長与千種門下の一期生対決を制し149cmの歴代最小王者が歴史あるAAAWシングル王座に誕生!

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 3日、東京都・後楽園ホールにて、『Marvelous7周年記念大会』が開催され、桃野美桜が永島千佳世を下してAAAWシングル王座戴冠を果たした。

 AAAW(オール・アジア・アスリート・ウーマンズ)王座はかつて存在していたGAEA JAPANが管理していた王座であり、長与千種、デビル雅美、アジャコング、里村明衣子らが巻いていたベルト。2005年の団体解散とともに封印されていたが、長与が2021年6月13日に開催した『GAEA ISM』にてAAAWシングル&タッグ王座が約15年ぶりに復活。
 復活後に初めて戴冠したのは橋本千紘。そして、長与千種の後継者として“紅”を背負っている彩羽匠が次代王者となったものの、昨年11月に負傷のために返上。同年12月には永島千佳世が20年ぶりの同王座戴冠を果たしていた。

 今回永島のAAAW王座に挑戦したのは、Marvelousの次世代エースとして期待される24歳の桃野美桜。桃野はMarvelous旗揚げ後に初めて入団した生え抜き第1号の一期生であり、団体愛は一際強い。
 桃野は「マーベラスの“紅”はわたしだ」をテーマに掲げ、次世代のMarvelousを背負う覚悟を示しており、永島がGAEA JAPANの一期生であることににも対抗心を燃やしていた。


 試合は、いきなり桃野が顔面へのビンタを見舞っていく気の強さを見せ、場外戦では南側客席の階段上からのダイビング・クロスボディを放つなどリング内外で躍動。
 しかし、永島も桃野の勢いをガッチリ受け止め、多彩なフットスタンプで試合を組み立てながら隙あらば桃野が痛めている右腕をサブミッションで絞り上げるベテランらしい巧みな攻撃を見せ、スパイダージャーマンなどの大技も見せる。
 苦しい展開が続くも、この試合に“諦めないこと”をテーマに臨んでいたという桃野は雄叫びを上げて立ち上がり、カウンターのキューティースペシャルで流れを変えてロコモーション式のジャーマン・スープレックス・ホールド。さらにJKボム(※ヨシタニックと同型)、雪崩式JKボムと畳み掛け、永島とのジャーマン合戦に競り勝ってJKボムで叩きつけて3カウント。

 キャリア8年目で悲願のシングル王座初戴冠、それも憧れのAAAW王座を手にしたこともあって桃野はリング上で涙。
 しかし、149cmと歴代王者の中でも最も小さい桃野は、チャンピオンベルトの中でも一際大きいAAAWのベルトのサイズが合わず苦笑い。愛弟子の晴れ姿を見て号泣していた長与が「専用のサスペンダー、作ろっか」と提案すると、場内は温かい笑いに包まれた。

 桃野は、「永島選手は、長与さんが作ったGAEA JAPANの一期生。そして、桃野美桜はその後に長与さんが作ったMarvelousの一期生。このベルトは、元々GAEA JAPANのもので、時を経てMarvelousで復活して、永島選手からこの桃野美桜がとるということで、このベルトの歴史がやっと動きだしたと思ってます。でも、ちょっと大きくて、もしかしたら、ちょっとかっこ悪いかもしれないです。でも、必死に掴んだこのベルト、今日だけはうぬぼれたいと思います」と笑顔を見せ、チャンピオンとして堂々と大会を締めた。

 バックステージに戻った桃野は、「歴代王者の方々は皆すごい偉大な方々です。チャンピオンとして並べたかもしれないけど、長与さんからは『歴史を超えるということは無い。歴史は横並びだ』と常々言われています。しっかり、その歴史に並んでいけるように頑張ります」と語り、「諦めないということを、自分はプロレスで体現していきたいと思います」と“諦めない心”を後輩たちに背中を通して見せていく心意気を口にした。

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