『PANCRASE 329』で松本光史とアキラがライト級暫定王座決定戦で激闘!「しっかり勝って、正規王者にしっかり挑戦したいと思います」
9月2日夕、都内新宿区のパンクラスで、ライト級暫定王座決定戦の調印式が行われた。
現在、ライト級の正王者は久米鷹介(ALIVE)だが、怪我のため年内の防衛戦が難しい状態だ。そのため、2位の松本光史(M PLATIC)と、昨年5月、松本に勝っているアキラ(武蔵村山さいとうクリニック/&MOSH)で暫定王者決定戦を行うことが決定した。
松本は、元修斗ライト級王者。2019年10月、ONEで修斗代表として久米と闘ったが判定負けを喫した。その後、久米へのリベンジを誓い、2020年、修斗の王座を捨ててパンクラスに参戦。上迫博仁(2020年10月)に勝利したが、次戦でアキラにKO負けを喫した(2021年5月)。しかし、その後は松岡嵩志(昨年12月)、葛西和希(今年3月)に連勝中と波に乗る。
一方のアキラは2013年よりパンクラスに参戦。鍛え上げられたゴツイ身体で一度見たら忘れられない選手だ。
直近では田村一聖(2020年10月)、松本(昨年5月)に勝利。昨年からはRIZINに出場し、阿部大治、鈴木琢仁に勝利している。
実は両者の対戦はこれが3度目。
1度目は2011年、修斗で判定1-1のドロー。2度目が2021年5月、パンクラスでアキラがKO勝ち。
タイトルマッチとなった3度目の対戦は、9月11日、『PANCRASE 329』(立川ステージガーデン)にて行われる。果たしてどちらに軍配が上がるのか。
調印式での質疑応答は以下。
――暫定王座決定戦が組まれた心境からお聞かせください。
松本「修斗からパンクラスに来て、1回アキラ選手に負けていますけど、(そのあと)連勝して、暫定ですが、タイトルマッチ、ここまで来たなあと思います。しっかり勝って、正規王者にしっかり挑戦したいと思います」
アキラ「歴史と伝統あるパンクラスのベルトに、暫定とはいえ挑戦させていただけることを大変嬉しく思っています」
――両選手は、過去に2度、拳を交えていて、パンクラスではアキラ選手が勝利という結果になっています。今回で3度目の対戦となりますが、それまでの印象と現在の相手の評価を含めて、相手に対してどう感じているでしょうか。
松本「それまでは、力強いファイターだなという印象でした。戦績をだいぶ重ねてきている選手なので、そのチャンスがあったということは、しっかり進化してきている選手だということ。それに対して、僕もしっかり進化した自分で対戦したいと思います」
アキラ「3回目(の対戦)になるんですけど、最初はドローで、次は僕が勝ちました。でも、前回は多分、交通事故みたいに思われてると思うんで、今回は5分5ラウンド、塩漬けにしようかなと思っています」
――今、アキラ選手から塩漬けという言葉が出ましたが、これに対して松本選手はどのような闘いをしようと思っているのでしょうか。
松本「タイトルマッチだから5ラウンドになっていますけど、僕は5ラウンドはそんなに意識せずに、フィニッシュを狙って闘いたいと思います」
――そのフィニッシュとは、どのようなものでしょうか。
松本「ノーコメントでお願いします(笑)」
――アキラ選手は5分5ラウンド塩漬けとおっしゃいましたが。
アキラ「そうですね、5分間漬けきって、僕の怖さを思い知らせたいと思います」
――松本選手は修斗でもベルトを巻いていましたが、現王者・久米鷹介の首を狙ってパンクラスに参戦しました。パンクラスのベルトに手が届く位置にまで来たことに関しては、どう感じているのでしょうか。
松本「一歩ずつ上がってきたんで。とは言え、強くないとこの先はないので、進化して、久米選手が持つベルトに手をかけたいです」
――アキラ選手も、これまで何度もベルトが目前という闘いがあったと思うのですが、今回こうして暫定王座が目の前です。今、ベルトへの思いというのはいかがでしょうか。
アキラ「ここでしっかり獲って、正規王者に挑戦させていただきたいと思っています」
――ライト級戦戦が盛り上がる中、どんな闘いを見せたいと思っていますか。
松本「一つの団体のタイトルマッチなので。今回も、他の階級の女子のチャンピオンが出ますけど、他のチャンピオンとは差があるような、しっかりした内容の格闘技を見せたいと思っています」
アキラ「いったんパンクラスから外に出たんですけど、成長して大きくなって帰ってきた姿を見せられたらなと思います」
――アキラ選手、パンクラスには1年4ヶ月ぶりの参戦となります。
アキラ「より多くの人に見ていただけるような環境にいたので、僕の闘いぶりを見て、パンクラスにも興味を持ってもらえたらなと思います」
――松本選手、先ほどから“進化”とおっしゃっていますが、2連勝を経てどのように変わってきたのか言える範囲でお願いします。
松本「言える範囲でって言われると、ないんですけど(笑)、ただ、僕は今まで自分が強いと思ったことがないんです。なので、長く続けていくにあたって、前回を超えないと先はないな、選手としても魅力もないなと思っていますので『新しいことにチャレンジして武器を増やす』ということを続けてきました。
試合の結果によっては、それが出なかったと思われることもあると思いますけど、そのためのトレーニングを積んできていますし、自分の中では毎試合強くなっていると思っています。
今回、まだ試合まで一週間あるので、直前までしっかり仕上げていきたいなと思っています」
――“新しいこと”というのは、環境なのか、それとも、ご自分の中のテーマとして新しいことに挑戦しているのでしょうか。
松本「自分の中で、ここを変化させなきゃいけないなと思うところに合わせて環境を変化させるという感じですね」
――アキラ選手、先ほど“交通事故みたいに思われてるかもしれない”とおっしゃいましたが、前戦で距離を詰めてKOしたというのは、交通事故ではなくてなるべくしてなったというふうに考えていらっしゃいますか?
アキラ「自分的にはプラン通りいったと思うんですけど。でも、松本選手サイドからしたら『ちょっと事故っちゃったな』って思っていると思うので、今回は(自分の力を)しっかり証明したいです」
――両選手にお聞きします。パンクラスのベルトというものに対して、どのような思い、印象があるでしょうか。
松本「僕の中では『久米選手が持っているベルト』という意識しかないですね。でも、もし(自分が)獲ったら変わるかもしれないです」
アキラ「本当に歴史と伝統のあるベルトなので、そこに自分もチャンピオンとして名を連ねたいなと思います」
松本が執念で久米への挑戦権に肉薄するのか、RIZINでの経験を活かし、アキラが連勝してベルトを巻くのか。一瞬たりとも目の離せない一戦になりそうだ。
(写真・文/佐佐木 澪)