【コラム】ストロングスタイルプロレス12・9新宿大会は“初代タイガーマスクデビュー40周年イヤー”の掉尾を飾る年内最終決戦!スーパー・タイガーと間下隼人がレジェンド王座を懸け兄弟弟子対決決着戦!タイガー・クイーン、女子プロ屈指のパワーファイターとの対戦でシングル連勝ストップのピンチ

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 初代タイガーマスク佐山サトル率いるストロングスタイルプロレスが、12月9日(木)東京・新宿FACEにて年内最終戦「初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスvol.14」を開催する。今年は、初代タイガーマスクが蔵前国技館にてダイナマイト・キッドを相手に衝撃のデビュー戦をおこなってからちょうど40年。この節目の年に、ストロングスタイルプロレスは様々な新機軸を生み出してきた。その最たるものが、女性版タイガーマスクの誕生だ。佐山と女子プロ界のリビングレジェンドであるジャガー横田が共同作業で送り出したタイガー・クイーンは、「初代のクローン」と言われるにふさわしい華麗かつダイナミックなタイガー殺法でファンを魅了。オールドファンも納得させる闘いぶりで、一躍ストロングスタイルプロレスのエース格に上り詰めた。その一方で、スーパー・タイガー、間下隼人という佐山の遺伝子を継ぐ生え抜きの抗争も勃発。今年は1月の大会がコロナ禍で延期になるも、振替の3・3を皮切りに、“プレ”を含む「初代タイガーマスク40周年記念興行」を4度にわたり聖地・後楽園で開催(3・3=プレ、4・22第1弾、7・29第2弾、10・21第3弾)。タイガー・クイーン衝撃の初登場から急きょ新木場大会(9・5)を組み込み、「タイガーサポーターズマッチ」と称する人材発掘と育成をテーマにしたシリーズもスタートさせ(6・19&11・13フォレスト幸洋)、次々と成果を見せている。そして迎える12・9新宿FACEは、有観客では初めての開催となり、マッチメークからしても今年の集大成となるだろう。全対戦カードは以下で、前回に続き本戦2大会連続で女子の試合が半数の3試合組まれている。これもまた、今年を象徴するラインナップと言っていいだろう。

『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスvol.14』
日程:2021年12月9日(木)
開始:18:30
会場:東京都・新宿FACE

▼タッグマッチ 20分1本勝負
ロッキー川村2(パンクラスイズム横浜)/櫻井匠(A-TEAM)
vs
佐野直(フリー)/阿部史典(BASARA)

 10・21後楽園でチームを組んだ佐野直と阿部史典が今回もタッグを結成し、前回の雪辱に挑む。というのも相手側にロッキー川村2の存在があるからだ。前回は宮本裕向と組んだロッキーのアッパーカットによって佐野が轟沈。今大会ではロッキーがA-TEAMの櫻井匠とのコンビで出陣する。櫻井は、11・13サポーターズマッチでストロングスタイルプロレス初参戦。間下隼人のパートナーとしてスーパー・タイガー&阿部史典組と対戦し、サポーターズマッチながらいきなりストロングスタイルプロレスの本流に放り込まれる形となった。とはいえ、この試合での内容が認められ、本戦のオープニングマッチに抜擢されたのである。これは第1回サポーターズマッチでの初参戦から本戦に出場したTORUと同様のケース。サポーターズマッチの成果がここに表れていると言ってよく、櫻井は抜擢に応えるためにも爪痕を残しておきたい闘いだろう。

▼タッグマッチ 20分1本勝負
ジャガー横田(ディアナ)/梅咲遙(ディアナ)
vs
松井珠紗(Color's)/三浦亜美(Beginning)

 第2試合はジャガー横田マッチメークによる女子タッグマッチ。ジャガー&梅咲遥組vs松井珠紗&三浦亜美組は、ディアナvsアクトレスガールズの対抗戦という見方もできるだろう。ジャガーは今回のパートナーに“ポストSareee”の呼び声高い梅咲を抜擢、若手の成長を真横でチェックするつもりでいる。WWWD世界タッグ王者でもある梅咲は、ストロングスタイルプロレスとディアナの協力体制確立により4大会連続の参戦。女子のストロングスタイル後継者としても期待がかかる。対するアクトレスガールズ勢は、ジャガーがプロレスに対する姿勢を認めたことにより、ディアナからストロングスタイルプロレスへの参戦に発展した。アクトレスガールズは「女優のプロレス」をコンセプトとするが、「女優のプロレスだからとバカにされたくない」との思いで選手たちは懸命にプロレスに取り組んでいる。その姿勢がジャガーの目にも留まったのだ。アクトレスガールズは年内でプロレス団体としての活動を停止、解散することが明らかになっており、今後、松井&三浦がどの道に進むかも注目される。原点に還ろうとするアクトレスガールズの公演か、それともプロレス継続か。この試合によって、彼女たちの将来が左右さるかもしれない。

▼シングルマッチ 20分1本勝負
佐藤綾子(ディアナ)
vs
松本浩代(フリー)

 女子マッチメーカーのジャガー横田ならずとも注目したいのが、“破壊する女”松本浩代と佐藤綾子のシングルマッチである。フリーのトップランナーと言える松本は、ストロングスタイルプロレス待望の初参戦。2006年のデビュー以来、さまざまなリングでメイン級の活躍を見せている。対する佐藤は実績十分で、ディアナの門番的存在でもある。タイガー・クイーンのデビュー第2戦に立候補し、敗れはしたもののキッチリと内容を残してみせた。「レディゴジラ」の異名をとる松本のパワーに佐藤のテクニックと経験がどう対応するかが見どころとなるだろう。松本はクイーンと対戦してほしい選手のひとり。今回の初参戦をきっかけに、クイーンとの間になにかが始まることを期待したい。

▼タッグマッチ 30分1本勝負
将軍岡本(フリー)/TORU(TTT)
vs
関本大介(大日本)/大和ヒロシ(フリー)

 スーパーヘビー級の河野真幸を破り2度目の防衛に成功、ケンドー・カシンとの対戦を熱望していたUWAアジアパシフィックヘビー級王者・将軍岡本だが、今回はタッグマッチが組まれた。岡本はTORUとのコンビで関本大介&大和ヒロシ組との対戦となる。関本は初代タイガーマスク欠場のストロングスタイルプロレスにおいて船木誠勝とともにレジェンド王座の価値を上げてきた立役者のひとり。誰が見てもわかるプロレスラーらしい体格と、そこから繰り出される圧倒的パワーが見る者の度肝を抜いてきた。今回は岡本と関本のパワーとパワーのぶつかり合いが最大の注目であり、これが見たいとの声も多かったためにマッチメークされたとのことだ。実績では関本に分があると思われるが、岡本も王者だけに引けを取るわけにはいかない。両者のぶつかり合いから何が生まれるか、見逃せない闘いとなるだろう。また、両者のパートナーも忘れてはならない。岡本と組むTORUは、第1回サポーターズマッチで見いだされ、7・29後楽園以来の本戦進出。岡本vs関本のなかでインパクトと残し、来年につなげたい。関本と組むフリーの大和は、ストロングスタイルプロレス初参戦。全日本出身でWRESTLE-1に在籍、武藤チルドレンのひとりとして活躍してきた。彼のスタイルからしてもストロングスタイルプロレスは絶好の戦場になるだろう。こちらも来年に向けて何らかの布石を残しておきたいところだ。

▼シングルマッチ 60分1本勝負
タイガー・クイーン(一般社団法人初代タイガーマスク後援会)
vs
ライディーン鋼(PURE-J)

 今年のマット界でも大きな話題となった女性版タイガーマスクの誕生。佐山サトルとジャガー横田の二人三脚によってプロレスのリングに舞い降りたタイガー・クイーンは、デビュー戦1試合でファン、関係者を魅了。7・29後楽園での初戦をいきなりメインイベントとした新間寿会長の慧眼ぶりも健在で、「過激な仕掛人」の面目躍如といったところだった。もちろん、周囲の期待にそれ以上の才能で応えたクイーンの実力者ぶりがあってこそ。今回もクイーンの試合は「メインイベント」として組まれ、相手にはPUREーJの前・無差別級王者ライディーン鋼が選ばれた。これは11・13サポーターズマッチでタッグ対戦した鋼のアピールにより実現。このときはジャガー&クイーン組vs鋼&AKARI組のタッグマッチで、初めてタッグを組んだ師弟コンビがPUREーJ軍に勝利。最後はクイーンがジャーマンでAKARI(クイーン初の対外国人!)を破ると、おさまらない鋼がシングルマッチを申し入れたのである。これにより、クイーンvs鋼の一騎打ちが正式決定。これまでの試合でクイーンは山下りな、佐藤綾子、彩羽匠ら、すべて異なる相手と対戦してきたが、2度目の顔合わせは鋼が初めてとなる。ライバルとなるには複数回闘うことが最低条件。この試合で鋼がライバル第1号に名乗りを挙げるのか、注目したい。やはりこの試合のポイントとなると鋼のパワーにクイーンがどう対抗するかという点に絞られるだろう。対パワーでは、伊藤薫戦で繰り出したジャーマンで実証済み。ジャガーは鋼を飛べる選手でもあることを評価しており、実際、巨体から繰り出すムーンサルトプレスも武器としている。それだけにクイーンには彩羽戦に続く大ピンチと言っても過言ではないだろう。デビュー元年をシングル無敗で乗り切るか、それとも、絶好のアピールの場として乗り込む鋼がクイーンに土をつけ歴史に名を刻むのか。

▼レジェンド選手権試合 60分1本勝負
【王者】スーパー・タイガー
vs
【挑戦者】間下隼人
※第15代王者は2回目の防衛戦

 ストロングスタイルプロレスの2021年を締めくくるのは、スーパー・タイガーvs間下隼人のレジェンド選手権試合である。両者とも佐山サトルの弟子で、ストロングスタイルプロレスの生え抜き。兄弟弟子による最高峰王座対決が、ついに実現することとなったのだ。昨年12・17後楽園で藤田和之を破りレジェンド王座を奪回、第15代王者となったスーパー。4度目の戴冠は船木誠勝を超える新記録でもある。4・22後楽園では河野真幸を退け初防衛に成功。以来防衛戦は組まれなかったが、待望の兄弟弟子対決にベルトがかかる最高のシチュエーションとなった。事の発端は両者のタッグ対戦だった。まずは7・29後楽園でのスーパー&阿部史典組vs河野&間下組で、スーパーがフォール勝ち。9・5新木場でのスーパー&河野組vs間下&竹田誠志組でも間下がスーパーから直接ピンフォールを奪われた。この屈辱に一念発起した間下は、ディアナ9・30横浜でスーパーと組んだロッキー川村2をフィッシャーマンズスープレックスで破り一矢報いた。10・21後楽園ではホームリングのメインで間下がスーパーをフィッシャーマンからピンフォール、兄弟子からの初勝利をゲットした。試合後にはマイクを取り「次の挑戦者はこのオレだ!」と挑戦をアピール。受諾したスーパーは、11・13サポーターズマッチにおいてタッグの前哨戦。パートナーの櫻井匠を下し、間下の前で新技・牙斬を見せつけた。そして迎える12・9新宿。師匠・初代タイガーも来場し登壇するこの大会で、スーパーがエースの座を守るのか、それとも遅すぎた初挑戦の間下が一気に時計の針を進めるのか。来年を占う大一番である。             
(新井 宏)

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