【会見全文】武藤敬司が怪我を押しての引退試合に自信!前日会見で内藤哲也と対峙し「持てる力を出し切って灰になりたい」

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 20日、2月21日に東京ドームで開催されるプロレスリングNOAH『chocoZAP presents KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST” LOVE ~HOLD OUT~』についての記者会見が行われ、武藤敬司と内藤哲也が対峙した。

 武藤敬司は新日本プロレス、全日本プロレス、WRESTLE-1を経てフリーとなり2020年からNOAHに参戦。2021年にはGHCヘビー級王座を初戴冠を果たして佐々木健介、高山善廣に次ぐ史上3人目の3大メジャー団体ヘビー級シングル王座完全制覇を達成し、NOAHへと入団。その後は丸藤正道とGHCタッグ王座も戴冠し、高山善廣に次ぐ史上2人目の3大メジャー団体シングル&タッグ王座の完全制覇を達成した。
 そんな武藤も体の限界を感じ、2023年2月21日のNOAH東京ドーム大会にて引退することを発表。武藤の引退発表後のNOAHは近年稀に見る大盛り上がりを見せており、武藤の引退とともに魔界の門が閉じてこちら側の世界に出てこられなくなってしまうというグレート・ムタも1月22日の横浜アリーナ大会でラストマッチを実施し「バイバイ、エブリバディ。ノーモアムタ。バイバイ。グッバイ!」と別れを告げていた。

 そして、武藤は1月21日の新日本vsNOAHの対抗戦のメインで勝利を飾った内藤哲也の前に現れ、「内藤!俺の引退試合の相手、お前に決めた!熱い、熱い試合をやろうぜ」と指名。
 両者は2012年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会で対戦しているが、内藤はこの試合を「完敗」と振り返っている。

 この日は、武藤と内藤が前日記者会見で対峙した。

内藤哲也
「新日本プロレス、Los Ingobernables de Japón、内藤哲也です。いよいよ明日に迫った武藤敬司選手の引退試合。俺をプロレスに熱中させてくれた選手の引退試合ということで、少し寂しい気持ちもありますが、今プロレス界の先頭を走る人間と、引退する人間の差を見せつけた上での完封勝利。これが理想だと思うし、それを見せつけることこそ、俺をプロレスに熱中させてくれた武藤敬司選手への最高の恩返しだと思うので、明日は遠慮なく完封勝利を狙ってリングに立ちたいと思います。そして、武藤敬司選手の望み通り、リング上で白く灰になっていただきますよ。きっと明日は俺にとって忘れることの出来ない1日になることでしょう。ワクワクしてる俺自身に言いたい。そう、まさに……トランキーロ!あっせんなよ!……ってね」

武藤敬司
「現役として、きっとこれが最後の記者会見ということで、非常に感慨深いものがあります。1月22日に怪我をして、1月23日に病院行って診察したところ、両足のハムストリングスが肉離れを起こしたということで、そのとき医者に言われたのが、全治6週間という話で。それからまだ4週間しか経ってないんだよな。ただ、ある意味レスラーってのはヒーローじゃなきゃいけない、スーパーマンじゃなきゃいけないってことで、俺もプロレスラーですから、超人的なところを見せなきゃいけない中で、もう大丈夫です。多くのファンの人、そしてもしかしたら内藤選手とかにもいろいろ愚痴ったり泣き言を言ったり、もしかしたら心配もかけたかもしれないけど、明日は内藤選手を思い切りぶちのめして見せますので、どうかよろしくお願いします」

――武藤選手、『ヒーローじゃなきゃいけない』という言葉もあったが、ファンや現役の選手たちにどんな闘いを見せたいか
武藤「今更なにも飾ることも出来ないし、持てる力のすべてを出し切って、最後内藤選手が言ったように……灰になりたいと思ってんだけど、灰になんのも大変そうだからなあ。まあマイペースで頑張ります」

――11年前のシングルマッチもあったが、過去も踏まえて今の内藤選手をどう見ているか
武藤「やっぱり、引退試合の相手を選ぶ中で、いろんな部分をリサーチしてる中で、もちろんビジネスでありアレだから、集客力とか、引っ張って、調べたらホント集客力もある選手だったりとか、その中で、リングで戦う内容も素晴らしいということでね。こないだ新日本プロレスの横浜アリーナで間近で試合を見てて、ホントに胸を打つものがあったので。ウン。内藤選手でいいんじゃない?対戦相手、ウン。いいと思います、ハイ」

――内藤選手、今の言葉を受けて
内藤「今更隠す必要もないので言いますけど、俺は小さい頃から、記憶が無いくらいからプロレスを見てて、一番最初に好きになった選手が武藤敬司選手でした。1997年6月5日、日本武道館大会での橋本選手とのIWGP戦を生観戦して……」
武藤「高田延彦戦じゃないの?」
内藤「いや、それは、どっかで情報を間違えたんじゃないですか?」
武藤「あっ、そっかぁ」
内藤「97年6月5日の日本武道館での橋本選手との試合です。その試合を生観戦して、負けた武藤敬司選手の姿を見て、なにか惹かれるものがあったんでしょうね。『俺もああなりたい』『俺も武藤敬司選手のように新日本プロレスのリングでプロレスラーとしてプロレスがしたい』と思って、プロレスラーを目指して新日本プロレスに入りました。そんな武藤敬司選手から引退試合の相手として指名されて、名前を呼ばれたとき、ものすごく嬉しかったですよ。きっと、名前を呼ばれたの初めてだったんじゃないですかね。なんせ、団体が違うんでほとんど喋ったこともないですし。だから、俺は名前を呼ばれて嬉しかったっすよ。最高の作品を残すための相手として、きっと武藤敬司選手は俺のことを指名してくれたんだと思いますが、プロレスングNOAHのリングでも言いましたが、俺に残念ながらそのつもりはない。だって、今プロレス界の先頭を走る人間と、プロレス界を引退する人間。引退する人間に最高の作品が作れるのであれば、引退する必要なんか無いじゃないかと、俺は思うんでね。なので、差を見せつけた上で、悔しい思いをさせた上で、灰になり、そしてリングを折りていただきたいと思います。……ちょっと、質問の内容を忘れちゃいましたが、大丈夫ですか?」

――改めて。武藤選手から受けたレスラーとしての評価について思うことは
内藤「うーん、まあ、嬉しいですけどね。やはり、いちばん最初に好きになったレスラーですし。嬉しいですけど、『本当に見てんのかな?』という部分に関しては、『武藤選手ってこういう人間だ』っていう噂で聞いてる限り、結構ぽろっと平気な顔で嘘をつく印象があるので、あまり武藤選手の僕に対する印象を真に受けることは無いです」

――武藤選手に完封勝利をして、東京ドームで大合唱をしたいという気持ちは
内藤「それはもちろん勝った上で大合唱っていうのは頭に入ってますが、でもあくまで俺が一番やりたいことは、新日本プロレスの東京ドーム大会での大合唱なので。たとえ明日勝利して東京ドームで大合唱したところで、俺の夢は変わらない。俺の目標は変わらない。今年の目標は変わらない。2024年1月4日の東京ドーム大会のメインイベントで大合唱する。その目標は変わらないですね」

――武藤選手、内藤選手からの『先頭を走る人間との差を見せつけた上で完封勝利』という言葉を受けて
武藤「いやあ、もう、願ってもないことであってね。ただ、本当に潰しに来……ちょっと、喋ってる反面、その裏側の優しさがちょっとチラっと見えたりしてる。もしかしたら遠慮とかされたら逆に困っちゃうなって、今思ってます」

――内藤選手、武藤選手は今足を怪我していて、弱点を晒している状況だがどう感じるか
内藤「うーん、まあ今現在に限らず、元々膝が悪いのは知ってることですし、そこが弱点だということも分かった上で明日のシミュレーションは色々してますよ。でも、とりあえずどんなに痛くても、這いつくばってリングまで来てくださいと。リングまで来てくれたら俺が美味しく料理しますんで」

――武藤選手、引退ロードについて『かつてないプレッシャー』と言っていた。引退ロードを振り返って
武藤「当初は、1月22日までは、非常に心地よく、そうやって周りが盛り上げてくれればくれるほどレスラー冥利に尽きるなというふうに感じていただけであって。ただ怪我してからはさあ、盛り上がれば盛り上がるほど追い込まれていく自分がいてですね。まあまあ、38年間のプロレス人生の中で、非常に追い込まれた1ヶ月だったっすね。そのストレスを明日全てぶつけて、解放されたいと思っております」

――武藤選手、今日2月20日はアントニオ猪木さんの80回目の誕生日。その翌日に引退するというのは運命や縁を感じるか、また猪木さんへの思いは
武藤「まあ、明日の東京ドームってのは1人で作り上げるもんじゃないんだけど、猪木さんには1度も褒められたことがないからね。最後にMASTERSに呼んだときも怒られたりして。『なんで勝手にデビュー60周年って付けるんだ』って怒られたりもして。きっと明日も、あの世からきっと『お前派手にし過ぎるんじゃねーのか』って怒ってる気がします」

『chocoZAP presents KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST” LOVE ~HOLD OUT~』
日程:2023年2月21日(火)
開始:16:00
会場:東京都・東京ドーム

▼武藤敬司引退試合 シングルマッチ 60分1本勝負
武藤敬司
vs
内藤哲也(新日本)

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