【試合詳細】10・21 新日本プロレス日本武道館大会 【G1 CLIMAX決勝】オカダ・カズチカvs飯伏幸太 鷹木信悟&SANADA&高橋ヒロム&BUSHIvs天山広吉&小島聡&田口隆祐&マスター・ワト 柴田勝頼vsザック・セイバーJr.
『G1 CLIMAX 31』
日程:2021年10月21日(木)
開始:18:00
会場:東京都・日本武道館
観衆:3,861人
▼タッグマッチ 20分1本勝負
大岩陵平/●藤田晃生
8分40秒 逆エビ固め
[鈴木軍]エル・デスペラード/○金丸義信
▼タッグマッチ 30分1本勝負
○矢野通/永田裕志
8分29秒 NU2
[UNITED EMPIRE]ジェフ・コブ/●グレート-O-カーン
▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
[CHAOS]後藤洋央紀/石井智宏/●YOSHI-HASHI
11分20秒 EVIL→体固め
[BULLET CLUB/HOUSE OF TORTURE]○“キング・オブ・ダークネス”EVIL/高橋裕二郎/SHO
▼8人タッグマッチ 30分1本勝負
棚橋弘至/真壁刀義/●本間朋晃/タイガーマスク
10分41秒 パッケージドライバー→体固め
[BULLET CLUB]KENTA/タマ・トンガ/タンガ・ロア/○チェーズ・オーエンズ
▼スペシャルエキシビションマッチ~グラップリングルール~ 5分1本勝負
△柴田勝頼
5分0秒 時間切れ引き分け
[鈴木軍]△ザック・セイバーJr.
▼8人タッグマッチ 30分1本勝負
●天山広吉/小島聡/田口隆祐/マスター・ワト
12分17秒 パンピングボンバー→片エビ固め
[L.I.J]○鷹木信悟/SANADA/高橋ヒロム/BUSHI
▼「G1 CLIMAX 31」優勝決定戦 時間無制限1本勝負
【Aブロック1位】●飯伏幸太
25分37秒 レフリーストップ
【Bブロック1位/CHAOS】○オカダ・カズチカ
※オカダが『G1 CLIMAX 31』優勝
オカダが7年ぶり3度目のG1 CLIMAX優勝!飯伏の負傷による不完全燃焼で「俺にIWGPヘビーのベルトを預けてください」と要求!柴田が約4年半ぶりにエキシでリング復帰!
第0試合
大岩とデスペラードでゴングが鳴ると、素早いバックの取り合いからグラウンドの攻防となり、大岩がリストロックに捕らえながら藤田にタッチ。
藤田は腕十字を狙って行くが、デスペラードがロープに逃れようとすると藤田が低空タックルからマウントエルボー連打からアームロック、腕十字を狙う。デスペラードはキーロックで耐えてフェイスロックに切り返していくが藤田が自軍コーナーに押し込んで大岩にタッチ。
大岩はエルボー連打からスパインバスターのように足を刈って行くが、デスペラードはニークラッシャーで切り返して金丸にタッチ。
金丸はヒザへの低空ドロップキックから足へのストンピング、レッグロックと足への集中攻撃。顔面ひっかきからロープに飛ぶが、大岩がドロップキックでカウンターして藤田にタッチ。
藤田もドロップキックで続き逆エビ固めを狙うがデスペラードがカット。大岩がデスペラードをショルダースルーで排除してヤングライオンのダブルドロップキック。藤田が逆エビ固めもロープブレイク。金丸がドロップキックからバックドロップ。藤田は首固めで粘るが金丸がブレーンバスターから逆エビ固めでギブアップを奪った。
<試合後コメント>
エル・デスペラード&金丸義信
デスペラード「ドロップキックが土手っ腹に入ってたよ」
金丸「オイ、もっと練習しろ、こらヤングライオン!」
デスペラード「フハハハハ! あんなとこ入ったらさすがに耐えらんないっすね」
金丸「酒飲めなくなっちまうよ。オイ、どうすんだよ」
デスペラード「フハハハハ! ノブさんが酒飲めないって、息できないのと一緒だから。そんなことすんじゃねえよ。さて、(手に持っているIWGPジュニアタッグのベルトをパンパン叩いて)『G1』が長いんですっかり忘れてました、お客さんが。私は憶えてますよ。忘れてただろ? 俺が誰になんて言ったか? ロビー! あっ、その時、ノブさんいなかったんだ」
金丸「俺いなかったよ」
デスペラード「すいません、俺、勝手に行っちゃって。ロビーとシングル。(もう一度IWGPジュニアタッグのベルトを叩いて)これやるから。あいつは『いいよ』っつったから。それプラスだ、この間負けたばっかりで俺が『どの面下げて挑戦者?』ってのもよく分かる。それでもあいつは『いいよ』って言うんだろうけどさ。でも、気が済まん。俺とノブさんが持っているこのベルト、どの位置にあると思う? 価値としてだ。ベルトの価値として。ただベルトがあれば価値があるってもんじゃねえ。誰が誰とやってどういう歴史を紡いできたか? それがこのベルトの価値なんだ。その点、俺たちはやってるところはどこだよ。いつまで経っても靴におもちゃを隠し持ってて、俺の右手ぶっ壊しかけたファンタズモとかよ、背中引っ掻くだけの石森とか、お前らが持ってちゃ価値が下がる。ということで、俺たちが取り戻したこのベルト! 挑戦者はなんとロビーとタイガーです」
金丸「おおっ! 来たね」
デスペラード「来たよ。(金丸のほうを指して)大好きだから、タイガーマスク」
金丸「ロビー、いいね、オイ」
デスペラード「タ、タ、タイガーマスクは?」
金丸「タイガー? そりゃあもう任せたよ」
デスペラード「フハハハハ! ロビー! 待っとけ!」
金丸「オイ、ロビー、待っとけよ、この野郎」
デスペラード「(帰り際に)タイガーは?」
金丸「ええっ?」
大岩陵平&藤田晃生
大岩「ああ、クソッ! ああークソーッ! デスペラードさんと…デスペラードと金丸とタッグで2回目なんですけど、前回よりもいい試合ができなかったです。もっと追い込みたかったです。悔しいです。ありがとうございました。クソッ!」
藤田「こんだけ上の人たちとやらせていただいて、何も残せないままじゃダメなんで、入門して半年とかそんなの関係ないです。プロの世界で戦わせてもらって、こうやってチャンピオンクラスの方たちと何回もシングルもタッグもやらせていただいて、このままじゃ終われないです。もっともっと成長して、いつか必ずやり返します! ありがとうございました」
第1試合
矢野とオーカーンでゴングが鳴ると、逃げ回る矢野にオーカーンが突っ込んでいくが、矢野が素早くコーナーマットを外した金具むき出しのコーナーに自爆。オーカーンは王統流二段蹴りから矢野を場外に放り出してコーナーマットで殴りつけ場外で大暴れ。
コブに代わると、矢野にエルボー、一本足頭突きを見舞ってからコーナーに何度もスパインバスターで叩きつけていくが、矢野が髪を引っ張って引き倒し永田にタッチ。
永田はコブにミドルキック連打からビッグブート、延髄斬り、串刺しジャンピングニーを見舞うがコブがドロップキックを見舞ってオーカーンにタッチ。
オーカーンはコブとともにトレイン攻撃を狙うが、永田がこれをかわしてオーカーンにエクスプロイダー。矢野にタッチ。
オーカーンは金具むき出しのコーナーに矢野を叩きつけていくが、矢野はオーカーンの突撃をかわしてフロントスープレックス。さらに追撃を狙うがオーカーンが飛行機投げでいなし、コブとともにトレイン攻撃。コブ、オーカーンがそれぞれ俵投げを見舞い、オーカーンが矢野に靴を舐めさせようとするが、矢野が下からローブローを見舞い、スクールボーイで丸め込んで3カウント。
<試合後コメント>
矢野通
「(※笑いをこらえきれない様子で、顔を手で覆って)ハハハハハ! ハーッハハハハ! ダーッセー!」
永田裕志
「久しぶりのリングはいいねえ。だけど、やるならもっとガッチリやりたかったな。以上です!(※敬礼ポーズをして立ち去る)」
グレート-O-カーン
「(※一度壁のほうを向き、両手で一回ずつ尻を叩くと向き直って)てぇええーい! 矢野! そんなに余の靴を舐めたくないか。じゃったら、いい提案があるよ。完全決着! 貴様を蹂躙して、3カウント、ギブアップを取った後に、靴を舐めさせてやる。確か、そういうことができる何か、貴様持ってたよな? あ~、楽しみだなぁ~」
ジェフ・コブ
「どうやらヤノの野郎はドミネーターを完全に怒らせてしまったようだ。俺の方は(昨日の結果について)別に何も言えることがない。何も言葉が出てこない。本来なら今日メインイベントで闘ってるのは俺だった。そして俺がトーキョードームへのチケット(ブリーフケース)を手にしベルトに挑戦してたはずだ。もうIWGP世界ヘビー級のベルトを獲得するチャンスは消えてしまったが、宝は他にもあるだろ?こうなったら俺たちUNITED EMPIREが『WORLD TAG LEAGUE』を制覇し、IWGPヘビー級タッグ王座を獲るしかないな。
でも今日のメインでどっちが優勝するのか、俺もまだ楽しみにしてる。この目でしっかり見るぞ。オカダかイブシのどっちかがWRESTLE KINGDOMのメインでシンゴの持つベルトに挑戦する。もちろんそのタイトルマッチもしっかり見させてもらうぞ」
第2試合
SHOはCHAOSのタオルをひらひらと見せつけてからマットに落として踏みつける挑発。これに激怒したCHAOSの面々が襲いかかり、場外戦となる中でゴング。
後藤がSHOの顔面を踏みつけて制裁していくが、HOUSE OF TORTUREの面々はコーナーやロープを使ったラフファイトで軽妙にタッチを回して後藤を痛めつける。SHOは嗜虐的な笑みを浮かべて後藤がテーピングで固めた肩を踏みつけ、ロープに飛ぶも後藤が追走してラリアット。石井にタッチ。
石井はSHOのエルボー連打を仁王立ちで受け止めてエルボー一発で吹き飛ばす。さらに加勢に来たEVIL&裕二郎の攻撃を誤爆させてラリアットでまとめて排除し、SHOの喉元への逆水平チョップ連打。ロープに飛ぶもSHOがキチンシンクでカウンターし、お返しとばかりに石井の喉元を踏みつける。エルボー合戦となるもSHOがいつの間にかコーナーマットが外されていた金具むき出しのコーナーに石井を叩きつけ、EVILの足払いからSHOの低空ドロップキックが決まる悪の連携。EVILにタッチ。
EVILはSHO&裕二郎とともにトレイン攻撃からダークネスフォールズを狙うが、石井がバックドロップで切り返してYOSHI-HASHIにタッチ。
YOSHI-HASHIは逆水平チョップ、トラースキック、ラリアットと正面からEVILを打倒しカルマを狙うが、EVILがレフェリーを掴んで視界を塞ぎセコンドのディック東郷がスポイラーズチョーカーでYOSHI-HASHIの首を締め上げる。すぐさま後藤がカットに入り、YOSHI-HASHIとともにEVILへGYW。しかし東郷がレフェリーをしっかりひきつけていたためカウントは入らず。その隙に裕二郎がステッキでCHAOSの面々を殴り倒していき、SHOが石井、YOSHI-HASHIの頭にイス攻撃。EVILはぐったりと倒れ込むYOSHI-HASHIを無理やり引き起こしてEVILで叩きつけて3カウント。
HOUSE OF TORTUREの面々は試合後もCHAOSを痛めつけ、SHOが石井にクロスアーム式パイルドライバー。そして倒れ伏すCHAOSの面々を踏みつけながらNEVER6人タッグ王座のベルトを掲げ、王座奪取をアピールした。
<試合後コメント>
HOUSE OF TORTURE
EVIL「(持参したイスにどっかりと座って)よし、カモン!(とSHO、裕二郎、東郷を呼び寄せる)。オイ、いいか、オレらがHOUSE OF TORTUREだ。オイ、YOSHI-HASHI、石井、後藤、おまえらがそのベルトを防衛するのは永遠だって? ハンッ、寝言は寝て言えよ。オイ、おめえらがそのベルトを持って権力を持とうがよ、このオレには通用しねえんだ。なんでか分かるか? このオレが法律だからだ。いいか、そのベルトをさっさとオレらに寄越さんかい、オラ! (後ろでニヤニヤしながら頷いているSHO、裕二郎、東郷の方を向いて)OK?」
裕二郎「OK!」
EVIL「よし、行くぞ」
第3試合
真壁とロアの対面でゴングが鳴り、タックル合戦を制した真壁が本間にタッチ。
ロアも本間を押し込んでタマに代わり、兄弟で本間を袋叩きに。さらにブレーンバスターを狙うが本間がブレーンバスターで返してタイガーにタッチ。
タイガーはダイビングクロスボディからミドルキック連打。さらにロープに飛ぶがタマがダブルチョップでカウンターし、ロアにタッチ。
ロアはトップロープ越しのローリングセントーンからチェーズにタッチ。
チェーズはバックブリーカーから連続体がため。KENTAにタッチ。
KENTAは自軍コーナーにタイガーを叩きつけて全員で袋叩きにし、ロープに振ってバックエルボー。額へのナックル連打からハイキックを発射も、タイガーもハイキックで合わせて相打ち。倒れず耐えたタイガーがタイガードライバーで突き刺し、棚橋にタッチ。
棚橋はKENTAにフライングフォアアームからドラゴンスクリュー、サンセットフリップ。さらにスリングブレイドを狙うがKENTAがかわしてスクールボーイ。KENTAが棚橋の視界外でチェーズにタッチ。
チェーズは背後から棚橋にエルボーを見舞い、怯んだところへKENTAがビッグブート。チェーズはエアギターを奏でてからラリアット。さらにジュエルヘイストを狙うが棚橋がツイスト・アンド・シャウトで切り返し本間にタッチ。
本間は逆水平チョップ連打から小こけし。タマ&ロアが加勢に入るが真壁がダブルラリアットで排除。本間はこけしロケットからこけし落としを狙うが、チェーズが振り払ってジャンピングニーからパッケージドライバーで突き刺して3カウント。
チェーズは棚橋にUSヘビー級王座挑戦をアピールも、KENTAがそのベルトで棚橋の背後から殴りつける。KENTAとチェーズはUSヘビー級のベルトを引っ張り合って一触即発の空気になるも、すぐに互いに譲り合った末にToo Sweetを交わして和解。KENTAが棚橋を見下ろしながらベルトを掲げて挑発した。
<試合後コメント>
チェーズ・オーエンズ
「最終日に勝ってこのツアーを締めくくれてよかった。KENTAがベルトに挑戦したいようだな?(『G1』で)挑戦権利を獲得したのは俺だけど、KENTA、オミヤゲだ。先にお前が挑戦していいよ。俺は一度アメリカに帰国する。もう4ヶ月家族に会えてないからな。でも俺が次戻って来た時には、タナハシかKENTA、その時ベルトを持ってる方に挑戦する。TOO SWEETだ」
KENTA
「(USヘビーのベルトを肩にかけカメラに見せながら)いいか、聞け…。座れ…。一つ言わせろ。もう何回も言ってきたけど、タナハシよりこのIWGP USヘビー級のベルトにふさわしいのは俺だから。そもそもタナハシはこのベルトを獲ってから何かしたか?何もしてないよな!入場の時にだけ巻いて「俺がチャンピオンだよ」ってファンに見せびからしてるだけじゃん。あいつにとってこのベルトはエゴを満たすためのアクセサリーだろ。俺の方がよっぽどこのベルトにふさわしいよ。ファンを楽しませるのもプロレスラーの仕事の一つなのに、あいつは新日本はおろか他団体からも挑戦者の一人も指名してない。マジで何もしてない。最悪だよ。このベルトに一番ふさわしいのは他でもない、この俺だ。時は来た、俺がIWGP USヘビー級王者になる時が」
真壁刀義
「オイ、俺からもコメントさせろよ。ひとこと言っといてやる、オイ、BULLET CLUBってあんなモンか? な? オイ、俺から言わせればあんなモンだ。次の次のシリーズ、何が待ってる? タッグリーグだろ? オイ! オイ! タマ・トンガ! テメェら、こないだまでチャンピオンシップ競ってただろ? あんなモンか? オイ、面白くなってきたよ。俺なんかなぁ、言っとくけど、シリーズどんだけ休んでると思ってんだ。今日1日で復活だ。これでもう、完璧に戻ったようなモンだ。いいかテメェら、覚悟しとけ。次のシリーズ、まずはシフトアップ、シフトチェンジしてどんどん上がってってやる。その次のシリーズがタッグリーグ? オイ、楽しみにテメェら待ってろよ。オイ、面白れぇモン、見せてやるよ」
タイガーマスク
「来年、新日本プロレスは50周年。そして、俺も昨日、自分の記念すべき日を迎えたということで、ここで、改めて、デスペラード、金丸、IWGPジュニアタッグのチャンピオンに挑戦したい! メットライフドームで、ロビーがデスペラードと、言ってたよな。ロビーは俺の名前を出してくれた。やろうじゃないか! そもそも俺とロビーは、ジュニアタッグリーグでデスペラード&金丸組に勝ってる。今までさんざんアピールしても実現しなかったこのタイトルマッチ、ぜひとも来年、新日本プロレスの50周年に向けて、もう一度タイガーマスク、ベルトを巻きたいと思ってます。それにはロビーの力もすごく必要だし、2人が一緒になって戦えば、絶対ベルトは獲れると確信してる。必ずこれを実現してほしい。2人でタッグのベルトを獲り、ロビーは2冠王になる。必ずこれを実現させたいと思います」
エキシビジョンマッチ
後半戦開始前、ザックがジャージ姿でリングイン。続けて柴田の入場曲が鳴り響くと場内からは驚愕と歓喜の大歓声。両者によって5分間のグラップリングルールによるエキシビジョンマッチを実施することが発表された。
柴田は2017年4月9日の両国国技館大会で当時オカダ・カズチカが保持していたIWGPヘビー級王座に挑戦するも敗北。この試合の直後に倒れた柴田は病院へと緊急搬送され急性硬膜下血腫と診断し長期欠場へ。その後は新日本プロレスのロサンゼルス道場でヘッドコーチを務めるなど裏方として新日本を支えていたものの選手としての活動は無かったため、このエキシビジョンは大きなサプライズとなった。
がっぷりと組み合って首の取り合いからグラウンドでの素早いバックの取り合いを見せ、ザックがフロントネックロックに捕らえるも柴田が足を刈ってテイクダウンを奪いマウントを取る。ザックがブリッジで跳ね上げて一旦距離を取る。
柴田がザックの足を刈って足4の字固めを狙うがザックがトゥーホールドで切り返し、クルックヘッドシザースへ。柴田は美しい倒立で抜け出してお返しのトゥーホールド。ザックが残る足でクラッチを切ってクリーンブレイク。
手4つから互いにクロスアームスリーパーのポジションを取り合い、これを制したザックがヘッドロックでじっくり絞り上げるが、柴田がスリーパーホールドで切り返してコブラツイストを狙う。ザックもバックを取ってコブラツイストで返そうとするが、柴田もこれを切り返して卍固め。これがしっかり決まった瞬間にフルタイムドローのゴングが鳴った。
柴田は微笑みながら人差し指を突き立て、もう片方の手で握手を求める。ザックは真剣な表情でその手を握り返し、無言でリングを後にした。
マイクを取った柴田が「ザック、ありがとう。次、リングに立つときはコスチュームで!以上ッ!」と叫び、リング中央で後ろ受け身を取ると観衆は大喝采で祝福した。
<試合後コメント>
ザック・セイバーJr.
「(日本語で)オソイヨ! オマエ! オレはカツヨリとの試合を6カ月も前から要求してた!(日本語で)サンガツカラ! まあ実現しただけまだいいけど! カツヨリがこの先どうするのかオレにはさっぱり分からないけど、エキシビションマッチでもグラップリングマッチでも、ヨーロピアンスタイルマッチでも、ティドリー・ウィンクス(イギリスの伝統的なボードゲーム)でも、麻雀でも、モノポリーでも、競争でも、詩のコンテストでも何でもいいが、おまえがやりたいなら、また相手になってやるぞ。オレはこのリングでおまえを待ってるからな、ダーリン。あいつがどう思ってるかは知らないが、オレたちの間には切っても切れない縁がある。オレは2016年のロンドンの試合でカツヨリに敗れブリティッシュヘビー級王座から陥落した。そのことがキッカケとなってオレは鈴木軍の加入を決めた。確かにシバタ相手にベルトを失ったが、オレはそれからたくさんのものを得た。だからアリガトウ、ダーリン。シバタ、待ってるよ、ダーリン」
第4試合
田口とヒロムでゴングが鳴ると、田口はボクシングスタイル+ケツ攻撃の構えを取り、ヒロムがモンゴリアンチョップで威嚇すると真似した田口が肩を痛めてうずくまる。さらに追いかけっこのような十字ロープワークから互いにモンゴリアンチョップで威嚇し合うというコミカルな立ち上がり。
呆れた表情の天山がタッチを受けてお手本の真モンゴリアンチョップからテンコジ連携を見せワトにタッチ。
ワトもモンゴリアンチョップからカンフーコンビネーション。ロープに飛ぶがBUSHIが飛び込んできて低空ドロップキックを見舞い、ヒロムも低空ドロップキックで続いてから鷹木にタッチ。
鷹木はワトをショルダータックルでなぎ倒し、ブレーンバスターからBUSHIにタッチ。
BUSHIはTシャツを脱いでワトの首を絞め、SANADAにタッチ。
SANADAもTシャツでワトの首を絞め、ブレーンバスターを狙うがワトが背面着地して旋風脚。小島にタッチ。
小島はSANADA、ヒロム、BUSHIを重ねてマシンガンチョップ。SANADAにいっちゃうぞエルボーを狙うがSANADAがデッドリードライブで投げ落としその場飛びムーンサルトを発射も、これをかわした小島がDDT。さらにラリアットを狙うがSANADAが低空ドロップキックでカウンターしBUSHIにタッチ。
BUSHIはミサイルキックからフィッシャーマンズ・スクリューを狙うが、小島がコジコジカッターで切り返して天山にタッチ。
天山は正規軍の面々とともにトレイン攻撃からマウンテンボム、アナコンダバイスを畳み掛けるがL.I.Jの面々がカット。天山がヘッドバッド連打からロープに飛ぶがBUSHIがドロップキックでカウンターし鷹木にタッチ。
鷹木はL.I.Jの面々とトレイン攻撃からデスバレーボム。さらにパンピングボンバーを狙うが、ワトがダイビングエルボースマッシュでカット。全員が入り乱れる展開となる中で天山が真モンゴリアンチョップを連打していくが、鷹木も鷹木式モンゴリアンチョップで反撃。天山はヘッドバッドで迎撃してコーナーに上るが、鷹木が雪崩式ブレーンバスターで切り返し、スライディングラリアットからパンピングボンバーで吹き飛ばしてカウント3を奪った。
<試合後コメント>
BUSHI
「『G1 CLIMAX』最終日、内藤のいない4人でリングに揃ったけど、5人が揃うのはいつなのか分からないけど、今日は4人だったよ。内藤の怪我がどのぐらいかかるか分からないけど、なかなか5人揃わないオレたち。これも一つの運命なのかもしれないけど、いつの日かリングで5人揃う日を楽しみにしているよ」
高橋ヒロム
「あんな感動した試合の後に相手が悪かったな。オレも気合いを入れてぶちかましてやろうと思った。『SUPER Jr』の前に。そのシリーズの前にぶちかましてやろうとするには相手が悪かったな。ノッちまった。オレの悪い癖だ。でも、いろんなプロレスがあって面白いし、いろんなプロレスがあって感動するよな。なんかそれを改めて感じることができた。いやあ、楽しかった。いやあ、あの日、あの2連戦以降、楽しくて仕方がない。いい感じだ。いい感じで燃えてる。いやあ、オレらしい! ヒロムちゃんらしい! (悶えるような感じで)何も考えずただただ楽しめばいい。それだけなんだ。なんてオレらしいんだろう。素晴らしい! 素晴らしいな、オレ! いや、いいぞ! いいぞ、いいぞ! オレに向いている! 全てがオレに向いている! 次のシリーズ、『SUPER Jr』前のシリーズ、ちょっとコスチュームを短パンに変更してみようかな? 短パンに変更しようと思うんだ。いいか悪いかみんな見てくれよ。もし短パンが似合ってなかったら、『ヒロムちゃんは短パン似合ってませ~ん』って、動画付きでツイートしてくれ。じゃないとオレに伝わらない。うん、そうだ。いろいろと試してみよう」
第5試合
ゴングが鳴ると、じっくりとしたグラウンドでの首の取り合いを見せるが、突如飯伏がギアを上げて高速ロープワークでオカダを翻弄。オカダも腕をキャッチしてレインメーカーを発射も飯伏が回避。両者距離を取りながらニヤリと笑って見つめ合う。
互いに距離を詰め、飯伏がミドルキックで先制してロープに飛ぶがオカダがフラップジャックでカウンター。オカダはショルダーネックブリーカー、側頭部への低空ドロップキック、フェイスロックと首から上に攻撃を集中。ロープに飛ぶが飯伏がドロップキックでカウンターを入れる。
飯伏はエルボー連打からレッグラリアート、ミドルキックで倒してからのその場飛びムーンサルト。オカダが場外にエスケープすると飯伏が追っていって場外ハーフネルソンスープレックス。オカダをリングに戻してスワンダイブ式ミサイルキックを見舞い、串刺し攻撃を狙うがオカダがかわして飯伏をコーナーに上げ、地対空ドロップキックで場外に叩き落とす。オカダは花道でのDDTからリングに放り込みショットガンドロップキック、マネークリップ、ドロップキック、マネークリップ、旋回式ツームストンパイルドライバー、マネークリップと首への一点集中攻撃。
飯伏がロープブレイクすると、オカダはダイビングエルボードロップからレインメーカーを発射も、これをかわした飯伏がラリアット。足を止めてのエルボー合戦から飯伏がフランケンシュタイナーで場外に放り捨て、ケブラーダで追撃。飯伏はオカダをリングに戻してシットダウン式パワーボムからカミゴェを狙うが、オカダが暴れて抜け出そうとすると飯伏がレインメーカー式ハイキック。さらにゼロ距離ジャンピングニーからカミゴェを叩き込む。
飯伏はニーパッドを下ろして2発目のカミゴェを発射。オカダがこれを回避すると飯伏は振り向きざまのローリングラリアットを叩き込み、コーナーに上ってフェニックスプラッシュを発射。
オカダがこれを回避すると、飯伏は鋭角にマットへ突き刺さる形で自爆。飯伏は全く動けなくなり、レッドシューズ海野レフェリーが慌てて飯伏に駆け寄り、続行不可能と判断した海野レフェリーが試合終了のゴングを要求。オカダの7年ぶり3度目のG1 CLIMAX優勝が決まるも、当のオカダは呆然とした表情で飯伏を見つめるばかり。
飯伏がなんとか起き上がると、オカダは飯伏の肩に手を添えて「ありがとう、またやりましょう」と声をかける。飯伏は号泣しながらオカダに深々と座礼した。
オカダ「G1 CLIMAXゥッ!……決勝戦、怪我でレフリーストップという形になってしまいましたけど、僕は胸を張ってG1 CLIMAX31のチャンピオンだと言いたいと思います!日本全国で熱い戦いをしてきたという自負もありますし、勝ちは勝ちです。G1 CLIMAX31、チャンピオンはこの俺だ!本当に、1ヶ月の間に熱い熱い熱い声援、本当にありがとうございました!これから東京ドームに向けて……東京ドーム、関係ないね。新日本プロレスの中心はレインメーカー、オカダ・カズチカでしょう!俺が盛り上げていかないと面白くないでしょう!任せてください。新日本プロレス、また俺が色々と背負いたいと思います。というわけで!と言いたいところですけど……飯伏幸太!不完全燃焼なんです。またやろうぜ、馬鹿野郎!あと、G1チャンピオンとして新日本プロレスに1つお願いさせてください。飯伏幸太とまたやらせてください。その飯伏幸太を待つ証として、4代目IWGPヘビーを俺にください!別に、チャンピオンじゃないですよ?IWGPヘビーの飯伏幸太を待つ証として俺に預けてください。そして新日本プロレス、その中心として俺が!盛り上げていきたいと思います!そんなオカダ・カズチカから目をそらすな!というわけで!新日本プロレスに金の雨が降るぞォ~ッ!」
<試合後コメント>
オカダ・カズチカ&CHAOS&タマ・トンガ
(※後藤、石井、矢野、YOSHI-HASHIが拍手して待ち構える中、オカダがトロフィーと優勝旗を持ってインタビュースペースへ。するとそこにタマ・トンガが現れる)
タマ「(※拍手して)おめでとう、グッジョブ! (※日本語で)オメデトウ、オカダ! オマエが『G1 CLIMAX 31』覇者だ。あと一歩で全勝優勝だったよな? だけど、このタマ・トンガがお前を倒し全勝優勝を阻止した。今年の『G1』でお前に勝ってるのは、唯一俺だけだ。俺がこの団体の救世主になってやる。オーバリさんか、誰が責任者なのか知らないが、さっそくタマ・トンガ仕様のブリーフケースのデザインにかかってくれ。雨期は終わったんだよ。もう一度お前に勝って、タマ・トンガのブリーフケースに変えてやる」
オカダ「(※英語で)もう一回俺に勝つって?」
※タマ・トンガは答えずに立ち去る。
オカダ「(※立ち去るタマ・トンガを見送って、気を入れ直すように)よっしゃ!」
※CHAOSメンバーがZIMAを開ける。
YOSHI-HASHI「オカダ、優勝おめでとう!」
オカダ「あざっす!」
※全員で乾杯し、メンバーはオカダとグータッチして立ち去る。
──オカダ選手、おめでとうございます!
オカダ「ありがとうございます!」
──改めて、7年ぶりの『G1』チャンピオン、今の心境はいかがですか?
オカダ「ま、そうですね! うーん……(※少し沈黙)胸を張って『G1』チャンピオンと本当は言いたいんですけど、ちょっとね、うん……メチャメチャホントは、今まで1ヵ月しっかり戦ってきたし……ま、でもやっぱり、うれしいっすよ。別に、(結果が)レフェリーストップだとしても、僕はね、勝つつもりでいたんで。うん。ああいうかちかたになったっていうだけで、僕が勝つっていうのは、変わりがなかったことだと思いますから。やっぱり、うれしいです。31回目のチャンピオンとして、こうやって名前が残せたわけですから。またここから、東京ドームに向かってやっていきたいと思います」
──リーグ戦を振り返ると、最終戦でジェフ・コブ選手に勝って決勝進出を決めました。あの時から今日まではどのようにやってきたんですか?
オカダ「ま、今日勝つしかないですから、1日しかないですし、何ができるわけでもないですし、しっかりと自分の中でコンディションを整えて、試合に向けてやるってことしかなかったですね」
──飯伏選手との戦い、最後はああいう結果でしたが、そこに至るまでの戦いはどうでしたか?
オカダ「うーん……まぁやっぱり、物足りないっすよ。(※しばらく沈黙)ま、でもここから盛り上げていきたいなと、思いますよ。こうやって世界中で、ガクッと落ちてしまってから……まぁ、僕が言いましたから、『プロレスラーは超人である』と。まぁ、決勝戦がこういう風になってしまいましたけど、僕がね、そんなこと言っときながら、元気よく立ち上がる姿を見せないといけないと思うので、まだまだ、今日だって別に超満員にはなってないですし、しっかりと一歩ずつ、立ち上がってですね、また超満員のプロレス会場に戻っていけるようにやっていってやろうと思います」
──リング上で飯伏選手と、もう1回戦おうと約束していましたが、それはどういう形で? 先ほど、ベルトを預けてほしいという発言もありましたが、その真意は?
オカダ「4代目のベルトが2つあったのを、一つにしたのは飯伏さんですから。それでね、別に「IWGPヘビー級チャンピオンだ」と名乗るつもりもないですし、その証として、僕がそれを持ってて、またそれを飯伏さんを待つという意味で僕が持つということはいいことじゃないかと思いますし、『G1 CLIMAX』のチャンピオンですから。いつもだったら権利証と言ってましたけども、別にそれは持っててもいいんじゃないかなと思いますけどね」
──それはイコール、鷹木選手の持っているベルトに、すぐにでも挑戦したいということになるんですか?
オカダ「……挑戦? 僕がですか?」
──IWGP世界ヘビーのベルトに。
オカダ「向こうでしょ、挑戦するのは。だって俺ですよ、チャンピオンになったの。向こうはなってないですよ」
──IWGP世界ヘビーではなく、IWGPヘビー?
オカダ「だって僕(が獲ったの)はずっとIWGPヘビーじゃないですか。別に、チャンピオンが出てるトーナメントでも、優勝したのが僕ですから。まぁ、やりたければ別に、やりますよと。お願いされれば別に、僕もやりますし。まぁいつもだったら、東京ドームで『G1』チャンピオンが“チャレンジ”という形でしたけど、IWGPヘビーじゃないんで、世界ヘビーなんで、だったら挑戦してきなさいと。どっちが上だと思ってんの?って。どっちがこの新日本プロレスを盛り上げてんの?って。満足させてるの?って。この『G1 CLIMAX』(を盛り上げたのは)どっちですか?って。鷹木選手なの? いや俺でしょ。どんだけ俺がこの『G1 CLIMAX』盛り上げてきたと思ってんの? チャンピオンは誰なの? 俺でしょ! っていうことですね」
──ついさっき、タマ・トンガ選手が挑戦権利証への挑戦を表明しましたが。
オカダ「まぁでも1回、やられてますから。別に借りを返さないといけないと思いますし。まぁ別に、この世に完璧な人間はいないと思いますから。完璧に優勝できなくても、優勝することはできましたし。まぁでも、借りを返して、次にやる時は東京ドームだと思うので、そこに向けて。いや、俺じゃなきゃダメでしょ、と。タマ・トンガが東京ドームで『俺がG1チャンピオンを倒した男です』って言っても盛り上がんないでしょって。まぁホントに、前回の山形でもガンスタンを食らって、パイルドライバーも食らって、アゴもバチン!と食らってイケメンにしてもらいましたし、パイルドライバーで首もキチッと入ったんで。あともう一発ぐらい入ればしっかりとまっすぐになって、身長も高くなってイケメンになったんじゃないかなと思うので、いつでもかかってきなさいという感じですね」
──通常ならこの『G1 CLIMAX』のチャンピオンが東京ドームでIWGP世界ヘビーのチャンピオンに挑戦するという形ですが、オカダ選手はその形を変えていこうという気持ちなんですか?
オカダ「まぁ……どっちがチャンピオンなのかなっていう。それはお客さんが決めてくれればと思いますし。まぁ政治と一緒ですよ。どっちについていくかですよ。『IWGP世界党』なのか、『IWGPヘビー党』なのか。これはもう、ついていきたい方についていってくれればいいんじゃないかなと思いますし、指示される方がすごいでしょって、思います。それで向こうも燃えるでしょっていうね」
──改めて、7年ぶり3度目の『G1 CLIMAX』優勝、おめでとうございました。
オカダ「ありがとうございました!」