「私はちゃんと引退をするために戻ってきた」投資話の破談、生活苦、心の闇を乗り越えた夏すみれが2年ぶりの復帰!

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 5日、東京都・新宿FACEにてフリーランスサミット『NOMADS' vol.2』が開催され、夏すみれが約2年ぶりの復帰を果たした。

 フリーランスサミット『NOMADS’』とは、スターダムの大江戸隊で活躍していたが2020年10月より肩の脱臼手術により長期欠場に入っていた夏すみれ、アイスリボンを2020年末で退団しフリーになった雪妃真矢、2019年よりフリーとして国内外男子女子問わず闘ってきたデスマッチファイター山下りな、2020年末に所属していたアクトレスガールズBeginningが解散しフリーになった高瀬みゆきの4選手が発起人となって企画された“フリーランスのフリーランスによるフリーランスの大会”。

 今までにありそうでなかったフリーランスだけの大会は、フリーのマイナスイメージである『引退する場がなくなる』『周年興行や復帰戦ができない』『スポンサーが居なきゃできない』『主戦場がなきゃできない』『自力ではすごい小さい規模じゃなきゃできない』を払拭する場としても機能することを目指すものとして業界内で大きな注目を集め、今年5月20日の第1回大会では大会前から増席を繰り返しつつチケットが完売し超満員札止め。第2回目となる今回は夏すみれが2年ぶりの復帰を果たすということで女子プロレスファンたちは色めき立っていた。

 夏すみれは、2013年のデビュー当初は清純派として活躍していたが、他に類を見ない“ビッチ系キャラ”を確立すると『試合でも崩れない鉄壁メイク』で美容業界からも注目を浴びた。
 スターダムの大江戸隊を経て2020年より肩の治療により長期欠場してたが、欠場中もゲーム実況や文才を発揮した過去語りなど話題を振りまき続け、5月のNOMADS’第1回大会でサプライズとしてエキシビションマッチを行った末に今大会で正式復帰。

 復帰前のインタビューにて、怪我でプロレスが出来ない中で世界がコロナ禍を迎えて先が見えない状況となって精神を病み、夏を中心とした新団体設立に向けての投資を持ちかけた“タニマチ”との喧嘩別れ、パン工場労働での発狂など欠場期間中の夏の波乱万丈の2年間が明かされており、ファンは『今のプロレス界には夏すみれが足りない』をスローガンに夏を後押ししてきた。

 夏の復帰戦は、夏すみれ&高瀬みゆきvsSAKI&清水ひかりのタッグマッチで実施。
 高瀬は公私共に親交の深いパートナーであり、SAKIは夏がフリーになった際にフリーのプロレスラーとしての生き方を教わった師匠的存在であるという。SAKIは清水との正タッグ“galaxyPunch!”での出陣となり、夏は復帰戦からヘビーな戦いを強いられることに。


 夏の復帰を祝って様々な人から花束が贈呈される中、SAKI&清水も花束を持参して入場。
 2人から花束を受け取った夏は「花が多い!4つ目だぞ!こっちは小さいレンタカーしか借りてねーんだよ!」と理不尽にブチ切れながら2人を花束で殴りつけて奇襲するという、端から夏らしさ全開の試合開始に。
 場外で清水を連れ回しながらイスで暴行したりムチで引っ叩いたりとやりたい放題の夏だったが、夏のいない2年間でタッグベルトを巻くなどチームとして成長してきたギャラパンの巧みな連携に捕まって苦戦。夏に合わせてヒール化した“黒高瀬”が巨大なハリセンを凶器として使うなどアシストに徹し、夏は2人へブロンコバスターを決めてから清水へ必殺の妖乱を狙う。
 清水が抵抗を見せると高瀬がラリアットを発射もこれが夏に誤爆。そのまま夏がSAKIのカワイルドバスター、清水のダイビング・フットスタンプを被弾して3カウントを聞いた。

 マイクを取った夏は「ただいま。2年ぶりの復帰。SAKI、そして清水ひかり?次は私がフリーランスとして、COLOR‘Sさんからお仕事もらえた暁には、オメーら2人をまた必ず私の股間に沈めてやる!」と啖呵。
 夏はファンに向き直り「昨日までのプロレス界、今のプロレス界には何が足りない?夏すみれだろーがい!帰ってきました!私もこれからはプレイヤーとして、また皆さんを盛り上げていきたいと思うし、このNOMADS’、今後もまだまだ続けていきます。このNOMADS’の主役はアタシ。そう思ってこれからはやっていきます!」と思いを叫んだ。


 バックステージに戻った夏は「復帰してそうそう言うもんじゃないと思うけど、私が今日こうしてリングに戻ってきた最大の理由って、ちゃんと引退をするためで。正直この2年間でフェードアウトを考えたことも1度や2度じゃないくらいだったけど、結局フェードアウトっていうのは待ってくれているファンの人達にもそうだけど、今まで一緒に仕事をしてきた選手とか団体さんへの1番の不義理だと思うから、ちゃんと引退がしたくて、まずは今日リングに戻るところを始めてみた。ちゃんと自分の足でリングを降りて引退する。それが1番の目標です。でも、そのためにはまだまだやり残したことがこのプロレス界でいっぱいあるから、やり残したことを全て1個ずつ達成していって、全て達成した暁にはまた笑顔でね、引退をしたいと思うんで。それまでの間は、とにかくただ自分が楽しむことをやるっていうのを頭に置いて、フリーランスとしてまた試合をしていこうと思います」と、終活のための復帰であることを語る。

 しかし、来年は夏の10周年イヤーであり、「山下りな、小林香萌と並んで10周年を3人で迎えたいっていうのが目標だから。少なくとも1年とかそんなすぐな話では無いってことですかね」とまだまだリングで暴れまわっていく意向を述べた。


 なお、今大会のエンディングでは、元スターダムのジャングル叫女が現れ、夏がロープを上げる中でリングインし山下りなとバチバチの睨み合いを展開。
 叫女は海外を主戦場にしていくとのことだが、日本国内ではNOMADS'参戦の意欲を語り「日本では試合が決まって無かったんですけど、NOMADS'なら出たいなというか、出てやってもいいかなみたいな気持ちにさせてくれたのは夏すみれなのかなと思うし、今日呼んでくれた山下りななのかなと思う」と思いを吐露した。

 夏の復帰によって早くも女子フリーランス界隈に変化が訪れ、嵐の予感がし始めた。
 “夏すみれが足りている”プロレス界でどのような事件が起こっていくのか、今後もNOMADS'を中心としたフリーランス戦線に注目していきたい。

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