「最後の最後は報われたい。自分を褒めてあげたい」引退を控えたひめかが“怪物”橋本千紘に惨敗し寂しい笑顔
4日、東京都・国立代々木競技場第二体育館にてスターダム『TRIANGLE DERBY I~優勝決定戦~』が開催され、引退を控えたひめかが橋本千紘とシングルマッチを行い完敗を喫した。
ひめかは2016年に田村淳プロデュースのアイドルグループ『スルースキルズ』のメンバーとなり、171cmの身長をもつことから罵りワードは“ジャンボ”を担当。同グループは全日本プロレス応援大使としてリング上でライブを行っていた。
2017年にスルースキルズが解散すると、同年末にアクトレスガールズで有田ひめかの名でプロレスデビュー。
翌年には全日本プロレスに参戦し、アクトレスガールズ一期生の万喜なつみ(現:なつぽい)と対戦。上記応援大使の縁から全日本プロレス道場に練習に通い、秋山準からジャンボ鶴田から継承したジャンピングニーを直伝される。
2020年にアクトレスガールズを退団し、ドンナ・デル・モンドのメンバーとしてスターダムに入団。以降は舞華とのタッグチーム“舞ひめ”を中心に活躍し、ゴッデス・オブ・スターダム(タッグ)王座やアーティスト・オブ・スターダム(6人タッグ)王座を戴冠していた。
スターダムの中心選手の1人に数えられていたひめかだが、今月10日の記者会見にて引退を発表。
その理由について「自分が20歳でデビューしたときに、『5年経って25歳の時に、自分が納得のいく位置、立ち位置になっていたら引退を決めよう』というのを元々決めてデビューをしました。正直シングルのベルトだったりとかやりたいこととか、目標という目標は全然達成できなかったんですけど、でも、5年を振り返ったら、今の自分が一番輝いてるかなと思うので悔いはないです。身体と心がボロボロになる前に、健康なうちに違う人生を歩もうと決断いたしました」と語り、4月23日の横浜アリーナでパートナーの舞華とのシングルマッチで引退試合を行うことが決まった。
約2ヶ月半という短い引退ロードをスタートさせたひめかは、この日センダイガールズプロレスリングの橋本千紘と対戦。
橋本は、“最強女子”を確立させるために動き始めた朱里の「スターダムのプロレス、そして、朱里に興味があるなら来場して欲しい」という呼びかけに応じて今年1月にスターダムに登場。2月4日の大阪大会ではMIRAIをオブライトで粉砕し、「スターダムさん、次のビッグマッチ、朱里以外で強い奴用意してください」と要求。これにひめかが「私がスターダムで成長した姿、全部お前にぶつけるよ」と応じて対戦が実現した。
大型女子パワーファイター同士の一戦に注目が集まる中、ショルダータックルで勝負を挑んでいくひめかに対し、橋本は初っ端からアンクルホールド。その後も徹底した足攻めを敢行し、動きが鈍ったひめかをフロントネックロックで締め上げ、卍固めで拷問。
ひめかも力尽くで振り払ってランニングニーを決めてラリアット合戦、エルボー合戦と真っ向からの肉弾戦を展開。さらにジャンピングニーを発射も、橋本がキャッチしてアンクルホールド。これで致命傷を負ったひめかに対し、橋本がラリアット、パワーボムと容赦なく追撃し、アンクルホールドで絞り上げてタップを奪った。
試合後、橋本は「ひめか、ありがとう。心置きなく4月に引退してください。スターダムさん、なにか強さを勘違いしてないですか?もういいよ、ああいう相手。そろそろ朱里と闘いたいなぁ~?」と圧倒的な強さを誇示してスターダムファンからブーイングを浴びる。
朱里がリングに現れ、スターダム最大のビッグマッチ、4月23日の横浜アリーナ大会での対戦を要求すると、「最強女子、一番つえー奴、決めましょう。これ以上、このリングで、お前にキラキラさせない。どこのリングでも、一番つえーのは、橋本千紘だ!ギューン!」と叫び、朱里とバチバチの睨み合いを見せた。
一方、ひめかは「自分からお願いをした橋本千紘戦。でも結果は散々だったし。橋本からは散々な言われようだったけど、引退前にあんな強い相手、大きい相手と闘えたのは、自分の中で悔いがちょっと消えたのではないかなと思いましたね。でも、今日の会場のお客さんの雰囲気、そしてスターダムからしたら、自分が勝たなければならない1戦。自分の5年を振り返っても、大事なところは負けてしまう。それがひめかなのかなとも思うし。でも、最後の最後は報われたい。自分を褒めてあげたいので、これからは負けることは許されない。自分の中ではそう思っています。橋本千紘、ありがとう」というコメントとともに寂しい笑顔で会場を後にした。