かつて隣にいたパートナーと夢の舞台で王座戦!9年夢見た景色を終えて「東京女子プロレスにとって両国国技館はゴールじゃない」
19日、両国国技館にて東京女子プロレス『GRAND PRINCESS '22』が開催。メインイベントではプリンセス・オブ・プリンセス王者の山下実優に中島翔子が挑んだ。
小さなライブハウスのマットプロレスから始まった東京女子プロレス選手たちは、2013年8月のDDT両国国技館大会で正式にプロレスラーデビュー。山下と中島がタッグを組み、KANNNA&木場千景とのタッグマッチでデビューした4人は「いつか東京女子単独で両国大会を」と夢を語っていた。
9年が経ち、ついに両国での単独興行開催が決定。オープニングには2016年にプロレスを卒業したKANNAと2018年からプロレス休業中の木場が登場し、涙ながらに挨拶する。その2人が見守る中、メインイベントのリングに山下と中島が登場した。
試合はお互いを確かめ合うようにロックアップからリストの取り合い、グラウンドの攻防と基本的な動きが続く。打撃戦になると山下が圧倒し、グラウンドでも変形コブラクラッチで捕らえる。なんとか逃れた中島は立つことすらままならなくなり、山下がサッカーボールキックや低空ドロップキックを叩き込みこれで終わりかと思われた。だが中島はドロップキックで迎撃し場外に落とすとトペ・スイシーダを発射し、リングに戻るとカサドーラからの619で流れを掴む。山下の雪崩式アティテュード・アジャストメントであわやの場面もあったが、最後は中島がダブルアームDDTからダイビングセントーンを投下し3カウントを奪った。
涙を流して抱き合う両者。先にリングを後にした山下は「負けてしまったけど、悔しいですけど、ホントに東京女子プロレスのみんなと両国国技館大会を開催することが出来て、夢が叶ってホントに嬉しかったです。正直、両国を超えたら自分の中でずっと夢にしてたことだったんで、自分の中で終わってしまうんじゃないかっていう、嬉しい反面ちょっと寂しい気持ちもありました。だけど今日、やっぱり東京女子プロレスにとって両国はゴールじゃないし、東京女子プロレスのその先が、最後の景色を見ながら思えました。東京女子プロレスは今日でハッピーエンドじゃないんで、これからもっともっと大きい存在になってみんなで東京女子プロレスを大きくして、もっともっと大きなところで応援してくれる皆さんを笑顔にできるようにやっていきたいなと思いました。ホントに中島と両国で試合ができて嬉しかったです。勝つことが出来なかったは悔しいし、心残りですけど、また負けたら強くなればいいだけなので。また鍛え直します」と笑顔を見せた。
チャンピオンとして夢の舞台を終えた中島は「昔は山下のことを考え方があわないとか、強いけど認めることができないとかそういう風に思ってたけど、でも何年も東京女子で一緒に戦ってきて、強くて勝ち続けてみんなの真ん中でずっと引っ張っている山下の姿は本当にかっこよくて、嫌いだと思った時期もあったけど、私はいつの間にか山下のことをすごく尊敬していたし、山下に憧れていた。だから今日は勝って、私も山下みたいになりたかった。今日のこの勝ちで超えられたかどうかはわからないけど、これからもいっぱい闘っていつか追い越してみせる」とコメント。
そして新たな夢を聞かれると「新しい夢……大きなことを言ってもいいですか?東京ドームとか(笑)でも今日はなんか勝つことにいっぱいいっぱいで、夢はいっぱい叶えたいって思ったんですけど、具体的なことは全然実は思いついていなくて。でも、CyberFightFesがあるじゃないですか。去年そこで山下とユカっちがすごいカッコ良かったんですよね。今度は私がみんなの代表でタイトルマッチがしたいなって思いました」と、6月12日にさいたまスーパーアリーナにて予定しているサイバーファイトフェスに向けて王者として歩み始めた。