返されるとgo 2 sleepを狙うが、ザックがオーバーヘッドキック、水面蹴り、PKと畳み掛ける。それでもKENTAはひるまず正面から張り手の打ち合い。これを制したKENTAがバズソーキックを放つが、ザックはこれをかわしてレッグロールクラッチ。これをキックアウトしたKENTAがラリアットを放つと、これをキャッチして複合関節に入ろうとするが、KENTAも切り返してGAME OVERを狙っていく。
 これをザックがブレイクするとブサイクへの膝蹴り。さらにgo 2 sleepを狙うが、KENTAがザックを跳ね上げたタイミングでザックが胴絞フロントスリーパーに入り、グラウンドに引き倒して三角絞め、そしてジムブレイクスアームバーで試合を決めた。

<試合後コメント>
KENTA
「負けちゃったね。まあでもこれが今の俺の現在地なんでしょうね。しっかりとこれを受け止めて、この先まあどうしていくか、人生一回の失敗で終わらなくて、またやり直せるっていうのが人生の醍醐味だと思うので、その人生の醍醐味、見せつけてやりたいと思います」

第8試合


 シングルでは初の対戦となる棚橋とオスプレイ。
 ロックアップ、手4つから始まる堅実なレスリングを展開し、オスプレイがスピードを生かしたドロップキックなどで攻め立てていくが、エプロンからの攻撃を狙った際に棚橋が足を取りロープ越しにドラゴンスクリュー。そして棚橋はオスプレイの足に狙いを定め、レッグロックやニークラッシャー、インディアンズデスロックなどコツコツとダメージを蓄積させていき、棚橋がロープに振っていくがオスプレイはハンドスプリング式オーバーヘッドキックで切り返す。さらにスワンダイブ式での攻撃を狙うが、棚橋が下からこれを止め、突き落とそうとするがオスプレイは逆に棚橋を場外に放り出しサスケスペシャルで飛んでいく。
 棚橋をリングに戻したオスプレイはその場飛びムーンサルトプレス。棚橋は太陽ブローからエルボーと突っ張っていき、オスプレイのスワンダイブ攻撃をかわしてヒザへの低空ドロップキック。そしてテキサスクローバーホールドの体勢に入るが、オスプレイは下から棚橋の側頭部を蹴りつけ、怯んだ棚橋の胸板を踏み台にサマーソルトキック、延髄斬りと畳み掛けるが、棚橋はオスプレイの足を取ってドラゴンスクリュー、そしてテキサスクローバーホールドでガッチリと腰を落とす。長時間捕まったオスプレイだが、なんとかロープを掴んでブレイク。
 棚橋はオスプレイのヒザにガットショットを入れ、スリングブレイドを狙うが、オスプレイが下からサムソンクラッチ。キックアウトした棚橋にロビンソンスペシャル。さらにオスカッターで飛んでいくが、棚橋が地対空スリングブレイドで迎撃し、ドラゴンスープレックスを狙う。オスプレイが抵抗するとジャーマンスープレックスで叩きつけ、さらにスリングブレイドを狙うがオスプレイがスパニッシュフライでカウンター。さらにコーナーに上ってシューティングスター・プレス。これを棚橋がギリギリで返すと即座にオスカッターも、棚橋はこれも2.9で返す。ならばとオスプレイはストームブレイカーを狙うがなんと棚橋は空中でリバースDDTの形で切り返し、スリングブレイド。そしてコーナートップからハイフライアタック。しかしオスプレイは下から待ち構えて丸め込み、スピンキックから膝をついた棚橋の後頭部へヒドゥン・ブレイド。そしてストームブレイカーで叩きつけ3カウントを奪った。

<試合後コメント>
ウィル・オスプレイ
「エースとの闘いでこのような結果になったことを許して欲しい。でもあの男は棚橋弘至だ。その棚橋を俺はピンで倒した。正直、今なんて言っていいのか分からない。そして、彼の入場曲は何度も何度も聞いてきたもので、自分ひとりでリングにいるときにあの曲を聞いたときの感情は初めてのものだった。鳥肌が止まらなかった。そう、棚橋こそ男の中の男なんだ。その男を俺は倒したんだ。20年前、彼はネクストジェネレーションとして、次世代のレスラーとしてこの新日本プロレスに来て、この会社を背負って立ってきた。今日俺が勝って得たものは誰をも落胆させないためにこれから育て続けたいと思う。俺が日本に引っ越してきたのもその理由のひとつなんだ。この場所、この国が好きだということもあるけど、皆を落胆させずにこの会社を引っ張っていきたいと思っているんだ。ファンのみんなだけではなく、棚橋にも俺は誓う。俺は絶対に皆を落胆させることはない。みんなを楽しませるために闘い続ける。イギリス、オーストラリア、アメリカ、メキシコ、この団体がどこに行っても俺はそこにいる。G1 CLIMAXはもう終わってしまったが、俺のこの度はまだまだ続いていく」

棚橋弘至
「G1負け越し、いつ以来だろう。みんなが俺に引導を渡してくる。『棚橋もういいよ、棚橋もういいよ』って。オカダ、内藤、オスプレイ……もう引導は貰い過ぎてっから、必ず復調して、必ず棚橋は戻ってくるから」

第9試合


 2014年以来のシングル戦となる両者の対戦、過去の戦績はオカダの2勝0敗。
 ゴングが鳴ると両者はしばらく観衆のコールに耳を傾け、距離を詰めると手4つからグラウンドに入り足の取り合い。これを制したオカダが飯伏の眼前で指でチョイチョイと手招きして挑発すると飯伏は打撃の連打からオカダのお株を奪う打点の高いドロップキック。コーナーを背にするオカダに突撃する飯伏だったが、オカダはこれをかわして飯伏をコーナーに上げ地対空ドロップキックで場外に叩き出すなどドロップキックに対する意地を見せていく。
 オカダは飯伏をコーナーの下に座らせると顔面を踏みつけていき、飯伏のエルボーを受け止めた上で首投げから側頭部へ低空ドロップキック、チンロックと痛めつける。チンロックに長時間捕まった飯伏だったが、オカダの突撃をカウンターのフランケンシュタイナーで切り返すとコンビネーション打撃からその場飛びムーンサルトプレス。場外に逃れたオカダへプランチャで追撃し、リングに戻してからロープに振っていくがオカダはランニングバックエルボーで切り返し「武道館ッ!」と雄叫びを上げる。
 オカダは飯伏に串刺しバックエルボーからDDT、コーナートップからのミサイルキックを狙うが、飯伏が回避してレッグラリアート。両者大ダメージを負い、ヒザ立ちからエルボー合戦。たたらを踏む飯伏だったが、オカダの追撃をパワースラムでカウンターし、セカンドコーナーからのムーンサルトプレスを発射も、オカダが剣山で迎撃。なおもロープに走る飯伏をフラップジャックで迎え撃ち、コーナートップへ上がるが、飯伏が追いすがり、雪崩式ダブルアームスープレックスを狙う。オカダは飯伏をエプロンに叩き落とすが、飯伏はスワンダイブ式で飛びついて雪崩式フランケンシュタイナー。そしてシットダウン式ラストライドで叩きつけ、カミゴェを狙う。オカダはこれをかわしてジャーマンスープレックス。クラッチを離さずレインメーカーに持ち込み、飯伏が抜け出すとドロップキックからツームストンパイルドライバーの体勢へ。しかし飯伏が逆にツームストンパイルドライバーの体勢から人でなしドライバー。
 互いに満身創痍の中、膝立ちでエルボーを打ち合っていき、お互い立ち上がってゆっくりと間を置きながらフルスイングの重たいエルボーを打ち合っていく。オカダがガクリと膝をつくと飯伏はエルボーを連打し突撃。オカダのショットガンドロップキックにも倒れずラリアットで叩き伏せる。
 飯伏はやり投げを狙うが、オカダは逆に持ち上げてツームストンパイルドライバーを狙う。しかし飯伏がこらえるとバックスライドから手を離さずレインメーカー。さらに意識が朦朧としている飯伏にショートレンジレインメーカー、正調レインメーカーを放つが、飯伏はバックを取って抱え式ジャーマンスープレックス。さらにカミゴェを狙うが、オカダがヒザにすがりついて止め、オカダがドロップキックを放つが飯伏が空中でキャッチしてパワーボムで叩きつける離れ業を見せる。
 飯伏はオカダにターゲットを定め滾って「イヤァオ!」と叫んで突っ込むが、オカダがドロップキックでカウンター。オカダはレインメーカーを放つが飯伏もレインメーカー式ハイキック、カミゴェと放ち、オカダが丸め込み。飯伏がこれをキックアウトすると起き上がりにハイキックを叩き込み、ラリアットを狙うオカダにジャンピングニーから即座にカミゴェ。これを返されると2発目のカミゴェ。これで3カウントを奪い。2年連続優勝決定戦への進出を決めた。
 先に退場していくオカダはヤングライオンの肩を借りながら歩くも体重を支えきれず崩れ落ちてしまうほどの大ダメージを垣間見せた。

飯伏「これで俺の優勝進出が決まりましたね。初めに言いたいのは、皆さんにありがとう。そして僕とAブロックで戦ってくれた人、みんな本当にありがとうございます。僕はAブロック代表として絶対にもう負けない。去年と同じ過ちは繰り返さない。最後まで諦めないから。約束します!それでは。また明日!」

<試合後コメント>
飯伏幸太
「これで僕の決勝が決まりました。最後までどの試合も諦めなかった。その結果、決勝まで行けたんだと思います。でもマイクでも言ったとおり、同じことは繰り返さない。去年僕は準優勝だったんで、もう最低でも準優勝でしょう。ただ、準優勝でいいかと言ったら、違いますよ。僕は諦めてない。去年から言ってたから。『ずっと諦めない』って。だから絶対に絶対に8月12日は飯伏幸太の日にしてみせます。必ず。必ず。受け取ったものをすべて返せるように僕はがんばります。あとは諦めないことだけ。もう2大会、あとちょっと。諦めないから。全力で、全力で、最後まで全力で。諦めないから。誰が来ても諦めないから」

――オカダ選手との闘いはいかがでしたか
「僕じゃ考えられないですよ。僕の記憶が正しければ、オカダさんは同期ですよね?2004年デビューですよね?僕はこれからもオカダさんと戦っていきたい。強すぎる。まだまだ100分の1じゃないですか、オカダさんは。僕は100%出したけど、オカダさんはまだ出し切ってないんじゃないですか。お互いにまだまだ、続きを見せましょう。コレは完全に自分のストーリーでもある」

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