「皆はこの続きあると思ってた?」涙の別れを交わした葉月とAZMが約2年半ぶりのシングルマッチで激突!
10日、大阪府・エディオンアリーナ大阪第2競技場にてスターダム『CINDERELLA TOURNAMENT 2022/2回戦』が開催され、葉月がAZMを制してシンデレラ・トーナメント準決勝へと駒を進めた。
シンデレラ・トーナメントとは2015年からスターダムが毎年春に行っているシングルトーナメントであり、優勝者には栄誉のシンデレラドレスと望む王座への挑戦権が与えられる。例年は1DAYトーナメントで行われてきたが、昨年は初の2大会分割開催、今年は4大会に渡って行われ全31名参加と過去最大規模で開催されている。
ルールは1回戦から準決勝までは10分1本勝負、決勝戦は時間無制限1本勝負。通常のプロレスルールに加え、オーバー・ザ・トップロープでの失格、時間切れ引き分けの場合は両者失格というルールが追加されて行われる。
今大会では、シンデレラ・トーナメント2回戦として葉月vsAZMの試合が実施。
前回の葉月とAZMのシングルマッチでの対戦は、葉月が1度目の引退をする前の2019年12月15日に遡る。
この日は、引退を9日後に控えた葉月を送り出すべく葉月の10人駆けのシングルマッチが行われ、葉月は10人目に登場したAZMに敗北を喫した。そして葉月は試合後に「AZM、今3取るんじゃなくて、葉月がハイスピード巻いてたときに獲れよぉ!今じゃ遅いんだって!」と涙を浮かべながらも微笑んでAZMを抱きしめていた。
当時の葉月はハイスピード王座V8を達成するなどハイスピード戦線のトップを走っていた選手。当時はまだ高校生で葉月の後塵を拝する立場であったAZMは最後の最後に“葉月超え”を果たしたものの、10人駆けで各1分の試合では完全決着とは言い難いものがあった。
それから約2年半の時が流れ、ついに殻を破ったAZMはハイスピード王座を2度戴冠するなどトップ選手として覚醒。葉月も昨年10月にスターダムへ復帰していたが、赤いベルトへの挑戦やタッグ王座の戴冠などベルトには絡んできたがハイスピード戦線からは離れていた状態。昨年11月にはタッグリーグ決勝での対決はあったものの、2人の距離がここまで接近するのは葉月の復帰後初と言える。
決戦前夜、AZMはSNSで10人駆けの試合後の写真を投稿するとともに「ねえ、皆はこの続きあると思ってた?長く続けるとあるもんだね 明日私が勝ってちゃんとおかえり言わせて」と赤裸々な思いを語り、葉月も「うちが汐留大会に出た時、ダッシュでうちのとこ来て復帰することを1番喜んでくれた ハイスピードチャンピオン、この日の続きを明日しようね」と思いを綴っていた。
今回の試合では、ハイスピードのベルトを巻いた過去最強のAZMが葉月と対峙。互いがそれぞれ歩んできた2年半の間に得たものをぶつけ合う一騎打ちとなった。
両者がリングに上がると、ゆっくり歩み寄って見つめ合うも握手はしないままゴング。
ゴングと同時に2人が目まぐるしいスピードでロープに飛び、互いの蹴り技をかわし合いつつAZMがミスティカ式腕固め。これを葉月が葉・月ストラルで切り返すというスリリングな攻防からクリーンブレイク。
中盤からはエプロン上で互いにOTRを狙い合う攻防が展開され、葉月を蹴落とそうとロープに飛んだAZMを葉月がスワンダイブ式ミサイルキックで迎撃。葉月はハングマンDDTからみちのくドライバーIIで突き刺し、必殺の垂直落下式ブレーンバスターを狙うが、AZMも必殺のあずみ寿司(※丸め込み)で切り返す。しかし、誰よりもこの技を知り尽くしている葉月はローリングして脱出し、素早く葉・月ストラルを決めるとこれでカウント3。
葉月が握手を求めるも、AZMは今にも泣きそうな顔で笑みを浮かべ、小刻みに首を横に振る。葉月は笑顔でAZMの頭を撫でて退場していった。