「私が戻ってくるまで辞めんなよ」休業を控えた藤本つかさが大親友・中島安里紗と壮絶殴り合いの王座戦!
30日、東京都・後楽園ホールにてアイスリボン『春は短し戦え乙女2022』が開催され、藤本つかさと中島安里紗がBEYOND THE SEAシングル王座をかけて対戦した。
藤本は2008年にアイスリボンでプロレスデビュー。アイドルプロジェクト出身でありながら芸能人フットサルチームのキーパーを務めているというバックボーンから、見た目の可愛らしさから想像できない迫力あるスピードと蹴り技で人気選手となった。その後、豊田真奈美から“飛翔天女”の名とジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスホールドを継承し、2018年度女子プロレス大賞を受賞。アイスリボン自体も女子プロレス界で一番長い老舗団体として成長し、選手としてだけではなく取締役として団体を牽引する役目を担っていた。
その背中にかかる重圧は大きく、「結婚したい」と度々口にしながらも多忙ゆえに結婚できないキャラとして認知されていたが、今年3月15日に交際していた一般男性と結婚したことを報告。5月4日の横浜武道館大会を以てプロレス休業を発表し、「みんな、私が帰ってくる場所守っててね」と後進にアイスリボンを託そうとしている。
そんな藤本は、29日夜、SEAdLINNNG後楽園ホール大会にて“ベストフレンズ”のタッグで女子プロレス界で暴れまわってきた盟友・中島安里紗とシングルマッチで対戦。
この試合はノンタイトル戦で行われたが、なんと藤本は現SEAdLINNNGシングル王者の中島に勝利。これを受けた中島は決着戦として翌日も組まれていた両者のノンタイトル戦のシングルマッチを王座戦にすることを要求。急遽アイスリボンでSEAdLINNNGの王座戦が行われることが決まった。
試合は序盤から互いの攻撃を避け合ったり同じ技を受け合ったりと、お互いのことを誰よりも知り尽くしている2人だからこそ出来る高度な攻防を展開。
しかし、次第に足を止め正面からビンタやエルボーで顔面をバチバチと打ち合っていく壮絶な肉弾戦へと発展。業界随一のハードヒッターとして知られる中島の強烈な打撃に対し、藤本も普段は見せない鋭角的な打撃で応戦していく。
終盤には藤本がサッカーボールキックを猛連打し直伝・たいようちゃんボムからジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス・ホールドを狙うが、中島が耐え抜くと藤本はビーナスシュートを発射。これをかわした中島がドラゴン・スープレックスから奥の手のD×D(※変形ハーフネルソン・スープレックス・ホールド)で叩きつけて死闘に終止符を打った。
2度目の防衛に成功した中島は藤本にベルトを渡し、背を向けて自身の腰に巻くよう促す。藤本は中島が見ていないのをいいことに自身の腰に巻き始めるが、途中で中島が気付いてひっぱたくという仲睦まじい姿を見せる。
マイクを取った中島は「つっか!悔しいですか?悔しいね。昨日つっかが、私に『2連勝して悔しい思いを残して私にプロレスを続ける理由を作る』って言ってたけど、私もこの試合決まってから全く同じ事考えてました。私が2連勝して悔しい強い思いを残してリベンジしに戻ってきて欲しいと思ってました。まあでも結果、1勝1敗、お互い、悔しい思いしたっていうことで、まあとにかく、つっか、悔しいから、1日も早く戻ってきて、そして、私も待ってる」とメッセージ。
藤本も「私が早く戻ってこないと、安里紗はプロレス界で一人ぼっちになっちゃうから、一刻も早く、隣に、そしてタイトル、このリングに戻ってくるから、それまで絶対辞めんなよ」と語り、グータッチを交わした後にしっかりと抱き合った。
試合後、藤本は中島について「分身みたいな感じですかね。もう1人の私というか。なにがあっても離れない、そんな姉妹のような。ある意味もう1人の自分みたいなものなので。『ここまでやっても壊れないだろう』っていう」とかけがえのない相手だからこそハードな試合が出来るのだと語る。
そして、これで2人の戦績が通算して2勝2敗2分になったことを聞かされると、「7度目は私の復帰戦でもいいですし、またお互いがトップになって一番相応しい、そのとき、その場所、そこで再戦してもいいですし、今度こそ決着を付けましょう。あいつがいる限り私は戻ってきますよ。だから『辞めんなよ』と言いたいです」と不敵に笑った。
対する中島は、「つっかが心も体もですけど、絶対折れないことを私は誰より一番良く知っているので、だからこそ行けるし、それでもああいうつっかを見せられるのも相手は私しかいないと思っているので。本当に、リング上で殺されるんじゃないかと思う相手はつっかしかいないので、だからこそ、行ける。お互いその相乗効果というか、これでこそ私の好きなプロレスかなと思います」と藤本と同じように相手に対する信頼を口にする。
そして、いつかの再戦に向けて「もちろん待ってます。そのときに私が衰えていたら意味がないので、まだまだ強くなって、まだまだ進化して、もっともっと高い位置でつっかを待っててあげようと思います」と真剣な面持ちで語った。