武藤敬司がNOAHのGHCヘビー級王座を戴冠し新日本のIWGPヘビー級&全日本の三冠ヘビー級制覇のグランドスラム達成!「三沢光晴が俺の応援してたんだよ」

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12日、東京都・日本武道館にて『ABEMA presents DESTINATION 2021 ~BACK TO BUDOKAN~』が行われ、武藤敬司がGHCヘビー級王座を戴冠。58歳にして三大メジャーヘビー級王座のグランドスラムを達成した。

 潮崎豪は2016年にNOAH再入団を果たしてから絶対的エースとして君臨し、「I am NOAH」の精神を掲げて邁進。昨年1月にGHCヘビー級王座を戴冠してから1年以上同王座の防衛を続けてきた。
 そして昨年12月の横浜武道館大会で杉浦貴を下して王座防衛を果たした潮崎の元へ、NOAHで“M‘s alliance”を組織して存在感を発揮している武藤敬司が現れ「潮崎くん、防衛おめでとう。ちょっと歳取って老いぼれてるけど、そんな俺も夢は見ていいだろ?俺の夢、付き合ってくれ」と挑戦を表明。IWGPヘビー級王座、三冠ヘビー級王座の戴冠歴を持つ武藤はグランドスラムへの夢を胸に挑戦を表明していた。
 両者の前哨戦は熾烈を極め、1月4日の年始めの後楽園ホール大会では潮崎が武藤をムーンサルト・プレスで仕留める挑発的な勝利を挙げ、最後の前哨戦となる同月31日の後楽園ホール大会では武藤が自身がやられることの多い徹底した足攻めから足4の字固めで潮崎からレフェリーストップ勝ちを収めるなど互いに意地をぶつけ合ってきた。


 ゴングが鳴ると互いの聖書(バイブル)を確かめ合うようなグラウンド戦を展開し、潮崎は武藤の首をじっくりと攻め込んでいく。武藤はソバットや浴びせ蹴りなど珍しい蹴り技のコンビネーションを見せ、花道へ逃れた潮崎を追っていくが、潮崎がDDTで武藤を頭から花道に突き刺す。
 乱戦を制した潮崎が武藤をリングに放り込んでからロープをまたいだ瞬間に武藤がロープ越しのシャイニング・ウィザードからドラゴンスクリュー。これで一気に流れを掴んだ武藤がドラゴンスクリュー、アキレス腱固め、足4の字固めと徹底した足攻めを展開。潮崎は逆水平チョップや豪腕ラリアットなど打撃技で逆転を狙うも、武藤はここぞのタイミングで低空ドロップキックを見舞い再び足攻め地獄に引きずり込む。
 潮崎は痛む足をかばいながらも気迫のファイトを見せ、重厚な逆水平チョップやゴーフラッシャーで畳み掛けムーンサルト・プレスを発射。これを回避した武藤はシャイニング・ウィザード3連発から、三沢光晴さんが得意としたエメラルド・フロウジョンを繰り出す。
 そして武藤がコーナーに上っていくとムーンサルト・プレスを期待したファンから大きなどよめきが起きるが、潮崎が地対空ラリアットで阻止し、ムーンサルト・プレスから豪腕ラリアット。カウント2.9で返した武藤へ2発目の豪腕ラリアットを狙うが、その瞬間に武藤が飛びついてフランケンシュタイナーから体固めで押さえ込み、電光石火のカウント3。武藤は58歳にして新日本プロレスのIWGPヘビー級王座・全日本プロレスの三冠ヘビー級王座とあわせた三大メジャーグランドスラムを達成した。

 武藤は潮崎に握手を求めるが、この勝敗に納得がいっていない様子の潮崎はその手を荒々しく振り払う。そこへ清宮海斗が飛び込んできて武藤と対峙するも、武藤はこれを相手にせず無言でリングを去った。

 武藤は自身の夢に付き合ってくれた潮崎への感謝の言葉を述べ「交通事故にあったみたいに全身いてーよ。途中『なんでこんなことしてんだろう』『なんでこんな痛い思いしてんだろう』ってホント悩んだりした。ボクシング並みにタイトルマッチは年に1回か2回でいいかなぁ?」とぼやき、報道陣の笑いを誘う。
 しかし、ムーンサルト・プレスを狙おうとした場面があったことについて聞かれると「行こうと思ったんだけど、体が反応しなかったよ。恐怖心なのかなんなのか。『これしか俺がコイツを破る技無いな』って思ったからさ。でも俺の引き出しの中にもう1個あって、幸い一発勝負で決めることが出来た」とフィニッシュのフランケンシュタイナーは咄嗟の機転で繰り出したものであることを明かした。
 そしてエメラルド・フロウジョンについては「あんなもん、ぶっつけ本番で出しちゃダメだな。1回失敗しちゃったよ。でも抱えただけでお客さんが反応してくれたからもう1回やろうと思って。もしかしたら、三沢光晴が潮崎じゃなくて俺の応援してたんだよ。だって、俺が弱かったら“永遠の恋人”って言われた三沢社長も弱かったってことになっちゃうからな」としみじみと振り返った。

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