PANCRASE 275でヒロ・ヤマニハと戦う瀧澤謙太が公開練習。「閃きの中で闘いたいです」

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1月19日夜、都内渋谷区のリバーサルジム スタンドアウトで、瀧澤謙太が公開練習を行なった。

現在パンクラス バンタム級7位の瀧澤は「PANCRASE 275」(1月31日、ディファ有明)でヒロ・ヤマニハ(同級9位)と対戦する。公開練習は3分のマススパーリング。さまざまな足技を中心に、得意の打撃を披露した。

試合まで2週間を切った現在、体調は「調子はバッチリです。体重もあと少しです」と良好な様子。昨年11月に21歳になったばかり。勢いとオーラを感じる。パンクラスには昨年4月から参戦し、全てTKO勝ちしている。他イベントを含めると4戦連続でのTKO勝ちを収めているが、そのことに触れると「でも、まだ出来ないことがたくさんあります。その穴を埋めて、もっと強くなりたいです」と、少し照れて話した。

打撃の強さの秘密は、空手だという。「小学校時代は6年間、空手をやっていて、高校では3年間レスリングをやりました。パンチの当て勘は、小さい頃の空手時代に培われたと思います」と話す。

総合格闘技を始めた理由は「いろいろな格闘技が全部混ざったもので、一番強い競技だと思ったからです。最初に打撃系をやって、それから組み技をやって、その両方を活かせるのが総合格闘技だと思いました」と言う。それまで総合はテレビでちょくちょく見ていたというが、テレビを見て単にかっこよかったから始めたというのではなく、冷静に自分のやってきたこと、出来ることを考えて決断したというところに、瀧澤のクレバーさ、地に足をつけた堅実さが表れていた。

総合を始めて4年。これまでの成長は速かったかどうか訊くと、少し困ったように考えて「普通…だと思います」と照れ笑いした。

あこがれの選手は田中路教だ。田中は今月2日、アメリカ・ラスベガスで行なわれた「UFC 195」で勝利を収めたばかり。瀧澤は「以前グランドスラムにいたので、当時、同門だった田中路教選手のことをすごく尊敬しています。僕も将来は田中選手のように世界で活躍したいです」と語った。

瀧澤3
今回の試合に戻り、相手のヒロ・ヤマニハの印象について訊くと「押し込んできてテイクダウンを狙って抑え込んで、決めてくるタイプだと思います。打撃はブンブン振ってくる感じですね。試合では最初から組み付いてくると思うので、全て切って、最後はスタンドでKOしたいです」と得意の打撃で決めたいという。「KOは自然と倒れていくので、適当に何かしら当てればいいかなと思います。これまでも狙ったわけではなくて、ちょっとした閃きで、相手が入ってきたときに、ここかなと思ったところへドンと打つ感じ」。作戦を立てるよりも、その場面、場面でのカンや感覚を大切にするタイプのようだ。「試合はあまり考えていなくて、感覚の中でやっていますね。今回も閃きの中で闘いたいです」と瞳を輝かせた。

初めての国際戦、また、2016年の初戦となる。「すごく楽しみです。そして、今年じゅうにタイトルに挑戦できたらと思っています」と言う。現在、パンクラスのバンタム級には、“絶対王者”と呼ばれる石渡伸太郎が君臨している。瀧澤は「そうですね。上にいる人が強いですね。上田(将勝)選手とか。外国人もけっこう出てきていますし、外国人にも気をつけないといけないと思います。でも、試合と練習は違うので、やってみたら倒す自信はあります」と話す。その目には、若さゆえの自信だけではなく、もしかしたらそうなるかも…と、ふと思わせる何かがあった。

タイトルへの切符を手にするためにも、絶対に落とせない1戦。瀧澤は「少しずつ成長しながら上を目指していきたいです」と話を結んだ。

落ち着いた口調ではあるが、今この時期特有の輝きを放つ瀧澤。今後のパンクラス・バンタム級の中でも次第に大きな存在となっていくだろう。その意味でも見逃せない一戦だ。

(写真・文/佐佐木 澪)

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