『親孝行できるように頑張る』ジュリアが女子プロレス大賞受賞の盟友・朱里を下して悲願の赤いベルト奪取!

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 29日、東京都・両国国技館にてスターダム『JRA中山競馬場 presents STARDOM DREAM QUEENDOM 2022』が開催され、ジュリアが悲願のワールド・オブ・スターダム王座戴冠を果たした。

 ジュリアと朱里は、ともに“Donna Del Mondo”の同志として闘い、2人のタッグ“Alto livello KABALIWAN”、ゴッデス・オブ・スターダム王座戴冠や新日本プロレスのメットライフドーム大会に参戦するなど一時はスターダムを象徴するタッグとして活躍した。
 しかし、2人がそれぞれ別の価値観を確立していく中ですれ違うことが増え、「お互いの未来のために、そしてスターダムの未来のために離れるべきときが来た」とアリカバの解散を宣言。
 今年3月に行われた両国国技館大会で朱里の持つワールド・オブ・スターダム王座(※赤いベルト)にジュリアが挑み敗れた試合を以て2人は決別。朱里は新ユニット“God‘s Eye”を結成して違う道を歩みだした。

 その後も朱里は赤いベルトを守り続け、10度の防衛に成功して紫雷イオの持つ14度防衛に次ぐ歴代2位の連続防衛記録を樹立。
 一方、ジュリアは鈴季すずらプロミネンスとの抗争などで話題の中心には居続けたものの、王座戦線では結果を出せない日々が続いた。しかし、今年の夏~秋にかけて行われたリーグ戦『5★STAR GP』で優勝を果たし、見事朱里の持つ赤いベルトへの挑戦権を掴み取っていた。
 5★STAR GPでのジュリアは、「1つ1つの技を磨きたい」と対戦相手ごとに作戦を変え、すべての試合で違う技での勝利を得てきた。対戦相手の1人1人と向き合って闘ったことがジュリアの飛躍の一因と言える。

 赤いベルト戦の調印式で朱里と対峙したジュリアは、チャンピオンとなった朱里が優等生的な綺麗事しか言わなくなったと指摘し、「『ジュリアのことを運命の相手だと思ってた』とか、『本気で潰してやる』とか、そういうのも正直すごく薄っぺらく感じた。本気のホントの本音で喋ってよ!」と詰め寄った。
 これについて朱里は「挑戦者1人1人と試合をして、ホントによかったって心の底から思ってきてるんだよ。そういう思いを持って私はやってきてる。私が朱世界として見せてきたもの。それは、相手の限界を引き出し輝かせたうえで自分が勝利する。そして、見た人の心に響く試合をする」と返し、リング上での闘いを通してジュリアに思いを伝えていくことを語っていた。


 2人の闘いは互いが歩んできた道を確かめ合うかのようなじっくりとした攻防に始まるも、ひとたび場外戦となるとジュリアが花道から客席への奈落式キャプチュード、朱里がテーブルパイルドライバーを放つなどハードコアマッチ顔負けの大荒れの展開に。
 中盤からはビンタや顔面蹴りなど真っ向からの打撃戦となり、朱里が掟破りのグロリアス・ドライバーを放てばジュリアもすぐさま掟破りの流炎を放つなど意地のぶつかり合いへ。ジュリアのノーザンライト・ボム、朱里の朱世界と互いの最上位技が返されてしまうという互いの限界を超えた死闘へと発展していく。
 ジュリアは、DDMの盟友である舞華の炎華落とし、ひめかのランニング・パワーボムも繰り出すなど己の力を超えたものを魅せていき、最後はグロリアス・ノーザンライト・ボム(※リストクラッチ式ノーザンライト・ボム)で3カウント。
 試合時間は29分51秒。時間切れ引き分けまで残り9秒での激勝を果たした。

 ジュリアと朱里は固く握手を交わし、朱里がボロボロと泣きながらジュリアの腰にベルトを巻くと、ジュリアも感極まって号泣。2人は固く抱き合い、2人だけの言葉を交わし合った。

 ジュリアは、「朱里はずっとずっと、私のこと、支えてきた人です。ありがとうございます。そして、私にプロレス界で初めて本当の仲間とはなんなのかを教えてくれた人でした。そして、ずっと心配されてたのも、分かってました。多分。ホントにずっと見守っててくれて、そして、分厚い分厚い、でっかいでっかい壁となってくださって、本当にありがとうございました!ずっとずっと尊敬する先輩なので、私をもっともっと強くなって、またもっともっと強くなった朱里と、絶対に!闘いたい!だから!これからもよろしくな、朱里!」と朱里に感謝の言葉を述べる。

 そして、会場の何処かで見ているという母親に向け、「こんな生意気でしょうもない娘を1人で育ててくれてありがとうございます。ホントに、おかんには迷惑しかかけてこない人生でした。でも、あの……LINE無視したりしてゴメン。あの、こっから親孝行できるように頑張るから、また会場に遊びに来てね。以上。ママには以上!」とはにかみながらメッセージを贈った。

 朱里が王座を戴冠したのは、ちょうど1年前の12月29日。そして朱里も王座戴冠直後には天国の母親に向けて感謝の言葉を叫んでいた。
 リング上では道を違った2人だが、心のなかでは通じ合っている。朱里の覚悟も背負ったジュリアが2023年の女子プロレス界を大いに盛り上げていくことに期待したい。

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