故・青木篤志さんの追悼セレモニーが全日本プロレスで実施 盟友の佐藤光留は「青木篤志のプロレスが生き残ってる限り、もう一回作れる」

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 18日、東京都・後楽園ホールにて実施の全日本プロレス『2019 DYNAMITE SERIES』で今月3日に亡くなった青木篤志さんの追悼セレモニーが行われた。

 青木さんは自衛隊出身の経歴とアマレスをバックボーンに2005年にNOAHでデビュー。その後2013年に全日本プロレスに入団してからは全日本プロレスのジュニア戦線を牽引する選手となり、5月20日の後楽園ホール大会で岩本煌史を倒し第51代世界ジュニアヘビー級王者へ。試合後には、ともに全日ジュニアを盛り上げてきた盟友である佐藤光留とこの日の後楽園ホール大会での防衛戦を約束していたが、青木さんは3日夜に高速道路をバイクで走行中に事故に遭い急死。41歳という早すぎる死に選手・ファン等各方面から多くの哀悼の声が寄せられていた。

 この日のメインイベントでは、青木さんの弟子であり、全日本ジュニアを担っていくという遺志を継ぐ岡田佑介が光留とシングルマッチで対戦。
 岡田は全力を賭して光留に向かっていくが、実力の差は明らかであり、光留は岡田の攻め口を尽く潰しながら容赦のない蹴り技で岡田の腕を攻め続け、隙あらば腕ひしぎ十字固めなどの関節技を狙っていく。
 しかし岡田も意地を見せ、やられてもやられても立ち上がってドロップキックやランニングエルボーなどデビュー当初から使い続けている青木さん仕込みの技で対抗。光留はこれをすべて受けきった上でバックドロップで叩きつけ、腕十字で試合を決めた。
 試合後、光留はEvolutionの面々と握手・抱擁を交わし、岡田と正座で向き合って互いに礼。その後はガッチリと抱き合った。

 マイクを取った光留は「僕のプロレスの半分だった青木さんが突然いなくなってから、本当に忙しい日々でした。でも僕が凹んでるわけにいかないと思って、青木さんに会いに行ったら『いいからやってください。いいからリングに上がってください』いう顔してました。でも、青木さんがいるはずだったリングに立ったら……青木さんホントに寂しいよ!青木さん!青木さん!!青木さん!!!ベルトを持ったまま、遠くに行っちゃった青木さん、防衛期限の11月の終わりまで、そのベルト、絶対に誰にも渡さないでください。僕たち全日本ジュニアが死ぬまでそのベルトを譲り受けてから(噛みながら)輝き続けますので。……噛むところも青木さんの悪戯なんだよ!どっかにいるんだよ!よく聞いとけよ!全日本ジュニアは明るく楽しく激しく進化していきます!今日はどうもありがとうございました!」と熱い想いを叫んだ。

 その後、青木さんの追悼セレモニーが行われ、ドリー・ファンク・ジュニアからの追悼メッセージが流された後に10カウントゴングと選手コールが行われると、無数の紙テープがリング上に降り注いだ。

 Evolutionの面々とともにバックステージに戻った岡田は「俺はまだプロレスがまだ全然わからへん。だから青木さんに叱られてでも、もっとプロレスを教わりたかった。もっともっと甘えたかった。でも、今日の試合が終わった瞬間に、『もう青木さんはおらへん。もう俺は自分の力でもっとプロレスを分かっていかなアカン』と。俺は人に頼ってたらアカン。甘えてたらアカン。俺は自分の力でもっともっとプロレスを勉強してもっともっと高みに行きたいと思います」と力強く語った。

 そして光留は、青木さんと組んで出るはずだったジュニアタッグリーグに岡田と組んで出場することについて聞かれると「今日は青木さんを見送りに、平日の夜なのにこんなに沢山の人が来た。僕と青木さんがタイトルマッチやったときなんて誰もいなかったんですから。選手も、お客さんも。そうやってなにもないところから作ってきたんで、2人で。さっき岡ちゃんが『教わりたかったけど、これからは自分で』って言ってたように、一回作れたんなら、また青木篤志のプロレスが生き残ってる限り、もう一回作れると思うし。いつか僕も、岡ちゃんも、プロレスのリングからいなくなる日が来る。その日まで、作り続ける。進化し続ける。それが全日本ジュニアだから」と語り、岡田に「ハンパじゃないからな!」と発破をかけた後にしっかりと握手を交わした。

 そして、秋山準は追悼セレモニーを終え、「しっかりと前を向いていかないと青木にも申し訳ないし、アイツも自分のことで色んなものが止まるっていうのをすごい嫌がるタイプなんで。まだ49日終わってないんで、多分色んな所を見に行ったり、知り合いのところに会いに行ってると思うんで。今日の佐藤くんと岡田の試合もどっかから見てくれてると思います。最近、お亡くなりになる方が多いんですけど、自分の後輩っていうか、自分の付き人についてた奴が先に逝っちゃうっていうのは……。だけど、しっかり前に進んでいかないといけないんで、切り替えていきます」と静かに語った。

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