北岡がパンクラスに帰ってくる!!横浜道場を受け継ぎパンクラスイズムを次世代へ

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1月20日午後、都内新宿区のパンクラスで、北岡悟が記者会見を行ない、3月上旬にも道場を開くことを発表した。
新道場の名前は「パンクラスイズム横浜」。場所は、旧パンクラス横浜道場だ。旧パンクラス横浜道場は1999年より続いてきたが、昨年いっぱいで閉鎖されることとなっていた。そこに、ちょうど自分のジムを立ち上げることを考えていた北岡が、歴史ある「格闘技道場パンクラス」の看板並びに精神とともに受け継ぐこととなった。道場オーナーは完全にパンクラスから北岡に移り、2月から北岡個人が家賃を払いながら3月上旬のオープンを目指す。
同席した酒井正和パンクラス代表は「パンクラスを引き継ぎ、改革をしてきた中で、横浜道場は東京と距離もあり、フォローが難しかった。横浜道場は守っていくべきものではあるが、現実問題として続けていけなくなり閉鎖を決めた」と閉鎖に至った経緯を語った。
北岡は「僕は今、外部の人間ですけど、川村(亮)とかとは連絡を取り合っていた。昨年11月1日の試合(ライト級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ、VS徳留一樹)の2週間くらい前に、横浜が閉まると聞いた。P’sLABはあるが、世田谷は広さや選手レベルとしてちょっとフィットしない。しっくり来るのは、やはり横浜だと思う。そして、この横浜がなくなれば、パンクラスの本丸がなくなってしまう。今、残っているパンクラスismの伊藤(崇文)さんや近藤(有己空)さん、川村はジムをやっていくというノリではなく、そういう意向もなかった。それなら、この看板のもとでオレがやれば面白いと閃いた。11月の試合に勝ってそれができたら絵になると思って挑んだが、結果を出せなかった。それでも、乗りかかった船なので動き始めた」と話した。
ネックである家賃も、ビルの持ち主に交渉し、大幅に下げてもらうことができたという。また、パンクラス創始者であり、この場所に惚れ込んで決めた鈴木みのるにも「僕は一度パンクラスを出た人間です。この看板のもとで道場をやってもいいでしょうか」と話を通し、「好きにやっていい」と快諾されたという。ここで道場を開く見通しが立ち、船を漕ぎ出す運びとなった。
これに伴い、北岡の所属は「Lotus世田谷/パンクラスイズム横浜」となる。北岡は「練習の質を保つため。自分自身が弱くなってしまっては本末転倒だから」とその理由を説明した。

さて、新道場は、北岡をはじめ、八隅孝平(Lotus世田谷代表)、DJ.taiki(第4代DEEPバンタム級王者)、川村亮(第11代ミドル級KOP並びに第4代来とヘビー級KOP)、古賀靖隆(パンクラス フライ級7位)、梅木良則(パンクラス審判部長)ら豪華講師陣が指導にあたる。北岡は「僕やDJが指導というと、すごく厳しいイメージがあるかも知れないけど、そうではなくて、完全にストレッチのみのクラスや、有酸素運動のみのクラスなど、無理をしない軽い運動のクラスをつくる。格闘技は好きだけど、自分でやるのは無理という人からプロを目指す人まで、さまざまな人に来てほしい。自分ではできない人も、そばで伊藤さんや近藤さんがサンドバッグをたたいている横でストレッチしたり、格闘技クラスを見ながら縄跳びをしたり。そんな空間にしたい」と話す。会費も一般のジムより大幅に安くする予定だという。
それは、北岡の「パンクラスという言葉は、興行名だけではなく、格闘技のいち流派であり、パンクラスismを多くの人が共有し、全ての会員さんに“パンクラスイズム”を名乗ってほしい」という考えによる。こうして「パンクラス」はレトロな格闘技ではなく、新しい命を与えられ広がり、不滅のものとなるのだ。
もちろん、プロ選手も育てていく意向だ。北岡は「型にはめたくない。その人が持っているものを活かして、その人の力をより加速させたり、太くさせる方向でやりたい。また、これまであったリングを撤去し、フルケージを導入。トレーニング器具も刷新する」と言う。さらに「酒井さんは“パンクラスMMA”という言葉や“世界標準”という言葉でより華やかな舞台をつくってくれた。でも、今のパンクラスは舞台負けしていると思う。今のパンクラスはMMAになっていない」。そして、自分自身を振り返りながら「僕は以前、“MMA”という言葉が嫌いで、“総合格闘技”だと思っていた。でも、総合格闘技をやっていたから、11月に負けたのかなと今は思う。自分自身をMMAファイターにアップデートしたいし、パンクラスの看板のもとで、パンクラスはもちろん、UFC、RIZINなどさまざまな舞台に出て活躍する選手を出したい」と語った。

パンクラス精神のもとで、総合格闘技をMMAに進化させていく—−北岡はこれを「クラシックの音楽を、最新機器でリミックスさせるようなもの」とたとえた。だからこそ、道場名も自分の名前を使わず「パンクラスイズム」としたのだ。急激に変わっていくパンクラスを見ながら、一抹の寂しさを感じていたファンにとっては、非常に心強い言葉だ。離れていた期間があっても、北岡のパンクラスに対する強い気持ちは誰もが知っている。長い旅のあと、選手として人間として、ひと回りもふた回りも大きくなった北岡悟がそこにいた。

北岡自身の次の試合はDEEPになる予定だという。「パンクラスの名前を冠したジムをやることを快諾してくれた佐伯代表には感謝しています」と語った。そして「前田(吉朗)も自由に動いている。これからはもう、不自由な時代じゃない」と話す北岡。PANCRASE is not dead.2016年3月、新しくなった横浜道場から、新しいパンクラスが始まる!

(写真・文/佐佐木 澪)

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