「全日本プロレスの過去も今も未来も俺が背負う」宮原健斗が宿敵ジェイク・リーを下して4年ぶり2度目の王道トーナメント優勝!
20日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『第9回王道トーナメント【準決勝・決勝】』が開催され、宮原健斗が4年ぶり2度目の優勝を果たした。
王道トーナメントとは、オープン選手権の流れを汲んだ全日本プロレスのシングルトーナメント戦。春の風物詩であるチャンピオン・カーニバルと並んでシングル戦線の今後を占う重要なイベントとなっており、今年は16選手が出場している。
準決勝は、ジェイク・リーvs大森隆男、宮原健斗vs永田裕志の2試合が実施。
ジェイクは、本来であれば準決勝でかつて盟友として“陣-JIN-”でともに闘った野村直矢との対戦が予定されていたが、野村が新型コロナ陽性判定を受けて欠場。野村に準々決勝で敗れた大森が繰り上がって準決勝へと進出。
試合は序盤から大森が飛ばしていき、場外でジェイクの武器である蹴りを封じるべく徹底した足攻めを行い、動きが鈍ったジェイクを雪崩式バックドロップで叩きつける。ぐるぐると腕を回して力を溜めた大森は満を持してアックスボンバーを狙うが、ジェイクがジャイアントキリングで迎撃。さらに正調ジャイアントキリング2連発からのD4C(※垂直落下式ブレーンバスター)で突き刺して決勝戦進出を決めた。
宮原と永田は、王道トーナメント開幕前から因縁を深めており、「暑苦しい男だと覚悟してたけど、思ったりよりイマイチ暑苦しくなかったな」と発破をかける永田に対し、宮原は試合中に敬礼ポーズを決めながら技を出したり、ナガダンスに対抗してミヤダンスを開発するなど徹底抗戦の構えを見せてきた。
試合はじっくりとしたグラウンドレスリングに始まり、キャリアに勝る永田がイニシアチブを握ってじっくりと腕への集中攻撃を展開し、序盤からナガタロックIIも繰り出した。我慢の試合が続いた宮原だったが、相手の技をすべて受けきった上で大逆転するのが全日本式。永田がトドメのバックドロップを狙ったところをゼロ距離ブラックアウトを叩き込んだ宮原は、めったに出さないフランケンシュタイナーで転がしてから敬礼ポーズを決めながらの変形首固めでカウント3を奪った。
これにより、決勝戦は今現在の全日本の黄金カードとも言えるジェイクvs宮原の一戦に。
序盤は場外戦で宮原が優位を取るものの、ジェイクはカウンターで決めたキチンシンクから徹底的なボディ攻めを行い、底がないとも言われる宮原のスタミナをゴリゴリと削っていく。
終盤、宮原が串刺しブラックアウトを見舞ったところ、ジェイクが倒れて動けなくなる。構わず追撃する宮原をレフェリーが必死に止めるが、宮原がレフェリーに気を取られた瞬間にジェイクがガバリと起き上がり串刺しビッグブートからバックドロップ。宮原も珍しくラリアットを繰り出したり、奥の手のウラカン・ラナを見舞ったりと普段とは違う引き出しを開けて応戦。ジェイクのD4Cを受けてもカウント2.9で返し、最後はシャットダウン・スープレックス・ホールドで3カウントを奪って王道トーナメント優勝を果たした。
宮原は、リングに上ってきた現三冠ヘビー級王者の諏訪魔と視殺戦を展開し、「9月18日、日本武道館だ!全日本プロレス50周年記念だ!諏訪魔の時代は10年前に終わった。アイツは古い人間だ!今は俺だ!全日本プロレスでも昔から応援してる方、最近好きになった方、そして全日本プロレスを知らない方々に日本武道館、見せつけようじゃないか。絶対俺が日本武道館で三冠ベルトを巻いて、過去も現在も未来も俺がすべて背負う覚悟だ」と覚悟を叫ぶ。
さらに「ファンに夏の思い出をプレゼントする」と最後のミヤダンスを披露し、明るく楽しい雰囲気で大会を締めた。
バックステージに戻った宮原は王道トーナメント優勝の喜びを噛み締め、「アイム・バック・トリプルクラウンだ。こんな面白いことはねーだろ?全日本プロレスの過去も今も未来も俺が背負うからな。俺がやるんだよ。さあ、プロレスファンよ!そして昔プロレスを見ていた人達、そしてプロレスを見たことない人たちに言うよ。宮原健斗から目を離すな!アイム・バック・トリプルクラウン!ウィー・アー・バック・日本武道館だ!シャアッ!」と気合の雄叫びを上げて去っていった。
宮原健斗と諏訪魔の三冠ヘビー級王座戦は、9月18日の日本武道館大会にて行われる。