「大和ヒロシは死んだんだ」佐藤光留が新型コロナの影響で王座戦を欠場した大和ヒロシに苛立ちをあらわに!
24日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『2022 Champion Carnival』が開催され、佐藤光留がブラックめんそーれを下して世界ジュニアヘビー級王座V2を果たした。
光留は、かつて“全日本ジュニアの象徴”と呼ばれた故・青木篤志さんの盟友であり、青木さんの死後は多くは語らずも闘いの中で全日本ジュニアの魂と“青木イズム”を表現し続けてきた。
光留は今年2月の後楽園ホール大会で約5年ぶりの世界ジュニア王座戴冠を果たし、「全日本の中心じゃねえか?ジュニアはプロレスじゃねえか?デカくなきゃ正義じゃねえか?佐藤光留が生きてる限り、俺が全日本のリングにいる限り、俺が全日本ジュニアだ!ジュニアを教えてくれた仲間がいるんだ、1人よ。死ぬまでプロレスラーだった仲間が1人いるんだよ。裏切れないものがあるんだよ」と熱い想いを語っていた。
今年3月の大田区総合体育館大会で大森北斗を下して初防衛に成功した光留の前に現れ挑戦表明を行ったのは、かつての盟友である大和ヒロシ。
大和は武藤塾のオーディションに合格し2007年に全日本プロレスからデビュー。武藤全日本体制下で光留やKAIらとジュニア戦線を盛り上げたものの、2013年に武藤敬司のWRESTLE-1旗揚げに追随して全日本を退団した選手だ。
光留と大和は幾度も闘い合い、そして2人でアジアタッグ王座を戴冠したこともあるライバルであり盟友であった存在とはいえ、全日本を捨てた大和に対する光留の怒りは根深いものがあり、光留は「お前が捨てた団体になんの用事があるんだ?」と一蹴。その後の前哨戦でも光留は珍しく感情をあらわにして大和を執拗に痛めつけるばかりかバックステージコメントやSNSなどで厳しい批判を続けてきた。
そんな光留と大和の決戦が2日前に迫った22日夕方、大和が新型コロナの濃厚接触者判定を受けたため2人の世界ジュニア戦は中止になることが発表された。
光留は「アイツが全日本辞める時に吐いた嘘の事を思い出したら、今回の事だって本当かどうか怪しいもんだ。もう全日本のリングに来るな。もう一度言う。お前が捨てたリングに帰って来るな」と大和に対しての強い怒りをぶちまけながらも挑戦者を公募。
これに応じたのは全日本ジュニアの中でも古株となりつつあるブラックめんそーれだ。
光留に「アナタだけは無いから安心してください」と一蹴されためんそーれだったが、「このツイートに1000いいね!がついたら世界ジュニアのベルトに挑戦させてくれ」とツイッターに投稿。絶大な民意に後押しされてあっという間に1000いいねを達成し、23日の千葉大会では光留もめんそーれの挑戦を承諾。最終的に大会前日の23時59分時点で1452いいねを獲得した。
普段よりも殺気立った光留に対してめんそーれは普段のコミカルなファイトとは一転したシリアスな姿勢で臨み、互いのステップの音だけが響くリング上は緊張感に包まれる。
光留はミドルキック、めんそーれは逆水平チョップで正面から小細工なしの撃ち合いが展開され、コーナー上での打撃戦を制しためんそーれが断崖式スネークスパイクを決めるなど猛攻をかけ、ジャーマン・スープレックス・ホールドで試合を決めにかかるもカウントは2。
めんそーれは真っ向からビンタ合戦を挑み削り合いに引きずり込もうとするが、光留がめんそーれの両腕を引き寄せながら放つヘッドバッド。ゴツリとした鈍い音が響く一撃でめんそーれが膝を付き、光留がデスバレーボムから追い打ちのヘッドバッドを叩き込んで3カウントを奪った。
試合後、光留はなにかしらの充足感を覚えたか、仰向けに倒れ込みながらも満面の笑み。
決して軽くはないダメージを引きずりながら退場しようとするが、突如何者かにリングの下へと引きずり込まれ光留の姿が一瞬にして消えてしまう。
代わりにリングの下から現れたのは世界ジュニアのベルトを持った児玉裕輔。ベルトを光留に見立てて挑戦表明を行い、勝手に「いいよ!」と光留(ベルト)の声を代弁することで5月15日の北海道大会にて世界ジュニアに挑戦することを決定させた。
バックステージに戻った光留は「今日だけ頑張ったやつと、いつも真剣に生きてるやつの違いだよ。たどり着けなかったやつには、挑戦権すら与えられね―んだよ。好感度?SNS?知るかボケ!」と吐き捨て、児玉の挑戦表明については受けて立つ姿勢。
そして「俺が言いてえのは1つだけだ。大和ヒロシは死んだんだ。ちゃんと書けよ?伏せ字にすんなよ?大和ヒロシは死んだんだ!」と荒ぶりながら去っていった。