「全日本での8年間は一生忘れません」約2年ぶりに出場した野村直矢が盟友・青柳優馬と所属ラストマッチで大激闘!
16日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『AJP Prime Night 2021』が開催され、野村直矢が全日本プロレス所属ラストマッチを行った。
野村は、武藤敬司らがWRESTLE-1旗揚げに向けて動いた大量離脱後の時代、諏訪魔いわく“焼け野原”となった全日本へ入団しその将来を期待されてきた。
青柳優馬との“ノムヤギ”タッグでは2度のアジアタッグ王座戴冠を果たし、現三冠ヘビー級王者のジェイク・リーとは世界タッグ王座を戴冠したこともあった。シングル戦線では王座戴冠こそ果たせなかったものの、2019年の3月と9月に当時宮原健斗が保持していた三冠ヘビー級王座に挑戦した際には敗れながらもその闘いぶりから高く評価されてきた。
しかし、頸椎椎間板ヘルニアのために2020年2月から長期欠場に入り、以降は復帰に向けての音沙汰はなし。ファンからも今後に向けて心配の声が上がっていた中、今月6日の後楽園ホール大会にて野村が年内で全日本を退団することを発表。
野村は会社から慰留された経緯も明かしつつ「今回大きな怪我をして、自分の中で色々と考えて、そして新たにやりたいことが見つかりました」と心情を吐露。そして、自身のケジメのために全日本ラストマッチを行いたいと語り、元タッグパートナーの青柳がこれに呼応する形で試合が決まった。
野村のラストマッチは、青柳とのシングルマッチ。
メインイベントで行われたこの試合は、練習生のころから一緒に数え切れないほど練習したであろうオーソドックスなレスリングから始まり、最近は使われる機会も少なくなってきた若手時代の技から繰り出していくなど互いの歩んできた歴史を1試合の中で振り返るかのような展開に。
野村がマキシマム(※変形デスバレーボム)、ノムレーザー(※スピアーからそのままエビ固め)、ダイビングボディプレスとかつての必殺技を繰り出していくと、青柳は野村がリングから姿を消していた2年の間に身につけた野村の知らない技(※エンドゲーム)でレフェリーストップ勝ちを収めた。
試合後、マイクを取った野村は「全日本プロレス、僕は約8年間在籍していましたけど、この8年間は一生忘れません。僕の宝物です。そしてスタッフの皆さん、そして選手の皆さん、そして応援してくれているファンの皆さん、本当に8年間ありがとうございました!この8年という長い時間、僕は全日本プロレスに在籍していたことを一生胸張って人生を歩んでいきます。本当に今日はありがとうございました!」と語り、ファンに深々と頭を下げる。
そして、バックステージでは「僕が長い間欠場していましたけど、やっぱファンの皆さんの声っていうのは、自分の目とか耳に入ってきて、本当に、本当にもどかしかったです。ただ、今日最後に試合できたってこと、これがファンの皆さんにちょっとでも恩返しという形に出来たのかなと、そういう風に思ってます」と穏やかな表情で語り、会場をあとにした。